ゲスト
(ka0000)
【節V】チョコのかわりにお菓子なキノコ?
マスター:紺堂 カヤ

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在7人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/02/17 15:00
- リプレイ完成予定
- 2016/02/26 15:00
オープニング
バレンタインを数日後に控えたある日の、深夜のことだった。
宝石商であるモンド氏の屋敷の広い広い廊下を、忍び足でそろそろと歩く姿があった。泥棒にしては様子がおかしい。それもそのはずだった。それは泥棒ではなく、このモンド家の一人娘・ダイヤなのだ。
コートをしっかり着込んだダイヤは、いつになく闘志に燃えた瞳をしていた。ひとりで、屋敷を抜け出すつもりなのである。
(クロスってば、絶対に許さないんだから!)
この怒りの発端は、朝食時まで遡る。
「だから~、バレンタインにチョコレートなんてありふれたもの、嫌なのよ私は!」
「ありふれた、なんていう言い方をなさるものではないでしょう。定番、と呼ぶべきですよ」
「同じよ~。私はチョコじゃないものを探したいの」
ダイヤはスクランブルエッグを食べながらむくれた。目の前でため息をつくクロスという青年は、ダイヤの世話役だ。
「なんでも、高騰していたカカオ豆の値段も落ち着いたそうではありませんか。気軽にチョコレートを手に入れられますよ」
「気軽に、じゃ面白くないわ!」
「バレンタインに面白さって必要でしたっけ?」
「面白さは、人生に必要なのよ!」
「左様でございますか」
えへん、と胸を張るダイヤに、クロスはそっけない。
「何よもう~、もうちょっと考えてくれたっていいでしょ? 変わったバレンタインを過ごしたいのよ」
「そうは申しますがお嬢様……、お嬢様には、バレンタインに贈り物をする相手、おられないじゃないですか」
カッチーン。
ダイヤの頭の中で、確実にそんな音がした。
いつもなら、「うるさいわねっ!」で済ますのに、今回はなぜかできなかった。
「もういいわよっ!!」
ダイヤは朝食を食べかけのまま、豊かな栗色の髪をなびかせて食堂を出た。
「……ふう。なんとか、外に出れたわね」
広い庭を通り、秘密の抜け道から塀の外へ出たダイヤはホッと息をついた。これから目指すのは、モンド邸から1キロほど離れたところにある、小さな林。そこに生えているという、「ビスケットのような味のキノコ」を探しに行くのだ。
「滅多に見つからない、って聞くけど、これだけ派手ならすぐわかりそうよね」
家から持ってきた図鑑を広げ、黄色と青の斑点が浮かぶキノコの絵を見つめてダイヤは呟く。
「……甘いもの、苦手だって言ってたけど、ビスケットの味くらいなら、大丈夫よね……ってううん、別にそんなこと関係ないわ、これは自分の為に探しに行くんだからっ」
ひとしきり独り言を言ってから、ダイヤは急に心細くなった。ダイヤはあのモンド邸から外へはほとんど出たことがない。もちろん、ひとりで出歩くのはこれが初めてだ。自分が世間知らずだという自覚はある。
「ちょっとくらい……、応援を頼んだって、良いわよね……」
暗闇をあまり見ないようにして、ダイヤはひとまず屋敷近くの納屋で夜を明かすことにした。
宝石商であるモンド氏の屋敷の広い広い廊下を、忍び足でそろそろと歩く姿があった。泥棒にしては様子がおかしい。それもそのはずだった。それは泥棒ではなく、このモンド家の一人娘・ダイヤなのだ。
コートをしっかり着込んだダイヤは、いつになく闘志に燃えた瞳をしていた。ひとりで、屋敷を抜け出すつもりなのである。
(クロスってば、絶対に許さないんだから!)
この怒りの発端は、朝食時まで遡る。
「だから~、バレンタインにチョコレートなんてありふれたもの、嫌なのよ私は!」
「ありふれた、なんていう言い方をなさるものではないでしょう。定番、と呼ぶべきですよ」
「同じよ~。私はチョコじゃないものを探したいの」
ダイヤはスクランブルエッグを食べながらむくれた。目の前でため息をつくクロスという青年は、ダイヤの世話役だ。
「なんでも、高騰していたカカオ豆の値段も落ち着いたそうではありませんか。気軽にチョコレートを手に入れられますよ」
「気軽に、じゃ面白くないわ!」
「バレンタインに面白さって必要でしたっけ?」
「面白さは、人生に必要なのよ!」
「左様でございますか」
えへん、と胸を張るダイヤに、クロスはそっけない。
「何よもう~、もうちょっと考えてくれたっていいでしょ? 変わったバレンタインを過ごしたいのよ」
「そうは申しますがお嬢様……、お嬢様には、バレンタインに贈り物をする相手、おられないじゃないですか」
カッチーン。
ダイヤの頭の中で、確実にそんな音がした。
いつもなら、「うるさいわねっ!」で済ますのに、今回はなぜかできなかった。
「もういいわよっ!!」
ダイヤは朝食を食べかけのまま、豊かな栗色の髪をなびかせて食堂を出た。
「……ふう。なんとか、外に出れたわね」
広い庭を通り、秘密の抜け道から塀の外へ出たダイヤはホッと息をついた。これから目指すのは、モンド邸から1キロほど離れたところにある、小さな林。そこに生えているという、「ビスケットのような味のキノコ」を探しに行くのだ。
「滅多に見つからない、って聞くけど、これだけ派手ならすぐわかりそうよね」
家から持ってきた図鑑を広げ、黄色と青の斑点が浮かぶキノコの絵を見つめてダイヤは呟く。
「……甘いもの、苦手だって言ってたけど、ビスケットの味くらいなら、大丈夫よね……ってううん、別にそんなこと関係ないわ、これは自分の為に探しに行くんだからっ」
ひとしきり独り言を言ってから、ダイヤは急に心細くなった。ダイヤはあのモンド邸から外へはほとんど出たことがない。もちろん、ひとりで出歩くのはこれが初めてだ。自分が世間知らずだという自覚はある。
「ちょっとくらい……、応援を頼んだって、良いわよね……」
暗闇をあまり見ないようにして、ダイヤはひとまず屋敷近くの納屋で夜を明かすことにした。
解説
■成功条件
ダイヤと共に「ビスケット味のキノコ」を見つけて持ち帰ること
■林
街と街の間にある小さな林。森林伐採で町を切り開いた際に残ったもののようである。陽の光がよく入る、基本的には明るい林で、足場の悪い所もあまりない。散歩に最適だとして、人の往来もそれなりにある。
■キノコの特徴
白地に青と黄色の斑点がいくつも浮かぶ、派手な柄。大きな樹の根元の、薄暗い茂みに生えていることが多いらしい。美味しそうな香りがしているため、虫や鳥が周囲を飛んでいることがある。
■ダイヤお嬢様
いわゆる箱入り娘。身体は丈夫だが、外を出歩いた経験がほとんどない。人付き合いは苦手ではないが、あまり慣れてもいない。話し始めると良く笑う。
礼儀をわきまえているので無暗な我儘を言うことはない。ただし、打たれ弱い面もある。
ダイヤと共に「ビスケット味のキノコ」を見つけて持ち帰ること
■林
街と街の間にある小さな林。森林伐採で町を切り開いた際に残ったもののようである。陽の光がよく入る、基本的には明るい林で、足場の悪い所もあまりない。散歩に最適だとして、人の往来もそれなりにある。
■キノコの特徴
白地に青と黄色の斑点がいくつも浮かぶ、派手な柄。大きな樹の根元の、薄暗い茂みに生えていることが多いらしい。美味しそうな香りがしているため、虫や鳥が周囲を飛んでいることがある。
■ダイヤお嬢様
いわゆる箱入り娘。身体は丈夫だが、外を出歩いた経験がほとんどない。人付き合いは苦手ではないが、あまり慣れてもいない。話し始めると良く笑う。
礼儀をわきまえているので無暗な我儘を言うことはない。ただし、打たれ弱い面もある。
マスターより
お友だちのいない……、いえ、少ないお嬢様のバレンタイン大冒険です。バレンタイン関係なくない?と思われるかもしれませんけど、えっと、彼女の中では関係あるんです、ええ!
見た目は毒々しいですけど、美味しいキノコです。……たぶん。
ピクニック気分で楽しんでいただけたらと思います!
見た目は毒々しいですけど、美味しいキノコです。……たぶん。
ピクニック気分で楽しんでいただけたらと思います!
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/02/23 04:14
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/02/16 19:03:06 |
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相談卓 大伴 鈴太郎(ka6016) 人間(リアルブルー)|22才|女性|格闘士(マスターアームズ) |
最終発言 2016/02/17 11:58:06 |