• 戦闘

【AP】ナイト・ランナー

マスター:cr

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
  • duplication
参加費
1,000
参加人数
現在6人 / 4~6人
マテリアルリンク
報酬
無し
相談期間
5日
プレイング締切
2016/04/11 12:00
リプレイ完成予定
2016/04/20 12:00

オープニング

※このシナリオは夢シナリオです。オープニングは架空のものであり、ゲームの世界観に一切影響を与えません。

 油断するな。
 迷わず撃て。
 弾を切らすな。
 ヴォイドには手を出すな。

 ――ストリートの警句――


 その時降りしきる酸性雨が空中で小さな音を立てて蒸発していることに気付く者は誰も居なかった。ここで1/60秒単位でドンパチが行われているって言われて信じられるかい?
 ハロー、チューマ(相棒)、こいつが信じられなかったとしたら初めましてだな。このクソッタレな世界にようこそ。信じられるってんならアンタはご同輩だな。また会ったか。次は死体で見ることにならなきゃいいな。
 人類が産みだした科学技術の発展の先に待ち受けていたもの、そいつがこれだ。体にサイバネティク手術を施しニューロンの速度を超えた者たちが、この街の夜を駆ける。そこに陽の光が当たることは無い。行われていることはメガコーポとメガコーポの間のチェス。だが普通のチェスとはちょっと違う。何せメガコーポ様ったら俺達から見たらどうでもいいような事に血眼を上げてらっしゃるからな。天文学的なクレジットを突っ込みコマに最高峰の武装を施す。チャイナタウンのチェンさんところの肉饅頭より肉の部分が少なくなった連中。そいつらがコーポ達の手駒だ。
 でもな、この世界じゃ皆が皆繋がっている。手駒を動かせばその後に跡が残る。そいつを嫌がってコーポは時にどこにも繋がっていない者達を使うことがある。
 この世界の真の姿を知っちまい、戸籍データを失って飛び出した人間。存在しないからこそ、その存在に意味があるサイバネティックス手術を施したプロフェッショナル達。それがお前たちハンターなのさ。


 神経に直結したオートマチックピストルのトリガーが引かれる。サイレンサーのおかげで最小限に抑えられた発射音と共に放たれた9ミリパラベラム弾は的確にクローン兵を撃ち抜いていく。
 その銃弾の間を交わし、別の男が前に出る。プログラム通り真っ直ぐ前に突進してくるクローン兵の横を通り過ぎると、そいつは音もなく倒れた。男の爪の下から飛び出した薄刃は一瞬のうちにそいつらを息の音事斬り裂いていた。
 今戦っているハンター達は簡単に言えば凄腕だった。そうじゃなけりゃそもそもこんな仕事(ビズ)を請けちゃいない。ビズの詳しい内容はさておき、手を出した相手はドラッケン社、「ヴォイド」と呼ばれる七大コーポの一つだった。ヴォイドに手を出さないのはストリートで生きる事にした人間が最初に知らなきゃいけないことだ。知らなきゃそもそも生きていけない。だが、そんなヤバい相手に手を出せる、って時点でその腕がわかるってもんさ。実際その腕は確かだった。1ダース送り込まれた企業のコマをものの数秒で片付けてみせる。
 だが、なぜヴォイドに手を出しては行けないのか、その理由を身を持って知るのはその次の瞬間だった。真っ赤な強化樹脂製プロテクターに全身を包み、神経直結型単分子刀(ニューラル・カタナ)を手にした兵士、ドラッケン社の切り札であり、最高価格の商品であり、ストリートでその名が語られるときは必ず枕詞に“最強”が付く警備専門家、『レッド・ドラゴン』だった。
 ハンター達が狼狽してから覚悟を決めるまでかかった時間はわずか0.1秒だった。『迷わず撃て』、ガキでも知ってるストリートの警句に乗っ取りトリガーを引く。
 そしてハンター達全員が酸性雨の下に己の屍を晒したのはその0.2秒後だった。


「まず最初に。この話を聞いた時点でキャンセルは無しでお願いします。約束できますね?」
 ビズの話のために呼び出されたお前達に、“ミス・ジョンソン”と名乗る女が口を開く。ハンターの仕事は程度の差こそあれどれも汚れ仕事(ウェット・ワーク)、こういう枕詞が付くのは日常茶飯事だ。だが、お前達は今晩のこの席で、得も言われぬ嫌な予感を胸に感じた。そしてその予感は現実のものとなるのだった。
「皆さんにお願いしたい仕事はこちらの建物、時代遅れの低層建築ですが――その8階の一室にある品物を回収して来てください。大きさはそうですね、そこのドリンクの入った缶と同じ程度ですから、ポケットにでも入るでしょう」
 ここまでの話だったら近所の雑貨屋のおばさんにも出来るだろう。だが、お前たちに話が回ってきている時点でそれだけで終わる訳がない。
「皆さんの腕なら調べればすぐに分かることなのでここでお伝えします。この品物というのはドラッケン社の新製品サンプルです」
 その言葉にお前達の網膜には、極度の緊張状態を示す警告文が流れる。ターゲットは「ヴォイド」の一角、しかも相手がそことなると当然――
「『レッド・ドラゴン』が投入されている可能性は十分考えられます」
 それは最悪の言葉だった。


「まともにやっては成功確率は1パーミルにも満たないでしょう。ですが、今回こういう物を入手しました」
 そして“ミス・ジョンソン”はデータチップをお前達に投げて渡す。
「ニューラル・カタナをクラックするための特製プログラム、名称は『ドラゴン・スレイヤー』です」
 ダサいと思う余地は無かった。この小指の先ほどのチップがお前たちの命綱だった。
「作戦はこうです。『レッド・ドラゴン』を発見次第サイバースペースから対象のコントロールOSに侵入し、『ドラゴン・スレイヤー』を実行。同時に現実空間で戦闘を開始し、始末して脱出する」
 言うだけなら誰でも出来る。涙が出るぐらい完璧な作戦だな全く。
「もちろん、『レッド・ドラゴン』はサイバースペース側でも最高クラスのセキュリティを保っており、常にジャミング・ノイズを撒き散らして侵入を防いでいます。これを乗り越えるには現実空間で50メートル以内の視認できる場所からジャック・インする必要があります」
 つまり、現実空間(マンデイン)でチャンバラをする連中だけでなく、いつもは家に引きこもっているハッカー達も現場に行く必要があるってことだ。一か八かの大博打。しかしコイツを倒せばアンタも『ドラゴン・スレイヤー』だ。悪くは無いんじゃないか、チューマ?

解説

●詳細
▼スキルについて
 この世界観ではマテリアルによるスキルは存在しません。代わりに皆さんの使うスキルはサイバネティックス手術によって得られた能力、もしくはサイバースペース上で敵性プログラムと戦うために使われるプログラムのイメージとします。

▼マンデインチーム
 現実空間でレッド・ドラゴンと戦闘を行うチームです。また、レッド・ドラゴン出現まではサイバースペースチームの護衛の役割も果たします。
 レッド・ドラゴンはまともに戦っても歯が立たない強敵です。ドラゴン・スレイヤー実行後は弱体化しますが、それでも十分な強さを誇ります。お気をつけ下さい。

▼サイバースペースチーム
 レッド・ドラゴン発見次第サイバースペースからレッド・ドラゴンのコントロールOSに侵入しドラゴン・スレイヤーを実行するチームです。サイバースペース上でもレッド・ドラゴンは己を守るためのアイス(侵入者を排除するための攻撃プログラム)を用意しています。こちらと戦い排除してください。

●その他
 なにか疑問があったら“ミス・ジョンソン”ことモア・プリマクラッセがお答えします。お気軽に質問卓を立ててお尋ねください。また、今回は世界観に関する質問もお受けいたします。

マスターより

 皆さんこんにちは、crです。
 さて、IFシナリオとして今回もサイバーパンクシナリオを用意しました。今回の敵は最悪クラスの相手ですが、同時に皆さんの腕の見せ所、かもしれません。この人間性が極限まで蔑まれる世界で、それでも何かを捨てきれないで生きる皆さんの物語をお聞かせください。
 それでは皆さんのご参加をお待ちしております。

関連NPC

  • バロテッリ商会番頭
    モア・プリマクラッセ(kz0066
    人間(クリムゾンウェスト)|22才|女性|一般人
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2016/04/19 01:09

参加者一覧

  • 赤き大地の放浪者
    エアルドフリス(ka1856
    人間(紅)|30才|男性|魔術師
  • 弓師
    八原 篝(ka3104
    人間(蒼)|19才|女性|猟撃士
  • 語り継ぐ約束
    天王寺茜(ka4080
    人間(蒼)|18才|女性|機導師
  • 【魔装】希望への手紙
    瀬崎・統夜(ka5046
    人間(蒼)|28才|男性|猟撃士

  • 鞍馬 真(ka5819
    人間(蒼)|22才|男性|闘狩人
  • 今日を笑顔で全力!
    道元 ガンジ(ka6005
    人間(蒼)|15才|男性|霊闘士

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 質問用スレッド
天王寺茜(ka4080
人間(リアルブルー)|18才|女性|機導師(アルケミスト)
最終発言
2016/04/06 10:17:08
アイコン 作戦会議だ、チューマ。
鞍馬 真(ka5819
人間(リアルブルー)|22才|男性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2016/04/10 21:29:53
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/04/06 19:24:39