ゲスト
(ka0000)
悪い奴らはよくつるむ
マスター:KINUTA

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在7人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 6日
- プレイング締切
- 2016/02/13 22:00
- リプレイ完成予定
- 2016/02/22 22:00
オープニング
歓楽都市ヴァリオスの片隅、薄暗がりの屋根裏部屋。
2人の人間がいる。
1人は継ぎ当てだらけの服を着た、恰幅のよい中年男。
もう1人は真っ黒なローブを着た男。下ろした頭巾に隠されて、顔が見えない。
中年男はローブの男に遺恨があるらしく、恨めしそうにねめつけている。
「全くえらい目にあいましたぜ、あんたのおかげで。あんたの提案であんな不良品作ったせいで工場は潰れる、サツには睨まれる、借金取りが束になって押し寄せるという具合でね。仕方なしに名を変え姿を変え、行商人に身をやつし露命を繋いできた次第なんですぜ」
「あんなー、『新手の自動人形を作りたいから魔導装置の設計やってくれへんか』て持ちかけてきたの、あんたの方やで。そのとき、最初にちゃんと言っておいたはずやがな。俺は魔術師であってアルケミストとはちゃうんやから、もし不具合が出ても責任持てへんからなて」
「不具合? 不具合なんて表現は数回遊んだら動かなくなるとか、突然火を吹くとか、いきなり爆発するとか、そういう些細な時にのみ使ってほしいもんですな。あのモンスタードールども、最終的に人間を襲ってくるようになるんですぜ」
「せやかて、それ売って回ったんやろ」
「そりゃ、他に売るもんがなきゃしょうがないでしょう。わしだって飢え死にしたかねえですからね。おかげでストックがきれいにはけましたとも――さて、本題に入りましょうかスペットさん。そういう経緯であるからに、あんたはこの際わしに誠意を見せてくださるべきだと思うのですがね。わしをこれだけ零落させた償いをしてくださるべきだと思うのですがね。あんなもの作ったせいでわしはお尋ね者になっちまったんですから」
「あんたもとからお尋ね者やなかったか? バッタ商品作成販売の常習犯ってことで」
「あれを作るまではまだ尻尾を掴まれずにすんでたんですよ! とにかくあんたに再会できたのは大精霊の意志ですぞ。わしはあんたからそれ相応のことをしてもらうまではてこでもここを離れませんからな!」
中年男が咆哮したときである、屋根裏部屋の扉が乱打された。外から。
「ブルーチャー、そこにいるな! 動くな、警察だ!」
中年男は「くそったれ!」と罵った。
扉が開き、警官たちが踏み込んでくる。
「ブルーチャー、ご同行願おうか。お前には詐欺、危険物無許可販売、マテリアル公害防止法違反の容疑がかけられている」
「へへへ、そりゃ何かの間違いでござんしょ。あっしはこのとおり罪のない哀れな人生の敗残者でして……」
愛想笑いを浮かべるブルーチャーに警官は、冷たい目を向けた。
「話があるなら署でするんだな――」
それからスペットに顔を向ける。
「お前も一緒に来てもらおう。この男とどういう関係かは知らないが」
その瞬間スペットの姿が消える。ブルーチャーも一緒に。
●
「いや驚いたな。あんた一体何をなさったんで? わしらが目の前にいるのにあいつら、あたふたして『消えた、消えた』と騒いでいやがりますが」
「うーん、素人に説明は難しいんやけど、一時的にこっちが結界内に入り込んだ、ちゅうとこかなあ。それはそれとしてブルーチャーさん、なんなら俺の仕事、ちいと手伝うてくれへんか? 今暇なんやろ」
暇、という単語にブルーチャーはいやな顔をした。
「暇でいたくて暇なんじゃありませんがね」
「まあまあ、どっちでもよろしがな。とにかく暇なんやったら付き合うたってや」
「それは、実入りが少しはある仕事なんでしょうな」
「うん、まあ、あると思うで」
●
深夜。
ブルーチャーは掘り返した柩の蓋を開くや、マスクごしに鼻を押さえた。
「うえっぷ……冬とはいえ傷むものは傷んできますなあ」
ぼやきながらも抜け目なく、屍を飾る装飾品を剥ぎ取りにかかる。
その間スペットは斑点の出かけている屍をためつすがめつ眺め、「違うな。これやないなあ」と首を振る。
とりあえずブルーチャーは現在の仕事に満足している。確かに実入りがいいから。
「それにしてもスペットさん、一体誰をお探しなんですかい。この一週間、もう50人以上は掘り返してますがな」
「いや、誰とかいうのでもないんやけどな。むしろ誰でもええんや。形さえよかったらな」
「形がよかったらどうするんで?」
「そらもちろん、材料にすんねん」
サラッとした口調。
さすがのブルーチャーも少しばかり、ひやりとした。
「……まさかゾンビでも作るんじゃないでしょうな」
「ちゃうちゃうちゃうがな。それやったらなにも吟味して選ばんでええがな。俺が作りたいんは使い魔や。これまで何度か野生の歪虚捕まえてみたんやけど、どれもしっくりきいへんかってな。特に人面犬なんかブーの極みやったし。ほなら完全オーダーメイドしたろか思うてな」
言いながらスペットは、新たな墓穴を掘り起こす。
「つい先まで、帝国近辺に行ってたんやで。戦場なら生きのええ死体があるかな思うて。でもなー、確かに新鮮は新鮮なんやけど、あっちゃっこっちゃ欠けたり潰れたりして、使い物になるの意外と少ないんよ」
蓋を開ける。
そこにあったのは、まだ葬られたばかりの新しい屍だった。若い娘である。騎士だったのだろうか、胸の上に剣が置かれていた。勲章もつけている。
スペットは屍の額をこつこつ指の背で叩いた。頭を撫で骨の形を確かめた。
「うん、ええね、これ」
彼は袂に手を入れ、青く光る短剣を取り出した。
熱したナイフでバターを切るように、たやすく切り離される。上半身が、そして、両腕が。
「きれいな子ぉや」
胸像となったそれをスペットは、これまた袂から出した黒い布に、やわらかく包む。
墓荒らしの被害報告を受け、調査に訪れたハンターたちが目にしたのは、まさにそういう光景だった。
死者に対するあまりといえばあまりの冒涜に、カチャ・タホは憤慨する。
「そこの墓荒らし! 動くなです!」
叫んで、 潜伏していた茂みから飛び出した
直後彼女の姿はかき消える。
2人の人間がいる。
1人は継ぎ当てだらけの服を着た、恰幅のよい中年男。
もう1人は真っ黒なローブを着た男。下ろした頭巾に隠されて、顔が見えない。
中年男はローブの男に遺恨があるらしく、恨めしそうにねめつけている。
「全くえらい目にあいましたぜ、あんたのおかげで。あんたの提案であんな不良品作ったせいで工場は潰れる、サツには睨まれる、借金取りが束になって押し寄せるという具合でね。仕方なしに名を変え姿を変え、行商人に身をやつし露命を繋いできた次第なんですぜ」
「あんなー、『新手の自動人形を作りたいから魔導装置の設計やってくれへんか』て持ちかけてきたの、あんたの方やで。そのとき、最初にちゃんと言っておいたはずやがな。俺は魔術師であってアルケミストとはちゃうんやから、もし不具合が出ても責任持てへんからなて」
「不具合? 不具合なんて表現は数回遊んだら動かなくなるとか、突然火を吹くとか、いきなり爆発するとか、そういう些細な時にのみ使ってほしいもんですな。あのモンスタードールども、最終的に人間を襲ってくるようになるんですぜ」
「せやかて、それ売って回ったんやろ」
「そりゃ、他に売るもんがなきゃしょうがないでしょう。わしだって飢え死にしたかねえですからね。おかげでストックがきれいにはけましたとも――さて、本題に入りましょうかスペットさん。そういう経緯であるからに、あんたはこの際わしに誠意を見せてくださるべきだと思うのですがね。わしをこれだけ零落させた償いをしてくださるべきだと思うのですがね。あんなもの作ったせいでわしはお尋ね者になっちまったんですから」
「あんたもとからお尋ね者やなかったか? バッタ商品作成販売の常習犯ってことで」
「あれを作るまではまだ尻尾を掴まれずにすんでたんですよ! とにかくあんたに再会できたのは大精霊の意志ですぞ。わしはあんたからそれ相応のことをしてもらうまではてこでもここを離れませんからな!」
中年男が咆哮したときである、屋根裏部屋の扉が乱打された。外から。
「ブルーチャー、そこにいるな! 動くな、警察だ!」
中年男は「くそったれ!」と罵った。
扉が開き、警官たちが踏み込んでくる。
「ブルーチャー、ご同行願おうか。お前には詐欺、危険物無許可販売、マテリアル公害防止法違反の容疑がかけられている」
「へへへ、そりゃ何かの間違いでござんしょ。あっしはこのとおり罪のない哀れな人生の敗残者でして……」
愛想笑いを浮かべるブルーチャーに警官は、冷たい目を向けた。
「話があるなら署でするんだな――」
それからスペットに顔を向ける。
「お前も一緒に来てもらおう。この男とどういう関係かは知らないが」
その瞬間スペットの姿が消える。ブルーチャーも一緒に。
●
「いや驚いたな。あんた一体何をなさったんで? わしらが目の前にいるのにあいつら、あたふたして『消えた、消えた』と騒いでいやがりますが」
「うーん、素人に説明は難しいんやけど、一時的にこっちが結界内に入り込んだ、ちゅうとこかなあ。それはそれとしてブルーチャーさん、なんなら俺の仕事、ちいと手伝うてくれへんか? 今暇なんやろ」
暇、という単語にブルーチャーはいやな顔をした。
「暇でいたくて暇なんじゃありませんがね」
「まあまあ、どっちでもよろしがな。とにかく暇なんやったら付き合うたってや」
「それは、実入りが少しはある仕事なんでしょうな」
「うん、まあ、あると思うで」
●
深夜。
ブルーチャーは掘り返した柩の蓋を開くや、マスクごしに鼻を押さえた。
「うえっぷ……冬とはいえ傷むものは傷んできますなあ」
ぼやきながらも抜け目なく、屍を飾る装飾品を剥ぎ取りにかかる。
その間スペットは斑点の出かけている屍をためつすがめつ眺め、「違うな。これやないなあ」と首を振る。
とりあえずブルーチャーは現在の仕事に満足している。確かに実入りがいいから。
「それにしてもスペットさん、一体誰をお探しなんですかい。この一週間、もう50人以上は掘り返してますがな」
「いや、誰とかいうのでもないんやけどな。むしろ誰でもええんや。形さえよかったらな」
「形がよかったらどうするんで?」
「そらもちろん、材料にすんねん」
サラッとした口調。
さすがのブルーチャーも少しばかり、ひやりとした。
「……まさかゾンビでも作るんじゃないでしょうな」
「ちゃうちゃうちゃうがな。それやったらなにも吟味して選ばんでええがな。俺が作りたいんは使い魔や。これまで何度か野生の歪虚捕まえてみたんやけど、どれもしっくりきいへんかってな。特に人面犬なんかブーの極みやったし。ほなら完全オーダーメイドしたろか思うてな」
言いながらスペットは、新たな墓穴を掘り起こす。
「つい先まで、帝国近辺に行ってたんやで。戦場なら生きのええ死体があるかな思うて。でもなー、確かに新鮮は新鮮なんやけど、あっちゃっこっちゃ欠けたり潰れたりして、使い物になるの意外と少ないんよ」
蓋を開ける。
そこにあったのは、まだ葬られたばかりの新しい屍だった。若い娘である。騎士だったのだろうか、胸の上に剣が置かれていた。勲章もつけている。
スペットは屍の額をこつこつ指の背で叩いた。頭を撫で骨の形を確かめた。
「うん、ええね、これ」
彼は袂に手を入れ、青く光る短剣を取り出した。
熱したナイフでバターを切るように、たやすく切り離される。上半身が、そして、両腕が。
「きれいな子ぉや」
胸像となったそれをスペットは、これまた袂から出した黒い布に、やわらかく包む。
墓荒らしの被害報告を受け、調査に訪れたハンターたちが目にしたのは、まさにそういう光景だった。
死者に対するあまりといえばあまりの冒涜に、カチャ・タホは憤慨する。
「そこの墓荒らし! 動くなです!」
叫んで、 潜伏していた茂みから飛び出した
直後彼女の姿はかき消える。
解説
補足説明。
これは墓場荒らしに盗まれた諸々を取り戻すことを目的とするシナリオです。
墓場荒らしを捕まえるところまでいかなくても、とりあえず盗まれた金品、並びに遺体が戻ってくれば成功です。
ブルーチャーは単なる小悪党ですが、スペットは違います。相当な腕の持ち主です。
特に結界術に長けています。自分がその中に入ることも、他人をその中に入れることも自由自在。
結界は、物理攻撃では壊せません。非物理攻撃で対応してください。
カチャが消えたのは、結界内に閉じ込められたからです。見えなくなっただけで、場には存在しています。
結界の外に出られなくなってはいますが、周囲の景色は見えるし声も聞こえます。ただし彼女から外へ声を届かせることは出来ません。
PCも結界に捕まったら、同じ状況に陥ります。
結界への攻撃は、内部から外部からでも、同じように有効です。
NPC
ブルーチャー/人間/男/小悪党/しでかしたことについては「キリングドール」を参考のこと。
スペット/人間?/男/魔術師らしい/しでかしていることについては「人面犬が見てる」を参考のこと。
これは墓場荒らしに盗まれた諸々を取り戻すことを目的とするシナリオです。
墓場荒らしを捕まえるところまでいかなくても、とりあえず盗まれた金品、並びに遺体が戻ってくれば成功です。
ブルーチャーは単なる小悪党ですが、スペットは違います。相当な腕の持ち主です。
特に結界術に長けています。自分がその中に入ることも、他人をその中に入れることも自由自在。
結界は、物理攻撃では壊せません。非物理攻撃で対応してください。
カチャが消えたのは、結界内に閉じ込められたからです。見えなくなっただけで、場には存在しています。
結界の外に出られなくなってはいますが、周囲の景色は見えるし声も聞こえます。ただし彼女から外へ声を届かせることは出来ません。
PCも結界に捕まったら、同じ状況に陥ります。
結界への攻撃は、内部から外部からでも、同じように有効です。
NPC
ブルーチャー/人間/男/小悪党/しでかしたことについては「キリングドール」を参考のこと。
スペット/人間?/男/魔術師らしい/しでかしていることについては「人面犬が見てる」を参考のこと。
マスターより
KINUTAです。
初めてまともに思考出来る敵?NPCが出てきたような。
まあ、なんにしてもいい人ではなさそうです。
初めてまともに思考出来る敵?NPCが出てきたような。
まあ、なんにしてもいい人ではなさそうです。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/02/19 00:03
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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盗品、取り戻しましょう ミオレスカ(ka3496) エルフ|18才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2016/02/13 19:30:07 |
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プレイング メイム(ka2290) エルフ|15才|女性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2016/02/13 17:20:57 |
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質問卓 メイム(ka2290) エルフ|15才|女性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2016/02/12 11:31:28 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/02/10 22:37:07 |
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相談卓だよ 天竜寺 詩(ka0396) 人間(リアルブルー)|18才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2016/02/09 23:15:31 |