• 戦闘

バウムクーヘン争奪戦!

マスター:紺堂 カヤ

シナリオ形態
ショート
難易度
やや易しい
参加費
1,000
参加人数
現在5人 / 4~8人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2016/04/15 22:00
リプレイ完成予定
2016/04/24 22:00

オープニング

 きらきらした季節がやってきた。
 暖かい風、風が揺らす緑の枝葉、枝葉の隙間からこぼれる光。
 それらすべてを吸い込もうと、大きく深呼吸をしている少女がいた。年の頃は十五ほど。鮮やかな赤毛をツインテールにしていた。
「うーん、いい匂い!」
 深呼吸を繰り返して、少女がうっとりと言う。
「ついに、最高のものが出来上がったわ!!! クーちゃんのバウムクーヘンよ!!!」



 クーちゃん、というのが、赤毛の少女の名前だった。誰もが「クーちゃん」と呼ぶので、誰も、フルネームを知らないが、誰にも特に支障はなかった。
 クーちゃんは、森の中の「バウムクーヘン工房」でひとり、来る日も来る日もバウムクーヘンを焼いていた。なぜかと言うと。
「バウムクーヘンが好きだから!!!」
 クーちゃんは胸を張る。そんなクーちゃんに、ハイハイ、と落ち着いた返事をしているのは、同じく十五歳くらいの黒髪の少女だ。名前は、マコ。
「で? 今度こそ、食べさせてくれるのよね?」
 そうなのだ。クーちゃんはいつもバウムクーヘンを焼いているのだが、自分以外の誰にも食べさせてくれたことがない。人にふるまうには十分なレベルではない、と言って。それは相当なこだわりようであった。
「うん! 今度こそ、マコちゃんにも食べさせてあげる! 緑のバウムクーヘンとか、ピンクのバウムクーヘンもできたの!」
「へえ。それは楽しみ」
「でしょ! でもね、折角、誰かに食べさせてもいい、って思えるものができたんだから、たくさんの人に食べてもらおうと思って」
「いいんじゃない? 皆、きっと食べたがるわよ。連日、香りばかりしてくるのに食べられないでいたんだもの」
 マコが大人びた表情で微笑むと、クーちゃんは満面の笑みでうんうん頷いた。マコは、ふと嫌な予感がした。
「クーちゃん、何か変なこと考えてない?」
「変なことなんて考えてないよー! ただ、ちょっと、面白いことをしようと思ってるだけ!」
 それが変なことなんだと思うけど、とマコは胸の中で呟いてため息をついた。
「面白いことって?」
「うん! ただ食べてもらうんじゃつまらないから、バウムクーヘンを奪い合ってもらおうかと思って!」
「……は?」
 物騒な言葉が飛び出して、マコが両目を剣呑に細めると、クーちゃんは慌てて首を横に振った。
「あっ、奪い合うっていっても、暴力はなし!! そういうんじゃなくて!! クイズ大会をするの! 題して『クーちゃんのクイズ大会 ~バウムクーヘンゲットだぜ!~』だよ!!」
「クイズ大会~?」
 ご丁寧にタイトルまで用意しているクーちゃんは、自慢げに、再び胸を逸らせる。
「そう! クイズに正解した人だけが、たくさんバウムクーヘンを食べられるのよ!!」
「はあ……。で? どんなクイズを用意してるの?」
 クーちゃんはうふふ、と笑ってマコにクイズの書かれた用紙を差し出した。それを見て。マコは。
「……クーちゃん、正気? こんなもの、誰が答えられるの?」
 絶句した。



 マコの心配をよそに、クイズ大会は開催された。
 バウムクーヘン工房がある森から、少し離れた広場に人を集めて、クーちゃんはゴキゲンだ。
「みなさーん!! 『クーちゃんのクイズ大会 ~バウムクーヘンゲットだぜ!~』にようこそ!」
 クーちゃんは切株の上に立って声を張り上げる。
「ルールは簡単! 全部で四問のクイズに答えるだけ! 一問正解するごとに、バウムクーヘンを四分の一、ゲットすることができます。つまり、まあるいバウムクーヘンをまるごと手に入れたければ、全問正解してください! 一問でも正解できた人だけを、森の中の工房まで案内します! 全問不正解だった人は、残念だけどここでさよなら、です!」
 参加者はわくわくとクーちゃんの説明を聞いていた。誰もが、匂いだけは噂になっていたクーちゃんのバウムクーヘンを食べたいのだ。
「では、第一問!」
 と、クーちゃんが問題を読み上げようとしたとき。
「クーちゃん!! 大変!!」
マコが血相を変えて走ってきた。
「マコちゃん、どうしたの!?」
「バウムクーヘン工房がある、森に、巨大なトカゲが出たの! それも、ただのトカゲじゃなくて雑魔なんだって! 工房へは行けないわ!」
「そんな……」
 クーちゃんはショックのあまり俯いた。
 今日をとても楽しみにしていたけれど、雑魔とあっては諦めざるを得ない。
 いつも元気なクーちゃんが、見たこともないほど落ち込んでいて、マコはさすがにかわいそうになる。
「クーちゃん……」
 慰めようと、肩に手をかけようとした、そのとき。
「わあ!」
 クーちゃんがガバっと顔を上げた。そして、大きな声で叫んだ。
「お客様の中に!!!!! ハンターはいらっしゃいませんか!!!」
 クーちゃんは全然、諦めていなかった。

解説

■成功条件
 雑魔を倒して工房まで辿り着くこと。
 成功のあかつきには、工房前でクイズ大会をします!

■雑魔
 体長2メートルほどの巨大トカゲ型1体。
 殺傷能力はさほどないが、体の大きさのわりに素早く、剣や銃での戦闘は困難。炎を苦手とする。
 なお、尻尾はどれだけ切ってもすぐ生えてきてダメージにならない。

■森
 陽の光がよく入る、明るい森。足場も良好。

■クーちゃんクイズ
 雑魔討伐後に出されるクイズは以下の通り!

1.クーちゃんの緑色のバウムクーヘンは、何を使って緑の色をつけているでしょうか?
2.クーちゃんが今一番欲しいものはなんでしょうか?
3.クーちゃんが一番好きな色は?
4.クーちゃんの足のサイズは?(正解者がいなかった場合、一番近い数字の人を正解にします)

マスターより

クーちゃんはバウムクーヘンを食べさせる気があるのかないのか!?
クイズは勘で答えるしかない仕様となっております、ご了承ください!
さくっと雑魔を倒して、美味しいバウムクーヘンにありつきましょう!
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2016/04/23 12:11

参加者一覧

  • 金糸篇読了
    イリアス(ka0789
    エルフ|19才|女性|猟撃士

  • サレン・R・シキモリ(ka0850
    人間(紅)|20才|男性|疾影士
  • 幻獣王親衛隊
    ザレム・アズール(ka0878
    人間(紅)|19才|男性|機導師
  • Earth Hope
    クラヴィ・グレイディ(ka4687
    人間(蒼)|15才|女性|猟撃士
  • 命無き者塵に還るべし
    星野 ハナ(ka5852
    人間(蒼)|24才|女性|符術師
依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/04/15 21:05:49