ゲスト
(ka0000)
小さな村の解体。大きな少女、覚悟する。
マスター:春野紅葉

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在14人 / 4~14人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/01/19 15:00
- リプレイ完成予定
- 2016/01/28 15:00
オープニング
●夜陰に乗じて
「ほれ。今日はそっからそこまでの4つと、あそこの2つじゃ」
腰の曲がった老人が木陰から指示を出していた。村の一角、野晒しにされたそこには幾つもの棺桶が無造作に置かれていた。
「全く、帰って来ぬとは……あの小娘にやられてなんぞはおるまいし、逃げたか、或いは」
「村長殿、彼奴はどうやらギルドに捕まっているようである」
不意に現れた影がそう告げた。老人は小さく溜め息を吐く。それは呆れや失望ではない。どちらかというと、憤りのそれ。
「捕まったというなら、あやつは今頃ぺらぺらと口を割っておろうの。命と金の為ならなんでもする男じゃ」
そういった主義の者ぐらいしか――少なくとも、まともな倫理の人間では協力してくれなどしない。それほどのことを行なっている自覚はあった。
「今日中に3つ、明日にはもう3つ入れるんじゃぞ!! ちんたらするでないわ愚か者共!!」
村長の怒号が轟く。棺桶の一つ一つが重いこともあり、村人の動きはあまり俊敏ではない。村長は苛立ちを露わにしながらも、村人たちに指示を出していく。村の秘密が暴かれた以上、ハンターが、ギルドが来るまで遅くはないはずだった。
「そういえば、女のほうはどこへ行ったんじゃ?」
再び男のほうへと村長が視線を向ける。
「彼女なら、祠のほうで準備をしているのである」
「そうか、ならいいんじゃ……救世主様のおかげで保たれてきたわが村じゃ。救世主様に頼らせてもらおうかのう」
村長は笑んだ。滲むように浮かんだ笑みは獰猛であり、凄絶でさえあった。それはまるで、人でさえないようにも思えた。
●小さな村への大きな作戦
ギルドの一角、そこにはかなりの人数のハンター達が集結していた。ギルドの職員と、その隣にはまだ幼げな風貌に似合わず、高身長の部類に入る赤毛の少女が並ぶ。
「本日はお集まり頂きありがとうございます。つい先日、捕えた覚醒者を尋問した結果、彼女――ユリヤの出身地である村にて信仰されている物が判明しました。つきましてもし残っていれば信仰対象討伐、そして村長と、彼が雇った覚醒者の一派を捕えていただければと思います」
眼鏡を掛けた知的な女性の職員はそこで一区切りをつけると、質問でも待つように周囲を見渡した。
「あの、それであの村では何が信仰されていたのですか?」
「雑魔です。リアルブルーからの伝承に救世主復活というものがあるようでして、それを拡大、歪曲して解釈したようですね」
淡々とした口調で告げると、ずれてきた眼鏡をクイッと上げる。
「このまま放置しておけば、何が起こるかわかりませんし、より強力な歪虚を信仰したり、彼らに利用される可能性もあります」
一つ深呼吸をして、職員は強く告げた。
「今回はギルドから職員が同行します。皆さんには雑魔の討伐を行う班、村そのものに向かう班に別れ行動して頂ければと思います。恐らく、どちらかに一方へ戦力を全投入させると、もう片方の目標には逃げられてしまうでしょう。この依頼は、失敗できません。ご助力、お願い致します」
そう言って、職員の女性は頭を下げて頼み込む。その隣にいたユリヤが、少し前に出た。
「村への侵入は、私が通ってきた抜け道を使うらしいです。着いてきてください」
そう、ユリヤが強張った声で言う。少女の様子は、どことなく不安と悲嘆のようなものが入り混じっているようにも見えた。故郷を解体する仕事に同行するのだから、当然であろうが。
職員の女性が何か質問がないかと問いかける。静まったハンター達を見渡して、女性は小さく頷いた。
「必ず、皆で帰って参りましょう」
ハンター達の応じる声が空間に響いた。
「ほれ。今日はそっからそこまでの4つと、あそこの2つじゃ」
腰の曲がった老人が木陰から指示を出していた。村の一角、野晒しにされたそこには幾つもの棺桶が無造作に置かれていた。
「全く、帰って来ぬとは……あの小娘にやられてなんぞはおるまいし、逃げたか、或いは」
「村長殿、彼奴はどうやらギルドに捕まっているようである」
不意に現れた影がそう告げた。老人は小さく溜め息を吐く。それは呆れや失望ではない。どちらかというと、憤りのそれ。
「捕まったというなら、あやつは今頃ぺらぺらと口を割っておろうの。命と金の為ならなんでもする男じゃ」
そういった主義の者ぐらいしか――少なくとも、まともな倫理の人間では協力してくれなどしない。それほどのことを行なっている自覚はあった。
「今日中に3つ、明日にはもう3つ入れるんじゃぞ!! ちんたらするでないわ愚か者共!!」
村長の怒号が轟く。棺桶の一つ一つが重いこともあり、村人の動きはあまり俊敏ではない。村長は苛立ちを露わにしながらも、村人たちに指示を出していく。村の秘密が暴かれた以上、ハンターが、ギルドが来るまで遅くはないはずだった。
「そういえば、女のほうはどこへ行ったんじゃ?」
再び男のほうへと村長が視線を向ける。
「彼女なら、祠のほうで準備をしているのである」
「そうか、ならいいんじゃ……救世主様のおかげで保たれてきたわが村じゃ。救世主様に頼らせてもらおうかのう」
村長は笑んだ。滲むように浮かんだ笑みは獰猛であり、凄絶でさえあった。それはまるで、人でさえないようにも思えた。
●小さな村への大きな作戦
ギルドの一角、そこにはかなりの人数のハンター達が集結していた。ギルドの職員と、その隣にはまだ幼げな風貌に似合わず、高身長の部類に入る赤毛の少女が並ぶ。
「本日はお集まり頂きありがとうございます。つい先日、捕えた覚醒者を尋問した結果、彼女――ユリヤの出身地である村にて信仰されている物が判明しました。つきましてもし残っていれば信仰対象討伐、そして村長と、彼が雇った覚醒者の一派を捕えていただければと思います」
眼鏡を掛けた知的な女性の職員はそこで一区切りをつけると、質問でも待つように周囲を見渡した。
「あの、それであの村では何が信仰されていたのですか?」
「雑魔です。リアルブルーからの伝承に救世主復活というものがあるようでして、それを拡大、歪曲して解釈したようですね」
淡々とした口調で告げると、ずれてきた眼鏡をクイッと上げる。
「このまま放置しておけば、何が起こるかわかりませんし、より強力な歪虚を信仰したり、彼らに利用される可能性もあります」
一つ深呼吸をして、職員は強く告げた。
「今回はギルドから職員が同行します。皆さんには雑魔の討伐を行う班、村そのものに向かう班に別れ行動して頂ければと思います。恐らく、どちらかに一方へ戦力を全投入させると、もう片方の目標には逃げられてしまうでしょう。この依頼は、失敗できません。ご助力、お願い致します」
そう言って、職員の女性は頭を下げて頼み込む。その隣にいたユリヤが、少し前に出た。
「村への侵入は、私が通ってきた抜け道を使うらしいです。着いてきてください」
そう、ユリヤが強張った声で言う。少女の様子は、どことなく不安と悲嘆のようなものが入り混じっているようにも見えた。故郷を解体する仕事に同行するのだから、当然であろうが。
職員の女性が何か質問がないかと問いかける。静まったハンター達を見渡して、女性は小さく頷いた。
「必ず、皆で帰って参りましょう」
ハンター達の応じる声が空間に響いた。
解説
さて、よろしくお願いします。
ここからは補足とPL情報です。
今回の依頼でやることは2つです。
1つは村に潜入して村長一派を捕縛すること。
こちらは敵にグラディウスを装備した13レベル相当の疾影士の男と、ロッドを装備した12レベル相当の魔術師の女が現れます。
2人は村長を逃亡させるべく皆さんの前に立ちふさがります。
こちらの戦場は村です。周囲を動物避けの防護柵と森に囲まれたほぼ長方形です
村長は自宅にいます。皆さんが家の付近まで行くと、敵が現れ、村長は逃亡を図ります。
もう1つは、洞窟内にいるスケルトンの討伐です。
新しく洞窟に放り込まれた物を含め、15体のスケルトンがいます。
こちらの戦場は、仄暗い洞窟の、かなり大きな空間です。
足場は棺桶を持ってくるためにしっかりと舗装されているので問題ありません。
ユリヤちゃんは覚醒者になっていますが、戦力には数えられません。
ギルドの職員さんを護衛する+自衛で精一杯だと考えてください。
戦後処理はギルドの方が何とかしてくれます。安心してください。
ここからは補足とPL情報です。
今回の依頼でやることは2つです。
1つは村に潜入して村長一派を捕縛すること。
こちらは敵にグラディウスを装備した13レベル相当の疾影士の男と、ロッドを装備した12レベル相当の魔術師の女が現れます。
2人は村長を逃亡させるべく皆さんの前に立ちふさがります。
こちらの戦場は村です。周囲を動物避けの防護柵と森に囲まれたほぼ長方形です
村長は自宅にいます。皆さんが家の付近まで行くと、敵が現れ、村長は逃亡を図ります。
もう1つは、洞窟内にいるスケルトンの討伐です。
新しく洞窟に放り込まれた物を含め、15体のスケルトンがいます。
こちらの戦場は、仄暗い洞窟の、かなり大きな空間です。
足場は棺桶を持ってくるためにしっかりと舗装されているので問題ありません。
ユリヤちゃんは覚醒者になっていますが、戦力には数えられません。
ギルドの職員さんを護衛する+自衛で精一杯だと考えてください。
戦後処理はギルドの方が何とかしてくれます。安心してください。
マスターより
よろしくお願いします。春野紅葉です。
やる事は多いですが、堅実にやれば大丈夫です。
皆さんのプレイング、お待ちしております。
やる事は多いですが、堅実にやれば大丈夫です。
皆さんのプレイング、お待ちしております。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/01/28 19:36
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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小さな村のために ミオレスカ(ka3496) エルフ|18才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2016/01/19 03:00:00 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/01/16 21:28:25 |