ゲスト
(ka0000)
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マスター:月宵

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/05/18 09:00
- リプレイ完成予定
- 2016/05/27 09:00
オープニング
辺境の地。そこには様々な部族が存在している。彼らにはそれぞれ崇拝し、信仰するトーテムと言うものが存在する。彼ら部族をまとめあげるに不可欠なもの、言わば生命線と言ったところだろうか。
そんな部族の中に『イチヨ族』と言うものがいる。彼らは流浪の少数部族で、各地を転々とする者達。彼らのトーテムの名は『概念精霊・コリオリ』と言う。
彼らの信条は『他部族の信仰を信仰する』と言う変わったものだ。
それが例え、如何なる信仰であろうとも……
●
その集落では、大地がトーテムとされ崇められていた。大地と共に生を受け、死して大地と共に眠る。
そして、今。族長と呼ばれていた男が大地へと還ろうとしていた。
「そんな、急に逝ってしまうなんて……」
「族長のおじさん、えぐ」
「貴方は立派でした。けど、早すぎますよ」
棺桶を囲うように、嗚咽混じりの部族達の声が聴こえる。それは、気温を変えるには充分過ぎるほど、悲しみには熱を持っていた。
「……汝が体躯。今大地に還されたし」
族長を送るため、イチヨ族よりイ・シダが選ばれたのだ。仮面で顔は一切見えないが、淡々とした台詞。なれど部族達の心を打つものであった。最後にシダはオカリナを取り出し、御遺体の胸元にそっと置いた。
大地信仰を行う彼らにとって、焼き物であるオカリナは大切な儀式の道具なのだ。
「見送りを」
シダの声に合わせ、人々は一斉にオカリナを口にあてがう。高くも低くもない音色。まるで当たり前に動くさざ波のように、棺桶を包むのだ。
「………やっとか」
棺桶に覆い被さる土を眺め、皆が粛々とした空気のなか、ただ一人男だけは疲労にも似た溜め息をつくのであった……
●死して祝えざるもの
男は次なる族長であった。先代に子が無かったため、彼が族長を引き継ぐことになっていたのだが……
その男が、自ら拠点にてこう言うのだ。
「三日後、私の族長としての式を開く。もちろん、イチヨ族も手助けしていただけるのでしょうな」
先程前族長を見送ったばかりと言うのにこれである。ただ感情を最低限までなくし、シダは口を開いた。
「そちらは僕の担当ではない。その方面の担当は別だ」
イチヨ族の催事を担うものも種類は様々。特にシダはその中でも特殊で、生命を担う儀式などを担当している。
「なら新たに依頼しますよ。どうせなら、族長の葬式より盛大にやらなければ! 一般人である彼より、覚醒者である私がね」
指を交差させながら、クツクツと煮込んだ笑いを残す男。そんな族長となるべき男に、シダがかける言葉はない。仮面すら合わせず彼女は背中越しにこういう。
「催事は終わった。僕は明日発つ」
●
こうして釈然としないまでも、何事もなく朝を迎える筈、であった。それは翌朝のこと、集落の見回りに行った族長の男が気付いたのだ。
墓場に無数のアンデットが出現した。こうして男は一見人の良い笑みを貼り付けながら、ハンター達を呼び出した。
集落の民が男によって集められ、その声がハンター達の耳にも入る。
「アンデットったって、雑魚ばっかだろ。族長一人でも間に合うじゃないか」
「フン、大方点数稼ぎのつもりだろ。ハンターを引き連れる程の力があるんだぞ、的な?」
「……なんで、アレが族長なのさ」
「仕方ないだろ。奴が部族じゃ一番強いからさ」
「族長何故、死んでしまったのです……」
ハンター達も軽く話は聴いていた。目の前で御高説をたれる男は、つい昨日族長になったらしいことを。
しかし、どうも評判はよろしくない。それが、快晴に似通わぬ曇天の愚痴にて彼らハンターにも理解に到れる。
「この付近にある墓場より、アンデットが攻めてきています。広範囲の攻撃で一層してください」
場所は自分が案内する、そう言いかけた男にたいし、部族達は口を挟んだ。
「ま、待ってください! あそこには族長のお墓もあるんですよ。いくらなんでも乱暴ですって」
「……何を言いますか、このままではこの集落にアンデットが襲いかかるのですよ」
それでも良いのか、と含む男の言い様はどうみても愛すべき民と言った意味合いをは含んではいなさそうだ。
「私は、死した者より生きた者達を護る義務があるんですよ。彼だってそれを望むことでしょう」
「それは……」
前族長を話に出されては、他の民達も言葉を閉ざさざるを得なかった。
それで勝った、とでも言いたげに満足したのか民から再びハンター達に視線を移し、こう口早に告げた。
「さぁ、皆様。私自ら案内させていただきます。墓場に急ぎましょう」
そう男が、足を踏み出した……その瞬間だった。
「させない」
「なっ!?」
男の喉元を狙うひと突き。男は得物である片手斧で咄嗟に防ぐも、その威力は大の大人を吹き飛ばす程であった……
「お前はシダ! か、帰ったはずだ」
「――るさない」
次の棍による一撃を男は斧でどうにか受け止める。男の見上げた先にはシダ。殺気を帯びた瞳が仮面の隙間からもよく伝わった。
「私が何を……したと」
「集落の信仰を穢した、僕は貴様を許さない」
目を見開き顔を青ざめる男の口から言葉はない。
「だ、誰か! 私を助けないか!」
自ら守る民達に助けを呼ぶ男。しかし、彼らの足が動くことはない。
「イチヨ族を怒らせるなんて、何をしたんだ?」
それ以上に、唐突なイチヨ族の豹変に恐怖の色を見せる。それほどに彼らの名は知られているのだろうか……
「…………」
シダは部族の民を見渡すと、少し考えてからハンター達へ言う。
「行け。早く墓場に向かえ!!」
男の対応とは違い、必死にアンデットの退治を促すシダ。そうして、言われたままに足を動かしたハンター達は、小声で彼がこう囁く台詞を耳にした。
「死者の声に耳を傾けろ」
そんな部族の中に『イチヨ族』と言うものがいる。彼らは流浪の少数部族で、各地を転々とする者達。彼らのトーテムの名は『概念精霊・コリオリ』と言う。
彼らの信条は『他部族の信仰を信仰する』と言う変わったものだ。
それが例え、如何なる信仰であろうとも……
●
その集落では、大地がトーテムとされ崇められていた。大地と共に生を受け、死して大地と共に眠る。
そして、今。族長と呼ばれていた男が大地へと還ろうとしていた。
「そんな、急に逝ってしまうなんて……」
「族長のおじさん、えぐ」
「貴方は立派でした。けど、早すぎますよ」
棺桶を囲うように、嗚咽混じりの部族達の声が聴こえる。それは、気温を変えるには充分過ぎるほど、悲しみには熱を持っていた。
「……汝が体躯。今大地に還されたし」
族長を送るため、イチヨ族よりイ・シダが選ばれたのだ。仮面で顔は一切見えないが、淡々とした台詞。なれど部族達の心を打つものであった。最後にシダはオカリナを取り出し、御遺体の胸元にそっと置いた。
大地信仰を行う彼らにとって、焼き物であるオカリナは大切な儀式の道具なのだ。
「見送りを」
シダの声に合わせ、人々は一斉にオカリナを口にあてがう。高くも低くもない音色。まるで当たり前に動くさざ波のように、棺桶を包むのだ。
「………やっとか」
棺桶に覆い被さる土を眺め、皆が粛々とした空気のなか、ただ一人男だけは疲労にも似た溜め息をつくのであった……
●死して祝えざるもの
男は次なる族長であった。先代に子が無かったため、彼が族長を引き継ぐことになっていたのだが……
その男が、自ら拠点にてこう言うのだ。
「三日後、私の族長としての式を開く。もちろん、イチヨ族も手助けしていただけるのでしょうな」
先程前族長を見送ったばかりと言うのにこれである。ただ感情を最低限までなくし、シダは口を開いた。
「そちらは僕の担当ではない。その方面の担当は別だ」
イチヨ族の催事を担うものも種類は様々。特にシダはその中でも特殊で、生命を担う儀式などを担当している。
「なら新たに依頼しますよ。どうせなら、族長の葬式より盛大にやらなければ! 一般人である彼より、覚醒者である私がね」
指を交差させながら、クツクツと煮込んだ笑いを残す男。そんな族長となるべき男に、シダがかける言葉はない。仮面すら合わせず彼女は背中越しにこういう。
「催事は終わった。僕は明日発つ」
●
こうして釈然としないまでも、何事もなく朝を迎える筈、であった。それは翌朝のこと、集落の見回りに行った族長の男が気付いたのだ。
墓場に無数のアンデットが出現した。こうして男は一見人の良い笑みを貼り付けながら、ハンター達を呼び出した。
集落の民が男によって集められ、その声がハンター達の耳にも入る。
「アンデットったって、雑魚ばっかだろ。族長一人でも間に合うじゃないか」
「フン、大方点数稼ぎのつもりだろ。ハンターを引き連れる程の力があるんだぞ、的な?」
「……なんで、アレが族長なのさ」
「仕方ないだろ。奴が部族じゃ一番強いからさ」
「族長何故、死んでしまったのです……」
ハンター達も軽く話は聴いていた。目の前で御高説をたれる男は、つい昨日族長になったらしいことを。
しかし、どうも評判はよろしくない。それが、快晴に似通わぬ曇天の愚痴にて彼らハンターにも理解に到れる。
「この付近にある墓場より、アンデットが攻めてきています。広範囲の攻撃で一層してください」
場所は自分が案内する、そう言いかけた男にたいし、部族達は口を挟んだ。
「ま、待ってください! あそこには族長のお墓もあるんですよ。いくらなんでも乱暴ですって」
「……何を言いますか、このままではこの集落にアンデットが襲いかかるのですよ」
それでも良いのか、と含む男の言い様はどうみても愛すべき民と言った意味合いをは含んではいなさそうだ。
「私は、死した者より生きた者達を護る義務があるんですよ。彼だってそれを望むことでしょう」
「それは……」
前族長を話に出されては、他の民達も言葉を閉ざさざるを得なかった。
それで勝った、とでも言いたげに満足したのか民から再びハンター達に視線を移し、こう口早に告げた。
「さぁ、皆様。私自ら案内させていただきます。墓場に急ぎましょう」
そう男が、足を踏み出した……その瞬間だった。
「させない」
「なっ!?」
男の喉元を狙うひと突き。男は得物である片手斧で咄嗟に防ぐも、その威力は大の大人を吹き飛ばす程であった……
「お前はシダ! か、帰ったはずだ」
「――るさない」
次の棍による一撃を男は斧でどうにか受け止める。男の見上げた先にはシダ。殺気を帯びた瞳が仮面の隙間からもよく伝わった。
「私が何を……したと」
「集落の信仰を穢した、僕は貴様を許さない」
目を見開き顔を青ざめる男の口から言葉はない。
「だ、誰か! 私を助けないか!」
自ら守る民達に助けを呼ぶ男。しかし、彼らの足が動くことはない。
「イチヨ族を怒らせるなんて、何をしたんだ?」
それ以上に、唐突なイチヨ族の豹変に恐怖の色を見せる。それほどに彼らの名は知られているのだろうか……
「…………」
シダは部族の民を見渡すと、少し考えてからハンター達へ言う。
「行け。早く墓場に向かえ!!」
男の対応とは違い、必死にアンデットの退治を促すシダ。そうして、言われたままに足を動かしたハンター達は、小声で彼がこう囁く台詞を耳にした。
「死者の声に耳を傾けろ」
解説
今回の目的は『墓場に現れたアンデットの全滅』です。
※今回の依頼に、部族の生死は失敗に含まれておりません。
この集落では、昨日族長の葬式があり、その墓もアンデットの出現したこの場所にあります。
明くる日、族長の座を引き継いだ男がアンデットに気付き、ハンター達へ依頼致しました。
ですが、仮面の人物シダは、男と敵対し彼の墓場到着を阻止しています(彼らを止める、止めないはPCの自由です)
・敵
数は全部合わせて、少なくとも30体以上おります。
スケルトン
骨の化け物。得物を持っている。知能は無いに等しい。良く燃える。
攻撃方法:骨を投げる、刃を振るう。
ゾンビ
死体の化け物、雑魚。雑魔。知能は無いに等しい。良く燃える。
攻撃方法:強酸、呼び声によりゾンビを復活させる。噛みつき。
・登場人物
イ・シダ
イチヨ族の仮面の人物。
命を司る催事などの担当を行っている。口調は淡々として、常に冷静を保っている……筈だが?
覚醒者、強い。
現族長の男
先日、亡くなった族長に代わり族長になった男。日頃より、一般人であった元族長を軽視していた模様。
覚醒者、霊闘士。
※今回の依頼に、部族の生死は失敗に含まれておりません。
この集落では、昨日族長の葬式があり、その墓もアンデットの出現したこの場所にあります。
明くる日、族長の座を引き継いだ男がアンデットに気付き、ハンター達へ依頼致しました。
ですが、仮面の人物シダは、男と敵対し彼の墓場到着を阻止しています(彼らを止める、止めないはPCの自由です)
・敵
数は全部合わせて、少なくとも30体以上おります。
スケルトン
骨の化け物。得物を持っている。知能は無いに等しい。良く燃える。
攻撃方法:骨を投げる、刃を振るう。
ゾンビ
死体の化け物、雑魚。雑魔。知能は無いに等しい。良く燃える。
攻撃方法:強酸、呼び声によりゾンビを復活させる。噛みつき。
・登場人物
イ・シダ
イチヨ族の仮面の人物。
命を司る催事などの担当を行っている。口調は淡々として、常に冷静を保っている……筈だが?
覚醒者、強い。
現族長の男
先日、亡くなった族長に代わり族長になった男。日頃より、一般人であった元族長を軽視していた模様。
覚醒者、霊闘士。
マスターより
こんにちは、そしてお久しぶりです、月宵です。
少し月が空いてしまいまして、リハビリがてら『簡単』な依頼を出しました。
男から依頼された様に、ただアンデットの群れを倒せば良いのです。
それが『依頼』なのですから……
それなら、何故彼らはもめているのでしょう?
それでは、皆様のご参加お待ちしております。
少し月が空いてしまいまして、リハビリがてら『簡単』な依頼を出しました。
男から依頼された様に、ただアンデットの群れを倒せば良いのです。
それが『依頼』なのですから……
それなら、何故彼らはもめているのでしょう?
それでは、皆様のご参加お待ちしております。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/05/26 06:21
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/05/17 16:28:38 |
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![]() |
相談卓 シリル・B・ライヘンベルガー(ka0025) 人間(クリムゾンウェスト)|17才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2016/05/17 23:50:28 |