ゲスト
(ka0000)
ユグディラと聖女とゴブリンと
マスター:秋風落葉

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/05/19 07:30
- リプレイ完成予定
- 2016/05/28 07:30
オープニング
●
ここはグラズヘイム王国東部にあるリンダールの森。
時折とある幻獣の姿を見かけることを除けば、普段は平穏な森林地帯である。
しかしこの日、いずこかから迷い込んできたゴブリンの群れにより、静かな森が脅かされようとしていた。
●
森の中を歩くゴブリン達。それぞれ薄汚れた剣と鎧を身につけており、新たな居住地にでもしようというのか、あたりをキョロキョロと見回している。
そんな亜人達を遠くから窺う者たちがいた。茂みに潜む彼らの姿は一言でいうと猫だった。この地に住まう幻獣ユグディラである。
(おい、どーすんだよ!? 俺たちのねぐらがあいつらに荒らされちまうぞ!?)
(ア、アニキ……やばいですよ……)
(あわわわ……)
やや大柄の茶トラの個体とそれの取り巻き然とした二体。最初の言葉を発したのは茶トラだったが、その言葉は己の子分ではなく、この場にいるもう一体の仲間に向けられていた。
問いかけの対象であるつややかな黒い毛並みの一体が答えた。彼らと同じ、ユグディラの間でしか通用しない言語で。
(助けを呼びに行くしかないニャ)
(助け? おい、それはまさか……)
(そうだニャ。人間だニャ)
(それはゴメンだぜ!)
茶トラは毛を逆立て、黒ユグディラにすごんだ。
彼らユグディラは森の近くにある街によく出没し、主に食物を狙った窃盗を働いていた。
そのせいもあって、かの街に住む人間達のユグディラに対する心証はすさまじく悪い。
過去に、この黒いユグディラが人間の盗人から濡れ衣を着せられて拘束され、やがて誤解であることが分かって街の住人が頭を下げるという出来事があったが、それだけでユグディラたちの悪行が帳消しになるわけでもない。
この黒ユグディラは最近人間というものに興味を抱くようになり、それと同時に街で盗みをしなくなっていたが、茶トラのユグディラはもちろんそんな考えを持ってはいなかった。
茶トラの視点では人間がわざわざ自分たちの為に出向いてくれるとは思えないし、それに借りを作りたくもない。
(俺たちでやるぞ)
彼らは他者の感覚を一時的に狂わせる幻惑の力を多少行使できる。それに、軽い身のこなしに加えて武器を用いた武術の心得もある。地の利を生かせばゴブリンにもひけをとらないかもしれない。だが……。
(無理だニャ。数が違いすぎるニャ)
贔屓目に見ても黒ユグディラの言う通りであろう。しかしそれを認めたくないのか茶トラはますます不機嫌な顔になった。
(ちっ。お前は人間と関わってから腑抜けちまったな! 勝手にしろ! 俺たちも好きにするからな。いくぞお前たち!)
(ア、アニキィ……)
(うう……)
取り巻きの二体は黒ユグディラに視線を投げたものの、茶トラに逆らう度胸はないのか彼の後をついていった。
(……)
黒ユグディラはかすかに逡巡したものの、自分が加わったところで戦況がくつがえらないのは目に見えている。物音を立てぬよう、素早くこの場を離れた。
●
黒ユグディラは人間達の街を駆ける。
行くべき場所はもう分かっている。かつて自分を助けてくれた、ハンターという人種が集まるところだ。人が通う往来を抜けて角をいくつも曲がると、時々ひそかに訪れていた建物が見えてきた。ハンターオフィスである。
閉まっていた扉を一人の男が開けてくぐった瞬間、黒ユグディラは素早く開いた空間を通り抜けて建物の中に滑り込む。そして探していた人物の姿を見つけると、その銀髪の人間がつくテーブルにぴょんと飛び乗った。
「!? 貴方は!」
銀髪の女性――ロザリーは闖入者に驚き、目を見開いた。
かつての因縁から一瞬メイスに手が伸びそうになったロザリーだったが、その指が柄に触れる前に動きを止める。目の前の黒いユグディラの瞳が、とても真剣な光を帯びていたからだ。
それに、最近はこの街で黒いユグディラが盗みをしなくなったと街の住人が噂していたのを、ロザリーは思い出したからである。
ロザリーはユグディラの瞳をじっと見つめた。
黒ユグディラは、そんな彼女に対してテレパシーを送る。途端にロザリーは顔をしかめた。ユグディラの瞳を見返している内に、剣と血と荒廃を想起させる陰惨なイメージがなぜか心に湧き上がってきたからだ。
「まさか……貴方の森に危機が迫っているのですか?」
黒ユグディラはこくりと頷く。
そしてテーブルから飛び降りると、扉の方へと向かい、物言いたげに振り返った。
ロザリーはもちろん過去に自分の食事が盗まれたことを忘れているわけではなかったが、それでも黒ユグディラを安心させるように笑みを浮かべて頷いていた。
「……分かりました。すぐに向かいます」
ロザリーは椅子から立ち上がり、周囲を見回した。そこには何事かと様子を窺っているハンター達がいる。
「皆さん、力を貸していただけませんか? どうやらリンダールの森で何かが起きているようです」
ここはグラズヘイム王国東部にあるリンダールの森。
時折とある幻獣の姿を見かけることを除けば、普段は平穏な森林地帯である。
しかしこの日、いずこかから迷い込んできたゴブリンの群れにより、静かな森が脅かされようとしていた。
●
森の中を歩くゴブリン達。それぞれ薄汚れた剣と鎧を身につけており、新たな居住地にでもしようというのか、あたりをキョロキョロと見回している。
そんな亜人達を遠くから窺う者たちがいた。茂みに潜む彼らの姿は一言でいうと猫だった。この地に住まう幻獣ユグディラである。
(おい、どーすんだよ!? 俺たちのねぐらがあいつらに荒らされちまうぞ!?)
(ア、アニキ……やばいですよ……)
(あわわわ……)
やや大柄の茶トラの個体とそれの取り巻き然とした二体。最初の言葉を発したのは茶トラだったが、その言葉は己の子分ではなく、この場にいるもう一体の仲間に向けられていた。
問いかけの対象であるつややかな黒い毛並みの一体が答えた。彼らと同じ、ユグディラの間でしか通用しない言語で。
(助けを呼びに行くしかないニャ)
(助け? おい、それはまさか……)
(そうだニャ。人間だニャ)
(それはゴメンだぜ!)
茶トラは毛を逆立て、黒ユグディラにすごんだ。
彼らユグディラは森の近くにある街によく出没し、主に食物を狙った窃盗を働いていた。
そのせいもあって、かの街に住む人間達のユグディラに対する心証はすさまじく悪い。
過去に、この黒いユグディラが人間の盗人から濡れ衣を着せられて拘束され、やがて誤解であることが分かって街の住人が頭を下げるという出来事があったが、それだけでユグディラたちの悪行が帳消しになるわけでもない。
この黒ユグディラは最近人間というものに興味を抱くようになり、それと同時に街で盗みをしなくなっていたが、茶トラのユグディラはもちろんそんな考えを持ってはいなかった。
茶トラの視点では人間がわざわざ自分たちの為に出向いてくれるとは思えないし、それに借りを作りたくもない。
(俺たちでやるぞ)
彼らは他者の感覚を一時的に狂わせる幻惑の力を多少行使できる。それに、軽い身のこなしに加えて武器を用いた武術の心得もある。地の利を生かせばゴブリンにもひけをとらないかもしれない。だが……。
(無理だニャ。数が違いすぎるニャ)
贔屓目に見ても黒ユグディラの言う通りであろう。しかしそれを認めたくないのか茶トラはますます不機嫌な顔になった。
(ちっ。お前は人間と関わってから腑抜けちまったな! 勝手にしろ! 俺たちも好きにするからな。いくぞお前たち!)
(ア、アニキィ……)
(うう……)
取り巻きの二体は黒ユグディラに視線を投げたものの、茶トラに逆らう度胸はないのか彼の後をついていった。
(……)
黒ユグディラはかすかに逡巡したものの、自分が加わったところで戦況がくつがえらないのは目に見えている。物音を立てぬよう、素早くこの場を離れた。
●
黒ユグディラは人間達の街を駆ける。
行くべき場所はもう分かっている。かつて自分を助けてくれた、ハンターという人種が集まるところだ。人が通う往来を抜けて角をいくつも曲がると、時々ひそかに訪れていた建物が見えてきた。ハンターオフィスである。
閉まっていた扉を一人の男が開けてくぐった瞬間、黒ユグディラは素早く開いた空間を通り抜けて建物の中に滑り込む。そして探していた人物の姿を見つけると、その銀髪の人間がつくテーブルにぴょんと飛び乗った。
「!? 貴方は!」
銀髪の女性――ロザリーは闖入者に驚き、目を見開いた。
かつての因縁から一瞬メイスに手が伸びそうになったロザリーだったが、その指が柄に触れる前に動きを止める。目の前の黒いユグディラの瞳が、とても真剣な光を帯びていたからだ。
それに、最近はこの街で黒いユグディラが盗みをしなくなったと街の住人が噂していたのを、ロザリーは思い出したからである。
ロザリーはユグディラの瞳をじっと見つめた。
黒ユグディラは、そんな彼女に対してテレパシーを送る。途端にロザリーは顔をしかめた。ユグディラの瞳を見返している内に、剣と血と荒廃を想起させる陰惨なイメージがなぜか心に湧き上がってきたからだ。
「まさか……貴方の森に危機が迫っているのですか?」
黒ユグディラはこくりと頷く。
そしてテーブルから飛び降りると、扉の方へと向かい、物言いたげに振り返った。
ロザリーはもちろん過去に自分の食事が盗まれたことを忘れているわけではなかったが、それでも黒ユグディラを安心させるように笑みを浮かべて頷いていた。
「……分かりました。すぐに向かいます」
ロザリーは椅子から立ち上がり、周囲を見回した。そこには何事かと様子を窺っているハンター達がいる。
「皆さん、力を貸していただけませんか? どうやらリンダールの森で何かが起きているようです」
解説
リンダールの森にゴブリンの集団がやってきました。今のところ森の住人と接触していませんが、遅かれ早かれ事件は発生するでしょう。茶トラとその子分二体のユグディラがゴブリン達を追い払おうとちょっかいをかけるからです。
ユグディラは外見が猫そっくりの、人語を解する幻獣です。ただし、人語を喋ることはできません。二足歩行が可能で、場合によっては手に武器を持つこともあります。
敵はただのゴブリンですので、個々の強さは大したことはありません。数は20体を超えていますが、特に腕の立つ者はいません。といってもユグディラにとってはかなりの脅威なのですが……。
貴方達が戦場にたどり着いた時、もう茶トラ達はゴブリンに見つかっているとお考えください。さすがに彼らだけでは勝ち目はありません。
戦場は鬱蒼としており、乱立する木々のせいで大きな武器は少々扱いづらいでしょう。足場もあまり良くありません。
急ぎということで、ハンターオフィスにて無料で馬やバイクを借りることが出来ます。これらを利用することで森への移動時間を短縮できますが、戦場で乗りこなすのは地形的に難しいです。
茶トラ達ユグディラを助けてあげてください。
そしてゴブリン達を追い払うか、殲滅してください。
・ロザリーについて
『聖女』の二つ名を持つ腕利きのクルセイダー。
以下のスキルを使用できます。
ストライクブロウ×7
ヒール×6
プロテクション×3
・黒ユグディラについて
基本的には幻惑の力でゴブリンを惑わし、ハンターを手助けします。
・茶トラと二体の子分について
貴方達が助けに現れた後も、茶トラは武器を手に戦おうとします。素早いため、ゴブリンの攻撃は滅多に当たりませんが、もし当たると一発で致命傷です。
茶トラの子分二体は基本的には逃げることを優先します。
※関連シナリオ
クルセイダーの邂逅
ユグディラは日頃の行いが悪いので……
ユグディラは外見が猫そっくりの、人語を解する幻獣です。ただし、人語を喋ることはできません。二足歩行が可能で、場合によっては手に武器を持つこともあります。
敵はただのゴブリンですので、個々の強さは大したことはありません。数は20体を超えていますが、特に腕の立つ者はいません。といってもユグディラにとってはかなりの脅威なのですが……。
貴方達が戦場にたどり着いた時、もう茶トラ達はゴブリンに見つかっているとお考えください。さすがに彼らだけでは勝ち目はありません。
戦場は鬱蒼としており、乱立する木々のせいで大きな武器は少々扱いづらいでしょう。足場もあまり良くありません。
急ぎということで、ハンターオフィスにて無料で馬やバイクを借りることが出来ます。これらを利用することで森への移動時間を短縮できますが、戦場で乗りこなすのは地形的に難しいです。
茶トラ達ユグディラを助けてあげてください。
そしてゴブリン達を追い払うか、殲滅してください。
・ロザリーについて
『聖女』の二つ名を持つ腕利きのクルセイダー。
以下のスキルを使用できます。
ストライクブロウ×7
ヒール×6
プロテクション×3
・黒ユグディラについて
基本的には幻惑の力でゴブリンを惑わし、ハンターを手助けします。
・茶トラと二体の子分について
貴方達が助けに現れた後も、茶トラは武器を手に戦おうとします。素早いため、ゴブリンの攻撃は滅多に当たりませんが、もし当たると一発で致命傷です。
茶トラの子分二体は基本的には逃げることを優先します。
※関連シナリオ
クルセイダーの邂逅
ユグディラは日頃の行いが悪いので……
マスターより
こんにちは、こんばんは。秋風落葉(しゅうふうらくよう)です。
ユグディラ達に危機が訪れています。
彼らはこの街では嫌われ者のため、人間の視点では助ける義理はそこまでないのですが、それでもロザリーはユグディラの力になることを選んだようです。
ご参加お待ちしております。
ユグディラ達に危機が訪れています。
彼らはこの街では嫌われ者のため、人間の視点では助ける義理はそこまでないのですが、それでもロザリーはユグディラの力になることを選んだようです。
ご参加お待ちしております。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/05/24 00:54
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 キサ・I・アイオライト(ka4355) エルフ|17才|女性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2016/05/18 00:58:30 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/05/17 20:19:05 |