ゲスト
(ka0000)
アマリリス~吸血鬼が来る!
マスター:深夜真世

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/02/22 22:00
- リプレイ完成予定
- 2016/03/07 22:00
オープニング
●
「ダメだ……」
ハミル・タグは手にした鉄鉱石を放り投げつつ落胆した。
ここは同盟領の蒸気工業都市フマーレに近い山中で開発中のセル鉱山。ハミルはここの開発主任だ。
「これでも問題は無かろう。何が不満だ?」
この鉱山の開発事業者、グリス・オムに進言した山師のノーザン・ウエストが口をねじ曲げ聞いてくる。
「質が悪すぎます。精製には多大な労力が掛かりますね。ここ、製鉄は丸投げでしょう? これならいくらフマーレに近くても遠くから運んだ方がマシです」
「しかし今は魔導型デュミナスなどの急速な増産で超売り手市場。少々質が悪くとも……」
「採掘序盤ならこの質でも掘削続行ですけどね。事業の進んだこの段階では困る品質です。それでなくとも作業量を増やして早く取引先の納得する結果を出せとつつかれてるのに」
ハミルの見立てでは、もう見込みがないといったところのようだ。
「仕方ない。計画目標の修正を進言してくる」
ノーザン、いったん引き上げた。
「……もしかして、これは」
一方で、石工職人のメイスンは別の事に気が付いた。同じくいったん引き上げる。
しばらくのち、蒸気工業都市フマーレ近くの町。
その町の小高い丘にまだ目新しい豪邸があった。
セル鉱山の開発事業主であるグリス・オムはここに住んでいる。
「ご覧ください」
山師のノーザン・ウエストが持参した荷物をグリスに開陳していた。
「これまでの鉄鉱石はこちらのように質が今一つでこれまで搬入した業者には評判が悪かったです」
うむ、とグリス。浮かない表情だ。
というより、憔悴している。
実は、正念場を迎えていたのだ。
これまで当初に想定していたような高品質の鉄鉱石が採掘できていない。各方面から苦情や取引の打ち切り、非難まで浴びて事業失敗の直前まで追い込まれていた。もちろん、離れず引き続き協力関係にある業者もたくさんいる。
――ここで引けるわけがない。
彼らの本音である。
投資はすでにできる限りした。
あとは投資に見合う利益を待つばかりなのだ。
ここで引くわけにはいかず、失敗は許されないのであるッ!
一方で、アムたちアマリリス商会など生活必需品を納入する業者たちには撤退は見られない。鉄鉱石を引き受けてひと儲けしようとする業者とは違い、こちらの支払いは滞っているわけではない。
そんなギリギリのところで……。
ノーザンの表情が、にたりと歪んだ。
そしてしゃあしゃあと言葉をつなぐ。
「ところが、現地で熱心に作業するに連れてこのような鉄鉱石が出始めたのです」
ごろり、と机に置いたのは見事な品質の鉄鉱石だった。
「おお……ついに出たか!」
グリス、この……ノーザンがどこから持ってきたかも分からない鉄鉱石に飛びついた!
事業を強力に推し進める決定を下した瞬間である。
「失礼します」
ノーザンの話が終わり、入れ替わりにアムが入室した。
「こちら……グリス様の家紋ですわね?」
アム、前回の戦闘と洞窟探索で発見した家紋入りの留め具をグリスに見せた。
「お、おお……これは……」
グリスが言葉を失ったのは、家に伝わる大切な留め具と同じものだったから。
アム、これが吸血鬼の洞窟にあったこと、女性の亡骸の服についていたこと、吸血鬼はゴーレムに閉じられていたこと、そして、留め具の女性は吸血鬼から「契約の女」と呼ばれゴーレムが倒されたことで約束も破られたと言ったことを話した。
「まさか……我が家系の生贄の伝説は本当だったのか……先祖代々の土地は、その女性たちが命を差し出していたことで守られて……」
「次はおそらく鉱山街が襲われるでしょう。……討伐隊を組むことを進言しますわ」
「……ここで鉱山街をやられてたまるか! せっかくここまでこぎつけて」
グリス、アムに討伐命令を出した。
そしてアムたちが町に戻る前。
「うわあっ! 窓から蝙蝠が入って来た!」
「ひ、人型になった……」
「き、吸血鬼だあっ!」
黒ずくめの服装で赤と緑の横縞蝶ネクタイをした吸血鬼が夜な夜な現れ、血を吸ったり、暗黒衝撃波を放ったり、あるいは蝙蝠の群れとなり覆い尽くして意識を失わせ喉を裂いたりして一人ずつ殺していた。
アムたちは鉱山街に到着すると、早速夜を待ち戦闘に備えるのだった。
「ダメだ……」
ハミル・タグは手にした鉄鉱石を放り投げつつ落胆した。
ここは同盟領の蒸気工業都市フマーレに近い山中で開発中のセル鉱山。ハミルはここの開発主任だ。
「これでも問題は無かろう。何が不満だ?」
この鉱山の開発事業者、グリス・オムに進言した山師のノーザン・ウエストが口をねじ曲げ聞いてくる。
「質が悪すぎます。精製には多大な労力が掛かりますね。ここ、製鉄は丸投げでしょう? これならいくらフマーレに近くても遠くから運んだ方がマシです」
「しかし今は魔導型デュミナスなどの急速な増産で超売り手市場。少々質が悪くとも……」
「採掘序盤ならこの質でも掘削続行ですけどね。事業の進んだこの段階では困る品質です。それでなくとも作業量を増やして早く取引先の納得する結果を出せとつつかれてるのに」
ハミルの見立てでは、もう見込みがないといったところのようだ。
「仕方ない。計画目標の修正を進言してくる」
ノーザン、いったん引き上げた。
「……もしかして、これは」
一方で、石工職人のメイスンは別の事に気が付いた。同じくいったん引き上げる。
しばらくのち、蒸気工業都市フマーレ近くの町。
その町の小高い丘にまだ目新しい豪邸があった。
セル鉱山の開発事業主であるグリス・オムはここに住んでいる。
「ご覧ください」
山師のノーザン・ウエストが持参した荷物をグリスに開陳していた。
「これまでの鉄鉱石はこちらのように質が今一つでこれまで搬入した業者には評判が悪かったです」
うむ、とグリス。浮かない表情だ。
というより、憔悴している。
実は、正念場を迎えていたのだ。
これまで当初に想定していたような高品質の鉄鉱石が採掘できていない。各方面から苦情や取引の打ち切り、非難まで浴びて事業失敗の直前まで追い込まれていた。もちろん、離れず引き続き協力関係にある業者もたくさんいる。
――ここで引けるわけがない。
彼らの本音である。
投資はすでにできる限りした。
あとは投資に見合う利益を待つばかりなのだ。
ここで引くわけにはいかず、失敗は許されないのであるッ!
一方で、アムたちアマリリス商会など生活必需品を納入する業者たちには撤退は見られない。鉄鉱石を引き受けてひと儲けしようとする業者とは違い、こちらの支払いは滞っているわけではない。
そんなギリギリのところで……。
ノーザンの表情が、にたりと歪んだ。
そしてしゃあしゃあと言葉をつなぐ。
「ところが、現地で熱心に作業するに連れてこのような鉄鉱石が出始めたのです」
ごろり、と机に置いたのは見事な品質の鉄鉱石だった。
「おお……ついに出たか!」
グリス、この……ノーザンがどこから持ってきたかも分からない鉄鉱石に飛びついた!
事業を強力に推し進める決定を下した瞬間である。
「失礼します」
ノーザンの話が終わり、入れ替わりにアムが入室した。
「こちら……グリス様の家紋ですわね?」
アム、前回の戦闘と洞窟探索で発見した家紋入りの留め具をグリスに見せた。
「お、おお……これは……」
グリスが言葉を失ったのは、家に伝わる大切な留め具と同じものだったから。
アム、これが吸血鬼の洞窟にあったこと、女性の亡骸の服についていたこと、吸血鬼はゴーレムに閉じられていたこと、そして、留め具の女性は吸血鬼から「契約の女」と呼ばれゴーレムが倒されたことで約束も破られたと言ったことを話した。
「まさか……我が家系の生贄の伝説は本当だったのか……先祖代々の土地は、その女性たちが命を差し出していたことで守られて……」
「次はおそらく鉱山街が襲われるでしょう。……討伐隊を組むことを進言しますわ」
「……ここで鉱山街をやられてたまるか! せっかくここまでこぎつけて」
グリス、アムに討伐命令を出した。
そしてアムたちが町に戻る前。
「うわあっ! 窓から蝙蝠が入って来た!」
「ひ、人型になった……」
「き、吸血鬼だあっ!」
黒ずくめの服装で赤と緑の横縞蝶ネクタイをした吸血鬼が夜な夜な現れ、血を吸ったり、暗黒衝撃波を放ったり、あるいは蝙蝠の群れとなり覆い尽くして意識を失わせ喉を裂いたりして一人ずつ殺していた。
アムたちは鉱山街に到着すると、早速夜を待ち戦闘に備えるのだった。
解説
鉱山街に夜な夜なやって来て一人ずつ殺していく吸血鬼歪虚一体を三日以内に完全討伐してください。
敵の大きさは180cmの程度の身長で細身の男性型を基本に、蝙蝠の群れに分離したり女性に変装したりします。
浮遊能力があり、これは飛んでいるわけではないので通常の風などに影響されません。
爪で攻撃し、牙で止めを刺したりします。
物理攻撃ではありますが、攻撃や防御の瞬間強化されますので通常の爪というわけではないです。蝙蝠に分離した場合も、威力は格段に落ちますが同様に爪攻撃をしてきます。
遠距離には、ファイヤーボールのような暗黒弾やライトニングボルトのような暗黒衝撃波を放ってきます。
また、蝙蝠分離時には群れで囲むことでスリープクラウドと同じ効果を発現するようです。
リプレイは鉱山街に到着した最初の夜からです。
敵の性質と情報の全くない今の状況からでは、一晩での討伐はほぼ不可能です。
相手もいろんな手段で町にやって来ていろんな襲撃の仕方をしてくるので、皆さんで手分けして防衛網を構築してください。
アム、モータル、メイスンの覚醒者三人には指示を与えることで行動します。
なお、前回判明しましたが、ある程度こちらと話をするのは嫌いではないようです。が、長々と話に乗るのは嫌いなようですね。
三日とも晴れで、月明かりがあり、町はかがり火をたいて警戒しているので暗くはないです。
街は高い板塀で囲まれた、簡易城塞都市と思っていただければ。
敵の大きさは180cmの程度の身長で細身の男性型を基本に、蝙蝠の群れに分離したり女性に変装したりします。
浮遊能力があり、これは飛んでいるわけではないので通常の風などに影響されません。
爪で攻撃し、牙で止めを刺したりします。
物理攻撃ではありますが、攻撃や防御の瞬間強化されますので通常の爪というわけではないです。蝙蝠に分離した場合も、威力は格段に落ちますが同様に爪攻撃をしてきます。
遠距離には、ファイヤーボールのような暗黒弾やライトニングボルトのような暗黒衝撃波を放ってきます。
また、蝙蝠分離時には群れで囲むことでスリープクラウドと同じ効果を発現するようです。
リプレイは鉱山街に到着した最初の夜からです。
敵の性質と情報の全くない今の状況からでは、一晩での討伐はほぼ不可能です。
相手もいろんな手段で町にやって来ていろんな襲撃の仕方をしてくるので、皆さんで手分けして防衛網を構築してください。
アム、モータル、メイスンの覚醒者三人には指示を与えることで行動します。
なお、前回判明しましたが、ある程度こちらと話をするのは嫌いではないようです。が、長々と話に乗るのは嫌いなようですね。
三日とも晴れで、月明かりがあり、町はかがり火をたいて警戒しているので暗くはないです。
街は高い板塀で囲まれた、簡易城塞都市と思っていただければ。
マスターより
朝だろうと昼だろうとこんばんは、深夜真世です。
お待たせしました。
モータルの危ない橋を渡れ旅、鉱山編の続きです。
OP長くてスイマセン。
鉱山が失敗に傾いていることを今回入れちゃいましたので、こんな長さになっています。
「鉱山からは良質な鉄鉱石は出ないが、ノーザンがペテンを仕掛け続行させた」
というPL情報だけ、心に留めておいてください。
三日あるのでしっかりと討伐しましょう。
よろしくお願いします。
お待たせしました。
モータルの危ない橋を渡れ旅、鉱山編の続きです。
OP長くてスイマセン。
鉱山が失敗に傾いていることを今回入れちゃいましたので、こんな長さになっています。
「鉱山からは良質な鉄鉱石は出ないが、ノーザンがペテンを仕掛け続行させた」
というPL情報だけ、心に留めておいてください。
三日あるのでしっかりと討伐しましょう。
よろしくお願いします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/03/07 18:37
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 エレンジア・アーヴァイン(ka5584) 人間(クリムゾンウェスト)|16才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2016/02/22 21:14:20 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/02/21 20:26:59 |