ゲスト
(ka0000)
花想~山菜採りを邪魔するもの
マスター:君矢

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/05/18 22:00
- リプレイ完成予定
- 2016/06/01 22:00
オープニング
薄暗い廃墟
嬉しそうな男の声が響いていた。
声の主は、つば広の黒い帽子、全身を覆う黒いマントに長い嘴のある白い革製の仮面という姿だった。無彩色の姿の中、帽子と胸元に大きな向日葵が鮮やかに咲いている。
廃墟の薄暗がりに掛けられた少女の肖像画を見上げて弾むように話しかけている。
男は、とても喜んでいた。こんなに喜ばしいのはお嬢様を失って以来のはずだ。
「お嬢様、よいご報告が出来てこのディーナーとても嬉しく思います。やっと、やっとお嬢様ともう一度お会いできる日が近づいてきたとご報告できる、そんな気がいたします。勿論、克服すべき課題は多々ございますが……」
と言って、視線を足元に下げる。枯れてしまった雑魔の残骸がサラサラと乾いて朽ちていくのが見えた。
「とても人らしい顔でした。青白かった皮膚に紅みがさしていて。ええ、お嬢様の花のような笑顔には及びませんが無表情の人形の様な顔とは違います。些細な違いですが、前進は前進です。残念ながらすぐに枯れてしまいましたが、もっともっとマテリアルを集めて、必ずお嬢様ともう一度……」
肖像画の中の少女に報告を続ける。マテリアルの集め方、克服すべき点、いつかの思い出と話が進んだところで、口調が怒気に変った。
「そうシェノグ族です! あいつら十年前、お嬢様を見捨てただけでなく、また私とお嬢様の邪魔をする! ハンターを雇って私の実験の邪魔を! このままにしておくわけにいきません! お嬢様の味わった絶望と死の恐怖を思い知らせてやります! じわじわと、じわじわと大切なものを失った怒りを―」
辺境の山の中 シェノグ族の村
緑の眩しい季節。
例年、村は毎日がお祭りのような騒がしい雰囲気に包まれて村中総出で、時にはハンターの手も借りて薬草や山菜の収穫に目を回す大忙しの毎日、のはずだった。
今年は重苦しい空気が村を覆い、大半の部族の人間は家に閉じこもり、外に出ている者も村の広場で身を寄せ合って暗く話し合いをしていた。
「どうする今週中にも残りを採集しないと育っちまう。季節が終わるぞ」
「分かってるさ。採れるなら山に入っているさ」
「あと少し収穫できれば、商人との契約も果たせるんだが」
「今年は、ここまでか……」
「無理って、お前なぁ! 諦めてどうする。採集して稼がないと生活が立ちいかないぞ!」
「しかし、歪虚がいたんじゃ……」
「この前少し様子を見てくるって山に入って、フードを被った歪虚に襲われた奴がいたじゃないか」
「一緒に弓を構えた歪虚だとか、剣を持った歪虚もいたらしい」
「山に何がいるってんだ。何度、退治しても歪虚が現れる」
「命あっての物種さ、諦めるしかないかなぁ」
悲観的な空気が支配する中、諦めきれない男性が声を張り上げる。
「十年前を忘れたか! 収穫ができなくて苦しくなった生活を! やっと余裕が出来たってのに。二の舞だ」
「あの時とは違うじゃないか。十年前は村がもえ……」
「そこまでじゃ。みなまで言わんでいい」
議論の輪の中で沈黙していた長い髭の族長が口を開いた。広場が静かになり、話し合いに参加していた人々が族長の言葉を待つ。
「歪虚が現れれば、ハンターに依頼して倒してもらう。今までどうりじゃ」
「族長。それじゃ、変わりませんよ。奴らすぐに現れる。元を断たないと」
一人が反論した。
去年から、何度か雑魔が出現しそのたびにハンターに討伐してもらった。
特に沢に出た歪虚を退治してくれたハンターによると歪虚はみな同じ顔をしていたという。つまり、どこかにくり返し出現する「原因」があるのだ。
その原因を断たない限り歪虚はくり返し現れてシェノグ族の生活を脅かす。それは族長にも分かっていた。
「それには調査が必要じゃ。時間もかかる。しかし、今、問題なのは商人と契約している山菜の収穫じゃ。山菜の旨い時期は短いからのう」
そういって髭を撫でた。
「危険な事は分かっておる。分かっておるが、未来の生活のためにも山菜の収穫をしなければならん。契約を破って信用を失うこともこれからの生活の為に避けねばならんのじゃ」
「でも、倒すのを待っていたら時期はすぎちまう」
「倒したところで、すぐに出てくるだろうしなぁ」
ここしばらくの間、歪虚は間をおかずに山に出没していた。
族長は再び沈黙し、考え込んだ。
ハンターオフィス
「つまり、山菜採りをする間、歪虚から守ってほしいという依頼、ですか」
ハンターオフィスの受付係は、内容を確認する。
「はい、そうです」
紫髪の少女ツアンプ・シェノグ(kz0170)は頷いた。
「その、山菜採りを延期されて安全の確保をしてからではいかがですか?」
「それでは、間に合いません! 山菜と言っても私たちシェノグ族にとっては重要な交易品なんです。これが採れるかどうかで、来年、いえ今年の生活が変るんです。」
受付係のもっともな意見にツアンプは強く反論する。
目撃されるたびに雑魔討伐の依頼は出され、その都度、退治されているがすぐに出てくるのだとツアンプは言った。
「原因から断つことが必要な事は分かっています。でも、今は山菜収穫を急がないと生活が成り立たない。お願いします……」
言葉の最期の部分は泣き声交じりだった。受付係はそっとハンカチを差し出す。
「ここに来る間に、襲われたりして怪我はありませんか?」
怪我があるようには見えないが、歪虚が徘徊する山から出てきたというのだから確認したほうがいいだろうと受付係はツアンプに訊ねる。
「はい、それは大丈夫です。なぜか歪虚は村よりも下には出ないんです。今のところ村にも侵入していません。本当に私たちが山菜や薬草を採りに行く場所にばかり出るのです。おかげで採集に出かけた仲間が何人か……。どうかよろしくお願いします」
ツアンプは深く一礼した。
嬉しそうな男の声が響いていた。
声の主は、つば広の黒い帽子、全身を覆う黒いマントに長い嘴のある白い革製の仮面という姿だった。無彩色の姿の中、帽子と胸元に大きな向日葵が鮮やかに咲いている。
廃墟の薄暗がりに掛けられた少女の肖像画を見上げて弾むように話しかけている。
男は、とても喜んでいた。こんなに喜ばしいのはお嬢様を失って以来のはずだ。
「お嬢様、よいご報告が出来てこのディーナーとても嬉しく思います。やっと、やっとお嬢様ともう一度お会いできる日が近づいてきたとご報告できる、そんな気がいたします。勿論、克服すべき課題は多々ございますが……」
と言って、視線を足元に下げる。枯れてしまった雑魔の残骸がサラサラと乾いて朽ちていくのが見えた。
「とても人らしい顔でした。青白かった皮膚に紅みがさしていて。ええ、お嬢様の花のような笑顔には及びませんが無表情の人形の様な顔とは違います。些細な違いですが、前進は前進です。残念ながらすぐに枯れてしまいましたが、もっともっとマテリアルを集めて、必ずお嬢様ともう一度……」
肖像画の中の少女に報告を続ける。マテリアルの集め方、克服すべき点、いつかの思い出と話が進んだところで、口調が怒気に変った。
「そうシェノグ族です! あいつら十年前、お嬢様を見捨てただけでなく、また私とお嬢様の邪魔をする! ハンターを雇って私の実験の邪魔を! このままにしておくわけにいきません! お嬢様の味わった絶望と死の恐怖を思い知らせてやります! じわじわと、じわじわと大切なものを失った怒りを―」
辺境の山の中 シェノグ族の村
緑の眩しい季節。
例年、村は毎日がお祭りのような騒がしい雰囲気に包まれて村中総出で、時にはハンターの手も借りて薬草や山菜の収穫に目を回す大忙しの毎日、のはずだった。
今年は重苦しい空気が村を覆い、大半の部族の人間は家に閉じこもり、外に出ている者も村の広場で身を寄せ合って暗く話し合いをしていた。
「どうする今週中にも残りを採集しないと育っちまう。季節が終わるぞ」
「分かってるさ。採れるなら山に入っているさ」
「あと少し収穫できれば、商人との契約も果たせるんだが」
「今年は、ここまでか……」
「無理って、お前なぁ! 諦めてどうする。採集して稼がないと生活が立ちいかないぞ!」
「しかし、歪虚がいたんじゃ……」
「この前少し様子を見てくるって山に入って、フードを被った歪虚に襲われた奴がいたじゃないか」
「一緒に弓を構えた歪虚だとか、剣を持った歪虚もいたらしい」
「山に何がいるってんだ。何度、退治しても歪虚が現れる」
「命あっての物種さ、諦めるしかないかなぁ」
悲観的な空気が支配する中、諦めきれない男性が声を張り上げる。
「十年前を忘れたか! 収穫ができなくて苦しくなった生活を! やっと余裕が出来たってのに。二の舞だ」
「あの時とは違うじゃないか。十年前は村がもえ……」
「そこまでじゃ。みなまで言わんでいい」
議論の輪の中で沈黙していた長い髭の族長が口を開いた。広場が静かになり、話し合いに参加していた人々が族長の言葉を待つ。
「歪虚が現れれば、ハンターに依頼して倒してもらう。今までどうりじゃ」
「族長。それじゃ、変わりませんよ。奴らすぐに現れる。元を断たないと」
一人が反論した。
去年から、何度か雑魔が出現しそのたびにハンターに討伐してもらった。
特に沢に出た歪虚を退治してくれたハンターによると歪虚はみな同じ顔をしていたという。つまり、どこかにくり返し出現する「原因」があるのだ。
その原因を断たない限り歪虚はくり返し現れてシェノグ族の生活を脅かす。それは族長にも分かっていた。
「それには調査が必要じゃ。時間もかかる。しかし、今、問題なのは商人と契約している山菜の収穫じゃ。山菜の旨い時期は短いからのう」
そういって髭を撫でた。
「危険な事は分かっておる。分かっておるが、未来の生活のためにも山菜の収穫をしなければならん。契約を破って信用を失うこともこれからの生活の為に避けねばならんのじゃ」
「でも、倒すのを待っていたら時期はすぎちまう」
「倒したところで、すぐに出てくるだろうしなぁ」
ここしばらくの間、歪虚は間をおかずに山に出没していた。
族長は再び沈黙し、考え込んだ。
ハンターオフィス
「つまり、山菜採りをする間、歪虚から守ってほしいという依頼、ですか」
ハンターオフィスの受付係は、内容を確認する。
「はい、そうです」
紫髪の少女ツアンプ・シェノグ(kz0170)は頷いた。
「その、山菜採りを延期されて安全の確保をしてからではいかがですか?」
「それでは、間に合いません! 山菜と言っても私たちシェノグ族にとっては重要な交易品なんです。これが採れるかどうかで、来年、いえ今年の生活が変るんです。」
受付係のもっともな意見にツアンプは強く反論する。
目撃されるたびに雑魔討伐の依頼は出され、その都度、退治されているがすぐに出てくるのだとツアンプは言った。
「原因から断つことが必要な事は分かっています。でも、今は山菜収穫を急がないと生活が成り立たない。お願いします……」
言葉の最期の部分は泣き声交じりだった。受付係はそっとハンカチを差し出す。
「ここに来る間に、襲われたりして怪我はありませんか?」
怪我があるようには見えないが、歪虚が徘徊する山から出てきたというのだから確認したほうがいいだろうと受付係はツアンプに訊ねる。
「はい、それは大丈夫です。なぜか歪虚は村よりも下には出ないんです。今のところ村にも侵入していません。本当に私たちが山菜や薬草を採りに行く場所にばかり出るのです。おかげで採集に出かけた仲間が何人か……。どうかよろしくお願いします」
ツアンプは深く一礼した。
解説
山菜収穫のシェノグ族の護衛。
歪虚(雑魔)の討伐。
護衛対象のシェノグ族(五人)
ツアンプ・シェノグ(kz0170) 女16歳
リアン・シェノグ 女19歳
シアンリ・シェノグ 男21歳
プタオ・シェノグ 男24歳
イェズ・シェノグ 男32歳
部族の中から山菜摘みが早くて上手な者を選んでいる。
全員、非覚醒者かつ非戦闘員。
ハンターの指示に従うが山菜採集に集中しているため、咄嗟の行動、素早い移動は難しい。
荷物:山菜を入れる大きな籠(一人につき二つ)飲み物など山菜採りに必要な道具を所持。
他に部族の象徴の赤い鞭を所持しているが、武器として扱う技能はもっていない。
予定:村を朝出発し昼過ぎに撤収の予定。雑魔が現れなければ(そんな事はありませんが)山菜摘みは5時間くらいで終わる予定。
山菜収穫は、村から離れた山奥の広い野原で行う。背の高い植物は少ないので、見晴らしのいい野原。
必要な物があれば、プレイングに記入をお願いします。シェノグ族の貸し出せる範囲で貸し出しいたします。
シェノグ族に目撃されている歪虚
フードの少女:二体だけの模様
レイピアを装備してた花飾りの少女:三~四体いる様子
弓を装備した紫の手袋の少女:二体くらい目撃
以下、PL情報
冬虫夏草の少女/雑魔/2体(うち、一体はフードが泥で汚れている)
シェノグ族だけを狙う。
シェノグ族に接近して、触れた手からマテリアルを吸収する。全て吸収するのに3ラウンドかかる。
フードを被っている。
サボテンの少女/雑魔
レイピア装備。ハンターに接近戦を行う。フードの少女にハンターを近づけないように行動、攻撃をする。
赤いサボテンの花が頭上に咲いている。
ジキタリスの少女/雑魔
遠距離からフードの少女の障害を排除する。
弓を装備。矢に毒がついている。抵抗に失敗すると継続ダメージ。ハンターから離れるように行動、攻撃をする。
紫色のロング手袋をしている。
歪虚(雑魔)の討伐。
護衛対象のシェノグ族(五人)
ツアンプ・シェノグ(kz0170) 女16歳
リアン・シェノグ 女19歳
シアンリ・シェノグ 男21歳
プタオ・シェノグ 男24歳
イェズ・シェノグ 男32歳
部族の中から山菜摘みが早くて上手な者を選んでいる。
全員、非覚醒者かつ非戦闘員。
ハンターの指示に従うが山菜採集に集中しているため、咄嗟の行動、素早い移動は難しい。
荷物:山菜を入れる大きな籠(一人につき二つ)飲み物など山菜採りに必要な道具を所持。
他に部族の象徴の赤い鞭を所持しているが、武器として扱う技能はもっていない。
予定:村を朝出発し昼過ぎに撤収の予定。雑魔が現れなければ(そんな事はありませんが)山菜摘みは5時間くらいで終わる予定。
山菜収穫は、村から離れた山奥の広い野原で行う。背の高い植物は少ないので、見晴らしのいい野原。
必要な物があれば、プレイングに記入をお願いします。シェノグ族の貸し出せる範囲で貸し出しいたします。
シェノグ族に目撃されている歪虚
フードの少女:二体だけの模様
レイピアを装備してた花飾りの少女:三~四体いる様子
弓を装備した紫の手袋の少女:二体くらい目撃
以下、PL情報
冬虫夏草の少女/雑魔/2体(うち、一体はフードが泥で汚れている)
シェノグ族だけを狙う。
シェノグ族に接近して、触れた手からマテリアルを吸収する。全て吸収するのに3ラウンドかかる。
フードを被っている。
サボテンの少女/雑魔
レイピア装備。ハンターに接近戦を行う。フードの少女にハンターを近づけないように行動、攻撃をする。
赤いサボテンの花が頭上に咲いている。
ジキタリスの少女/雑魔
遠距離からフードの少女の障害を排除する。
弓を装備。矢に毒がついている。抵抗に失敗すると継続ダメージ。ハンターから離れるように行動、攻撃をする。
紫色のロング手袋をしている。
マスターより
シェノグ族は山菜の入った籠を死守します。
OPの冒頭に書かれている白い仮面の男ディーナーはリプレイには登場しません。
フードの少女は前回のシナリオ「花想~水辺で泣いているもの」に登場しています。読まなくても支障はありません。
朝、村を出発。山を歩いて、野原へ。シェノグ族は野原で作業開始。終了次第、同じルートを通って帰村の予定です。
リプレイでは、野原での出来事を中心に書くことになると思いますが、その前後を書いていただいても大丈夫です。
OPの冒頭に書かれている白い仮面の男ディーナーはリプレイには登場しません。
フードの少女は前回のシナリオ「花想~水辺で泣いているもの」に登場しています。読まなくても支障はありません。
朝、村を出発。山を歩いて、野原へ。シェノグ族は野原で作業開始。終了次第、同じルートを通って帰村の予定です。
リプレイでは、野原での出来事を中心に書くことになると思いますが、その前後を書いていただいても大丈夫です。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/05/26 19:38
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓・山菜摘みガーディアンズ マリィア・バルデス(ka5848) 人間(リアルブルー)|24才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2016/05/18 00:06:33 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/05/16 22:22:27 |