ゲスト
(ka0000)
【初夢】蕎麦屋黄玉堂の初夢
マスター:佐倉眸

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/01/07 15:00
- リプレイ完成予定
- 2016/01/16 15:00
オープニング
※このシナリオは夢シナリオです。オープニングは架空のものであり、ゲームの世界観に一切影響を与えません。
●
賑やかな街を抜けて、隣町への街道に静かに佇む蕎麦屋が1軒。
蕎麦処黄玉堂。ひび割れて禿げ掛かった看板にはそう書かれている。
一見すると開いているのか分からない程静かで古めかしいが、染め抜いた暖簾の藍地の色は鮮やかだ。表の腰掛けと、6畳程の座敷。客は馴染みの商人ばかり。彼等に蕎麦と一時の憩いを提供する。この店の中はひどく穏やかな時が流れているという。
店主は老齢と言ってよく、その店主に代わって、前の夏に夫を亡くして出戻っていた孫娘の百合が喪服のままで厨に立っている。
彼女の湯がく蕎麦は美味いが、汁は不味いと評判だ。
彼女の代わりに出汁と醤油を扱うのは、前の店主と同じく老齢の、某。
「お百合、おい、お百合」
某の声が煩く呼ぶ。
「何ですか、そんなに何度も呼ばなくたって、聞こえてますよ」
「客だよ」
打ち粉の付いた包丁を手にしたまま、百合はいらっしゃいと微笑んだ。
●
某に追い払われるように出迎えた暖簾の下、百合は短く悲鳴を上げた。
そこには一面に桜に引き立てられた武者絵を背負った六尺一本の飛脚が倒れていた。
飛脚箱だけを守るように抱え込んで、足首を酷く腫らしている。鮮やかな色を刺した肌にも所々に裂傷が走っている。
もし、と百合が声を掛けるが、飛脚は唸るばかりで返事をしない。険しく眉が寄り、額には脂汗が浮いている。
「と、戸板を……っ、何方か、何方か」
百合の慌てた声に飛び出してきた客が、店の戸に寝かせた飛脚を店の内へ運び込む。小上がりの座敷の端に寝かせ、水を絞った手拭いで額を拭い、傷に布を括っていく。
足はどうやら折れているらしく、濡らした手拭いで冷やす以上、どうしようも出来なかった。
身の丈よりも大きな目玉に睨まれた。ぎょろぎょろ揺れる目玉は宙に浮かび、こちらに向かって突進してくる。
後退る背を引っ掻いたのは大百足の足。裸の身体に絡み付くように這いずる気味の悪さに、悲鳴すらも上げられない。
三つ目の狸の首が飛び、人面の狐が、こん、と鳴く度青白い火が追ってくる。
熱の無い火に頬を舐められると、堪らずその場を逃げ出した。
飛脚の男が目を開けた。
額に乗せられた手拭いに触れ、天井を見上げながら周りを見回す。
「ここは……」
「……あら、お目覚め? その内にお医者さんが見えますよ」
百合が小上がりに掛けて、起き上がろうとする飛脚を留める。
「何かありました? すごいお怪我で……」
「…………化生に、憑かれた……嗚呼、もう山は越せない」
●
飛脚は語った。
昨日の未明に前の駅から来た飛脚から書状を引き継ぎ、山を越えるまでを走る予定だった。すぐに走って、日の出の頃には山に入ったという。
しかし、その山中で化生、巨大な目玉や虫の化け物、長い時を経て化けた狸に狐に狗、周りの木々さえ曲がりくねって、撓った蔓が行く手を阻む。
どうにか山を下りて来た道を駆け戻り、気付けば既に日は暮れていた。
駅まで戻ろうと、痛む足を引きずって、拾った木切れを付け木に歩いたが、次第に痛みで朦朧として、気付けばここに寝かされていた。
「急ぎ届けなければならないが……山は越せぬし、この足では……」
「それ、大切なお手紙なんですね」
ゆっくり飲んで下さいと、白湯を差しだして百合が尋ねる。
飛脚が僅かに顔を顰めた。大切どころか、と呟く。
「ここらの護りに関わる密書だとか、何とか。本当かは知らないが、届かなければ首が飛ぶと聞かされている」
半身を起こして白湯を煽る。
今から歩いて駅に戻り、事情を話して手を考える。予定よりも大分遅れる、俺の首も飛ぶだろうなぁと飛脚が乾いた声で笑った。
「今から、走れる方がいれば良いんですけどね」
空の湯飲みを弄んで百合がぽつりと呟いた。
●
賑やかな街を抜けて、隣町への街道に静かに佇む蕎麦屋が1軒。
蕎麦処黄玉堂。ひび割れて禿げ掛かった看板にはそう書かれている。
一見すると開いているのか分からない程静かで古めかしいが、染め抜いた暖簾の藍地の色は鮮やかだ。表の腰掛けと、6畳程の座敷。客は馴染みの商人ばかり。彼等に蕎麦と一時の憩いを提供する。この店の中はひどく穏やかな時が流れているという。
店主は老齢と言ってよく、その店主に代わって、前の夏に夫を亡くして出戻っていた孫娘の百合が喪服のままで厨に立っている。
彼女の湯がく蕎麦は美味いが、汁は不味いと評判だ。
彼女の代わりに出汁と醤油を扱うのは、前の店主と同じく老齢の、某。
「お百合、おい、お百合」
某の声が煩く呼ぶ。
「何ですか、そんなに何度も呼ばなくたって、聞こえてますよ」
「客だよ」
打ち粉の付いた包丁を手にしたまま、百合はいらっしゃいと微笑んだ。
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某に追い払われるように出迎えた暖簾の下、百合は短く悲鳴を上げた。
そこには一面に桜に引き立てられた武者絵を背負った六尺一本の飛脚が倒れていた。
飛脚箱だけを守るように抱え込んで、足首を酷く腫らしている。鮮やかな色を刺した肌にも所々に裂傷が走っている。
もし、と百合が声を掛けるが、飛脚は唸るばかりで返事をしない。険しく眉が寄り、額には脂汗が浮いている。
「と、戸板を……っ、何方か、何方か」
百合の慌てた声に飛び出してきた客が、店の戸に寝かせた飛脚を店の内へ運び込む。小上がりの座敷の端に寝かせ、水を絞った手拭いで額を拭い、傷に布を括っていく。
足はどうやら折れているらしく、濡らした手拭いで冷やす以上、どうしようも出来なかった。
身の丈よりも大きな目玉に睨まれた。ぎょろぎょろ揺れる目玉は宙に浮かび、こちらに向かって突進してくる。
後退る背を引っ掻いたのは大百足の足。裸の身体に絡み付くように這いずる気味の悪さに、悲鳴すらも上げられない。
三つ目の狸の首が飛び、人面の狐が、こん、と鳴く度青白い火が追ってくる。
熱の無い火に頬を舐められると、堪らずその場を逃げ出した。
飛脚の男が目を開けた。
額に乗せられた手拭いに触れ、天井を見上げながら周りを見回す。
「ここは……」
「……あら、お目覚め? その内にお医者さんが見えますよ」
百合が小上がりに掛けて、起き上がろうとする飛脚を留める。
「何かありました? すごいお怪我で……」
「…………化生に、憑かれた……嗚呼、もう山は越せない」
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飛脚は語った。
昨日の未明に前の駅から来た飛脚から書状を引き継ぎ、山を越えるまでを走る予定だった。すぐに走って、日の出の頃には山に入ったという。
しかし、その山中で化生、巨大な目玉や虫の化け物、長い時を経て化けた狸に狐に狗、周りの木々さえ曲がりくねって、撓った蔓が行く手を阻む。
どうにか山を下りて来た道を駆け戻り、気付けば既に日は暮れていた。
駅まで戻ろうと、痛む足を引きずって、拾った木切れを付け木に歩いたが、次第に痛みで朦朧として、気付けばここに寝かされていた。
「急ぎ届けなければならないが……山は越せぬし、この足では……」
「それ、大切なお手紙なんですね」
ゆっくり飲んで下さいと、白湯を差しだして百合が尋ねる。
飛脚が僅かに顔を顰めた。大切どころか、と呟く。
「ここらの護りに関わる密書だとか、何とか。本当かは知らないが、届かなければ首が飛ぶと聞かされている」
半身を起こして白湯を煽る。
今から歩いて駅に戻り、事情を話して手を考える。予定よりも大分遅れる、俺の首も飛ぶだろうなぁと飛脚が乾いた声で笑った。
「今から、走れる方がいれば良いんですけどね」
空の湯飲みを弄んで百合がぽつりと呟いた。
解説
山の中で和風な妖怪を倒しつつ、飛脚箱を次の駅へ届ける夢を見ました。
●化生
目玉だの、虫だの、樹木だの、
或いは妖怪化した動物たち、
その他諸諸。
沢山出てくるので、逃げ切るか倒すかして下さい。
●山
少々足場が悪く、茂みや木の影などが多い。
狐火が所々に揺れている為、明るい部分もある。
真っ直ぐ下れば街に着き、街の中は道なりで駅に着きます。
●NPC
飛脚
意識は取り戻していますが、心神衰弱、足首が骨折。
手当てが済むまで、蕎麦屋にて待機。その後、駅へ事情の説明に戻ります。
●飛脚箱
1m程度の柄が付いた一抱え程の箱。
運ぶ方は片腕が塞がりますのでご注意下さい。
※
夢の中では和服を着ているものとして描写致します。
武器も同様に刀を持っているものとして描写致します。
衣装等の外観についてご要望がありましたらプレイングへの記述をお願いします。
判定の数値は実際に着用されている物を使用致しますので、いつもの格好で大丈夫です。
●化生
目玉だの、虫だの、樹木だの、
或いは妖怪化した動物たち、
その他諸諸。
沢山出てくるので、逃げ切るか倒すかして下さい。
●山
少々足場が悪く、茂みや木の影などが多い。
狐火が所々に揺れている為、明るい部分もある。
真っ直ぐ下れば街に着き、街の中は道なりで駅に着きます。
●NPC
飛脚
意識は取り戻していますが、心神衰弱、足首が骨折。
手当てが済むまで、蕎麦屋にて待機。その後、駅へ事情の説明に戻ります。
●飛脚箱
1m程度の柄が付いた一抱え程の箱。
運ぶ方は片腕が塞がりますのでご注意下さい。
※
夢の中では和服を着ているものとして描写致します。
武器も同様に刀を持っているものとして描写致します。
衣装等の外観についてご要望がありましたらプレイングへの記述をお願いします。
判定の数値は実際に着用されている物を使用致しますので、いつもの格好で大丈夫です。
マスターより
ちょっと不気味な夢第二弾です(第一弾はエイプリルフールでした)。
普段は銃や杖や素手……etcが得物の方も、普段から刀! を、使われる方も、
白刃をきらきらと振り回して頂ければ幸い。
ではでは、みなさまよいお年を!
普段は銃や杖や素手……etcが得物の方も、普段から刀! を、使われる方も、
白刃をきらきらと振り回して頂ければ幸い。
ではでは、みなさまよいお年を!
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/01/15 18:32
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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飛脚箱をお届けしやしょう ミオレスカ(ka3496) エルフ|18才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2016/01/07 10:18:19 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/01/07 14:54:35 |