ゲスト
(ka0000)
遺跡の守護者
マスター:nao

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/05/27 12:00
- リプレイ完成予定
- 2016/06/05 12:00
オープニング
●遺跡の守護者
「だぁぁっ! もぅっ、話が違うじゃないのよッ!」
長い金髪を振り乱し、その女剣士は降り積もった鬱憤をぶつけるように大きく叫んだ。
女剣士とその仲間達、そして学者然とした青年の周囲には、おびただしいほどの血と臓物が飛び散って混ざり合い、薄く湯気を上げていた。立ち昇る血生臭い臭気を気にも留めず、女剣士達はそれぞれ油断なく武器を構え、学者然とした青年を護るようにジリジリと移動する。
女剣士の眼前には、同胞達を殺された怒りか、緑の肌にがっしりとした体格の小柄な種族……ゴブリンと呼ばれる亜人が一匹、木を削っただけの無骨な棍棒を構えていた。ぎょろりと見開いた両の眼は嚇怒に燃え盛り、薄く開いた口腔からは、殺意の唸りが漏れる。と、唸りが漏れると同時、ゴブリンは棍棒を大きく振り上げ、一足飛びに女剣士へ襲い掛かったッ。
女剣士はゴブリンの動きを冷静に見極め、鋭く一歩を踏み込みざま、円を描くような体捌きで握った長剣を横薙ぎに振り切った。
弧を描く銀の切っ先が、ゴブリンの胸元から腹腔までを斬り裂き……烈風を纏った棍棒が、女剣士の長い金髪をふわりと巻き上げる。一瞬後、ゴブリンは鮮血を派手に噴き出しながらバランスを崩し、叩きつけられるような勢いで地を転がった。女剣士は素早く駆け寄り、ゴブリンの首筋へ刃を走らせる。瞬間、断ち切られたゴブリンの首が、断末魔のごとく大量の鮮血を吐き出した。
戦闘が一段落したのを見て取り、女剣士達は一息吐いて、青年へ詰め寄った。
「あんたねぇッ! あんたが言ってた事前の情報と、全然違うじゃないのッ! こんな数だなんて、聞いてないわよッ!?」
「はっはっはっ。いいじゃないか、なんとかなったんだしさっ。……と、あっちの部屋はなんだろなっ?」
女剣士が怒号をぶつけるも、青年は悪びれた様子もなく、好奇心に輝く瞳で通路の奥へ駆け出した。
「あっ、こらッ! 待ちなさい!」
女剣士達は、叫ぶなり駆け出した青年を追いかけ……そして『その部屋』の前で、首根っこをひっ捕まえるのに成功した。
五十メートル四方ほどの石造りでできたその広い部屋は、床や壁に幾筋もの亀裂が走り、長い年月の経過で相当劣化しているようだった。天井に至っては、劣化どころか半壊し、陽の光が降り注いでいる。
細かな亀裂が走っている壁は、一面が壁画となっており、解読不能な文字や、幾つかの絵が掘り込まれていた。そして……その部屋の真ん中には、全身が堅固な質感で覆われた巨人が鎮座していた。人型で、腕も足も太く、肌は岩石のような重量感のある気配を放っている。そのシルエットから察するに、立ち上がれば全高は三メートルに達するだろう。
『ゴーレム』
それは見る者にその名を想起させる、巨大な異形だった。……だが、問題はここから。
鎮座していたゴーレムは、突如としてギギギッ、と錆びついたような動きで立ち上がり、大きな双眸を赤く光らせたのだ。その現象に、青年以外が、ぎょっとしたように低く呻く。
「まっ、魔法生物ッ!? あんなのとやり合う体力なんて、もう残ってないわよッ!?」
「うわぁっ、あの壁画とか、とっても興味深いなっ! 女剣士君っ、女剣士君っ! これで最後でいいから、あれをなんとかしてよっ!」
立ち上がったゴーレムを愕然と見上げる女剣士に、青年は無邪気とも呼べる笑顔で頼み込んだ。
「冗談じゃないわよっ! あんたの『これで最後』は、これで三回目じゃないのッ! 帰りの体力も計算しなきゃだし、ここで限界よッ!」
女剣士が怒号をぶつけるも、青年は首根っこを掴まれたまま、ジタバタと暴れる。
「いい加減に、してくださいッ!」
……が、突然、ドスンッと鈍い音が響き、華奢な拳が青年の腹へめり込んだ。
女剣士の仲間の一人が堪えかね、青年の鳩尾をぶん殴ったのだ。青年は「くぅ、ぉ……」と、言葉にならない呻きを漏らし、白い泡を噴いて気絶した。力を失った青年の身体を、女剣士の仲間の一人がひょいと抱え上げる。
「戻りましょう、姉さんっ。これ以上は付き合いきれませんっ!」
「そうねッ」
女剣士達は顔を見合わせ、素早く踵を返し、その場を撤退した。
●依頼
「……と、言うわけで気絶させられちゃったんだよっ。酷いと思わないかいっ?」
アランと名乗った青年は、口角泡を飛ばし、捲くし立てるような勢いで続ける。
「つまり、ハンター君達に依頼したいのは、遺跡を探索する僕の護衛さっ! ゴブリンが住み着いてたみたいだけど、昨日ので大方掃討されたし……問題はやっぱり、あの魔法生物かなっ? あぁ、あの奥にある壁画は是非とも解読したいから、傷つけないでねっ。とにもかくにも、よろしく頼むよ!」
アランは幼子のような好奇心に瞳を輝かせ、邪気のない顔で微笑んだ。
「だぁぁっ! もぅっ、話が違うじゃないのよッ!」
長い金髪を振り乱し、その女剣士は降り積もった鬱憤をぶつけるように大きく叫んだ。
女剣士とその仲間達、そして学者然とした青年の周囲には、おびただしいほどの血と臓物が飛び散って混ざり合い、薄く湯気を上げていた。立ち昇る血生臭い臭気を気にも留めず、女剣士達はそれぞれ油断なく武器を構え、学者然とした青年を護るようにジリジリと移動する。
女剣士の眼前には、同胞達を殺された怒りか、緑の肌にがっしりとした体格の小柄な種族……ゴブリンと呼ばれる亜人が一匹、木を削っただけの無骨な棍棒を構えていた。ぎょろりと見開いた両の眼は嚇怒に燃え盛り、薄く開いた口腔からは、殺意の唸りが漏れる。と、唸りが漏れると同時、ゴブリンは棍棒を大きく振り上げ、一足飛びに女剣士へ襲い掛かったッ。
女剣士はゴブリンの動きを冷静に見極め、鋭く一歩を踏み込みざま、円を描くような体捌きで握った長剣を横薙ぎに振り切った。
弧を描く銀の切っ先が、ゴブリンの胸元から腹腔までを斬り裂き……烈風を纏った棍棒が、女剣士の長い金髪をふわりと巻き上げる。一瞬後、ゴブリンは鮮血を派手に噴き出しながらバランスを崩し、叩きつけられるような勢いで地を転がった。女剣士は素早く駆け寄り、ゴブリンの首筋へ刃を走らせる。瞬間、断ち切られたゴブリンの首が、断末魔のごとく大量の鮮血を吐き出した。
戦闘が一段落したのを見て取り、女剣士達は一息吐いて、青年へ詰め寄った。
「あんたねぇッ! あんたが言ってた事前の情報と、全然違うじゃないのッ! こんな数だなんて、聞いてないわよッ!?」
「はっはっはっ。いいじゃないか、なんとかなったんだしさっ。……と、あっちの部屋はなんだろなっ?」
女剣士が怒号をぶつけるも、青年は悪びれた様子もなく、好奇心に輝く瞳で通路の奥へ駆け出した。
「あっ、こらッ! 待ちなさい!」
女剣士達は、叫ぶなり駆け出した青年を追いかけ……そして『その部屋』の前で、首根っこをひっ捕まえるのに成功した。
五十メートル四方ほどの石造りでできたその広い部屋は、床や壁に幾筋もの亀裂が走り、長い年月の経過で相当劣化しているようだった。天井に至っては、劣化どころか半壊し、陽の光が降り注いでいる。
細かな亀裂が走っている壁は、一面が壁画となっており、解読不能な文字や、幾つかの絵が掘り込まれていた。そして……その部屋の真ん中には、全身が堅固な質感で覆われた巨人が鎮座していた。人型で、腕も足も太く、肌は岩石のような重量感のある気配を放っている。そのシルエットから察するに、立ち上がれば全高は三メートルに達するだろう。
『ゴーレム』
それは見る者にその名を想起させる、巨大な異形だった。……だが、問題はここから。
鎮座していたゴーレムは、突如としてギギギッ、と錆びついたような動きで立ち上がり、大きな双眸を赤く光らせたのだ。その現象に、青年以外が、ぎょっとしたように低く呻く。
「まっ、魔法生物ッ!? あんなのとやり合う体力なんて、もう残ってないわよッ!?」
「うわぁっ、あの壁画とか、とっても興味深いなっ! 女剣士君っ、女剣士君っ! これで最後でいいから、あれをなんとかしてよっ!」
立ち上がったゴーレムを愕然と見上げる女剣士に、青年は無邪気とも呼べる笑顔で頼み込んだ。
「冗談じゃないわよっ! あんたの『これで最後』は、これで三回目じゃないのッ! 帰りの体力も計算しなきゃだし、ここで限界よッ!」
女剣士が怒号をぶつけるも、青年は首根っこを掴まれたまま、ジタバタと暴れる。
「いい加減に、してくださいッ!」
……が、突然、ドスンッと鈍い音が響き、華奢な拳が青年の腹へめり込んだ。
女剣士の仲間の一人が堪えかね、青年の鳩尾をぶん殴ったのだ。青年は「くぅ、ぉ……」と、言葉にならない呻きを漏らし、白い泡を噴いて気絶した。力を失った青年の身体を、女剣士の仲間の一人がひょいと抱え上げる。
「戻りましょう、姉さんっ。これ以上は付き合いきれませんっ!」
「そうねッ」
女剣士達は顔を見合わせ、素早く踵を返し、その場を撤退した。
●依頼
「……と、言うわけで気絶させられちゃったんだよっ。酷いと思わないかいっ?」
アランと名乗った青年は、口角泡を飛ばし、捲くし立てるような勢いで続ける。
「つまり、ハンター君達に依頼したいのは、遺跡を探索する僕の護衛さっ! ゴブリンが住み着いてたみたいだけど、昨日ので大方掃討されたし……問題はやっぱり、あの魔法生物かなっ? あぁ、あの奥にある壁画は是非とも解読したいから、傷つけないでねっ。とにもかくにも、よろしく頼むよ!」
アランは幼子のような好奇心に瞳を輝かせ、邪気のない顔で微笑んだ。
解説
・メインの敵はゴーレムです。もしかしたら、生き残ったゴブリンも居るかもしれません。ただ、居たとしても少数です。
・ゴーレムはタフで力は強いですが……攻撃は物理的な手段のみで、あまり複雑な動きはしません。踏み付けや殴りつけ、砕けた床の破片を投げつけたり、などです。
・遺跡はゴーレムの居る部屋が最深部で、それより先はありません。
・ゴーレムは基本的に、居る部屋から出ようとはしません。
・遺跡は地下ですが、ところどころ陽の光が漏れていて、明るさは薄暗い程度です。
・アランは好奇心に突き動かされると、自分の命よりそちらを優先してしまう傾向があります。その場合、説得よりも力技でどうにかした方がいいかもしれません。
・戦闘で壁画が壊れないように、注意して立ち回ってください。
・遺跡までの道は、整備された街道からほど近い場所にあります。街道は定期的に雑魔を掃討している為、敵は遺跡内のみと思っていただいてかまいません。
・ゴーレムはタフで力は強いですが……攻撃は物理的な手段のみで、あまり複雑な動きはしません。踏み付けや殴りつけ、砕けた床の破片を投げつけたり、などです。
・遺跡はゴーレムの居る部屋が最深部で、それより先はありません。
・ゴーレムは基本的に、居る部屋から出ようとはしません。
・遺跡は地下ですが、ところどころ陽の光が漏れていて、明るさは薄暗い程度です。
・アランは好奇心に突き動かされると、自分の命よりそちらを優先してしまう傾向があります。その場合、説得よりも力技でどうにかした方がいいかもしれません。
・戦闘で壁画が壊れないように、注意して立ち回ってください。
・遺跡までの道は、整備された街道からほど近い場所にあります。街道は定期的に雑魔を掃討している為、敵は遺跡内のみと思っていただいてかまいません。
マスターより
新米マスターのnaoです。
まだまだ駆け出しですが、よろしくお願いしますm(_ _)m
戦闘描写に力を入れられたらいいな、と思ってます。
まだまだ駆け出しですが、よろしくお願いしますm(_ _)m
戦闘描写に力を入れられたらいいな、と思ってます。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/05/31 23:56
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/05/24 22:32:01 |
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相談卓 門守 透(ka4863) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|男性|舞刀士(ソードダンサー) |
最終発言 2016/05/26 18:54:52 |