ゲスト
(ka0000)
春眠暁は訪れず
マスター:蒼かなた

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/04/13 12:00
- リプレイ完成予定
- 2016/04/22 12:00
オープニング
●春の眠りは心地よく
辺境――そこは自然が数多く残る場所。それは逆に言えば、人の目や手が届かぬ場所が数多くあるということにもなる。
特につい最近まで歪虚の支配下にあった場所は、未だに雑魔の蔓延っていることも少なくなく、折角取り戻した故郷の地に戻れぬ辺境部族も大勢いる。
勿論その状況を手をこまねいて見ているわけではない。辺境の戦士達が、そしてハンター達が雑魔退治をしていき、少しずつではあるが人間の生活圏を取り戻している。
「よし、今日はこの辺りでキャンプを張ろう」
1人の年配の男がそう言って馬から降りた。彼は辺境の雑魔討伐に参加しているハンターの1人で、1つの部隊のリーダーを務めている。
行動を共にしている他の7人の仲間も勿論ハンターだ。その半数が駆け出しの新米ハンターではあるが、雑魔退治であれば十分戦力になる。
一同が馬から荷物を降ろし、テントを張ったり夕食の準備をしたりと作業をしていれば、傾いていた夕日はあっという間に沈んで、周囲は月明りがぼんやりとだけ照らす暗闇に包まれた。
「しっかし、今日の敵は手応えなかったなぁ。ゴブリンが2匹だけとか、準備運動にもならねーよ」
「言えてる。てかさ、何であのゴブリン2匹だけだったわけ? ゴブリンって基本群れで行動するもんだろ?」
まだ年若いハンターが今日の出来事を振り返っている。確かに彼らの言う通り、今日の戦果は大したことはない。ハンター8人を相手にゴブリン2匹など、まさに赤子の手をひねるより簡単なことだった。
しかし、疑問が残る。もう1人の若手が言うようにゴブリンは群れで行動する。偵察の為に2~3匹で行動することもあるが、発見したゴブリンを討伐したあとに周囲の捜索を行ったがゴブリンの群れの気配はなかった。
何らかの理由で群れからはぐれてしまったゴブリンだったのだろうか? それにしても、武器も防具も何も持っていないのは少し不思議ではあった。
「この仕事もあと1日かぁ。早くリゼリオに戻って美味い飯が食いてぇ!」
「何よ。私の料理が不味いっていうの?」
「不味い訳じゃないけど、リゼリオの店の料理を普段食べてるとなぁ。舌が肥えちゃって」
仲良く喧嘩している若いハンター達を眺めながら、リーダーの男は小さく笑みを浮かべる。何はともあれこの仕事はあと1日。明日の夕方には近くの村に辿り着く。それまで何事もなく済めばそれでいい。
「おい、お前ら。そろそろ寝る時間だ。喧嘩してるそっちの2人。元気そうだから最初の火の番をやらせてやる」
げぇっと明らかに嫌な顔を浮かべる若いハンター2人に、他のハンター達は何かとばっちりを受ける前にそそくさとテントの中へと避難する。
「じゃあ、頼んだぞ」
リーダーの男もそう言ってテントの中へと入っていく。テントの入り口を閉じる時、若い2人がまた言い合いを始めたようだが、それくらいの喧噪には慣れたものなリーダーの男は、それを子守歌に眠り込んだ。
そして、その眠りから覚めることは二度となかった。
●戻らぬ仲間
未帰還のハンター達のパーティーの捜索と、その原因の究明。ハンター達はその依頼を受けて、未帰還ハンター達の予定順路の逆を進む形で捜索を開始した。
進む道は見通しも良く、もし何かが近づいて来ればすぐに気づけるだろう。
「あーっと、逆に辿るとなると……この草原の先の山の麓から東に向かって、森に入ったら南下して、川に出たらそれに沿って西に……」
ブレアが地図と睨めっこしながらぶつぶつと呟いていると、共に行動しているハンターの1人が何かを見つけた。ブレアもそちらに視線をやれば、確かに何か見える。用意していた双眼鏡を覗いてみれば、それは地面に突き立っている槍であった。
不審に思ったハンター達はすぐにその場所へと向かう。そして、その現場を目撃することになった。
「なんだぁ、こりゃぁ」
ブレアも言葉を失う。それも無理はないだろう。そこには明らかに戦闘の跡があった。
地面に刺さっていた槍は矛先を下に突き立てられており、その矛先が立っている穴には数メートルの溝が共にあった。まるで突き立てた槍で地面を削ったかのようだ。
さらに3つほどテントがあるのだが、そのどれもが破け、壊されていた。その布地に大量の赤黒い染みは、恐らく想像通り血液であろう。
他の荷物も散乱し、明らかに争った跡がある。だが、敵味方両方とも死体は見当たらない。
ハンター達がいた痕跡は見つけた。しかしその姿はなく、何が起きたのかも謎のままだ。
と、その時。崩れたテントの中で何かが動いた。
「何だ? まさか生存者がいるのか?」
一縷の希望を期待する。しかし、もしかするとハンター達と交戦した敵かもしれない。警戒しながらハンター達はそのテントを囲み、そしてブレアが周囲に確認を取るとテントの布地をひっぺがす。
「お前は、確か討伐隊のリーダーだったはずだな」
そこには血まみれで土埃塗れの男が倒れていた。やや虚ろな目をしているが確かに生きている。男が地面を掴んでいた手を上げると、ブレアがその手を握った。
「安心しな。もう――」
「……にげ、ろ……」
「――何?」
男が掠れた声でそう呟いた瞬間、男の体が急にテントの中へと引きずり込まれた。咄嗟のことでブレアも手を放してしまったが、すぐにテントを蹴り払って男の姿を探す。
だが、そこに男の姿はない。ただ、人が1人通れそうなほどの大きな穴がそこにはあった。
「おいおいおい、こいつは――」
ブレアの戦士としての勘が警戒を告げる。だが、それはどうやら少し遅かったようだ。
周囲の地面が隆起したかと思うと、それを破る様にして緑色の蔦が天高く目指して伸びる。1本、2本、3本と次々とだ。
それと同時に、何かがハンター達の周りに降り注いできた。それはよく見れば、カラカラに乾いた死体であった。見た限りではゴブリンや馬のものに見える。
「なるほど。俺らは養分ってわけか。ふざけやがって!」
大きな蕾を揺らす一際太い花柄に向かい、ブレアは背負っていたグレートソードに手を伸ばした。
辺境――そこは自然が数多く残る場所。それは逆に言えば、人の目や手が届かぬ場所が数多くあるということにもなる。
特につい最近まで歪虚の支配下にあった場所は、未だに雑魔の蔓延っていることも少なくなく、折角取り戻した故郷の地に戻れぬ辺境部族も大勢いる。
勿論その状況を手をこまねいて見ているわけではない。辺境の戦士達が、そしてハンター達が雑魔退治をしていき、少しずつではあるが人間の生活圏を取り戻している。
「よし、今日はこの辺りでキャンプを張ろう」
1人の年配の男がそう言って馬から降りた。彼は辺境の雑魔討伐に参加しているハンターの1人で、1つの部隊のリーダーを務めている。
行動を共にしている他の7人の仲間も勿論ハンターだ。その半数が駆け出しの新米ハンターではあるが、雑魔退治であれば十分戦力になる。
一同が馬から荷物を降ろし、テントを張ったり夕食の準備をしたりと作業をしていれば、傾いていた夕日はあっという間に沈んで、周囲は月明りがぼんやりとだけ照らす暗闇に包まれた。
「しっかし、今日の敵は手応えなかったなぁ。ゴブリンが2匹だけとか、準備運動にもならねーよ」
「言えてる。てかさ、何であのゴブリン2匹だけだったわけ? ゴブリンって基本群れで行動するもんだろ?」
まだ年若いハンターが今日の出来事を振り返っている。確かに彼らの言う通り、今日の戦果は大したことはない。ハンター8人を相手にゴブリン2匹など、まさに赤子の手をひねるより簡単なことだった。
しかし、疑問が残る。もう1人の若手が言うようにゴブリンは群れで行動する。偵察の為に2~3匹で行動することもあるが、発見したゴブリンを討伐したあとに周囲の捜索を行ったがゴブリンの群れの気配はなかった。
何らかの理由で群れからはぐれてしまったゴブリンだったのだろうか? それにしても、武器も防具も何も持っていないのは少し不思議ではあった。
「この仕事もあと1日かぁ。早くリゼリオに戻って美味い飯が食いてぇ!」
「何よ。私の料理が不味いっていうの?」
「不味い訳じゃないけど、リゼリオの店の料理を普段食べてるとなぁ。舌が肥えちゃって」
仲良く喧嘩している若いハンター達を眺めながら、リーダーの男は小さく笑みを浮かべる。何はともあれこの仕事はあと1日。明日の夕方には近くの村に辿り着く。それまで何事もなく済めばそれでいい。
「おい、お前ら。そろそろ寝る時間だ。喧嘩してるそっちの2人。元気そうだから最初の火の番をやらせてやる」
げぇっと明らかに嫌な顔を浮かべる若いハンター2人に、他のハンター達は何かとばっちりを受ける前にそそくさとテントの中へと避難する。
「じゃあ、頼んだぞ」
リーダーの男もそう言ってテントの中へと入っていく。テントの入り口を閉じる時、若い2人がまた言い合いを始めたようだが、それくらいの喧噪には慣れたものなリーダーの男は、それを子守歌に眠り込んだ。
そして、その眠りから覚めることは二度となかった。
●戻らぬ仲間
未帰還のハンター達のパーティーの捜索と、その原因の究明。ハンター達はその依頼を受けて、未帰還ハンター達の予定順路の逆を進む形で捜索を開始した。
進む道は見通しも良く、もし何かが近づいて来ればすぐに気づけるだろう。
「あーっと、逆に辿るとなると……この草原の先の山の麓から東に向かって、森に入ったら南下して、川に出たらそれに沿って西に……」
ブレアが地図と睨めっこしながらぶつぶつと呟いていると、共に行動しているハンターの1人が何かを見つけた。ブレアもそちらに視線をやれば、確かに何か見える。用意していた双眼鏡を覗いてみれば、それは地面に突き立っている槍であった。
不審に思ったハンター達はすぐにその場所へと向かう。そして、その現場を目撃することになった。
「なんだぁ、こりゃぁ」
ブレアも言葉を失う。それも無理はないだろう。そこには明らかに戦闘の跡があった。
地面に刺さっていた槍は矛先を下に突き立てられており、その矛先が立っている穴には数メートルの溝が共にあった。まるで突き立てた槍で地面を削ったかのようだ。
さらに3つほどテントがあるのだが、そのどれもが破け、壊されていた。その布地に大量の赤黒い染みは、恐らく想像通り血液であろう。
他の荷物も散乱し、明らかに争った跡がある。だが、敵味方両方とも死体は見当たらない。
ハンター達がいた痕跡は見つけた。しかしその姿はなく、何が起きたのかも謎のままだ。
と、その時。崩れたテントの中で何かが動いた。
「何だ? まさか生存者がいるのか?」
一縷の希望を期待する。しかし、もしかするとハンター達と交戦した敵かもしれない。警戒しながらハンター達はそのテントを囲み、そしてブレアが周囲に確認を取るとテントの布地をひっぺがす。
「お前は、確か討伐隊のリーダーだったはずだな」
そこには血まみれで土埃塗れの男が倒れていた。やや虚ろな目をしているが確かに生きている。男が地面を掴んでいた手を上げると、ブレアがその手を握った。
「安心しな。もう――」
「……にげ、ろ……」
「――何?」
男が掠れた声でそう呟いた瞬間、男の体が急にテントの中へと引きずり込まれた。咄嗟のことでブレアも手を放してしまったが、すぐにテントを蹴り払って男の姿を探す。
だが、そこに男の姿はない。ただ、人が1人通れそうなほどの大きな穴がそこにはあった。
「おいおいおい、こいつは――」
ブレアの戦士としての勘が警戒を告げる。だが、それはどうやら少し遅かったようだ。
周囲の地面が隆起したかと思うと、それを破る様にして緑色の蔦が天高く目指して伸びる。1本、2本、3本と次々とだ。
それと同時に、何かがハンター達の周りに降り注いできた。それはよく見れば、カラカラに乾いた死体であった。見た限りではゴブリンや馬のものに見える。
「なるほど。俺らは養分ってわけか。ふざけやがって!」
大きな蕾を揺らす一際太い花柄に向かい、ブレアは背負っていたグレートソードに手を伸ばした。
解説
【依頼内容】
未帰還ハンター達の捜索とその原因究明
【戦域情報】
辺境北部。時刻は日没直前で薄暗く、すぐに夜になる、天候は晴れ。
なだらかな草原のど真ん中。草は高くて膝の高さ程度。
周囲にこれといった障害物はなく、破壊されたテントの残骸などが転がっている程度。
蔦はハンター達を囲うように地面から生えており、蕾はその少し外側で揺れている。
【味方情報】
・ブレア
凄腕の熟練ハンター。クラスは闘狩人。
プレートメイルを纏いグレートソードを振り回すパワーアタッカー。
特に指示がなければ前衛としてガンガン攻めていく。
【敵情報】
・蔦 8本
植物型歪虚のものと思われる蔦。地面から生えており、太さは10cm前後で、長さは現状1~5mとさまざま。
鞭のようにしなって叩きつけたり、巻き付いてきたりすると思われる。他に何らかの能力がある可能性がある。
・蕾 1本
植物型歪虚のものと思われる蕾。地面から生えており、蕾の大きさは直径1mほどで丸い。
蕾は太さ20cmほどの花柄の先で頭を垂れており、高さ3mほどの場所で揺れている。
蕾を重り代わりに叩きつけてくる。他に何らかの能力がある可能性がある。
未帰還ハンター達の捜索とその原因究明
【戦域情報】
辺境北部。時刻は日没直前で薄暗く、すぐに夜になる、天候は晴れ。
なだらかな草原のど真ん中。草は高くて膝の高さ程度。
周囲にこれといった障害物はなく、破壊されたテントの残骸などが転がっている程度。
蔦はハンター達を囲うように地面から生えており、蕾はその少し外側で揺れている。
【味方情報】
・ブレア
凄腕の熟練ハンター。クラスは闘狩人。
プレートメイルを纏いグレートソードを振り回すパワーアタッカー。
特に指示がなければ前衛としてガンガン攻めていく。
【敵情報】
・蔦 8本
植物型歪虚のものと思われる蔦。地面から生えており、太さは10cm前後で、長さは現状1~5mとさまざま。
鞭のようにしなって叩きつけたり、巻き付いてきたりすると思われる。他に何らかの能力がある可能性がある。
・蕾 1本
植物型歪虚のものと思われる蕾。地面から生えており、蕾の大きさは直径1mほどで丸い。
蕾は太さ20cmほどの花柄の先で頭を垂れており、高さ3mほどの場所で揺れている。
蕾を重り代わりに叩きつけてくる。他に何らかの能力がある可能性がある。
マスターより
皆さんこんにちわ。蒼かなたです。
辺境の地で未帰還となったハンター仲間達。その捜索で向かった先で、大地の下で眠っていた歪虚がハンター達に襲い掛かります。
この窮地を乗り越えて無事依頼をやりとげてください。
それでは、よろしければ依頼へのご参加をお待ちしております。
辺境の地で未帰還となったハンター仲間達。その捜索で向かった先で、大地の下で眠っていた歪虚がハンター達に襲い掛かります。
この窮地を乗り越えて無事依頼をやりとげてください。
それでは、よろしければ依頼へのご参加をお待ちしております。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/04/20 23:09
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/04/12 12:17:24 |
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【相談】現場検証 龍崎・カズマ(ka0178) 人間(リアルブルー)|20才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2016/04/12 20:48:28 |