ゲスト
(ka0000)
【深棲】私を海へ連れてって
マスター:佐倉眸

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/08/16 22:00
- リプレイ完成予定
- 2014/08/25 22:00
オープニング
●
一艘の釣り船がぽっかりと
まぁるい月の照らす静かな海を
仄暗い波間を漂っていく
俺は見たんだ、と男は言った。夜の釣りの最中、彼の小さな釣り船の回りを漂う奇妙な影を。
それは暗い海の中で淡く発光する藻を頭に生やした人間大の大クラゲ、何本もの脚を持ち、そのいずれの先も鋭く尖っていたという。
男の訴えを村人達は訝しんでいたが、彼の漁師仲間で同じく夜の釣りを好むテオは、
「しかたねぇな、俺が始末してきてやるよ」
と言って、妻から貰ったゴーグルを頭に乗せ、愛用の銃を担いで、その日の夜に海へ出た。
テオが水死体となって帰ってきたのは、翌々日のこと。
浜に打ち上げられたのは、銃とゴーグルを奪われ、全身を槍のような何かで刺された彼の亡骸と、穴だらけで真っ二つに折れた彼のボートだった。
●
その、三日後。
案内人はテオの妻だという若い女性を前に口を噤む。出されたお茶もすっかり冷め切っていた。
喪服に身を包んだ彼女はナイフを一振り握りながら言う。
「護衛の依頼、引き受けて下さるでしょう?」
「――――それは護衛じゃ無いですってば――っ!」
ユリア……テオの妻はテオの敵を討ちに行くと言って船を出そうとしたらしい。気付いた村人が数人で押さえ込んだが、今度はハンターを雇い海への同行を願い出た。
「いいのよ、別に……だめなら、だめと言って下さっても……けれど、私は諦めない――テオを殺した奴を、同じだけ穴だらけにして殺してやるの」
やつれた白い頬で引き攣ったように笑う相貌が抜き身のナイフに映った。
その場を言いくるめて家を辞した案内人は、帰途、丁度その奇妙な影の監視をしていた村人と村長に行き合った。
「おや、ハンターの……」
「はい、案内人です。ええとですね、本日は……」
「いや、いい。テオのところだろ……嫁さんはユリアといってね、街から嫁いできた子で、いい子なんだが、船の漕ぎ方一つ知らんのだよ」
村長は深く溜息を吐いた。
「テオのことは……ワシらも悔しくてね。ここ三日はずっと見張っていたんだ」
浜に櫓を組んで監視を続けた。
夜通しの番にはテオの友人だった男も加わっていた。
彼らは、その奇妙な影が、歪虚だということまでは掴んで、最近、他所の村や町の騒がすそれが、ついにここにも来てしまったかと溜息を吐いたらしい。
「形はクラゲに似ているが、頭の幅が腕を広げたよりも大きい。その頭がどうやら岩のようになっているらしく、藻がびっしり生えているんだ……脚の数は決まっていなようだが、これも頑丈そうだ。5本か、7本か……10本か」
それから、言いづらそうに項垂れた村長に代わり、村人が続けた。
「その中の一匹……頭の藻にテオの銃とゴーグルが絡んでいたんです」
●
案内人は櫓の当番に混ざることにした。
村長からの依頼で歪虚討伐のハンターを招集したものの、クラゲの歪虚がいつ現れるかは掴めていない。見張りに携わった村人達は昼夜を問わずその姿を見ており、同時に見られるのは1匹から、多くて10匹ほどだという。脚までを岩のような殻で覆った、何とも頑丈そうな大クラゲが、緩慢に波間を漂い、浮かんで潜って。
それらは浜を目指す様子も無く、緑の藻がゆらゆらと揺らめく頭を見せてはすぐに見えなくなってしまうらしい。
それから、ユリアもまだ諦めていないと聞く。
「どうしたものですかねぇ……」
昼の浜辺は酷く暑い。案内人は額の汗を拭って呟く。
連れて行っても危ないだけだが、勝手に海に出られてはもっと危ない。
ひょいっと覗いた双眼鏡の先、浮かんだ緑の頭がぷかぷかと浜へ迫ってくるのが見えた。
「ん?」
その影はまだ遠いが、着実に浜に向かって漂い来ている。
その数は、2、3、4……そして銃とゴーグルを頭に載せたものもいる。案内人は櫓から転がるように飛び降りて、ハンターたちの元へ駆けていった。
一艘の釣り船がぽっかりと
まぁるい月の照らす静かな海を
仄暗い波間を漂っていく
俺は見たんだ、と男は言った。夜の釣りの最中、彼の小さな釣り船の回りを漂う奇妙な影を。
それは暗い海の中で淡く発光する藻を頭に生やした人間大の大クラゲ、何本もの脚を持ち、そのいずれの先も鋭く尖っていたという。
男の訴えを村人達は訝しんでいたが、彼の漁師仲間で同じく夜の釣りを好むテオは、
「しかたねぇな、俺が始末してきてやるよ」
と言って、妻から貰ったゴーグルを頭に乗せ、愛用の銃を担いで、その日の夜に海へ出た。
テオが水死体となって帰ってきたのは、翌々日のこと。
浜に打ち上げられたのは、銃とゴーグルを奪われ、全身を槍のような何かで刺された彼の亡骸と、穴だらけで真っ二つに折れた彼のボートだった。
●
その、三日後。
案内人はテオの妻だという若い女性を前に口を噤む。出されたお茶もすっかり冷め切っていた。
喪服に身を包んだ彼女はナイフを一振り握りながら言う。
「護衛の依頼、引き受けて下さるでしょう?」
「――――それは護衛じゃ無いですってば――っ!」
ユリア……テオの妻はテオの敵を討ちに行くと言って船を出そうとしたらしい。気付いた村人が数人で押さえ込んだが、今度はハンターを雇い海への同行を願い出た。
「いいのよ、別に……だめなら、だめと言って下さっても……けれど、私は諦めない――テオを殺した奴を、同じだけ穴だらけにして殺してやるの」
やつれた白い頬で引き攣ったように笑う相貌が抜き身のナイフに映った。
その場を言いくるめて家を辞した案内人は、帰途、丁度その奇妙な影の監視をしていた村人と村長に行き合った。
「おや、ハンターの……」
「はい、案内人です。ええとですね、本日は……」
「いや、いい。テオのところだろ……嫁さんはユリアといってね、街から嫁いできた子で、いい子なんだが、船の漕ぎ方一つ知らんのだよ」
村長は深く溜息を吐いた。
「テオのことは……ワシらも悔しくてね。ここ三日はずっと見張っていたんだ」
浜に櫓を組んで監視を続けた。
夜通しの番にはテオの友人だった男も加わっていた。
彼らは、その奇妙な影が、歪虚だということまでは掴んで、最近、他所の村や町の騒がすそれが、ついにここにも来てしまったかと溜息を吐いたらしい。
「形はクラゲに似ているが、頭の幅が腕を広げたよりも大きい。その頭がどうやら岩のようになっているらしく、藻がびっしり生えているんだ……脚の数は決まっていなようだが、これも頑丈そうだ。5本か、7本か……10本か」
それから、言いづらそうに項垂れた村長に代わり、村人が続けた。
「その中の一匹……頭の藻にテオの銃とゴーグルが絡んでいたんです」
●
案内人は櫓の当番に混ざることにした。
村長からの依頼で歪虚討伐のハンターを招集したものの、クラゲの歪虚がいつ現れるかは掴めていない。見張りに携わった村人達は昼夜を問わずその姿を見ており、同時に見られるのは1匹から、多くて10匹ほどだという。脚までを岩のような殻で覆った、何とも頑丈そうな大クラゲが、緩慢に波間を漂い、浮かんで潜って。
それらは浜を目指す様子も無く、緑の藻がゆらゆらと揺らめく頭を見せてはすぐに見えなくなってしまうらしい。
それから、ユリアもまだ諦めていないと聞く。
「どうしたものですかねぇ……」
昼の浜辺は酷く暑い。案内人は額の汗を拭って呟く。
連れて行っても危ないだけだが、勝手に海に出られてはもっと危ない。
ひょいっと覗いた双眼鏡の先、浮かんだ緑の頭がぷかぷかと浜へ迫ってくるのが見えた。
「ん?」
その影はまだ遠いが、着実に浜に向かって漂い来ている。
その数は、2、3、4……そして銃とゴーグルを頭に載せたものもいる。案内人は櫓から転がるように飛び降りて、ハンターたちの元へ駆けていった。
解説
●エネミー
大クラゲ×5
直径150~200cm程、外骨格でクラゲの形をした歪虚
骨格は岩のようにごつごつしており、その表面には藻が生えている
骨格の内側は海に適応したゼリー質
数本の脚を持ち、そのいずれも外側に硬い殻で覆っており、先端は鋭い
脚が7本の個体×4
銃とゴーグルが絡んでいる、脚が10本の固体×1
いずれも鋭い脚で突き刺す、硬い頭でぶつかる攻撃を行う
●現在地
浜辺に集合
地形
ボートで数分の沖合、障害物は無し
海中、海底は岩などの遮蔽有り
ボート
2人乗り(オール1組付属)1艘
4人乗り(オール2組付属)3艘
8人乗り(オール4組付属)2艘
12人乗り(オール4組付属)1艘
が準備してあり、いずれも貸し出し可能。
●その他
ユリア 様子を覗っており、隙あらばナイフ一つで海へ出ようとします。
同行させた場合、魚歪虚の攻撃対象に含まれます。
案内人 櫓から降りた際、足を挫いたようなので浜辺近くの民家で待機しています。
大クラゲ×5
直径150~200cm程、外骨格でクラゲの形をした歪虚
骨格は岩のようにごつごつしており、その表面には藻が生えている
骨格の内側は海に適応したゼリー質
数本の脚を持ち、そのいずれも外側に硬い殻で覆っており、先端は鋭い
脚が7本の個体×4
銃とゴーグルが絡んでいる、脚が10本の固体×1
いずれも鋭い脚で突き刺す、硬い頭でぶつかる攻撃を行う
●現在地
浜辺に集合
地形
ボートで数分の沖合、障害物は無し
海中、海底は岩などの遮蔽有り
ボート
2人乗り(オール1組付属)1艘
4人乗り(オール2組付属)3艘
8人乗り(オール4組付属)2艘
12人乗り(オール4組付属)1艘
が準備してあり、いずれも貸し出し可能。
●その他
ユリア 様子を覗っており、隙あらばナイフ一つで海へ出ようとします。
同行させた場合、魚歪虚の攻撃対象に含まれます。
案内人 櫓から降りた際、足を挫いたようなので浜辺近くの民家で待機しています。
マスターより
暑いですね、
海の中は涼しいのかな……
敵はクラゲです。
ユリアをどうにかしつつ、頑張って下さい。
海の中は涼しいのかな……
敵はクラゲです。
ユリアをどうにかしつつ、頑張って下さい。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/08/24 17:36
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼相談室 エヴァンス・カルヴィ(ka0639) 人間(クリムゾンウェスト)|29才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2014/08/16 21:55:38 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/08/11 22:44:06 |