ゲスト
(ka0000)
神さびる花のメモリア
マスター:尾仲ヒエル

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/02/10 22:00
- リプレイ完成予定
- 2016/02/19 22:00
オープニング
●羊たちの死
「これだ。見てくれ」
街道の近くに広がる農地。そこに何頭もの羊の死骸が転がっていた。
「隣のじいさんの羊もやられたらしい。人影みたいなものを見たって奴もいるが、これが人間の仕業とはとても思えん」
死骸はどれも食いちぎられたようなあとがあり、部位ごとにバラバラに散らばっている。
まるで強い力で引きちぎられたような羊の首を見つめ、農夫が首を振った。
「何か良くないもんがうろついてるんじゃないかと心配なんだ。見つけ出して退治してほしい」
●宿屋の一階
街道沿いの宿屋。その一階では、数人の男たちが噂に興じていた。
「おい。知ってるか。『朱花の教団』」
「ああ。あれだろ。最近、信者を増やしているとかいう」
「『教主さま』とやらは、黒髪の美人らしいじゃないか」
「お美しいだけじゃないよ。お優しい教主さまは戦に心を痛めて、この間の暴食との戦いで家や家族を失った人々を慰め、彼らの生活を支えてくださっているんだ」
そこに割って入った宿の主人は、朱花の教団の素晴らしさを力を込めて話す。
「俺のいとこが旦那を亡くしたんだが、教主さまに話を聞いていただいてすっかり明るくなったんだよ」
「よく町で教団の馬車がパンを配ってるわよ。飢える人を少しでも減らしたいんですって。はい。お酒」
酒と料理を運んできた金髪娘の後ろ姿を目で追いながら、1人の男がおどけるように片方の眉を上げた。
「へえ。そりゃあ良いことだけどさ、本当にそんなおきれいな人間がいるもんかねえ?」
「まあ、優しくて美人ときたら、一度会ってみたいもんだな」
ぐふふ、と笑い声を上げる男たちに、宿の主人が釘を刺す。
「下心を出したって駄目だぞ。教主さまの傍にはいつもお付きの人間や叔父さんが付いているからな」
食事をとりながらハンターたちがそんな会話に耳を傾けていると、宿の扉がばたんと開いた。
宿の中に駆け込んできた商人風の男が叫ぶ。
「た、大変だ! 向こうで馬車が襲われてる!」
街道で馬車が襲われる場面を目撃したという男は、興奮した様子で説明をはじめる。
馬車の特徴を聞いて、噂をしていた1人が呟いた。
「……それ、教団の馬車じゃないのか?」
●馬車の中
「ササノハ様は中でお待ち下さい。私が様子を見てまいります」
横倒しになった馬車の中から、お付きの若者が外に出ていってすぐ。
ぞっとするような悲鳴が上がった。
御簾(みす)の間からそっと覗いたササノハに見えたものは、倒れた若者に群がる「何か」の姿だった。
「人間じゃ、ない……?」
それらは人の形に似てはいたが、口元から突き出した鋭い牙や、刃物のように伸びた爪は、とても人間のものとは思えなかった。
ぺたん、と腰を抜かしたように座り込んだササノハは、それでも外に向かおうと体を動かす。
「助けなきゃ」
ピチャ……ピチャ……。
外からはもう声は聞こえず、何かを咀嚼する音に、水音に似た音が混じるだけだ。
「なんで、なんで動かないの。どうしたら……」
御簾に向かって伸ばされた腕が下ろされ、動こうとしない膝を叩く。
艶やかな黒髪に包まれた小さな体の震えは、先ほどから少しも収まってはくれない。
「たすけて……叔父さん」
まだあどけなさの残る頬に一筋の涙が伝った。
「これだ。見てくれ」
街道の近くに広がる農地。そこに何頭もの羊の死骸が転がっていた。
「隣のじいさんの羊もやられたらしい。人影みたいなものを見たって奴もいるが、これが人間の仕業とはとても思えん」
死骸はどれも食いちぎられたようなあとがあり、部位ごとにバラバラに散らばっている。
まるで強い力で引きちぎられたような羊の首を見つめ、農夫が首を振った。
「何か良くないもんがうろついてるんじゃないかと心配なんだ。見つけ出して退治してほしい」
●宿屋の一階
街道沿いの宿屋。その一階では、数人の男たちが噂に興じていた。
「おい。知ってるか。『朱花の教団』」
「ああ。あれだろ。最近、信者を増やしているとかいう」
「『教主さま』とやらは、黒髪の美人らしいじゃないか」
「お美しいだけじゃないよ。お優しい教主さまは戦に心を痛めて、この間の暴食との戦いで家や家族を失った人々を慰め、彼らの生活を支えてくださっているんだ」
そこに割って入った宿の主人は、朱花の教団の素晴らしさを力を込めて話す。
「俺のいとこが旦那を亡くしたんだが、教主さまに話を聞いていただいてすっかり明るくなったんだよ」
「よく町で教団の馬車がパンを配ってるわよ。飢える人を少しでも減らしたいんですって。はい。お酒」
酒と料理を運んできた金髪娘の後ろ姿を目で追いながら、1人の男がおどけるように片方の眉を上げた。
「へえ。そりゃあ良いことだけどさ、本当にそんなおきれいな人間がいるもんかねえ?」
「まあ、優しくて美人ときたら、一度会ってみたいもんだな」
ぐふふ、と笑い声を上げる男たちに、宿の主人が釘を刺す。
「下心を出したって駄目だぞ。教主さまの傍にはいつもお付きの人間や叔父さんが付いているからな」
食事をとりながらハンターたちがそんな会話に耳を傾けていると、宿の扉がばたんと開いた。
宿の中に駆け込んできた商人風の男が叫ぶ。
「た、大変だ! 向こうで馬車が襲われてる!」
街道で馬車が襲われる場面を目撃したという男は、興奮した様子で説明をはじめる。
馬車の特徴を聞いて、噂をしていた1人が呟いた。
「……それ、教団の馬車じゃないのか?」
●馬車の中
「ササノハ様は中でお待ち下さい。私が様子を見てまいります」
横倒しになった馬車の中から、お付きの若者が外に出ていってすぐ。
ぞっとするような悲鳴が上がった。
御簾(みす)の間からそっと覗いたササノハに見えたものは、倒れた若者に群がる「何か」の姿だった。
「人間じゃ、ない……?」
それらは人の形に似てはいたが、口元から突き出した鋭い牙や、刃物のように伸びた爪は、とても人間のものとは思えなかった。
ぺたん、と腰を抜かしたように座り込んだササノハは、それでも外に向かおうと体を動かす。
「助けなきゃ」
ピチャ……ピチャ……。
外からはもう声は聞こえず、何かを咀嚼する音に、水音に似た音が混じるだけだ。
「なんで、なんで動かないの。どうしたら……」
御簾に向かって伸ばされた腕が下ろされ、動こうとしない膝を叩く。
艶やかな黒髪に包まれた小さな体の震えは、先ほどから少しも収まってはくれない。
「たすけて……叔父さん」
まだあどけなさの残る頬に一筋の涙が伝った。
解説
【目的】
朱花の教団の教主、ササノハを保護し、馬車を襲撃している化物(6体)を倒す
【商人の証言】
・街道を馬で走っていたら、遠くから馬車が来るのが見えた。
・馬車は東方風で、赤い花の印があった。
・林の中から人間に似た化け物が現れ、突然馬車を襲った。化物は6体ほど。
・必死で逃げてきたが、最後に振り返ると馬と御者が襲われているのが見えた。
【場所】
両脇を林に囲まれた、幅8mの街道。
【朱花の教団について】
最近庶民の間で噂されるようになった新興宗教集団。貧しい人々や戦災孤児などに施しを与え、台頭してきている。
【ササノハについて】
朱花の教団の教主。10代前半。いつも東方風の着物を着て長い黒髪を垂らしている。
現在、横倒しになった馬車の中にいる状態。
朱花の教団の教主、ササノハを保護し、馬車を襲撃している化物(6体)を倒す
【商人の証言】
・街道を馬で走っていたら、遠くから馬車が来るのが見えた。
・馬車は東方風で、赤い花の印があった。
・林の中から人間に似た化け物が現れ、突然馬車を襲った。化物は6体ほど。
・必死で逃げてきたが、最後に振り返ると馬と御者が襲われているのが見えた。
【場所】
両脇を林に囲まれた、幅8mの街道。
【朱花の教団について】
最近庶民の間で噂されるようになった新興宗教集団。貧しい人々や戦災孤児などに施しを与え、台頭してきている。
【ササノハについて】
朱花の教団の教主。10代前半。いつも東方風の着物を着て長い黒髪を垂らしている。
現在、横倒しになった馬車の中にいる状態。
マスターより
最近になって帝国近郊で噂されている「朱花の教団」に関する物語です。
帝国で起きた暴食王との戦いは、各地に新たな影響を与えているようです。これもその一つになります。
帝国で起きた暴食王との戦いは、各地に新たな影響を与えているようです。これもその一つになります。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/02/17 03:00
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 八原 篝(ka3104) 人間(リアルブルー)|19才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2016/02/09 22:59:26 |
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![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/02/07 07:29:25 |