ゲスト
(ka0000)
咲いて待ち伏せていたもの
マスター:君矢

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/02/04 12:00
- リプレイ完成予定
- 2016/02/18 12:00
オープニング
辺境の山の中。斜面の途中の木の根元。緑髪の少女が二人座っていた。
少女たちの緑髪から多数の白く細長い花が髪飾りのように咲いていてその周辺を甘い芳香に誘われた無数の蜂が蜜を求めて飛んでいた。
彼女たちは眼前を飛ぶ蜂に何の反応も見せず、無表情な顔でぼんやりと遠くを見つめている。
少女たちは白いワンピースという薄着で、とても冬の山中を歩く服装に見えない。
ビュウゥと冷たい風がワンピースの裾をはためかせる。ワンピースの下には綺麗な形の足と白い動物の骨らしい物が散乱しているのが見えた。
そして少女たちの風に揺れもしない緑色の髪は、長く伸びていて終わりが見えない。長く伸びた髪は先にいくにしたがって寄り集まり太い蔓のように変化していく。
その蔓は、木の枝に絡まったり斜面を越えていったりと思い思いの方向に伸びていた。どの蔓も豊かに葉をつけて、多数の白い花を満開にして甘い芳香を漂わせているのだった。
辺境の山の中。シェノグ族の村へ続く道を三人組の男性が歩いていた。旅装束姿の彼らは足元の悪い山道を一歩、一歩確かめるように登っていく。
「今年は雪が積もっていなくていいねぇ」
「このまま降らないっていうのも薬草に影響がありそうだけどなぁ」
「族長と相談してみないといけないな」
先頭から順にアーノルド、ジェレミー、ボリスという名前でシェノグ族と薬草の取引をしている商人達だ。
今日は、来春からの取引について打ち合わせをするべく村を訪ねようとしていた。
平年であれば雪が降り道も凍って危ない道だが今年は暖かいため移動しやすい。
その反面暖かい気候が薬草の質や量、収穫時期にどのような影響を与えるだろうかということが商人達には気になるところだった。
村まであと一息という場所まで登って来たとき、先頭を歩いているアーノルドが足を止めた。なんだか甘い芳香がしたので周りを見渡す。
「おい、こんな花見たことあったか?」
山道の脇の木から白い花が咲いた蔓が垂れ下がっていた。白い花から甘い芳香が漂ってくる。
「いやぁ、知らないな」
瑞々しい緑色をした葉と白く細長い蘭のような花がいくつも穂状に咲いている蔓だった。
三人はシェノグ族と長く取引をしているため何度もこの道を歩いているが、初めて見る花だった。
「暖かいからなぁ。狂い咲きじゃないのか」
平年より暖かいとはいえ、今は冬。山の木も草も枯れて地面を茶色に染めている。所々に見える常緑樹もくすんだような色をして見えるなかで、この蔓だけは生命力豊かな緑色をしていた。花も鮮やかに力強く咲いている。
少し休憩だと冬には珍しい花を楽しみながら、三人は雑談をしている。
「珍しい花だな。売れるかな」
植物好きの好事家を何人か思い浮かべながらアーノルドは手を伸ばして、垂れ下がっている花を触った。
「族長に聞いてみようか」
「それにしても甘い香りだな」
嗅いでみると濃厚な甘い香りに頭がくらくらしてくるが、不思議と白い花から目が離せなかった。
と、蔓は風がないのに大きく揺れた。
ひゅるんとしなると、花をつついていた腕に巻きついてアーノルドを吊り上げる。
「う、わぁぁ」
アーノルドがもがきながら悲鳴を上げる。
「お、おい!」
「今、助けるからな」
アーノルドの体はぶらぁんと空中で揺れている。二人が手を伸ばして足をつかんで引っ張ろうとした。
「いでぇぇよ! うでが」
片腕で宙づりにされているアーノルドは苦痛に顔を歪めている。
「がまんしろ!」
蔓は強靱で、三人の体重が掛かっているのにビクともしない。
「アーノルドさん!? 大変! 手伝います!」
三人の背後から声をかけてきたのはシェノグ族の少女達だった。偶然、近くにいたところアーノルドの悲鳴を聞いて駆けつけてきたのだった。
「何なんだよ! こいつは!」
ジェレミーがアーノルドの足をつかみながら、シェノグ族に尋ねる。
「わ、分かりません。見たことありません……」
答えたのは、シェノグ族のツアンプ・シェノグ(kz0170)だった。
花はどことなく蘭に似ているような気がするが、花の咲き方も形も香りも知らない植物だった。
「こんな蔓、歪虚だよ! ツアンプ! ハンター呼んできて! 私達だけじゃ無理だよ」
ジェレミー達に加勢しつつ叫んだのは、シェノグ族のリアンだった。
「は、はい! すぐに呼んできます!」
とツアンプは叫びながら麓を目指して駆けだした。
「いでぇよ! 助げでぐれ!」
蔓は、アーノルドを攫いたいのか吊り上げる力を強くする。
残った商人達とリアンはとにかくアーノルドを助けようとした。
「おじさん達、掴んでいてね」
リアンが鉈を持って近くの木に登ると蔓を切断しようと試みた。
一回、二回と鉈を叩きつける。
木に掴まっているという体勢に無理があるのか、蔓が堅いのかビクともしない。
「いっでぇよぉぉ」
「頑張れ!」
ジェレミーとボリスもアーノルドを励ましながら、連れて行かれないようにしがみつく。
「え、あ、きゃ、なに!?」
リアンが悲鳴を上げる。彼女の体にも白い花の咲いた蔓が絡まった。アーノルドを吊るす蔓とは別の蔓だ。
蔓によってリアンが木から引きはがされると、木から落下し地面に叩きつけられた。
「ぎゃぁ」
「うわわわ」
アーノルドをからめ取っていた蔓も大きくしなるとしがみついていた二人を巻き込んで落下する。
落下の衝撃で身動きが取れないジェレミーとボリスの目の前で、蔓はズッ、ズッ、ズッとアーノルドとリアンを奥へと引きずって行く。
「ジェレミー! ボリス! 助けてくれ!」
アーノルドの悲鳴が遠ざかっていく。
慣れた山道を全力でツアンプは駆け下りる。急がなきゃ! と焦っていたため、麓の街道に出たところで顔から転んでしまった。
鼻を擦りむいてしまったようだが気にしていられない。早く! 早く! と立ち上がりもう一度走る。
走りながら誰か助けてくださいと祈っていた時、街道の向こうに偶然、ハンター達が歩いているのが見えた。
ツアンプは、走り寄って声をかける。
「お願いします! 助けてください!」
少女たちの緑髪から多数の白く細長い花が髪飾りのように咲いていてその周辺を甘い芳香に誘われた無数の蜂が蜜を求めて飛んでいた。
彼女たちは眼前を飛ぶ蜂に何の反応も見せず、無表情な顔でぼんやりと遠くを見つめている。
少女たちは白いワンピースという薄着で、とても冬の山中を歩く服装に見えない。
ビュウゥと冷たい風がワンピースの裾をはためかせる。ワンピースの下には綺麗な形の足と白い動物の骨らしい物が散乱しているのが見えた。
そして少女たちの風に揺れもしない緑色の髪は、長く伸びていて終わりが見えない。長く伸びた髪は先にいくにしたがって寄り集まり太い蔓のように変化していく。
その蔓は、木の枝に絡まったり斜面を越えていったりと思い思いの方向に伸びていた。どの蔓も豊かに葉をつけて、多数の白い花を満開にして甘い芳香を漂わせているのだった。
辺境の山の中。シェノグ族の村へ続く道を三人組の男性が歩いていた。旅装束姿の彼らは足元の悪い山道を一歩、一歩確かめるように登っていく。
「今年は雪が積もっていなくていいねぇ」
「このまま降らないっていうのも薬草に影響がありそうだけどなぁ」
「族長と相談してみないといけないな」
先頭から順にアーノルド、ジェレミー、ボリスという名前でシェノグ族と薬草の取引をしている商人達だ。
今日は、来春からの取引について打ち合わせをするべく村を訪ねようとしていた。
平年であれば雪が降り道も凍って危ない道だが今年は暖かいため移動しやすい。
その反面暖かい気候が薬草の質や量、収穫時期にどのような影響を与えるだろうかということが商人達には気になるところだった。
村まであと一息という場所まで登って来たとき、先頭を歩いているアーノルドが足を止めた。なんだか甘い芳香がしたので周りを見渡す。
「おい、こんな花見たことあったか?」
山道の脇の木から白い花が咲いた蔓が垂れ下がっていた。白い花から甘い芳香が漂ってくる。
「いやぁ、知らないな」
瑞々しい緑色をした葉と白く細長い蘭のような花がいくつも穂状に咲いている蔓だった。
三人はシェノグ族と長く取引をしているため何度もこの道を歩いているが、初めて見る花だった。
「暖かいからなぁ。狂い咲きじゃないのか」
平年より暖かいとはいえ、今は冬。山の木も草も枯れて地面を茶色に染めている。所々に見える常緑樹もくすんだような色をして見えるなかで、この蔓だけは生命力豊かな緑色をしていた。花も鮮やかに力強く咲いている。
少し休憩だと冬には珍しい花を楽しみながら、三人は雑談をしている。
「珍しい花だな。売れるかな」
植物好きの好事家を何人か思い浮かべながらアーノルドは手を伸ばして、垂れ下がっている花を触った。
「族長に聞いてみようか」
「それにしても甘い香りだな」
嗅いでみると濃厚な甘い香りに頭がくらくらしてくるが、不思議と白い花から目が離せなかった。
と、蔓は風がないのに大きく揺れた。
ひゅるんとしなると、花をつついていた腕に巻きついてアーノルドを吊り上げる。
「う、わぁぁ」
アーノルドがもがきながら悲鳴を上げる。
「お、おい!」
「今、助けるからな」
アーノルドの体はぶらぁんと空中で揺れている。二人が手を伸ばして足をつかんで引っ張ろうとした。
「いでぇぇよ! うでが」
片腕で宙づりにされているアーノルドは苦痛に顔を歪めている。
「がまんしろ!」
蔓は強靱で、三人の体重が掛かっているのにビクともしない。
「アーノルドさん!? 大変! 手伝います!」
三人の背後から声をかけてきたのはシェノグ族の少女達だった。偶然、近くにいたところアーノルドの悲鳴を聞いて駆けつけてきたのだった。
「何なんだよ! こいつは!」
ジェレミーがアーノルドの足をつかみながら、シェノグ族に尋ねる。
「わ、分かりません。見たことありません……」
答えたのは、シェノグ族のツアンプ・シェノグ(kz0170)だった。
花はどことなく蘭に似ているような気がするが、花の咲き方も形も香りも知らない植物だった。
「こんな蔓、歪虚だよ! ツアンプ! ハンター呼んできて! 私達だけじゃ無理だよ」
ジェレミー達に加勢しつつ叫んだのは、シェノグ族のリアンだった。
「は、はい! すぐに呼んできます!」
とツアンプは叫びながら麓を目指して駆けだした。
「いでぇよ! 助げでぐれ!」
蔓は、アーノルドを攫いたいのか吊り上げる力を強くする。
残った商人達とリアンはとにかくアーノルドを助けようとした。
「おじさん達、掴んでいてね」
リアンが鉈を持って近くの木に登ると蔓を切断しようと試みた。
一回、二回と鉈を叩きつける。
木に掴まっているという体勢に無理があるのか、蔓が堅いのかビクともしない。
「いっでぇよぉぉ」
「頑張れ!」
ジェレミーとボリスもアーノルドを励ましながら、連れて行かれないようにしがみつく。
「え、あ、きゃ、なに!?」
リアンが悲鳴を上げる。彼女の体にも白い花の咲いた蔓が絡まった。アーノルドを吊るす蔓とは別の蔓だ。
蔓によってリアンが木から引きはがされると、木から落下し地面に叩きつけられた。
「ぎゃぁ」
「うわわわ」
アーノルドをからめ取っていた蔓も大きくしなるとしがみついていた二人を巻き込んで落下する。
落下の衝撃で身動きが取れないジェレミーとボリスの目の前で、蔓はズッ、ズッ、ズッとアーノルドとリアンを奥へと引きずって行く。
「ジェレミー! ボリス! 助けてくれ!」
アーノルドの悲鳴が遠ざかっていく。
慣れた山道を全力でツアンプは駆け下りる。急がなきゃ! と焦っていたため、麓の街道に出たところで顔から転んでしまった。
鼻を擦りむいてしまったようだが気にしていられない。早く! 早く! と立ち上がりもう一度走る。
走りながら誰か助けてくださいと祈っていた時、街道の向こうに偶然、ハンター達が歩いているのが見えた。
ツアンプは、走り寄って声をかける。
「お願いします! 助けてください!」
解説
謎の蔓からアーノルドとリアンを助けてください。
シェノグ族:辺境の山で、山菜や薬草を収穫して暮らしている。
部族の象徴として赤い鞭を全員が所持している。武器として使用できるかは個人による。
商人たち:アーノルド、ジェレミー、ボリス。いずれも一般人、男性、40代。
シェノグ族とは、長年薬草の取引をしている。
山中の道は、獣道を踏み固めたものなので足元に注意。
蔓が消えた先は、平坦な場所が少し続いて上り斜面になっている。どの場所も自然のままの森林。
雪は降っていない。
枯れ草や落ち葉に覆われていて細かい地形は一見しただけでは分からない。
NPC:ツアンプ・シェノグ(kz0170) 一般人
「地形はだいたい分かります。案内しましょうか」
と案内を申し出ています。案内を任せるのも、待っていてもらうのも、どちらでもどうぞ。
以下、PL情報
蔓は道から外れて山をズルズルと引きずって移動している。
リアン(一般人 19歳)は、木から落ちた時に頭を打って気絶。引きずられて擦り傷など。
アーノルド(一般人 41歳)は、肩を脱臼している。意識はある。引きずられて擦り傷など。
白いワンピースの少女たちと蜂の群れ:いずれも雑魔。
蔓の少女の雑魔:2体。動物を蔓で襲い餌にしている。敵と認識すれば蔓で攻撃する。また、香りを凝縮した花粉をばら撒く。
蜂の群れの雑魔:多数いる。命令されている様子はないが、少女に近づく動物に集団で襲い掛かる。
シェノグ族:辺境の山で、山菜や薬草を収穫して暮らしている。
部族の象徴として赤い鞭を全員が所持している。武器として使用できるかは個人による。
商人たち:アーノルド、ジェレミー、ボリス。いずれも一般人、男性、40代。
シェノグ族とは、長年薬草の取引をしている。
山中の道は、獣道を踏み固めたものなので足元に注意。
蔓が消えた先は、平坦な場所が少し続いて上り斜面になっている。どの場所も自然のままの森林。
雪は降っていない。
枯れ草や落ち葉に覆われていて細かい地形は一見しただけでは分からない。
NPC:ツアンプ・シェノグ(kz0170) 一般人
「地形はだいたい分かります。案内しましょうか」
と案内を申し出ています。案内を任せるのも、待っていてもらうのも、どちらでもどうぞ。
以下、PL情報
蔓は道から外れて山をズルズルと引きずって移動している。
リアン(一般人 19歳)は、木から落ちた時に頭を打って気絶。引きずられて擦り傷など。
アーノルド(一般人 41歳)は、肩を脱臼している。意識はある。引きずられて擦り傷など。
白いワンピースの少女たちと蜂の群れ:いずれも雑魔。
蔓の少女の雑魔:2体。動物を蔓で襲い餌にしている。敵と認識すれば蔓で攻撃する。また、香りを凝縮した花粉をばら撒く。
蜂の群れの雑魔:多数いる。命令されている様子はないが、少女に近づく動物に集団で襲い掛かる。
マスターより
お久しぶりです。実生活でバタバタしている間に、前回から間が空いてしまいました。
なんとか一月中に出すことが出来てホッとしています。
今年は、定期的にリリースしていきたいと、新年の抱負を書きつつ。よろしくお願いします。
なんとか一月中に出すことが出来てホッとしています。
今年は、定期的にリリースしていきたいと、新年の抱負を書きつつ。よろしくお願いします。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/02/16 20:13
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/02/01 16:41:30 |
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【相談卓】アルラウネ退治? アルラウネ(ka4841) エルフ|24才|女性|舞刀士(ソードダンサー) |
最終発言 2016/02/04 07:19:37 |