ゲスト
(ka0000)
知追う者、刻令術に興味持つ
マスター:狐野径

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 寸志
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/02/04 19:00
- リプレイ完成予定
- 2016/02/13 19:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
●出張?
エトファリカ連邦国、陰陽寮の一角において、プチ腹黒い話が進められていた。
大江 紅葉(kz0163)は上司にその話を聞いた瞬間、渋面を作る。
「出張なら休みにならないんだからいいだろう? おまけに付けたのは松永殿だ。きっとお前の言うことを聞いてちゃんと助言もくれる」
「……」
「まあ、街中だから危険もほぼないだろうけど、場所によってはチンピラに絡まれたり、犯罪に巻き込まれるかもしれないし、お前の場合、珍獣だとか行って駆けだしたりするかもしれない。刻令術自体禁術扱いもされていたんだろう……」
紅葉は恥ずかしさで顔が赤くなるが、上司の心配も理解する。上司であり、紅葉を指導した先生でもあり、父や年の離れた兄のような存在だから。
「武官どもも他国は気になる。かといって武人は出かける機会は限られる」
行こうと思えば行けるが、情報の共有は限られる。
「口実ってのもあるからな」
「……分かりました」
紅葉は折れた。
「で、松永殿って、光頼殿?」
「あ、うん、そうだよ。松永 光頼殿だ」
紅葉はうなずいた。彼には弟もいるらしいし、松永と言う名字の者もいるだろうから重要なことだった。
●手紙
工房で手紙を見たアダム・マンスフィールドは目を上げた。
手紙を出した本人である紅葉はすでに前にいる。椅子に座って待っているが、キラキラとした目できょろきょろしつつ、付添いの青年にたしなめられている。
(手紙が届く前に本人が来る……いや)
届くのに時間がかかり、予定を変えられない本人がやってきたというだけ。
新しい技術に興味を抱き、期待に輝く若い術者。
「それで、刻令術が知りたい、と」
「はい、何もかも! と言いたいところですが、初歩からお願いします。結局、図書館には行けずしまいです」
手紙にそのことは書いてあった。行けば出てこなくなると周りにとめられている、と。
エトファリカ連邦国の汚染された地域に足を延ばすには刻令術が役に立つのではと彼女はいう。
希望に満ちている。
「もちろん、お忙しいでしょうから、無理にはとは言いません。マンスフィールド様が良いとおっしゃって下さるなら」
商品説明なら第六商会で良いのだ。
アダムも推測は付く、彼女が望むのは一歩先。使えるなら自分で作りかえる知識と力。その上で国のためになる道具。
刻令術に関しての技術者も研究者も不足しているのは事実。
ただし、彼女はこの国の人間ではない。古いしきたりを重んじる、頭の固い人間に知られれば、そしられるかもしれないだろうが……教えて構わないだろう。それらは全てヘクス・シャルシェレット(kz0015)が被る形になるだろうから。
「よろしい、ならば講義をさせて頂こう」
その瞬間、彼女が全身で喜ぶ。わっと手を上げるとか声を出したわけではないが、ぱあと明るくなるような雰囲気を散らした。
まぶしい。
「ありがとうございます。松永殿も一緒に?」
「私は門外漢ですよ? おとなしくここで待っています」
光頼は苦笑するが、紅葉に腕をひかれる。
同じ待つなら聞けばいいということらしかった。
説明を聞きながら紅葉は真面目に聞くが笑顔は消えない。
「機導と符術を足して割った感じでしょうか?」
「私は符術を知らんが……そうかね」
符術も別に書くわけではないが、幅広く術は存在する。その中の一角を考えれば似てなくもないのかもしれない。
「なんで禁術と言われたんですか」
「大江殿っ! そのこと、聞いていないんですが」
「え? ふふっ……また変な噂立つって先生が黙っているようにって」
「……はあ」
アダムが答えるよりも二人で会話が進む。
「……禁術に、興味があるのかね」
興味がふとわいた。エトファリカでこの娘も禁術に手を出そうとしたのだろうか、と。
「え? あ、まあ去年なんですが、私の妹が死んで、その絡みで妖怪……歪虚と手を結ぶんじゃないとか、散々、歪虚の力でなら死者は蘇るとか……」
「歪虚のあれは……復活と言うには少々片手落ち、だがね」
「そうですよ? 私だって、歪虚になっちゃえば力を得られるかもしれないけれど、守りたい人が守れるわけではないと思いとどまりましたよ? マンスフィールド様、どうかしましたか?」
紅葉はアダムの様子に気づいて尋ねる。
「いや。少し興味を覚えただけだ。不躾な問い、失礼した。……ところで、これまでの説明で分からなかったことは?」
「いえ、むしろもっと知りたくなりました。ありがとうございました。お忙しい中」
説明が終わった後、頭を深々と下げる紅葉と光頼。
外に出ると二人は外套を羽織る。紅葉の方は耳宛てや襟巻までまかれもこもこスタイルになっている。本人は嫌がっている様子だが、聞こえる言葉からは兄と妹のような関係に思えてほほえましかった。
●融通してもらう
「やっぱり欲しいです」
グラズヘイムは寒いらしいと話を聞いた家臣たちにより、立派な耳宛て、襟巻に手袋、マントを羽織った紅葉は呻く。
「……デュニクスで使われていますが、まだ販売しているわけではないんでしょう?」
そのあたりは光頼も情報は抑えている。
「でも、実際使っているということはあるはずです」
「第六商会でしたっけ」
「はい、あそこですね」
紅葉は店とはいかない事務所のようなところの戸を叩いた。
「こんにちは、あの……刻令術で動く農具に興味があるんですけど」
中にいた者は突然の来訪にもかかわらず、丁寧に応対をした。
「まだ準備中ということで店はないんですが」
「……これから、エトファリカも農作業の時期を迎えます。そこできっと役に立つのではないかと……」
紅葉と相手の交渉が始まり、光頼はただ冷静にいようとその場で待っていた。
「うぅ、お値段」
「だから、諦めましょう? さすがにそれ、自費でも無理でしょ?」
「……う、ううううう、自分で」
「作るのはなしですよ? 今日の話聞いて仕組みは分かっても、その先は話しが別です。あなたはどこに籍を置く人ですか?」
うめく紅葉に冷静に光頼は返していく。外堀を埋めておかないと、ここに残ってアダムの弟子になると言いかねない。
「……大江様でしたら、融資ということも考えてもよろしいですよ?」
にこやかな職員の言葉に紅葉ははっとした。
「有志!」
「はい、融資です」
「……うん、決めた、頼んでくる」
「はい、契約書を……」
「だって便利だもの、皆に言えばお金ちょっとずつ融通してもらえる……」
この瞬間、職員と光頼は食い違いに気づいた。
「……どれか一台ならきっと!」
職員としては良さが伝わり販売経路が広がればいい。
「どれにしよう……」
実際考えると紅葉は悩んだ。
光頼も一緒に困った。
「いっそのことハンターに相談しませんか? 各地を見ているハンターたちならいい案をくれるかもしれません」
職員も別に異存はない、買う買わないは紅葉が決める事であり、売り込む段階は終わったのだから。
●出張?
エトファリカ連邦国、陰陽寮の一角において、プチ腹黒い話が進められていた。
大江 紅葉(kz0163)は上司にその話を聞いた瞬間、渋面を作る。
「出張なら休みにならないんだからいいだろう? おまけに付けたのは松永殿だ。きっとお前の言うことを聞いてちゃんと助言もくれる」
「……」
「まあ、街中だから危険もほぼないだろうけど、場所によってはチンピラに絡まれたり、犯罪に巻き込まれるかもしれないし、お前の場合、珍獣だとか行って駆けだしたりするかもしれない。刻令術自体禁術扱いもされていたんだろう……」
紅葉は恥ずかしさで顔が赤くなるが、上司の心配も理解する。上司であり、紅葉を指導した先生でもあり、父や年の離れた兄のような存在だから。
「武官どもも他国は気になる。かといって武人は出かける機会は限られる」
行こうと思えば行けるが、情報の共有は限られる。
「口実ってのもあるからな」
「……分かりました」
紅葉は折れた。
「で、松永殿って、光頼殿?」
「あ、うん、そうだよ。松永 光頼殿だ」
紅葉はうなずいた。彼には弟もいるらしいし、松永と言う名字の者もいるだろうから重要なことだった。
●手紙
工房で手紙を見たアダム・マンスフィールドは目を上げた。
手紙を出した本人である紅葉はすでに前にいる。椅子に座って待っているが、キラキラとした目できょろきょろしつつ、付添いの青年にたしなめられている。
(手紙が届く前に本人が来る……いや)
届くのに時間がかかり、予定を変えられない本人がやってきたというだけ。
新しい技術に興味を抱き、期待に輝く若い術者。
「それで、刻令術が知りたい、と」
「はい、何もかも! と言いたいところですが、初歩からお願いします。結局、図書館には行けずしまいです」
手紙にそのことは書いてあった。行けば出てこなくなると周りにとめられている、と。
エトファリカ連邦国の汚染された地域に足を延ばすには刻令術が役に立つのではと彼女はいう。
希望に満ちている。
「もちろん、お忙しいでしょうから、無理にはとは言いません。マンスフィールド様が良いとおっしゃって下さるなら」
商品説明なら第六商会で良いのだ。
アダムも推測は付く、彼女が望むのは一歩先。使えるなら自分で作りかえる知識と力。その上で国のためになる道具。
刻令術に関しての技術者も研究者も不足しているのは事実。
ただし、彼女はこの国の人間ではない。古いしきたりを重んじる、頭の固い人間に知られれば、そしられるかもしれないだろうが……教えて構わないだろう。それらは全てヘクス・シャルシェレット(kz0015)が被る形になるだろうから。
「よろしい、ならば講義をさせて頂こう」
その瞬間、彼女が全身で喜ぶ。わっと手を上げるとか声を出したわけではないが、ぱあと明るくなるような雰囲気を散らした。
まぶしい。
「ありがとうございます。松永殿も一緒に?」
「私は門外漢ですよ? おとなしくここで待っています」
光頼は苦笑するが、紅葉に腕をひかれる。
同じ待つなら聞けばいいということらしかった。
説明を聞きながら紅葉は真面目に聞くが笑顔は消えない。
「機導と符術を足して割った感じでしょうか?」
「私は符術を知らんが……そうかね」
符術も別に書くわけではないが、幅広く術は存在する。その中の一角を考えれば似てなくもないのかもしれない。
「なんで禁術と言われたんですか」
「大江殿っ! そのこと、聞いていないんですが」
「え? ふふっ……また変な噂立つって先生が黙っているようにって」
「……はあ」
アダムが答えるよりも二人で会話が進む。
「……禁術に、興味があるのかね」
興味がふとわいた。エトファリカでこの娘も禁術に手を出そうとしたのだろうか、と。
「え? あ、まあ去年なんですが、私の妹が死んで、その絡みで妖怪……歪虚と手を結ぶんじゃないとか、散々、歪虚の力でなら死者は蘇るとか……」
「歪虚のあれは……復活と言うには少々片手落ち、だがね」
「そうですよ? 私だって、歪虚になっちゃえば力を得られるかもしれないけれど、守りたい人が守れるわけではないと思いとどまりましたよ? マンスフィールド様、どうかしましたか?」
紅葉はアダムの様子に気づいて尋ねる。
「いや。少し興味を覚えただけだ。不躾な問い、失礼した。……ところで、これまでの説明で分からなかったことは?」
「いえ、むしろもっと知りたくなりました。ありがとうございました。お忙しい中」
説明が終わった後、頭を深々と下げる紅葉と光頼。
外に出ると二人は外套を羽織る。紅葉の方は耳宛てや襟巻までまかれもこもこスタイルになっている。本人は嫌がっている様子だが、聞こえる言葉からは兄と妹のような関係に思えてほほえましかった。
●融通してもらう
「やっぱり欲しいです」
グラズヘイムは寒いらしいと話を聞いた家臣たちにより、立派な耳宛て、襟巻に手袋、マントを羽織った紅葉は呻く。
「……デュニクスで使われていますが、まだ販売しているわけではないんでしょう?」
そのあたりは光頼も情報は抑えている。
「でも、実際使っているということはあるはずです」
「第六商会でしたっけ」
「はい、あそこですね」
紅葉は店とはいかない事務所のようなところの戸を叩いた。
「こんにちは、あの……刻令術で動く農具に興味があるんですけど」
中にいた者は突然の来訪にもかかわらず、丁寧に応対をした。
「まだ準備中ということで店はないんですが」
「……これから、エトファリカも農作業の時期を迎えます。そこできっと役に立つのではないかと……」
紅葉と相手の交渉が始まり、光頼はただ冷静にいようとその場で待っていた。
「うぅ、お値段」
「だから、諦めましょう? さすがにそれ、自費でも無理でしょ?」
「……う、ううううう、自分で」
「作るのはなしですよ? 今日の話聞いて仕組みは分かっても、その先は話しが別です。あなたはどこに籍を置く人ですか?」
うめく紅葉に冷静に光頼は返していく。外堀を埋めておかないと、ここに残ってアダムの弟子になると言いかねない。
「……大江様でしたら、融資ということも考えてもよろしいですよ?」
にこやかな職員の言葉に紅葉ははっとした。
「有志!」
「はい、融資です」
「……うん、決めた、頼んでくる」
「はい、契約書を……」
「だって便利だもの、皆に言えばお金ちょっとずつ融通してもらえる……」
この瞬間、職員と光頼は食い違いに気づいた。
「……どれか一台ならきっと!」
職員としては良さが伝わり販売経路が広がればいい。
「どれにしよう……」
実際考えると紅葉は悩んだ。
光頼も一緒に困った。
「いっそのことハンターに相談しませんか? 各地を見ているハンターたちならいい案をくれるかもしれません」
職員も別に異存はない、買う買わないは紅葉が決める事であり、売り込む段階は終わったのだから。
解説
どれを購入すべきかの相談
購入後使ってみる?
※ちゃんとした理由があれば、「購入を勧めない」でも良しです。
●融通してもらえる機体(すべて小型な物)
・運搬機 四輪駆動の車体に荷台を取り付けてある。
・スプリンクラー 液体を入れたタンクを背負ってホースで撒く道具。
・耕運機 手押し車型で土を耕す物。
●予想される大江家での利用
畑はあるがそれほど広くはない。大江家が昔住んでいた里はまだ人が住むには難しいため。
隣近所の人に使ってもらう。
なお、松永家は家来も多いし、土地も持っているため、どれでも役に立つ。
●NPC
・大江 紅葉 符術師、エトファリカ復興のために日夜走り回る勤勉な陰陽寮の役人。運搬機があると便利かなと思っています。どれも捨てがたい……。年配の家臣が多いためか、子ども扱いが抜けず、グラズヘイムは寒かろうと防寒具が多い。
・松永 光頼 武人、貧乏くじ引くタイプのまじめで器用に何でもこなせる人。
●刻令術とは
過去に魔術師協会によって禁術指定され、現在では不完全な魔術として復活。
魔術による命令文によって『ゴーレム』を動かす為の魔術。関節や稼働部があれば動かす事ができ、農具の開発にもつながりました。
※ムジカ・トラスSSDの「デュニクス騎士団 第五篇『農業革命』」を参考にしています。
購入後使ってみる?
※ちゃんとした理由があれば、「購入を勧めない」でも良しです。
●融通してもらえる機体(すべて小型な物)
・運搬機 四輪駆動の車体に荷台を取り付けてある。
・スプリンクラー 液体を入れたタンクを背負ってホースで撒く道具。
・耕運機 手押し車型で土を耕す物。
●予想される大江家での利用
畑はあるがそれほど広くはない。大江家が昔住んでいた里はまだ人が住むには難しいため。
隣近所の人に使ってもらう。
なお、松永家は家来も多いし、土地も持っているため、どれでも役に立つ。
●NPC
・大江 紅葉 符術師、エトファリカ復興のために日夜走り回る勤勉な陰陽寮の役人。運搬機があると便利かなと思っています。どれも捨てがたい……。年配の家臣が多いためか、子ども扱いが抜けず、グラズヘイムは寒かろうと防寒具が多い。
・松永 光頼 武人、貧乏くじ引くタイプのまじめで器用に何でもこなせる人。
●刻令術とは
過去に魔術師協会によって禁術指定され、現在では不完全な魔術として復活。
魔術による命令文によって『ゴーレム』を動かす為の魔術。関節や稼働部があれば動かす事ができ、農具の開発にもつながりました。
※ムジカ・トラスSSDの「デュニクス騎士団 第五篇『農業革命』」を参考にしています。
マスターより
こんにちは。
最近、ムジカSSDとの関係がNPCたちの関係と似ているとふと思いました。どの辺かというと、推して測っていただければ……。
さて、大江 紅葉が【節V】でカカオ探しにテユカと五来を送り出した理由はこれにありました。
知追う者、刻令術に興味を持たないわけがありません。エトファリカのためにと自分の好奇心を満たす間の物を発見、それが刻令術の農具。
さて、どれを持って帰って、使ってみるか……という最大の問題です。
どれも役に立つのは分かりますが、さて、どうしましょうか?
よろしくお願いします。
最近、ムジカSSDとの関係がNPCたちの関係と似ているとふと思いました。どの辺かというと、推して測っていただければ……。
さて、大江 紅葉が【節V】でカカオ探しにテユカと五来を送り出した理由はこれにありました。
知追う者、刻令術に興味を持たないわけがありません。エトファリカのためにと自分の好奇心を満たす間の物を発見、それが刻令術の農具。
さて、どれを持って帰って、使ってみるか……という最大の問題です。
どれも役に立つのは分かりますが、さて、どうしましょうか?
よろしくお願いします。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/02/09 22:54
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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相談卓 フラン・レンナルツ(ka0170) 人間(リアルブルー)|23才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2016/02/04 05:33:53 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/02/04 05:31:56 |