ゲスト
(ka0000)
帝都復興、瓦礫と赤い花
マスター:尾仲ヒエル

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 少なめ
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/02/28 22:00
- リプレイ完成予定
- 2016/03/08 22:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
●瓦礫撤去のお仕事
ゾンネンシュトラール帝国首都、バルトアンデルス。
少しずつ復旧が進んでいる市街地も、路地を一本入れば瓦礫が積み上がっているままの場所がまだ残っていた。
「こちらの一角になります。元々小さな学校だったのですが、この間の戦闘で崩れてしまって……。報酬もあまり御用意できなくて心苦しいのですが」
いいよいいよ、とハンターたちに声を掛けられ、案内してきた職員が、ほっとした表情を浮かべる。
「どうか宜しくお願い致します」
手袋とスコップを渡した職員は、最後にぺこりと頭を下げてハンターオフィスに戻っていった。
●朱花の教団
特徴的な鈴の音が響いてくると、人々から声が上がる。
「パンだ」
「ササノハさまだ」
赤い花の印が描かれた数台の馬車が空き地に止まると、その前にずらりと長い列が伸びた。
馬車の前では白いローブを着た教団の関係者が忙しく立ち働き、次々に焼きたてのパンが配られていく。
やがて列が消える頃には、集まった全ての人々の手にパンが行き渡っていた。
空き地に座ってパンを食べる人々の間を、子供たちの一団がはしゃぎながら駆け回る。
そんな中、1人の男が馬車に近づいた。
「こんにちは。パンはいかがですか」
「いらん」
差し出されたパンに見向きもせず、男はずかずかと馬車の後ろに回り込んだ。
「教主とやらはどこにいる」
「どうかされましたか」
「イリフネさま」
対応に出たのは、イリフネと呼ばれた黒髪の男だった。
「邪教徒どもめ。何が朱花の教団だ。ペテン師を祭り上げてエクラ教に成り替わろうとでも言うのか」
「とんでもない。朱花の教団は唯一神である光の加護のもとで活動しているに過ぎません」
喧嘩腰の男に対し、イリフネの口調はあくまでも穏やかだ。
「我々は何物とも対立しません。我々にできるのはその日のパンを配り、人々の悲しみを癒すことだけなのです」
「目を覚ませ。あんたらは騙されてるんだ!」
辺りを見渡し、尚も言いつのろうとする男に、集まっていた人々から声が上がった。
「ササノハさまを悪く言うな」
「そうだそうだ!」
朱花の教団が本格的な活動を始めて半年。
教主であるササノハは随分と人々に慕われているようだった。
「そんなに言うなら、あんたがパンを配ってくれるのかよ!」
ぐっと言葉につまった男は、顔を真っ赤にしてどこかへ去って行く。
「皆さん。ありがとうございます。さあ、ササノハさまの浄化を受けたい方はこちらへ」
男への不満が収まらない様子の人々を、イリフネが馬車の前へと案内する。
ひざまずいた男の額に、白と赤のかさねの着物も鮮やかなササノハが右手を伸ばす。
その手の甲には、教団の印そのままの、赤い花の形のアザがあった。
「あなたの罪を許します」
柔らかな声で告げられた男は、何度もササノハに頭を下げてその場を離れた。
「あ」
何十人もの人々への浄化を終えた後。馬車の後ろで休んでいたササノハが、何かを見つけて声を上げた。
さらさらと、衣擦れの音をさせながら近付いた瓦礫の下には、おさげ髪の人形が押しつぶされていた。
「……ん」
ササノハが人形の上の瓦礫をどかそうと試みる。
それは大人でも1人では持ち上げられないほど大きな瓦礫だったが、ササノハにその無謀さは理解できていないようだった。
「痛っ」
先日怪我をしたばかりの手の平の傷がひらき、じわりと赤いものがにじむ。
「何をされているのですか」
「叔父さん」
近づいてきたイリフネは、ササノハが隠そうとした手をとらえた。
傷口に眉をひそめた男は、手早く消毒を始める。
何かあったのかと心配げにこちらを窺う信者たちに気が付き、ササノハが身を縮めた。
「大事な御体なのですから御気をおつけください。すぐに片付けは終わります」
ため息と共にそう告げると、イリフネは信者たちの元へ説明に向かった。
ササノハは、それ以上何もできずに用意された馬車に乗り込む。
「……迷惑かけちゃった。でも、僕も何かしたかったんだ」
馬車の中から外を眺めながら呟いたササノハが、何かに気が付く。
視線の先には、瓦礫を撤去するハンターたちの姿があった。
ごそごそと荷物を探っていたササノハは、やがて教団の人間が着る白いローブを見つけ出した。
着物からローブに着替えたササノハは、フードを目深にかぶると馬車を抜け出した。
馬車に残された書置きには、「少し外の空気を吸ってきます。すぐに戻ります」と書かれていた。
「あの、僕にも手伝わせてもらえませんか?」
白いローブ姿の小柄な人物がハンターたちに話しかけた。
●瓦礫撤去のお仕事
ゾンネンシュトラール帝国首都、バルトアンデルス。
少しずつ復旧が進んでいる市街地も、路地を一本入れば瓦礫が積み上がっているままの場所がまだ残っていた。
「こちらの一角になります。元々小さな学校だったのですが、この間の戦闘で崩れてしまって……。報酬もあまり御用意できなくて心苦しいのですが」
いいよいいよ、とハンターたちに声を掛けられ、案内してきた職員が、ほっとした表情を浮かべる。
「どうか宜しくお願い致します」
手袋とスコップを渡した職員は、最後にぺこりと頭を下げてハンターオフィスに戻っていった。
●朱花の教団
特徴的な鈴の音が響いてくると、人々から声が上がる。
「パンだ」
「ササノハさまだ」
赤い花の印が描かれた数台の馬車が空き地に止まると、その前にずらりと長い列が伸びた。
馬車の前では白いローブを着た教団の関係者が忙しく立ち働き、次々に焼きたてのパンが配られていく。
やがて列が消える頃には、集まった全ての人々の手にパンが行き渡っていた。
空き地に座ってパンを食べる人々の間を、子供たちの一団がはしゃぎながら駆け回る。
そんな中、1人の男が馬車に近づいた。
「こんにちは。パンはいかがですか」
「いらん」
差し出されたパンに見向きもせず、男はずかずかと馬車の後ろに回り込んだ。
「教主とやらはどこにいる」
「どうかされましたか」
「イリフネさま」
対応に出たのは、イリフネと呼ばれた黒髪の男だった。
「邪教徒どもめ。何が朱花の教団だ。ペテン師を祭り上げてエクラ教に成り替わろうとでも言うのか」
「とんでもない。朱花の教団は唯一神である光の加護のもとで活動しているに過ぎません」
喧嘩腰の男に対し、イリフネの口調はあくまでも穏やかだ。
「我々は何物とも対立しません。我々にできるのはその日のパンを配り、人々の悲しみを癒すことだけなのです」
「目を覚ませ。あんたらは騙されてるんだ!」
辺りを見渡し、尚も言いつのろうとする男に、集まっていた人々から声が上がった。
「ササノハさまを悪く言うな」
「そうだそうだ!」
朱花の教団が本格的な活動を始めて半年。
教主であるササノハは随分と人々に慕われているようだった。
「そんなに言うなら、あんたがパンを配ってくれるのかよ!」
ぐっと言葉につまった男は、顔を真っ赤にしてどこかへ去って行く。
「皆さん。ありがとうございます。さあ、ササノハさまの浄化を受けたい方はこちらへ」
男への不満が収まらない様子の人々を、イリフネが馬車の前へと案内する。
ひざまずいた男の額に、白と赤のかさねの着物も鮮やかなササノハが右手を伸ばす。
その手の甲には、教団の印そのままの、赤い花の形のアザがあった。
「あなたの罪を許します」
柔らかな声で告げられた男は、何度もササノハに頭を下げてその場を離れた。
「あ」
何十人もの人々への浄化を終えた後。馬車の後ろで休んでいたササノハが、何かを見つけて声を上げた。
さらさらと、衣擦れの音をさせながら近付いた瓦礫の下には、おさげ髪の人形が押しつぶされていた。
「……ん」
ササノハが人形の上の瓦礫をどかそうと試みる。
それは大人でも1人では持ち上げられないほど大きな瓦礫だったが、ササノハにその無謀さは理解できていないようだった。
「痛っ」
先日怪我をしたばかりの手の平の傷がひらき、じわりと赤いものがにじむ。
「何をされているのですか」
「叔父さん」
近づいてきたイリフネは、ササノハが隠そうとした手をとらえた。
傷口に眉をひそめた男は、手早く消毒を始める。
何かあったのかと心配げにこちらを窺う信者たちに気が付き、ササノハが身を縮めた。
「大事な御体なのですから御気をおつけください。すぐに片付けは終わります」
ため息と共にそう告げると、イリフネは信者たちの元へ説明に向かった。
ササノハは、それ以上何もできずに用意された馬車に乗り込む。
「……迷惑かけちゃった。でも、僕も何かしたかったんだ」
馬車の中から外を眺めながら呟いたササノハが、何かに気が付く。
視線の先には、瓦礫を撤去するハンターたちの姿があった。
ごそごそと荷物を探っていたササノハは、やがて教団の人間が着る白いローブを見つけ出した。
着物からローブに着替えたササノハは、フードを目深にかぶると馬車を抜け出した。
馬車に残された書置きには、「少し外の空気を吸ってきます。すぐに戻ります」と書かれていた。
「あの、僕にも手伝わせてもらえませんか?」
白いローブ姿の小柄な人物がハンターたちに話しかけた。
解説
【依頼内容】
帝都の一角で、瓦礫の撤去をするお仕事です。
積み上がった瓦礫をどかし、近くの決められた場所にまとめてください。
台車、手袋、スコップは貸し出されています。
【朱花の教団について】
最近庶民の間で噂されるようになった新興宗教集団。貧しい人々や戦災孤児などに施しを与え、台頭してきている。
【イリフネ】
ササノハの叔父。まだ若いササノハに代わり教団を取り仕切っている。
【ササノハについて】
朱花の教団の教主。身長約150cm。10代前半。普段は東方風の着物姿で、長い黒髪を垂らしている。
現在、白いローブを着て、フードを目深にかぶり変装中。
帝都の一角で、瓦礫の撤去をするお仕事です。
積み上がった瓦礫をどかし、近くの決められた場所にまとめてください。
台車、手袋、スコップは貸し出されています。
【朱花の教団について】
最近庶民の間で噂されるようになった新興宗教集団。貧しい人々や戦災孤児などに施しを与え、台頭してきている。
【イリフネ】
ササノハの叔父。まだ若いササノハに代わり教団を取り仕切っている。
【ササノハについて】
朱花の教団の教主。身長約150cm。10代前半。普段は東方風の着物姿で、長い黒髪を垂らしている。
現在、白いローブを着て、フードを目深にかぶり変装中。
マスターより
帝都復興のお手伝いとして、瓦礫の撤去をお願いします。
また、なにやら怪しいフード姿の人物がお手伝いを申し出ています。
また、なにやら怪しいフード姿の人物がお手伝いを申し出ています。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/03/07 19:19
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/02/25 15:08:21 |
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相談卓的なやつ アルスレーテ・フュラー(ka6148) エルフ|27才|女性|格闘士(マスターアームズ) |
最終発言 2016/02/28 20:22:14 |