ゲスト
(ka0000)
【節V】カカオと鬼と鳩ぽっぽ
マスター:狐野径

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在7人 / 4~7人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/01/28 22:00
- リプレイ完成予定
- 2016/02/06 22:00
オープニング
●
「突然だけど、今年のヴァレンタインデーは終了する!」
「「「な、なんだってー!!!」」」
●
カカオ減産、そして高騰に伴うチョコレートの供給危機を前に、ハンターズソサエティのショップ店員シルキー・アークライト(kz0013)が敗北し、ソサエティショップ史上初のチョコレート販売停止がなされた。
そんな折、北伐から戻ったアカシラ(kz0146)はこんな話を聞く。
――世の中には『義理チョコ』なるものがある、と。
その有無で悲嘆に暮れ人生に悩む者がいると知り立ち上がったアカシラ。そして彼女の相談を受けたヘクス・シャルシェレット(kz0015)は、彼女の話から東方にカカオ豆が自生する地域がある事を知った。
そして。
空前絶後のカカオ豆不足を乗り切るため、安定したチョコレート供給のため――ハンター達が、動いた。
人類史上2度目の東征、『チョコレート解放戦線』の始まりである。
●平穏
「義理チョコねぇ」
「……中元と歳暮だけで満足しませんか」
「……娘からもらったら嬉しいだろうな」
「ああ、男の子だけでしたね」
陰陽寮の一角で大江 紅葉(kz0163)とその上司であり師である男は書類をさばきながら会話をしていた。
西から入ってきたヴァレンタインデーを話題にしており、表面上の事だけでなく、リアルブルーでの成り立ちも入る。同じ部屋にいる者は二人の会話を面白く耳を傾けていた。
「紅葉はやらんのか? チョコじゃなくても」
「え? 家臣にですか? スメラギ様にですか?」
上司の手から筆が落ち、聞いていた者が顔を上げて紅葉を見る。
「可哀そうだな」
「ん?」
「いや、なんでもない」
上司は濁し、誰も何も言わない。紅葉は首をかしげた。
●大江家
「うわあああああああああ」
「ふざけるなっ」
「落ち着け」
帰宅した紅葉が耳にしたのは、最近雇った鬼たちの騒動だった。
テユカが悪さをして、善木が罠にはまり、五来がなだめているのかと思った。
お茶を飲んでいた家臣の爺が言うには、より複雑な話だと言う。止めに入っていないのは、鬼たちの状況を考えると首を突っ込めなかったと言う。
「何がどうしたんですか?」
紅葉が穏便に済まそうとにこにこと話しかける。
「うわああん、だって、あたしはいいと思うんだ」
「大体、あのアマが絡んでんだろう! ろくな事じゃねぇ!」
「アカシラ姐は悪くないもん!」
「落ち着け、いいか、子ども相手にそんなに……」
誰も紅葉に気付かない。
紅葉は息を吸うと声を張り上げた。
「いい加減にしなさい! 何がどうしたのか私に分かるように説明しなさいっ!」
屋敷中響き渡った声に、全員、動きを止めた。
主である紅葉が大声を上げることはめったにない。そのために誰しもが驚愕した。
「実は……テユカがこれを」
五来が見せたほうが早いと紙を一枚出す。
紅葉は目を通すと小刻みに震える。
「……タイミング悪い」
「はい?」
「何、これ? 私、アカシラ殿に聞きたいことあるのに、グラズヘイムに出かけることに……そっちはそっちで楽しい事なのですが……」
「……」
五来は紅葉の能天気さにあきれつつも、これだからこの屋敷は居心地がいいんだと思う。
「で、何が問題なの?」
「ヴァレンタインデーと言うのがあって、好きな人にチョコレートあげるんでしょ?」
おずおずとテユカが告げる。
「という風習もあるそうですが……ま、まさか」
「紅葉さま、光頼おじさんに上げ……むぐっ」
善木があわててテユカの口をふさいだ。松永 光頼という紅葉の友人の名前が上がる。
「あらあら、テユカはおませさんなのね。確かにチョコレートは手に入らないというから……」
「そこは揉めてない」
「結局何を揉めているんです?」
善木は黙った。
「つまり、チョコレートの原材料となるカカオを探しに来たハンターに協力したいと言う話だ。テユカが行く気満々」
「……まあ、危ないですよ?」
五来の説明に紅葉はうなずいた。
彼らがいた里に集まっている鬼たちの出自は様々。テユカの言動からすると、アカシラを知って育っていると思われる。
「テユカはアカシラ殿に会いたいの?」
「うーん? アカシラ姐と付き合いはないからそれほどではないよ? でもね、わくわくするんだよ、チョコ……」
「あげたいのね? 松永殿、好かれているのですね」
「……う、うん?」
テユカも同じ間違いはできないかったが、訂正もできなかった。
「かといって、テユカだけ行くのは……」
善木と五来も屋敷の警護も兼ねて雇っている。紅葉の護衛に一度連れ出したが、結構目立つし、問題もあると分かっていた。
善木はアカシラに対して感情がはっきりとしている。
「で、あなたは?」
紅葉は五来に尋ねる。
「……アカシラに対しての気持ちか? 怒りはなくないが、今はここにいるし」
「なら、テユカと五来、二人で行ってらっしゃい」
五来はうなずいた。喜ぶテユカを前に、善木が複雑な表情を見せる。
「うちの警備も必要ですからね」
「……妥当だな」
善木は紅葉にうなずいた。
「で、紅葉さまは来るの?」
「いえ、仕事でグラズヘイムに行くのよ?」
溜息を洩らした。
ああ、間が悪い、と。
●いざ
テユカは緊張しつつ出かける。優しい紅葉のために、カカオという物を見つけたい。それがあれば、愛の告白ができて、紅葉はもっと優しくなって、勉強しなくていいと言うかもしれないと思考が飛んだ。
そのカカオとやらから作られるチョコレートは美味しいとも聞く。それなら食べてみたい。
誰も住んでいない里。妖怪は跋扈しているだろうから油断はできない。
テユカは戦う術を持たないが、五来もハンターもいるから心強い。
「まあ、今も妖怪多いんだろうな」
五来はテユカを守らないといけないと気を張り詰める。
「テユカはカカオを知っているのか?」
「知らない」
「……そうか」
「チョコレート見つかるといいなぁ」
「……ああ」
五来は少し考えた。
テユカはカカオ探しに来たはずだが、チョコレート探しになっているのではないか、と。
いずれにせよ、捜索する方向に足を踏み入れた。
鳩のような妖怪が群れていたという話があるため、緊張とともに前に進んだ。
●守る物
カカオはラグビーボール型、大きいと30センチくらいの長さとなる。それらを狙うのは人間だけではなく妖怪もだった。
それらはカカオの木から離れたところでたむろしている。
『くるっぽー』
『ぐるるるぅぽーーーーーーー』
『オ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛』
鳩の妖怪たちは日向にたむろをしてくつろぐ。
彼らは何かを語り、何かを呻く。
一見穏やかそうに見えるそれらは、そこに日向ぼっこしているのか。
「突然だけど、今年のヴァレンタインデーは終了する!」
「「「な、なんだってー!!!」」」
●
カカオ減産、そして高騰に伴うチョコレートの供給危機を前に、ハンターズソサエティのショップ店員シルキー・アークライト(kz0013)が敗北し、ソサエティショップ史上初のチョコレート販売停止がなされた。
そんな折、北伐から戻ったアカシラ(kz0146)はこんな話を聞く。
――世の中には『義理チョコ』なるものがある、と。
その有無で悲嘆に暮れ人生に悩む者がいると知り立ち上がったアカシラ。そして彼女の相談を受けたヘクス・シャルシェレット(kz0015)は、彼女の話から東方にカカオ豆が自生する地域がある事を知った。
そして。
空前絶後のカカオ豆不足を乗り切るため、安定したチョコレート供給のため――ハンター達が、動いた。
人類史上2度目の東征、『チョコレート解放戦線』の始まりである。
●平穏
「義理チョコねぇ」
「……中元と歳暮だけで満足しませんか」
「……娘からもらったら嬉しいだろうな」
「ああ、男の子だけでしたね」
陰陽寮の一角で大江 紅葉(kz0163)とその上司であり師である男は書類をさばきながら会話をしていた。
西から入ってきたヴァレンタインデーを話題にしており、表面上の事だけでなく、リアルブルーでの成り立ちも入る。同じ部屋にいる者は二人の会話を面白く耳を傾けていた。
「紅葉はやらんのか? チョコじゃなくても」
「え? 家臣にですか? スメラギ様にですか?」
上司の手から筆が落ち、聞いていた者が顔を上げて紅葉を見る。
「可哀そうだな」
「ん?」
「いや、なんでもない」
上司は濁し、誰も何も言わない。紅葉は首をかしげた。
●大江家
「うわあああああああああ」
「ふざけるなっ」
「落ち着け」
帰宅した紅葉が耳にしたのは、最近雇った鬼たちの騒動だった。
テユカが悪さをして、善木が罠にはまり、五来がなだめているのかと思った。
お茶を飲んでいた家臣の爺が言うには、より複雑な話だと言う。止めに入っていないのは、鬼たちの状況を考えると首を突っ込めなかったと言う。
「何がどうしたんですか?」
紅葉が穏便に済まそうとにこにこと話しかける。
「うわああん、だって、あたしはいいと思うんだ」
「大体、あのアマが絡んでんだろう! ろくな事じゃねぇ!」
「アカシラ姐は悪くないもん!」
「落ち着け、いいか、子ども相手にそんなに……」
誰も紅葉に気付かない。
紅葉は息を吸うと声を張り上げた。
「いい加減にしなさい! 何がどうしたのか私に分かるように説明しなさいっ!」
屋敷中響き渡った声に、全員、動きを止めた。
主である紅葉が大声を上げることはめったにない。そのために誰しもが驚愕した。
「実は……テユカがこれを」
五来が見せたほうが早いと紙を一枚出す。
紅葉は目を通すと小刻みに震える。
「……タイミング悪い」
「はい?」
「何、これ? 私、アカシラ殿に聞きたいことあるのに、グラズヘイムに出かけることに……そっちはそっちで楽しい事なのですが……」
「……」
五来は紅葉の能天気さにあきれつつも、これだからこの屋敷は居心地がいいんだと思う。
「で、何が問題なの?」
「ヴァレンタインデーと言うのがあって、好きな人にチョコレートあげるんでしょ?」
おずおずとテユカが告げる。
「という風習もあるそうですが……ま、まさか」
「紅葉さま、光頼おじさんに上げ……むぐっ」
善木があわててテユカの口をふさいだ。松永 光頼という紅葉の友人の名前が上がる。
「あらあら、テユカはおませさんなのね。確かにチョコレートは手に入らないというから……」
「そこは揉めてない」
「結局何を揉めているんです?」
善木は黙った。
「つまり、チョコレートの原材料となるカカオを探しに来たハンターに協力したいと言う話だ。テユカが行く気満々」
「……まあ、危ないですよ?」
五来の説明に紅葉はうなずいた。
彼らがいた里に集まっている鬼たちの出自は様々。テユカの言動からすると、アカシラを知って育っていると思われる。
「テユカはアカシラ殿に会いたいの?」
「うーん? アカシラ姐と付き合いはないからそれほどではないよ? でもね、わくわくするんだよ、チョコ……」
「あげたいのね? 松永殿、好かれているのですね」
「……う、うん?」
テユカも同じ間違いはできないかったが、訂正もできなかった。
「かといって、テユカだけ行くのは……」
善木と五来も屋敷の警護も兼ねて雇っている。紅葉の護衛に一度連れ出したが、結構目立つし、問題もあると分かっていた。
善木はアカシラに対して感情がはっきりとしている。
「で、あなたは?」
紅葉は五来に尋ねる。
「……アカシラに対しての気持ちか? 怒りはなくないが、今はここにいるし」
「なら、テユカと五来、二人で行ってらっしゃい」
五来はうなずいた。喜ぶテユカを前に、善木が複雑な表情を見せる。
「うちの警備も必要ですからね」
「……妥当だな」
善木は紅葉にうなずいた。
「で、紅葉さまは来るの?」
「いえ、仕事でグラズヘイムに行くのよ?」
溜息を洩らした。
ああ、間が悪い、と。
●いざ
テユカは緊張しつつ出かける。優しい紅葉のために、カカオという物を見つけたい。それがあれば、愛の告白ができて、紅葉はもっと優しくなって、勉強しなくていいと言うかもしれないと思考が飛んだ。
そのカカオとやらから作られるチョコレートは美味しいとも聞く。それなら食べてみたい。
誰も住んでいない里。妖怪は跋扈しているだろうから油断はできない。
テユカは戦う術を持たないが、五来もハンターもいるから心強い。
「まあ、今も妖怪多いんだろうな」
五来はテユカを守らないといけないと気を張り詰める。
「テユカはカカオを知っているのか?」
「知らない」
「……そうか」
「チョコレート見つかるといいなぁ」
「……ああ」
五来は少し考えた。
テユカはカカオ探しに来たはずだが、チョコレート探しになっているのではないか、と。
いずれにせよ、捜索する方向に足を踏み入れた。
鳩のような妖怪が群れていたという話があるため、緊張とともに前に進んだ。
●守る物
カカオはラグビーボール型、大きいと30センチくらいの長さとなる。それらを狙うのは人間だけではなく妖怪もだった。
それらはカカオの木から離れたところでたむろしている。
『くるっぽー』
『ぐるるるぅぽーーーーーーー』
『オ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛』
鳩の妖怪たちは日向にたむろをしてくつろぐ。
彼らは何かを語り、何かを呻く。
一見穏やかそうに見えるそれらは、そこに日向ぼっこしているのか。
解説
カカオ探す、第一歩。
NPCの護衛もあります。
●NPC
・テユカ 鬼、一般人、12歳くらい。カカオがあるときっといいことがあるに違いないと思っている。大江家では勉強とお手伝いをしている。
・五来 細身の鬼で舞刀士。冷静沈着。テユカがやりたいように見守るつもり。大江家では警備・警護係。
●敵勢力
・妖怪A×5 鳩? 立つと大きな人間くらい。
・妖怪B×15 非常に遠い所から見れば、群れている鳩に見えます、木々があってそこまで見えないのですが。羽もきちんとあります。
※突っつき、投げる、蹴り飛ばす等々、平たく言うと魔法は使いません、両方とも。
鳩です、鳩……?
●戦場
熱帯雨林です。
特徴としては、木々が茂っているため見通しが悪い、下草が少なく歩きやすいと言えば歩きやすい。
NPCの護衛もあります。
●NPC
・テユカ 鬼、一般人、12歳くらい。カカオがあるときっといいことがあるに違いないと思っている。大江家では勉強とお手伝いをしている。
・五来 細身の鬼で舞刀士。冷静沈着。テユカがやりたいように見守るつもり。大江家では警備・警護係。
●敵勢力
・妖怪A×5 鳩? 立つと大きな人間くらい。
・妖怪B×15 非常に遠い所から見れば、群れている鳩に見えます、木々があってそこまで見えないのですが。羽もきちんとあります。
※突っつき、投げる、蹴り飛ばす等々、平たく言うと魔法は使いません、両方とも。
鳩です、鳩……?
●戦場
熱帯雨林です。
特徴としては、木々が茂っているため見通しが悪い、下草が少なく歩きやすいと言えば歩きやすい。
マスターより
こんにちは。
チョコレートを入手するための一歩です。
テユカはだんだん食べることが主体になっている気がしなくはないですが、食べたことなければ、おいしいなら食べてみたいというのが人情でしょう。子供ですし。
よろしくお願いします。
チョコレートを入手するための一歩です。
テユカはだんだん食べることが主体になっている気がしなくはないですが、食べたことなければ、おいしいなら食べてみたいというのが人情でしょう。子供ですし。
よろしくお願いします。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/02/04 18:42
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
プレイング メイム(ka2290) エルフ|15才|女性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2016/01/28 19:24:34 |
|
![]() |
相談卓 メイム(ka2290) エルフ|15才|女性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2016/01/28 20:23:47 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/01/26 23:17:54 |