ゲスト
(ka0000)
珈琲サロンとぱぁずと誕生祝
マスター:佐倉眸

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/02/08 07:30
- リプレイ完成予定
- 2016/02/17 07:30
オープニング
●
蒸気工場都市フマーレ、その商業区の一角に常連で賑わう喫茶店、珈琲サロンとぱぁずが佇んでいる。
老齢の店長が隠居を宣言してから1年と少し、かつて看板娘だった孫娘のユリアが今では立派に店長代理を務めている。
ランチとティータイムを終えた店は静かで、カウンターに来客は1人。
工業区に済む職人で、最近この店を知って時折通っている。若くコーヒー好きの職人はユリアとも店員のローレンツとも気が合うらしく、空いた時間を見計らった様に訪ねてくる。
その職人が今日は自慢げにオルゴールを持参してきた。
カウンターで開く箱形のオルゴール、耳を澄ますとユリアには聞き覚えの無いメロディが流れてきた。
「――妻が、聞いていた子守歌らしいんだ。義父がリアルブルーの人だったらしくてね」
職人の妻はここから馬車で一日かかる極彩色の街ヴァリオスの出身で、父親は転移者のハンターで幼い頃に殉職していた。
見習いを終えたばかりの若い職人の工房へ籠もりがちな不規則な生活に、妻は身重の身体では伴えず、実家に帰っていた。
「春に、店を持てるようになったんで……やっと迎えに行けますよ」
カップを持つ傷だらけの手に彼の努力が覗える。
子供が生まれたと言う報せを先月受け取った。女の子だという。急いで作ったオルゴールは、妻がよく歌っていたリアルブルーの子守歌だ。
馬車の揺れはオルゴールには良くない、かといって、徒歩で街道を越えるのは難しいだろうから。
「ここでは、ハンターに依頼を通して貰えるんだろう?」
職人の言葉にユリアはぱちくりと目を瞠った。
奥の広いテーブルには、これまでの依頼の相談に使った地図がピンを刺したままで置かれているし、コルクボードには謝礼の手紙も飾ってある。
この店に来る以前、ユリアもハンターの助けを借りたことが有り、店で相談を受ける度にハンターオフィスへの依頼を進めていたら。
「いつの間にかそうなっていただけ。私は何もしていないわ」
とぱぁずを通じてハンターへの依頼が届けられた。
ヴァリオスまで徒歩で、大切なプレゼントを運びたい職人より。
●×××
相談にテーブルを使って貰うのは構わないからと、集合を待ちながらクッキーを焼き、ローレンツがコーヒーを煎れる。
ふと目を逸らしていた間に来客があったらしく、カウンターには華やかな和装に、黒髪を結い上げて簪を揺らし、頬にガーゼを貼った女性が掛けていた。
硝子玉の様な目でユリアを見詰めるとうっそりと微笑んだ。
「久しぶりね、ユリア」
「あら、どうしたの、怪我?」
「そう。苛められたの酷いでしょ……ねえ、ユリア、貴女にも会いたい人っているんじゃないかしら?」
小さな細い手がカウンターの奥に飾ったゴーグルを指す。
ひび割れたゴーグルは、海で逝った夫の形見。
「私ね、ある方に仕えていて……私が仕えるくらいだから、すごい方なんだけど……その方ね、会いたい人に会わせてくれる、すごい力を持っているの。ねえ、ユリア、一緒に来てみない?」
ユリアはゴーグルを手にとって歪んだフレームを、ひび割れたレンズを撫でる。寂しげに、愛おしげに。
「やめておくわ」
ゴーグルを置いて、ユリアが笑った。
「そう、残念。……また来るわ。ね、ユリア、私たち、お友達よね?」
「ええ、勿論」
硝子玉の様な目でうっそりと笑み、しゃん、と草履の鈴を鳴らして去っていった。
●
職人は旅支度を調えて、すぐに帰って来るけれど、と笑いながら出発前のコーヒーを飲む。
今度は妻と娘も連れて来たいな。
楽しみね、と賑わい始めた店のテーブルへ、コーヒーを、ケーキを運びながらユリアが振り返った。
そして、ハンター達と合流した職人が街を発ち、いつもと同じように店を常連の愉しげな談笑とコーヒーの香りが満たす。
日が沈み夜も更けて、ローレンツも帰途に就いた頃。
ユリアは寝起きしている店の2階で、クローゼットから1枚のドレスを取り出した。
ピンクのAライン、小花レースの丸襟と、裾にもフリルとレースをあしらうそれ。似合うと言ってくれた人はもういないけれど、捨てられなくて。
「……会いたい人に、か……」
暫く眺めたドレスをクローゼットに仕舞い込んでベッドに潜ると、旅の無事を祈りながら目を閉じた。
祈りは届かなかったのか、翌朝に届けられた新聞には、昨日、職人がハンターと出発した日から、ヴァリオスへの街道にゴブリンの群が発生している記事が載っていた。
蒸気工場都市フマーレ、その商業区の一角に常連で賑わう喫茶店、珈琲サロンとぱぁずが佇んでいる。
老齢の店長が隠居を宣言してから1年と少し、かつて看板娘だった孫娘のユリアが今では立派に店長代理を務めている。
ランチとティータイムを終えた店は静かで、カウンターに来客は1人。
工業区に済む職人で、最近この店を知って時折通っている。若くコーヒー好きの職人はユリアとも店員のローレンツとも気が合うらしく、空いた時間を見計らった様に訪ねてくる。
その職人が今日は自慢げにオルゴールを持参してきた。
カウンターで開く箱形のオルゴール、耳を澄ますとユリアには聞き覚えの無いメロディが流れてきた。
「――妻が、聞いていた子守歌らしいんだ。義父がリアルブルーの人だったらしくてね」
職人の妻はここから馬車で一日かかる極彩色の街ヴァリオスの出身で、父親は転移者のハンターで幼い頃に殉職していた。
見習いを終えたばかりの若い職人の工房へ籠もりがちな不規則な生活に、妻は身重の身体では伴えず、実家に帰っていた。
「春に、店を持てるようになったんで……やっと迎えに行けますよ」
カップを持つ傷だらけの手に彼の努力が覗える。
子供が生まれたと言う報せを先月受け取った。女の子だという。急いで作ったオルゴールは、妻がよく歌っていたリアルブルーの子守歌だ。
馬車の揺れはオルゴールには良くない、かといって、徒歩で街道を越えるのは難しいだろうから。
「ここでは、ハンターに依頼を通して貰えるんだろう?」
職人の言葉にユリアはぱちくりと目を瞠った。
奥の広いテーブルには、これまでの依頼の相談に使った地図がピンを刺したままで置かれているし、コルクボードには謝礼の手紙も飾ってある。
この店に来る以前、ユリアもハンターの助けを借りたことが有り、店で相談を受ける度にハンターオフィスへの依頼を進めていたら。
「いつの間にかそうなっていただけ。私は何もしていないわ」
とぱぁずを通じてハンターへの依頼が届けられた。
ヴァリオスまで徒歩で、大切なプレゼントを運びたい職人より。
●×××
相談にテーブルを使って貰うのは構わないからと、集合を待ちながらクッキーを焼き、ローレンツがコーヒーを煎れる。
ふと目を逸らしていた間に来客があったらしく、カウンターには華やかな和装に、黒髪を結い上げて簪を揺らし、頬にガーゼを貼った女性が掛けていた。
硝子玉の様な目でユリアを見詰めるとうっそりと微笑んだ。
「久しぶりね、ユリア」
「あら、どうしたの、怪我?」
「そう。苛められたの酷いでしょ……ねえ、ユリア、貴女にも会いたい人っているんじゃないかしら?」
小さな細い手がカウンターの奥に飾ったゴーグルを指す。
ひび割れたゴーグルは、海で逝った夫の形見。
「私ね、ある方に仕えていて……私が仕えるくらいだから、すごい方なんだけど……その方ね、会いたい人に会わせてくれる、すごい力を持っているの。ねえ、ユリア、一緒に来てみない?」
ユリアはゴーグルを手にとって歪んだフレームを、ひび割れたレンズを撫でる。寂しげに、愛おしげに。
「やめておくわ」
ゴーグルを置いて、ユリアが笑った。
「そう、残念。……また来るわ。ね、ユリア、私たち、お友達よね?」
「ええ、勿論」
硝子玉の様な目でうっそりと笑み、しゃん、と草履の鈴を鳴らして去っていった。
●
職人は旅支度を調えて、すぐに帰って来るけれど、と笑いながら出発前のコーヒーを飲む。
今度は妻と娘も連れて来たいな。
楽しみね、と賑わい始めた店のテーブルへ、コーヒーを、ケーキを運びながらユリアが振り返った。
そして、ハンター達と合流した職人が街を発ち、いつもと同じように店を常連の愉しげな談笑とコーヒーの香りが満たす。
日が沈み夜も更けて、ローレンツも帰途に就いた頃。
ユリアは寝起きしている店の2階で、クローゼットから1枚のドレスを取り出した。
ピンクのAライン、小花レースの丸襟と、裾にもフリルとレースをあしらうそれ。似合うと言ってくれた人はもういないけれど、捨てられなくて。
「……会いたい人に、か……」
暫く眺めたドレスをクローゼットに仕舞い込んでベッドに潜ると、旅の無事を祈りながら目を閉じた。
祈りは届かなかったのか、翌朝に届けられた新聞には、昨日、職人がハンターと出発した日から、ヴァリオスへの街道にゴブリンの群が発生している記事が載っていた。
解説
目的 オルゴールを壊さずに職人をヴァリオスまで護衛する
●エネミー
ゴブリンの群(4匹~)×2~
小規模の群が複数発生しているようです。
棍棒で叩く、石を投げる攻撃を行います。
群は合流し、規模を拡大する事もあるようです。
大規模な群では指揮を執るものがいるようですが、
此処の攻撃手段に変化はありません。
●街道
開けた道、両サイドは茂みで、その奥は森。
2~3人程度は横に広がって戦うことが出来ます。
●NPC
職人(依頼人)
生まれた娘へオルゴールを届けに行きたいと考えています。
基本的には指示に従いますが、攻撃されると混乱し、ランダムに逃走を行います。
着込んでいますが、防御力は低く、反撃の手段もありません。
オルゴールは背負ったリュックの中です。
ユリア
店長代理、妙齢の女性。
夫と死別して実家に戻ったところ、怪我の勢いで隠居した祖父に、店を任されることになった模様。
●エネミー
ゴブリンの群(4匹~)×2~
小規模の群が複数発生しているようです。
棍棒で叩く、石を投げる攻撃を行います。
群は合流し、規模を拡大する事もあるようです。
大規模な群では指揮を執るものがいるようですが、
此処の攻撃手段に変化はありません。
●街道
開けた道、両サイドは茂みで、その奥は森。
2~3人程度は横に広がって戦うことが出来ます。
●NPC
職人(依頼人)
生まれた娘へオルゴールを届けに行きたいと考えています。
基本的には指示に従いますが、攻撃されると混乱し、ランダムに逃走を行います。
着込んでいますが、防御力は低く、反撃の手段もありません。
オルゴールは背負ったリュックの中です。
ユリア
店長代理、妙齢の女性。
夫と死別して実家に戻ったところ、怪我の勢いで隠居した祖父に、店を任されることになった模様。
マスターより
久しぶりにとぱぁず……先月が初夢で先々月が日常っぽい以来だった所為でしょうか……
街道でゴブリンを倒したり逃げたりする依頼です。
よろしくお願いします。
(×××に出ている誰かは、「彼等の~」に出ている誰かです)
街道でゴブリンを倒したり逃げたりする依頼です。
よろしくお願いします。
(×××に出ている誰かは、「彼等の~」に出ている誰かです)
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/02/16 01:00
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/02/06 20:09:46 |
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音色の守り人 ロニ・カルディス(ka0551) ドワーフ|20才|男性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2016/02/07 07:20:53 |