ゲスト
(ka0000)
果実酒の運命
マスター:江口梨奈

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 6~8人
- サポート
- 現在0人 / 0~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/09/01 19:00
- リプレイ完成予定
- 2014/09/10 19:00
オープニング
フィユの母が作った今年のプラム酒も、ひとまず飲みごろになった。
庭に植わってあるプラムの木が、毎年たわわに実をつける。実は酸っぱくて生では食べられたものじゃないのだが、酒に砂糖と一緒にひと夏の間じっくり漬けこむと、金色のさわやかな飲み物へと変化する。お婆のお婆の、もしかしたらその前のお婆から、毎年ずっと作り続けているらしく、納屋にはざっと30本の瓶が並んでいる。今年に出来上がったばかりのはまだまだ味がとんがっているが、30年前のものはなんともまろやかで、とろりとした優しい味わいがあり、フィユと家族は減る一方なのを惜しみながらも、まだ29年物も28年物もあるさと、ちびちび楽しみながら飲んでいる。
そのフィユたちの住む村はずれに、何の前触れもなくヴォイドの群れが現れたということで、村人はパニックに陥った。2本足で立ち尻尾を持つ、一見すると大きめの猿のような形だが、顎が付き出て長い牙が見えていた。それが、ざっと4体、ゆらゆらと茂みの中を彷徨っていた。
マテリアルの混沌など起こったことのない、とても平和な呑気なこの村に、こんな化け物が現れるなど、あってはならないことなのだ!
「いったい、原因はなんだ?」
全く思いつかない!
……ただ、この村に住む人々は、これまで歪虚の危機に晒されたことのない者ばかりである。原因を思いつこうにも、歪虚がなぜ生まれ、どこから来るのか、誰も知らなかったのだ。
誰も知らないから、そこで、勝手な憶測が飛び交うこととなった。
「聞いた話じゃ、長く生きてる人じゃないモノが変化するらしいよ」
「こう、徐々に徐々に、澱みたいに歪みが集まってくるんだって」
「この村で、そんな、長く生きてるものがあるか……?」
「さあねえ、○○さんちの牛が10年とか……△△さんちの猫が20年とか……」
そこで誰かが、フィユの庭の木を挙げたのだ。
「あそこのプラムの木、100年いってないか? 俺が物心ついた時にはもう、実が成ってたな」
「そういや、あんたんちの納屋、プラム酒を大量にしまいこんでるじゃないの」
「条件通りじゃないか! なんちゅうモンを、納屋に置いてるんじゃ! 捨てろ、今すぐ捨てろ!」
冗談じゃない! と、フィユは憤った。
うちの庭からヴォイドが出たならまだしも、現れたのはかなり遠く離れた村はずれだ。それに、うちの果実酒からヴォイドが生まれるのなら、あっちの塩魚からも、そっちのピクルスからも生まれる理屈になる。けれど、突然の災禍に混乱しているこの連中に、今はそんな道理は通じないだろう。
「まあ、待てや。まず、今出てきたヴォイドを退治しようや。それで、また出てくるようなら、うちのプラムが原因かもしれん、そうなったら木は切るし、酒は捨てる、そんでどうだ?」
そう言って納得させるのが精いっぱいだった。
庭に植わってあるプラムの木が、毎年たわわに実をつける。実は酸っぱくて生では食べられたものじゃないのだが、酒に砂糖と一緒にひと夏の間じっくり漬けこむと、金色のさわやかな飲み物へと変化する。お婆のお婆の、もしかしたらその前のお婆から、毎年ずっと作り続けているらしく、納屋にはざっと30本の瓶が並んでいる。今年に出来上がったばかりのはまだまだ味がとんがっているが、30年前のものはなんともまろやかで、とろりとした優しい味わいがあり、フィユと家族は減る一方なのを惜しみながらも、まだ29年物も28年物もあるさと、ちびちび楽しみながら飲んでいる。
そのフィユたちの住む村はずれに、何の前触れもなくヴォイドの群れが現れたということで、村人はパニックに陥った。2本足で立ち尻尾を持つ、一見すると大きめの猿のような形だが、顎が付き出て長い牙が見えていた。それが、ざっと4体、ゆらゆらと茂みの中を彷徨っていた。
マテリアルの混沌など起こったことのない、とても平和な呑気なこの村に、こんな化け物が現れるなど、あってはならないことなのだ!
「いったい、原因はなんだ?」
全く思いつかない!
……ただ、この村に住む人々は、これまで歪虚の危機に晒されたことのない者ばかりである。原因を思いつこうにも、歪虚がなぜ生まれ、どこから来るのか、誰も知らなかったのだ。
誰も知らないから、そこで、勝手な憶測が飛び交うこととなった。
「聞いた話じゃ、長く生きてる人じゃないモノが変化するらしいよ」
「こう、徐々に徐々に、澱みたいに歪みが集まってくるんだって」
「この村で、そんな、長く生きてるものがあるか……?」
「さあねえ、○○さんちの牛が10年とか……△△さんちの猫が20年とか……」
そこで誰かが、フィユの庭の木を挙げたのだ。
「あそこのプラムの木、100年いってないか? 俺が物心ついた時にはもう、実が成ってたな」
「そういや、あんたんちの納屋、プラム酒を大量にしまいこんでるじゃないの」
「条件通りじゃないか! なんちゅうモンを、納屋に置いてるんじゃ! 捨てろ、今すぐ捨てろ!」
冗談じゃない! と、フィユは憤った。
うちの庭からヴォイドが出たならまだしも、現れたのはかなり遠く離れた村はずれだ。それに、うちの果実酒からヴォイドが生まれるのなら、あっちの塩魚からも、そっちのピクルスからも生まれる理屈になる。けれど、突然の災禍に混乱しているこの連中に、今はそんな道理は通じないだろう。
「まあ、待てや。まず、今出てきたヴォイドを退治しようや。それで、また出てくるようなら、うちのプラムが原因かもしれん、そうなったら木は切るし、酒は捨てる、そんでどうだ?」
そう言って納得させるのが精いっぱいだった。
解説
村はずれの茂みに突如現れた、牙の生えた猿のようなヴォイドの群れを退治してください。
目撃情報では最低4体。形から、雑魔と推測されます。どのような特性があるかは不明。
場所は村はずれの茂み、ということで、民家からは離れていますが、あまりに広い範囲に戦闘が及ぶと、被害が拡大するかもしれません。
村は過去にヴォイド被害に遭ったことが無く、様々な憶測が飛び交っており、疑心暗鬼に陥っているようです。一刻も早く安心させてあげてください。
目撃情報では最低4体。形から、雑魔と推測されます。どのような特性があるかは不明。
場所は村はずれの茂み、ということで、民家からは離れていますが、あまりに広い範囲に戦闘が及ぶと、被害が拡大するかもしれません。
村は過去にヴォイド被害に遭ったことが無く、様々な憶測が飛び交っており、疑心暗鬼に陥っているようです。一刻も早く安心させてあげてください。
マスターより
先にネタバレをします。ヴォイドの原因はプラムとは無関係です。そりゃもう、フィユの理論で大正解。
せっかく年代物の果実酒があるのですから、捨てるってのはもったいないよね。
あと、ヴォイド発生原因の調査は、今回の依頼には必要ありません。
それでは、頑張ってください。
せっかく年代物の果実酒があるのですから、捨てるってのはもったいないよね。
あと、ヴォイド発生原因の調査は、今回の依頼には必要ありません。
それでは、頑張ってください。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/09/08 23:02
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/08/27 19:23:17 |
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作戦相談卓 守原 有希弥(ka0562) 人間(リアルブルー)|19才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2014/09/01 03:28:21 |