• 深棲
  • 冒険

【深棲】消えた荷物を追え!

マスター:樹シロカ

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
現在8人 / 4~8人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2014/08/18 12:00
リプレイ完成予定
2014/08/27 12:00

オープニング

●面倒な事態
 農業推奨地域ジェオルジの領主執務室。大きな窓から見える青い夏空は、とても美しかった。
 だがセスト・ジェオルジ(kz0034)は深刻な顔で執務机に向かい、顎をつまむように左手を添えている。
 これは何かを考えこんでいる時の彼の癖である。
 彼の前には幾つかの書類や手紙の類が広げられていた。
 突然、ノックの音が響く。
 返事をするより先にドアが開き、明るくよく通る声が響き渡った。
「セスト、お母様がお茶にいらっしゃいって!」
 母親かと思えば、姉のルイーザであった。この2人、行動パターンが実によく似ている。
「姉上……お帰りでしたか」
 ルイーザは現在のジェオルジ家で唯一の覚醒者であり、現役のハンターだ。
 元々外で動き回るのが性に合うとかで、家を長く空けることも多い。
「なあに、相変わらず眉間に皺を寄せてるの?」
 セストは自分と顔立ちこそ似ているが、全く様子の違う快活なルイーザの笑顔を少し眩しいと感じる。
 だがいつも通りの淡々とした口調は変わらない。
「ええ、少し面倒なことになりましたので」

 セストはかいつまんでルイーザに事情を説明する。
 同盟の南方に現れた歪虚達に対応する為に、現在同盟には各国の支援部隊が集まっている。
 それは有難いことなのだが、人が集まれば大量の物資が必要になる。特に食糧が不足すれば深刻な問題を引き起こしかねない。
 そこでジェオルジからも、普段より多くの農作物を出荷しているのだが、最近その荷物が依頼主に約束通り届かないことがあるというのだ。
 当然、出荷の時点ではきちんと確認している。そして先方にその量が届いていないのも事実なのだ。
 となると、考えられるのは途中での横流しである。
 セストは色々な手段を用いて、その犯人を探っているところだった。

 説明を聞いたルイーザが腰に手を当てて仁王立ちする。
「そんなの簡単じゃない。怪しい奴に片っ端から確認すればいいのよ」
 当然、拳で。目がそう言っていた。
「……」
 セストは普段通りの無表情を崩さないままに姉の顔を見る。
 今日もルイーザの身につけている衣服は華麗だった。大きく開けた胸元に少しずつ色の違うレースを重ねたドレスは、極彩色の街ヴァリオスで最近流行しているデザインだ。セストも付き合いで参加したヴァリオスの夜会で、何人もそういう女性を見ている。
 だが残念ながらジェオルジでは夜会は開かれない。当然ルイーザも分かっている。単に素敵だと思ったから着ている、それだけだ。
 ……それにしても。
(あの赤い大きな羽根飾りをつけて外を歩いて、雄牛が突っ込んで来ないのだろうか……)
 そう思ったが、良く考えればルイーザなら雄牛にだって勝てるだろう。
 セストは僅かな時間でここまで思考を巡らせ、小さく息をついた。
「ちょっと何よ。何か言いたい事があるならはっきり言いなさいよ」
 ルイーザが弟を軽く睨む。
「いえ。もしそういう方法が必要なら姉上にお任せします。今回は下手に騒ぎたてて、折角の取引先の機嫌を損ねたくありませんので」
「まあいいわ。領主は貴方なのだもの。頑張んなさいね」
 ルイーザは踵を返し、ひらひらと手を振りながら部屋を出て行った。


●囮捜査
 ジェオルジ領主の館の一室に、ハンターたちは集められていた。
 依頼主が現れるまでお茶を飲みながら待っていると、ひょいと派手な身なりの女が顔を覗かせる。
「あら、御苦労さま!」
 女はルイーザ・ジェオルジと名乗った。自分もハンターだという。
「今回は弟をよろしくね。と、ごめんなさい、失礼するわ!」
 悪戯っ子のように片目をつぶると、ルイーザは急いで出て行った。
 何事かとハンターたちが見送っていると、入れ違いに依頼主のセストが部屋に入って来る。
 セストは軽く会釈すると、淡々と用件を切り出した。
「ご足労いただきまして誠に有難うございます。早速、お願いしたい件についてなのですが……」
 これまでに調査した結果、依頼した輸送業者が買収されていたらしいことまでは分かった。そこで業者を変えたのだが、また次の業者も気がつけば買収されてしまっていたのだ。
 どうやら相手は言葉巧みに接触してきては、すぐにはばれない量を少しずつ横流しさせているらしい。例えば馬車ごとにトウモロコシを一袋だけ、などという具合である。
 だがその後、抜き取られた荷物が市場に出回っている形跡はない。
 穀物の値上がりを待っているのか、あるいは別の目的があるのか……。
「そこで今回、囮の荷物を出そうと思うのです。僕も同行します。皆様には万一の場合に備えて、護衛をお願い致します」
 領主の同行前提。つまり彼がいつものきちんとした格好ではなく、すこしくたびれた服装をしているのはその為であったらしい。

解説

●依頼内容
 セストに同行して、荷物の横流しを唆している者を捕まえてください。

 馬車はジェオルジを出発し、同盟内のヴァリオスまで荷物を運びます。必要であれば別の馬車も1台は用意できます(条件付き)。
 馬車の大きさは、荷物を積むと荷台に乗れるのは大人が5人までです。御者席には最大3人まで座れます。
 ただしそれだけの人間が乗っていると、不審に思われる可能性はあります。上手い方法を考えてください。

 セストは戦闘は不得意ですので、変装して御者を担当します。ちなみに変装はそれほど上手ではありません。
 御者は得意な方がいれば、セストと交替可能です。逆に不得意な方ばかりの場合、もう1台の馬車は借りられません。

 荷物は盗られた時のままであればジェオルジ産と確認できます。(袋に刻印がある、ジェオルジでしか収穫できない品種である、など)
 それを確認する為にセストが同行します。

●依頼についてのPL情報(PCは知らない内容です。OPの内容からこうじゃないかな? と予測することもできます)
 犯人はどこかで接触し、話をもちかけて来ます。
 横流しされた荷物は犯人が貯蔵しています。その為、腐るような物は盗られていません。
 例:トウモロコシ、小麦粉、干し肉など
 尚、取引先は白です。PCさんが推理でその結論を導き出せれば、評価ポイントになります。

 OPに登場したルイーザは、一応セストを心配して(ついでにひと暴れしたくて)こっそり後をつけて来ています。
 邪魔にならないような形でフォローに回りますが、今回は支援を受けると評価が低くなる可能性があります。


●セストについて
 一見とっつきにくいですが、人嫌いな訳ではありません。会話は成立します。
 ただし以前の依頼で登場した母や、今回登場した姉の影響により、ちょっとだけ女性(特に強い女性)は苦手かもしれません。


●推奨テンプレート:調査・捜査系

マスターより

少しお久しぶりのジェオルジ舞台になります、樹シロカです。

一応【深棲】関連シナリオですが、今回は海産物の敵は出てきませんのでご了承くださいませ。
セストが変装していますが、PC様もハンター丸判りでは色々と支障があるでしょう。
どんな形で同行されるのか、それも楽しみにしております。
尚、依頼について必要と思われる物は(あまり高価なものでなければ)依頼主が用意します。

ご参加、お待ちしております!

関連NPC

  • 農耕推進地域の若き領主
    セスト・ジェオルジ(kz0034
    人間(クリムゾンウェスト)|19才|男性|一般人
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2014/08/27 14:28

参加者一覧

  • キャラバンの美人秘書
    コルネ(ka0207
    エルフ|23才|女性|霊闘士
  • 大王の鉄槌
    ディアドラ・ド・デイソルクス(ka0271
    人間(紅)|12才|女性|闘狩人
  • 守護の絆
    朱華(ka0841
    人間(蒼)|21才|男性|闘狩人
  • がんばりやさん
    ルーキフェル・ハーツ(ka1064
    エルフ|10才|男性|闘狩人
  • Monotone Jem
    ニャンゴ・ニャンゴ(ka1590
    人間(紅)|20才|女性|闘狩人
  • クラシカルライダー
    ルトガー・レイヴンルフト(ka1847
    人間(紅)|50才|男性|機導師
  • 俯瞰視の狩人
    ヴァージル・チェンバレン(ka1989
    人間(紅)|45才|男性|闘狩人
  • 解を導きし者
    エーミ・エーテルクラフト(ka2225
    人間(蒼)|17才|女性|魔術師

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
エーミ・エーテルクラフト(ka2225
人間(リアルブルー)|17才|女性|魔術師(マギステル)
最終発言
2014/08/17 22:46:33
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2014/08/14 02:17:29