ゲスト
(ka0000)
【AP】時代劇「怪異狩人面奇譚」
マスター:御影堂

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在4人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/04/09 19:00
- リプレイ完成予定
- 2016/04/18 19:00
オープニング
※このシナリオは夢シナリオです。オープニングは架空のものであり、ゲームの世界観に一切影響を与えません。
●
江戸八百八町を暗闇が包む、深夜帯。
唯一の明かりが、空に浮かぶ月によってもたらされていた。浪人、千葉慎之介は酔った足取りで月灯りを頼りに帰路につく。
鼻歌一丁、ご機嫌な様子で歩いていた。
細っこい路地をいくつも抜け、一度大通りに出る。
「ん?」
そのとき視界の隅に、人影が見えた。人が腐るほど集まる江戸の街、袖振り合うも他生の縁というものだ。慎之介は非常に機嫌が良かった。
挨拶でもとふらりふらりと近づいて、気づく。
人影は着流しを纏った青年であったが、顔に仮面を付けていた。飾りっけのない、真っ白な仮面だ。目と口の部分に切り込みで穴が開けてある。
妙な奴だと片眉を上げつつも、こんばんは、と声をかけて脇を通りすぎようとした。
そのとき、後ろから腕が伸びてきた。慌ててつかもうとした手を避けると、慎之介は男を睨む。
「何だよ、てめぇ!」
距離をとって刀の柄に手をかけ、激昂した。
青年は伸ばした手と逆側に、自身がしているのと同じ仮面を持っていた。片眉を再び上げて、慎之介は再び叫ぶ。
「何なんだよ、てめぇ!」
慎之介の声に男は答えない。仮面をつけようとしているのか、ゆっくりと近づこうとしたので慎之介は刀を抜いた。男は一度立ち止まると、辺りを見渡した。
慎之介もつられて辺りを見渡せば、路地から男と同じく仮面をつけた人々が姿を表した。同じく仮面を手に、慎之介に迫る。
「ひっ」
異様な光景に、小さな悲鳴を慎之介は上げる。怒りは酔いとともに覚め、刀を手に集団に背を向けた。冷や汗が背中を滝のように流れていく。
心臓の悪い高鳴りを感じながら、慎之介は長屋に閉じこもった。
戸を押さえ、荒い呼吸を続ける。
気がつけば、朝日が障子紙を抜けて顔に当たっていた。
「……」
安堵の息をついて、慎之介は土間で眠りにつくのであった。
●
「行方不明事件に、謎の仮面集団ねぇ。狂言にしか聞こえん」
コンと乾いた音を立てて、壮年の男性が煙草を落とす。彼は久野甚右衛門といい、町奉行の一人である。彼はしかめっ面で資料に睨みを効かせていた。
「慎之介とやら以外にも、証言者は大勢います。行方不明者の増加と仮面集団の目撃時期も重なりますから……」
「皆まで言うな、平蔵」
甚右衛門はため息混じりに、煙草の煙を吐き出した。
頭をがしがしと掻き乱しながら、資料を放り投げる。広がった紙片を平蔵が整える。
「裏で手を引いてるのが、人買いの類なら俺らの出番だ。だがなぁ」
「怪異なら出番なし、ですか?」
「おうよ。そういうのは専門家の役目だ」
煙草を置いて甚右衛門はのそりと立ち上がる。資料を引き出しにしまった平蔵が草履を用意し、戸を開ける。
「行くぞ、平蔵」
「へい」
こういう怪異に強い人間というのが、江戸の町には存在する。いや、江戸の町に存在しない職業なんてないのだと、甚右衛門は思う。
「怪異退治の専門家、厄払いの御用達……と嘯く輩は五万といるが」
「本物はここにしか集まらない、ですか。聞き飽きました」
二人の目の前に現れたのは、会向院と呼ばれる寺院だ。中に茶屋が設けられ、ときおり興行が行われる。だが、時期を外した今は閑散としていた。
怪異御用達と書かれた看板が、集会所には掲げられている。その戸を三度叩いて、開いてみればエビスさんを思い起こす顔があった。
「そろそろ参られる頃だと思っておりました」
袈裟を着た男はそういって二人を中に招き入れる。
集会所には幾つかの人影があった。見知った顔もあれば、素性もわからぬ御仁もいる。気にするべくもなく甚右衛門はエビス顔の男の前に腰掛けた。
「さっそく本題に入ろうか」
出された茶を一飲して、甚右衛門はすぐにそう切り出した。
ここ十日の間に、二〇以上の町人が姿を消した。主として夜中、確かな用事で出かけた者も忽然と姿を消すという。親類縁者の訴えで奉行所も調査を行っているが、有用な手がかりを得られていない。
同時に、白くのっぺりとした仮面を被った集団が現れた。目撃情報から集団の中に行方不明者が紛れていることがわかった。だが、そこまでだ。
仮面集団がどこから現れ、どこに行くのか。目的は何なのかは不明である。
「手立てなし、任せたわ」
肩をすくめて甚右衛門は言い切る。エビス顔は困ったように頬を掻いて、
「そこまで言い切られると、何ともはや。まぁ、頼りにされてるということにしておきましょ」
エビス顔は、ふむ、と思案顔で顎を撫でる。
とんとんと机を二度指で叩き、最後にもう一度強く机を叩いた。
「仮面職人の筋を当たりましょう」
「ほう」
「力ある職人が作った仮面が、何らかの作用を得て霊気を帯びた……という筋書きでいかがかな?」
悪くない、と甚右衛門は頷く。
「では、その筋書きで」とエビス顔は奥へと引っ込んだ。その背中を見送り、甚右衛門たちは集会所を後にする。ここから先は、専門家の仕事だ。
●
「敵は暴走した面霊気と思われます。皆さんにお願いしたいのは、三つ」
エビス顔は集会所の奥に控える者たちへ、告げる。
「一つ、面霊気を生み出した職人の特定。一つ、面霊気の居所の特定。一つ、面霊気の撃退です」
力の在処は一つだが、それが拡散し仮面の仲間を増やしていると思われる。
さぁ、仕事ですとエビス顔は柏手を打つ。
今宵は月夜に白仮面。
能楽もどきを舞いに舞い、討ち倒すは面霊気。
「怪異狩人面奇譚」
いざ、開幕とご覧じましょう。
●
江戸八百八町を暗闇が包む、深夜帯。
唯一の明かりが、空に浮かぶ月によってもたらされていた。浪人、千葉慎之介は酔った足取りで月灯りを頼りに帰路につく。
鼻歌一丁、ご機嫌な様子で歩いていた。
細っこい路地をいくつも抜け、一度大通りに出る。
「ん?」
そのとき視界の隅に、人影が見えた。人が腐るほど集まる江戸の街、袖振り合うも他生の縁というものだ。慎之介は非常に機嫌が良かった。
挨拶でもとふらりふらりと近づいて、気づく。
人影は着流しを纏った青年であったが、顔に仮面を付けていた。飾りっけのない、真っ白な仮面だ。目と口の部分に切り込みで穴が開けてある。
妙な奴だと片眉を上げつつも、こんばんは、と声をかけて脇を通りすぎようとした。
そのとき、後ろから腕が伸びてきた。慌ててつかもうとした手を避けると、慎之介は男を睨む。
「何だよ、てめぇ!」
距離をとって刀の柄に手をかけ、激昂した。
青年は伸ばした手と逆側に、自身がしているのと同じ仮面を持っていた。片眉を再び上げて、慎之介は再び叫ぶ。
「何なんだよ、てめぇ!」
慎之介の声に男は答えない。仮面をつけようとしているのか、ゆっくりと近づこうとしたので慎之介は刀を抜いた。男は一度立ち止まると、辺りを見渡した。
慎之介もつられて辺りを見渡せば、路地から男と同じく仮面をつけた人々が姿を表した。同じく仮面を手に、慎之介に迫る。
「ひっ」
異様な光景に、小さな悲鳴を慎之介は上げる。怒りは酔いとともに覚め、刀を手に集団に背を向けた。冷や汗が背中を滝のように流れていく。
心臓の悪い高鳴りを感じながら、慎之介は長屋に閉じこもった。
戸を押さえ、荒い呼吸を続ける。
気がつけば、朝日が障子紙を抜けて顔に当たっていた。
「……」
安堵の息をついて、慎之介は土間で眠りにつくのであった。
●
「行方不明事件に、謎の仮面集団ねぇ。狂言にしか聞こえん」
コンと乾いた音を立てて、壮年の男性が煙草を落とす。彼は久野甚右衛門といい、町奉行の一人である。彼はしかめっ面で資料に睨みを効かせていた。
「慎之介とやら以外にも、証言者は大勢います。行方不明者の増加と仮面集団の目撃時期も重なりますから……」
「皆まで言うな、平蔵」
甚右衛門はため息混じりに、煙草の煙を吐き出した。
頭をがしがしと掻き乱しながら、資料を放り投げる。広がった紙片を平蔵が整える。
「裏で手を引いてるのが、人買いの類なら俺らの出番だ。だがなぁ」
「怪異なら出番なし、ですか?」
「おうよ。そういうのは専門家の役目だ」
煙草を置いて甚右衛門はのそりと立ち上がる。資料を引き出しにしまった平蔵が草履を用意し、戸を開ける。
「行くぞ、平蔵」
「へい」
こういう怪異に強い人間というのが、江戸の町には存在する。いや、江戸の町に存在しない職業なんてないのだと、甚右衛門は思う。
「怪異退治の専門家、厄払いの御用達……と嘯く輩は五万といるが」
「本物はここにしか集まらない、ですか。聞き飽きました」
二人の目の前に現れたのは、会向院と呼ばれる寺院だ。中に茶屋が設けられ、ときおり興行が行われる。だが、時期を外した今は閑散としていた。
怪異御用達と書かれた看板が、集会所には掲げられている。その戸を三度叩いて、開いてみればエビスさんを思い起こす顔があった。
「そろそろ参られる頃だと思っておりました」
袈裟を着た男はそういって二人を中に招き入れる。
集会所には幾つかの人影があった。見知った顔もあれば、素性もわからぬ御仁もいる。気にするべくもなく甚右衛門はエビス顔の男の前に腰掛けた。
「さっそく本題に入ろうか」
出された茶を一飲して、甚右衛門はすぐにそう切り出した。
ここ十日の間に、二〇以上の町人が姿を消した。主として夜中、確かな用事で出かけた者も忽然と姿を消すという。親類縁者の訴えで奉行所も調査を行っているが、有用な手がかりを得られていない。
同時に、白くのっぺりとした仮面を被った集団が現れた。目撃情報から集団の中に行方不明者が紛れていることがわかった。だが、そこまでだ。
仮面集団がどこから現れ、どこに行くのか。目的は何なのかは不明である。
「手立てなし、任せたわ」
肩をすくめて甚右衛門は言い切る。エビス顔は困ったように頬を掻いて、
「そこまで言い切られると、何ともはや。まぁ、頼りにされてるということにしておきましょ」
エビス顔は、ふむ、と思案顔で顎を撫でる。
とんとんと机を二度指で叩き、最後にもう一度強く机を叩いた。
「仮面職人の筋を当たりましょう」
「ほう」
「力ある職人が作った仮面が、何らかの作用を得て霊気を帯びた……という筋書きでいかがかな?」
悪くない、と甚右衛門は頷く。
「では、その筋書きで」とエビス顔は奥へと引っ込んだ。その背中を見送り、甚右衛門たちは集会所を後にする。ここから先は、専門家の仕事だ。
●
「敵は暴走した面霊気と思われます。皆さんにお願いしたいのは、三つ」
エビス顔は集会所の奥に控える者たちへ、告げる。
「一つ、面霊気を生み出した職人の特定。一つ、面霊気の居所の特定。一つ、面霊気の撃退です」
力の在処は一つだが、それが拡散し仮面の仲間を増やしていると思われる。
さぁ、仕事ですとエビス顔は柏手を打つ。
今宵は月夜に白仮面。
能楽もどきを舞いに舞い、討ち倒すは面霊気。
「怪異狩人面奇譚」
いざ、開幕とご覧じましょう。
解説
●目的
面霊気の討伐と囚われた人々を解放する。
●情報収集について
1)面霊気を創りだした職人の捜索
職人を特定することで、面霊気の特性がわかります。
本人は面霊気を創りだした自覚はありません。
職人から話を聞けると、仲間を集めようとしていること。
月灯りで力を得るようにモチーフを考えたことがわかります。
2)面霊気の居所の割り出し、もしくは、おびき出し方法の確定
面霊気は江戸内の廃寺を根城にしています。
ただし月灯りがない場合、姿を現しません。
●面霊気
面霊気は自分の分身を被った人間を手下として操ります。
手下は仮面を破壊するとその場で眠りにつきます。
面霊気自身は複数の分身を周囲に展開しています。
攻撃方法は、光線による遠距離攻撃。体当たりや分身を用いた近接攻撃です。
●時代劇設定
なんちゃって時代劇です。
名前やスキルを時代劇風に変更しても構いません(内容は変わりません)。
時代劇設定も集会所経由で今回の仕事を請けていること以外は、自由に決めていただいて構いません。
面霊気の討伐と囚われた人々を解放する。
●情報収集について
1)面霊気を創りだした職人の捜索
職人を特定することで、面霊気の特性がわかります。
本人は面霊気を創りだした自覚はありません。
職人から話を聞けると、仲間を集めようとしていること。
月灯りで力を得るようにモチーフを考えたことがわかります。
2)面霊気の居所の割り出し、もしくは、おびき出し方法の確定
面霊気は江戸内の廃寺を根城にしています。
ただし月灯りがない場合、姿を現しません。
●面霊気
面霊気は自分の分身を被った人間を手下として操ります。
手下は仮面を破壊するとその場で眠りにつきます。
面霊気自身は複数の分身を周囲に展開しています。
攻撃方法は、光線による遠距離攻撃。体当たりや分身を用いた近接攻撃です。
●時代劇設定
なんちゃって時代劇です。
名前やスキルを時代劇風に変更しても構いません(内容は変わりません)。
時代劇設定も集会所経由で今回の仕事を請けていること以外は、自由に決めていただいて構いません。
マスターより
こんにちは、御影堂です。
エイプリルフール一つ目として、時代劇ネタですよー。
なんちゃって時代劇なので、時代劇っぽければ何でもOKです。外国人が闊歩しててもそういう世界線何だと思いましょう。
今回の敵は面霊気です。そこそこメジャーどころの妖怪です。
囚われた人々を助け出しましょう。
エイプリルフール一つ目として、時代劇ネタですよー。
なんちゃって時代劇なので、時代劇っぽければ何でもOKです。外国人が闊歩しててもそういう世界線何だと思いましょう。
今回の敵は面霊気です。そこそこメジャーどころの妖怪です。
囚われた人々を助け出しましょう。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/04/16 08:51
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
「怪異狩人面奇譚・相談処」 Gacrux(ka2726) 人間(クリムゾンウェスト)|25才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2016/04/09 16:38:59 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/04/09 13:03:34 |