• 無し

【節V】運命のインスパイア

マスター:大林さゆる

このシナリオは2日間納期が延長されています。

シナリオ形態
ショート
難易度
やや難しい
参加費
1,000
参加人数
現在4人 / 4~7人
サポート
現在0人 / 0~14人
マテリアルリンク
報酬
多め
相談期間
5日
プレイング締切
2016/02/14 07:30
リプレイ完成予定
2016/02/25 07:30

オープニング

『突然だけど、今年のヴァレンタインデーを再開する!』
『『『な、なんだってー!!!』』』


 カカオ減産、そして高騰に伴うチョコレートの供給危機を前に、ハンターズソサエティのショップ店員シルキー・アークライトが敗北し、ソサエティショップ史上初のチョコレート販売停止がなされた事は記憶に新しい。
 アカシラが偶さかカカオ豆の原生地を知っていた事から、突如として執り行われることとなった【長江】への進撃は、破竹の勢いを見せた。実に百名を超えるハンター達による怒涛の侵攻に、現地の歪虚達は手も足も出なかった。結果として、ハンター達は東方の支配地域に食い込み、西方へのカカオの供給を回復させしめたのである。

 東方での争乱は、西方へも確かな影響を与えていた。西方に溜めこまれていたたカカオ豆は値下がりを免れず、爆発的な勢いで在庫が掃きだされることとなったのだ。カカオ豆は徐々に適正価格に近付いて行き――ついに、チョコレートの流通が、回復したのである。

 バレンタインデーというハートウォーミングでキャッチ―なイベントを前にして届いた朗報に、市井には喜びの声が溢れたという。
 尤も、裏方は血の涙を流しているかもしれないのだが。



「せっかく、こっちの世界に来たのに……」
 リアルブルー出身の少年ハンター、水本 壮(みずもと・そう)は、河岸に座り込み、項垂れていた。
 壮にとって、ヴァレンタインは無縁であった。
 元の世界にいた頃の思い出と言えば、クラスにいた人気者の男子がダンボール箱一杯に入るほどのチョコをたくさん貰っていたのに対して、自分は義理チョコさえ貰うことができなかった。
 かと言って、チョコレート頂戴と頼むのもプライドが許さなかった。いつか『男』として本命チョコレートが欲しいという想いもあったが、それを決意した翌日に転移してきたのだ。
 さすがに異世界ではヴァレンタインの風習はないだろうと思いきや、あったのだ。
「今年のヴァレンタインデーは終了するって聞いたけど、カカオ豆があったなんて」
 壮は川に向かって小石を投げていたが、しばらくすると水面から黒い鱗の半漁人たちが出現した。
「なんだよ、いきなり現れやがって」
 戦闘開始……壮はすぐさま逃げ出した。
「俺は今、闘う余裕はないっす」
 ひたすら走り、走って、走り続けて、辿り着いた場所は……どこだろう?
「やべっ、マジで、ここがどこだか分からないな」
 壮が息を切らしながら立ち止まると、フードを被った二人の少女が近づいてきた。
「どうしたっすか」
「……。……」
 少女たちは、何も言わずに、突然、チョコレートを壮に手渡した。
「な、な、なんてこった……いや、これは夢だ夢……現実である訳がない」
 壮は立ち去ろうとするが、二人の少女はそそくさと壮に接近して、チョコレートを無理やり手渡した。
「な、なんて強引な女の子たちっすね。そんなにくれるっていうなら、ありがたくいただくっすよ」
 ついに、この時が来た。
 女の子から、チョコレートを貰った瞬間を一生、忘れはしないと壮は心に誓った。
「初めて会ったばかりのような気もするけど、どこかで俺の活躍でも聞いたのかな」
 壮は照れながら、少女たちに話しかけた。
 だが、彼女たちからの返事はない。
「君達、シャイなのかな。チョコレートは大切にするっすからね」
 壮が少女たちに声をかけると、通りすがりの商人たちがやたらと距離を取って、道を通っていくのが見えた。
 それに気が付いた壮は話しかけようとしたが、商人たちは何やら恐怖を感じ、一目散に逃げ出した。
「なんすか。ここはどこか、聞きたかっただけなのに……それとも、さっき見かけた半漁人たちがこっちに来てるとか?」
 振り返ると、案の定、半漁人の群れが近づいてくるではないか。
 だが、商人たちが逃げ出したのは、そのせいだけではない。
 フードを被った少女たちの全身が『鉄』だったため、歪虚かと思い、危険を感じて逃げ出したのだ。
 壮は初めてチョコレートを貰ったことがうれしくて、少女たちの本性に気付いていなかった。
 歪虚化した鉄の人形…アンアンガールたちが壮に手渡したチョコレートは、商人たちから奪い取ったものだったのだ。
 そうとは知らず、ウキウキ気分の壮。
「とりあえず、商人たちの後を追えば、どっかの町には辿り着くはずっすよ」
 行商の道を辿って、壮が歩き出すと、二人の少女も付いてくるではないか。
「君達も俺と一緒に付いてくるっすか。良いっすよ。チョコのお礼で、町に着くまで俺が護衛するから」
 壮は上機嫌であった。
 


 その日の昼過ぎ。
 ハンター・オフィスに依頼が舞い込んできた。
「アイアンガール退治か。この依頼は他のハンターに任せるか」
 マクシミリアン・ヴァイス(kz0003)は、控室で休むことにした。
 依頼には『一人の少年がアイアンガールに付きまとわれている』と書かれていたが、その少年が水本だとは、マクシミリアンには知る由もなかった。
「そう言えば、水本のヤツ、最近……姿を見かけないな」
 まさかという考えもあったが、マクシミリアンは水本が歪虚に付きまとわれる原因が分からなかった。
 そのため、今回の依頼に出てくる少年が水本だとは思っていなかったのだ。
 今回の依頼に目を付けたハンターたちも、少年の正体が「水本 壮」だとは知らなかった。
 果たして、水本 壮の行く末は……?

解説

■プレイヤー情報
 チョコと少女に目がくらんでいる水本 壮(みずもと・そう)は、アイアンガールを「人間の少女」と思い込んでいます。
 少し厄介なのは、水本は恋愛に対して「夢見がち」なため、最悪の場合は歪虚に取り込まれてしまいます。


■依頼の趣旨
少年を正気に戻し、ハンターとしての自覚を持たせる。
アイアンガール2体、半漁人20匹を全て退治する。

■少年に付きまとっている敵
『アイアン・ガール(鉄の少女)』2体
歪虚化した鉄の人形。見た目は少女。人語は理解できず、話すこともないが、適当に相手に合わせてジェスチャーする
弓矢と剣を装備。弓の射程は5~60
遠距離から弓矢で攻撃してくるが、接近戦になると剣に持ち替え、『強打』で対象相手を叩き斬る


『半漁人』20匹
二足歩行が可能。弓矢で射撃してくる。射程5~60
水中でも地上と同じ移動。
人語は理解できないが、独自の社会性を持つ。


■補足
アイアン・ガールたちが、何故、水本に絡んでくるのか、それがキーポイント。
その意味が分かれば、水本にとって正気を取り戻す「きっかけ」になる。

マクシミリアン・ヴァイス(kz0003)は、本部にて待機中のため、戦闘には参加しない。
(水本とは顔見知りだが、依頼内容だけで判断すると「見知らぬ少年」である。)

依頼人は、通りすがりの行商人。少年(水本)がいる付近まで案内してくれるが、一般人のため、戦闘には参加しない。

依頼の達成具合によって、報酬が変わります。

マスターより

大林です。

バレンタインの時期では、いろんなロマンスが生まれますが、皆さんはどんな思い出がありますか。
水本に同情しても構いませんが、言うべきことは言うことも大切かも。

プレイングには「目的」「動機」「具体的な行動」「予想」を明記して頂けると助かります。

それでは、皆様のプレイングを心からお待ちしております。


■NPC
マクシミリアン・ヴァイス(kz0003)、人間、男性、22才、闘狩人。
水本 壮(みずもと・そう)、人間、男性、17才、闘狩人。

関連NPC


  • マクシミリアン・ヴァイス(kz0003
    人間(クリムゾンウェスト)|22才|男性|闘狩人(エンフォーサー)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2016/02/19 00:58

参加者一覧

  • 秘めし忠誠
    ダーヴィド・ラウティオ(ka1393
    人間(紅)|35才|男性|闘狩人
  • SKMコンサルタント
    レイ・T・ベッドフォード(ka2398
    人間(蒼)|26才|男性|霊闘士
  • ルル大学魔術師学部教授
    エルバッハ・リオン(ka2434
    エルフ|12才|女性|魔術師
  • 金色のもふもふ
    パトリシア=K=ポラリス(ka5996
    人間(蒼)|19才|女性|符術師
依頼相談掲示板
アイコン 運命のインスパイア 相談
レイ・T・ベッドフォード(ka2398
人間(リアルブルー)|26才|男性|霊闘士(ベルセルク)
最終発言
2016/02/13 18:36:20
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/02/13 13:29:50