• 調査

聖火の氷

マスター:赤山優牙

シナリオ形態
ショート
難易度
やや難しい
参加費
1,000
参加人数
現在6人 / 4~6人
マテリアルリンク
報酬
多め
相談期間
5日
プレイング締切
2016/01/24 09:00
リプレイ完成予定
2016/02/02 09:00

オープニング

●???
「貴様……この辺りの者ではないな」
 暗闇の中、声が響き渡る。
 どんよりとした雲が風に流れ、月の光が差し込んできた。
 平原にいるのは二つの影。一つは、二つの角のうち、片方の先端が欠けていた。
「ん、そうだけど……お兄さんも妖怪? かな?」
「妖怪……?」
 もう一つ。東方風の衣装に身を包む少女が楽しそうに言った。その腹は異様に膨れているが、旅装束にまぎれて判然としない。
 二人とも、人間ではない。
 人は、総じて彼らをこう呼んだ――歪虚と――。
「ここ一帯は、この私の策源地だ。なんの用だ」
「そうなんだ、へえ……ねえ、お兄さん、天使ベリトって知ってる? 探してるんだぁ」
 掴みどころのない小娘の姿をした歪虚に、角折れの歪虚はイラついた。
「弱者は強者の言う事を守るものだ」
 角折れの歪虚は【強制】の能力を使用した。
 負のマテリアルが小娘に襲いかかり、それに、抵抗し切れなかった。力量の差もあるが、突然の事だったから。
 少女の手が首にかかり、その首をへし折ろうと力が籠る。
 手応えに、角折れの歪虚の口の端が釣り上がる。しかし。
「へえ、変なのを使うんだね、お兄さん」
「――貴様」
 少女の手が静かに降ろされる。蠕動する身体を見て、角折れの歪虚の目が細められた。
「僕、此処を通りたいだけなんだけどなぁ。通してくれない?」
「……対価は頂こうか」
「対価……対価、かぁ」
 言葉に、少女は小さな指を顎にあてる。
「んー……じゃあ、これはどう? 使わないから」
 その袖口ポロンと地面に落下したのは、刀だった。ただの刀ではない。三日月を思わせるような弧を描いた刀だ。
 使わないものを対価として差し出すとはどういう事だと角折れの歪虚は思ったが、刀から発せられる異様なオーラに気がついた。
「九弦の刀、『虚月』」
 聞いた事のない人物の名と銘柄だった。
 見れば東方風の姿をしている少女だ。東方由来の歪虚なのかと角折れの歪虚は推測する。
「歪虚が持つ不吉な月か……良いだろう。この一帯では自由にすればいい。どうせ、私には『得られなかった地』だからな」
「はぁい」
 飛ぶように走り去る少女には目もくれず、角折れの歪虚は魅入るように刀を見つめる。
 なるほど、この刀の力――これは、私にピッタリではないか。
 角折れの歪虚はニタっと笑っていた。

●悩み
 軍師騎士ノセヤは騎士団本部の一室に籠っていた。
 大量に山積みされた古めかしい本。そのいずれも魔術に関する系統のものだ。
 数年前の歪虚との戦いで父も兄も戦死した為、家督を譲られてはいるが、ノセヤは元々文官肌だ。
 魔術師である事を目につけられ、青の隊隊長のゲオルギウスから特命を受けて『ある任務』に就いている。
「マテリアルを使用するのは刻令術であっても変わらないか……」
 刻令術に関する文献は探してもほとんど見つからなかった。
 あっても、触り程度の紹介ばかりだ。
「魔術師協会にまで問い合わせれば……いや、それは、無いか……」
 独学は困難だろう。
 或いは、研究に没頭すれば、なにか得られるかもしれない。だが、それでは間に合わないのだ。効率良く学ぶ為には、師が必要となる。
「アダム様に教えていただくのが一番かと」
 同じ部屋に籠っていた刻令術の技術者が本の山の間から顔を出して言った。
 刻令術の権威アダム・マンスフィールドに直接師事してもらうのが早いとは分かっている。だが、お互い忙しい身だ。
「そもそも、課題が多すぎる……ここは、ハンター達に頼むとします」
「……宝探しをですか?」
 技術者の問い掛けにノセヤは頷いた。
 宝探しというのは嘘でも誇張でもない。
 なぜなら、それ位の価値は確実にあるのだから。
「大規模な刻令術装置を動かすに必要なマテリアル鉱石の捜索……確かに、宝探しです」
 読んでいた本をパタリと閉じて、ノセヤは席から立ち上がった。
 ハンターオフィスに行って依頼を出す為だ。

●依頼
「皆さんにお願いしたいのは、『聖火の氷』についての情報を得る事です」
 集まったハンター達に軍師騎士ノセヤは説明を始める。
 『聖火の氷』とは王国北西部フレッサ領の壊滅したある村の秘宝だった物だ。
 高純度のマテリアルのなにか……という噂はあるのだが、村は壊滅し、秘宝の情報は途絶えている。
「私達の目標は、『聖火の氷』の正体を突き止め、手に入れる事です。その為には、この秘宝の情報を集めなくてはなりません」
 壁に張っている西方の地図を差すノセヤ。
「時間があまりないのですが、交通の手配をしていますので、なにとぞ、よろしくお願いします」
 ノセヤは丁寧に頭を下げて、ハンター達にお願いするのであった。

解説

●目的
『聖火の氷』と呼ばれる秘宝について調べる

●目標
『聖火の氷』についての情報を収集する

●調査
便宜上、特別なルールを設けます。
各PCには5回分の【調査行動権】を持っています。
【調査行動権】で行える事は以下の行動・判定を行うのに必要となります。
『街間の移動(片道分)』
『調査or聞き込み等の判定』
5回全て、もしくは、途中でリタイヤした時点で終了と見なします。
判定については、調査内容から適切と思われるステータスに各種修正値を加えて判定します。
スタート地点は王都イルダーナとします。

●調査先
王都イルダーナ(騎士団本部、聖ヴェレニウス大聖堂等)
古都アークエルス(グラズヘイム王立図書館一般開放区域等)
港町ガンナ・エントラータ(港、商会等)
ハルトフォート砦(砦内部等)
(アルテリア地方)フレッサの街
(アスランド地方)ネオ・ウィーダの街
(崖上都市)ピースホライズン
(同盟領内)リゼリオ
※どの都市にも、大通りや市場等あります。
※赤山のシナリオリプレイ内で登場したNPCに限り、接触が可能な場合があります。ただし、必ずしも接触できるとは限りません。

●PL情報
オープニングの「●???」の所はPL情報となります。

●相談卓
ノセヤと同じ青の隊所属という事で、ソルラが対応します。

マスターより

●ご挨拶
皆様、お元気ですか? 私は毎日寒くて肩こりが酷いです。
何気に調査依頼が多いのですが、ついに、一つの都市に留まらず、国境を飛び越えての調査依頼となりました。スケールは無駄にでかいです。
不定期の造船関連のシナリオになります。今回は案件依頼ではありません。
冒頭のシーンを監修いただいたムジカSSDと、刀の件で剣崎MSのお二人には、この場で感謝申し上げます♪

●攻略のヒント
難易度は『やや難しい』です。調査場所に適当に行って、適当に調査すれば得られる……という訳ではありません。
調査先の選定と、どのように調査を行うのか、しっかりと煮詰めて、かつ、PC間で連携を持って挑んでいただきたいと思います。

関連NPC

  • 鉄壁の騎士
    ソルラ・クート(kz0096
    人間(クリムゾンウェスト)|23才|女性|闘狩人(エンフォーサー)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2016/01/28 20:23

参加者一覧

  • 【ⅩⅧ】また"あした"へ
    十色・T・ エニア(ka0370
    人間(蒼)|15才|男性|魔術師
  • 【魔装】の監視者
    星輝 Amhran(ka0724
    エルフ|10才|女性|疾影士
  • 緑龍の巫女
    Uisca=S=Amhran(ka0754
    エルフ|17才|女性|聖導士
  • 神秘を掴む冒険家
    時音 ざくろ(ka1250
    人間(蒼)|18才|男性|機導師
  • エクラの御使い
    アティ(ka2729
    人間(紅)|15才|女性|聖導士
  • 幸せを手にした男
    檜ケ谷 樹(ka5040
    人間(蒼)|25才|男性|機導師
依頼相談掲示板
アイコン 【質問卓】情報照合
十色・T・ エニア(ka0370
人間(リアルブルー)|15才|男性|魔術師(マギステル)
最終発言
2016/01/24 00:24:10
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/01/20 21:54:03
アイコン 【相談卓】紅の大地を巡る旅
Uisca=S=Amhran(ka0754
エルフ|17才|女性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2016/01/24 01:56:06