ゲスト
(ka0000)
ある令嬢の肖像
マスター:紺堂 カヤ

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/05/17 09:00
- リプレイ完成予定
- 2016/05/26 09:00
オープニング
ぽかぽかと暖かな陽気の日であった。
今日は畑仕事がはかどりそうだなあ、などと考えながら、トーマスが家を出ると。
どったーん!!!
何かが倒れるような大きな音がした。
「な、何だ!? 兄さんのアトリエの方からだ!!」
慌てて、トーマスがアトリエに駆けつけると。そこには。
「いてててて……」
床にひっくり返っている兄・ヒューゴの姿があった。
「兄さん! どうしたの!?」
トーマスが驚いて駆け寄り、背中を支えて起こしてやると、ヒューゴは恥ずかしそうに、絵具だらけの手で頭をかいた。
「ごめんよ、トーマス。久しぶりに出かけるから、お気に入りの靴を出そうと思ったら、踏み台から落ちてしまったよ」
「靴? ああ、これだね。はい、どうぞ」
トーマスは棚の一番上に仕舞われた靴を、兄の代わりに取り出してあげた。
「でも兄さん、この靴を履いて出かけるなんて本当に久しぶりだね。森へ行くときはいつものスニーカーなのに。まさか、王都へ行くの?」
「そうそう。そうなんだよー。注文を受けていた肖像画が描きあがったから、届けに行くんだ」
ヒューゴは絵描きなのである。幼いころから良い絵を描くことで知られており、この頃は肖像画やインテリア用の風景画の注文を受けるようになった。
「へえ! どんな人の肖像画なの?」
「可愛らしいお嬢さんだよ。なんか、気合が入ってそうな名前の……、アイヤーお嬢様だったかな……」
「アイヤー?」
「いや、テイヤー、だったかな……。まあ大丈夫、お屋敷の住所は控えてあるから」
そう言って笑いながら、ヒューゴは立ち上がろうとした。が。
「いてててて」
立ち上がれずに再び床へへたり込んでしまう。
「兄さん大丈夫!?」
「うん……、どうやらさっきので足を痛めたみたいだ……、困ったなあ」
これでは、とても王都まで行くことはできない。
「安静にしていた方がいいよ。王都へは、僕が代わりに行ってあげよう。運ぶのは、どれ?」
トーマスの申し出に、ヒューゴは申し訳ないと思いつつも頼むことにした。
「ありがとう、トーマス。絵はもう包んであるんだ、その青い包みだよ。お屋敷までの地図は、これだ」
トーマスが出発してから、ヒューゴは痛めた足に湿布と包帯を巻いて一息ついた。二、三日安静にしていればすぐによくなるだろう。
そうそう、と思いついて、机を支えにしながらそろそろと立ち上がった。あの薬をきちんとしまっておかなければ。
「あれ……? おかしいな、ないぞ……?」
確か、いつも使うイーゼルの近くに置いていたはず、と思ったのだが、見当たらない。
「あっ!! もしかして!!!」
ヒューゴは恐ろしいことに気が付いてしまった。
「あの絵の包みの中に……? だとしたら、トーマスが危ない! だってあの薬は……」
トーマスは、走っていた。絵の包みを抱えて。
なぜ走っているのかというと。
「うわあああーーーー!!! 来るなーーーー!!!」
野生のシカに、追いかけかれているからであった……。
今日は畑仕事がはかどりそうだなあ、などと考えながら、トーマスが家を出ると。
どったーん!!!
何かが倒れるような大きな音がした。
「な、何だ!? 兄さんのアトリエの方からだ!!」
慌てて、トーマスがアトリエに駆けつけると。そこには。
「いてててて……」
床にひっくり返っている兄・ヒューゴの姿があった。
「兄さん! どうしたの!?」
トーマスが驚いて駆け寄り、背中を支えて起こしてやると、ヒューゴは恥ずかしそうに、絵具だらけの手で頭をかいた。
「ごめんよ、トーマス。久しぶりに出かけるから、お気に入りの靴を出そうと思ったら、踏み台から落ちてしまったよ」
「靴? ああ、これだね。はい、どうぞ」
トーマスは棚の一番上に仕舞われた靴を、兄の代わりに取り出してあげた。
「でも兄さん、この靴を履いて出かけるなんて本当に久しぶりだね。森へ行くときはいつものスニーカーなのに。まさか、王都へ行くの?」
「そうそう。そうなんだよー。注文を受けていた肖像画が描きあがったから、届けに行くんだ」
ヒューゴは絵描きなのである。幼いころから良い絵を描くことで知られており、この頃は肖像画やインテリア用の風景画の注文を受けるようになった。
「へえ! どんな人の肖像画なの?」
「可愛らしいお嬢さんだよ。なんか、気合が入ってそうな名前の……、アイヤーお嬢様だったかな……」
「アイヤー?」
「いや、テイヤー、だったかな……。まあ大丈夫、お屋敷の住所は控えてあるから」
そう言って笑いながら、ヒューゴは立ち上がろうとした。が。
「いてててて」
立ち上がれずに再び床へへたり込んでしまう。
「兄さん大丈夫!?」
「うん……、どうやらさっきので足を痛めたみたいだ……、困ったなあ」
これでは、とても王都まで行くことはできない。
「安静にしていた方がいいよ。王都へは、僕が代わりに行ってあげよう。運ぶのは、どれ?」
トーマスの申し出に、ヒューゴは申し訳ないと思いつつも頼むことにした。
「ありがとう、トーマス。絵はもう包んであるんだ、その青い包みだよ。お屋敷までの地図は、これだ」
トーマスが出発してから、ヒューゴは痛めた足に湿布と包帯を巻いて一息ついた。二、三日安静にしていればすぐによくなるだろう。
そうそう、と思いついて、机を支えにしながらそろそろと立ち上がった。あの薬をきちんとしまっておかなければ。
「あれ……? おかしいな、ないぞ……?」
確か、いつも使うイーゼルの近くに置いていたはず、と思ったのだが、見当たらない。
「あっ!! もしかして!!!」
ヒューゴは恐ろしいことに気が付いてしまった。
「あの絵の包みの中に……? だとしたら、トーマスが危ない! だってあの薬は……」
トーマスは、走っていた。絵の包みを抱えて。
なぜ走っているのかというと。
「うわあああーーーー!!! 来るなーーーー!!!」
野生のシカに、追いかけかれているからであった……。
解説
■成功条件
トーマスを追いかける動物たちを追い払い、絵の包みの中から薬を取り出して廃棄。
その後、王都までトーマスを護衛すること。
■薬
動物を招きよせてしまう、特殊な香りの薬。
ヒューゴが森の中で動物の絵を描く際に使用しているもの。
水に溶かしてしまうと効果が薄れる。
■王都への道
比較的開けた街道を真っ直ぐ、という単純な道のり。
ただし、街道の両脇には小さな林がいくつも点在しており、野生動物の生息も多い。
トーマスを追いかける動物たちを追い払い、絵の包みの中から薬を取り出して廃棄。
その後、王都までトーマスを護衛すること。
■薬
動物を招きよせてしまう、特殊な香りの薬。
ヒューゴが森の中で動物の絵を描く際に使用しているもの。
水に溶かしてしまうと効果が薄れる。
■王都への道
比較的開けた街道を真っ直ぐ、という単純な道のり。
ただし、街道の両脇には小さな林がいくつも点在しており、野生動物の生息も多い。
マスターより
シカくらいならばまだしも、クマなんか現れたら大変です。
動物を殺してしまう必要はありませんが、まずは追い払わないとトーマスに近付けませんのでご注意ください。
ところで、アイヤー?テイヤー?お嬢様って、一体……。
動物を殺してしまう必要はありませんが、まずは追い払わないとトーマスに近付けませんのでご注意ください。
ところで、アイヤー?テイヤー?お嬢様って、一体……。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/05/22 14:17
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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ある令嬢の肖像だって!? 水流崎トミヲ(ka4852) 人間(リアルブルー)|27才|男性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2016/05/17 00:29:42 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/05/14 22:44:04 |