• 日常

公園を解放せよ!

マスター:KINUTA

シナリオ形態
ショート
難易度
易しい
参加費
1,000
参加人数
現在8人 / 4~8人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
6日
プレイング締切
2016/06/04 22:00
リプレイ完成予定
2016/06/13 22:00

オープニング

 蒸気工場都市フマーレの路地裏。
 労働者向けの安アパートがひしめき合うそこは、少年たちの社交場。今日も今日とて戦いが起きている。朝っぱらから。





「ようし、ジャッカル団、点呼-!」

「1!」

「2!」

「3!」

 アパート裏で点呼を終えたジャッカル団は、一路公園に向かった。このあたりで公認の遊び場と言えば、そこしかないのだ。
 しかしついてみれば、界隈で幅をきかせている最大勢力「暁の獅子団」と、それより数は劣るが腕に覚えのある者たちばかりが集まっている「チーム・ドラゴン」が実力行使に移る前の小手調べ、すなわち口喧嘩をしていた。

「おい、腰抜け野郎。ごたくはいいからさっさとかかってこいよ」

「へえー、口だけは威勢がいいなくたばりぞこない。そんなに言うならそっちからかかってきたらどうなんだよ。くそたれトカゲ。どうせ最後にゃ、尻尾切って逃げるんだろう」

「おいおいそれはお前らのことだろう。尻尾が切れるどころか尻まで皮剥がれて泣いて逃げ帰るんだろ、どぶ猫団」

「減らず口もそこまでにしたおいた方がいいぞ。俺知ってんだ。お前らが毎晩かあちゃんのオッパイ吸って寝てることをよ?」

「お前らは未だにオムツつけてもらってんだろ? 夜に一人で便所にも行けない腰抜けだから、毎晩寝小便たれてよ、今じゃ布団がまっ黄色だもんな?」

 正味公園の使用権は、この二大勢力の間でしか争われない。
 中堅グループは周囲を取り巻き、成り行きを見守る。勝ち目の多い方に参戦するのだ。そうすれば勝利した際、地面のきれっぱしを分けてもらえるのである。
 しかし中堅以下のグループとなると……足手まといにしかならないので、戦いに参加させてもらえない。従ってどっちが勝とうが、公園で遊ばせてもらえない。
 ジャッカル団は、残念ながら最後の弱小枠に位置するグループであった。
 本格戦闘が始まる前にこそこそ場を離れ、来た道を引き返していく。

「仕方ないな、工場裏に行くか」

「駄目だ。この前見つかって怒られた」

「じゃあ、アパートの踊り場」

「あそこは母ちゃんたちがちょいちょい通るじゃないか。下手したら用事言い付けられるぞ」

 なぜこんなに遊ぶところがないのか。不満を抱きながら彼らは、しけった路地裏のゴミ置き場に落ち着いた。

「いつもここだな」

「仕方ないじゃんか。他に適当なところがないんだもん」

「あーあ、俺たちも公園で遊びたいよな。いつも弾かれてさ」

 めいめい大きなゴミ箱の上に腰掛けようとしたそのとき、いきなり箱の蓋が開いた。
 そこから太った中年男と、猫の顔をした男が出てくる。
 目を丸くする少年たちに向け、まず猫が口をきく。

「話は全て聞かせてもらったで。俺がお前らを公園で遊べるようにしたろか?」

 もう片方のおっさんが続く。

「ジャリども。とりあえず食い物を持って来い。なんでもいいから早く。腹へってんだわしらは」

「せやせや。はよなんか持って来い。ほしたら願いを叶えてやるさかいな」





 翌日。
 暁の獅子団とチーム・ドラゴンは、いつもの主導権争いを行うため、公園に向かった。
 昨日勝利したのは暁の獅子団である。そのためチーム・ドラゴンは今日こそ負けと取り返さんと、いつも以上に気合を入れていた。
 しかし公園についてみればなんと、ジャッカル団を筆頭とした弱小組団体が、遊具と場所を占領している。
 何と身の程知らずな。
 憤慨しながら彼らは、早速三下奴を追い払うため、公園に足を踏み入れようとした。

「おい、お前ら何やってんだよ、さっさと散れ!」

 その途端、堅い透明な壁にぶつかる。

「いてっ!?」

「な、なんだ!?」

 それを見た弱小組は、普段の鬱憤を晴らすのはこのときとばかり、一斉に囃し立てる。

「お前らは入れてやんねえぞー!」

「今日からここは俺たちのもんだ、帰れ帰れー!」

 思いもかけぬ展開に、二大グループはカンカンだ。どうにかして入れないかと探るが、公園の四方八方同様の壁で囲まれており、どうしても踏み込めない。

「くそー! なんなんだよこれ!」

「入れろコラー!」

「後でどうなるか分かってんだろうなお前ら!」

 怒りに任せて見えない壁を蹴りまくる少年たち。
 あかんべしたり尻を叩いたりして、それを煽りまくる弱小軍団――実際彼らはかなり調子に乗っていた。
 騒然とする一方の公園周辺。
 ちょうどその時である。カチャと同僚ハンターが、偶然そこを通りがかったのは。



解説

補足説明。


 これは子供のケンカに割って入り、公園の封鎖を解くを解くシナリオです。

 現逃亡中の魔術師、スペット。食料と引き換えに子供たちの願いを叶えてやりました模様。

 公園は現在、結界に囲まれ、中に入れない状態。
 この結界は「単に見えないだけの壁」です。
 実体があるものですから、普通に物理攻撃で対処出来ます。
 封鎖が解けた後、煽りまくった弱小勢力が高い確立で2大勢力からギッタギタのメッタメタにされそうですので、そこのあたりフォローしてくださると助かります。
 後、ジャッカル団から願いを叶えてくれた妙なおっさん二人連れ(ブルーチャーとスペット)の情報を聞き出し、警察に通報しておいてください。ああ見えても指名手配犯ですので、一応は。
 そのあたりは、「悪い奴らはよく逃げる」を参考にしてくださいませ。

 グループの人数内訳

暁の獅子団……総勢25名。

チーム・ドラゴン……総勢15名。

中堅グループ……総勢36名。

弱小(ジャッカル団含む)グループ……総勢20名。



マスターより

KINUTAです。

ケンカ? 元気があってよろしい。



関連NPC

  • 荷を運ぶ者
    カチャ・タホ(kz0150
    人間(クリムゾンウェスト)|13才|女性|聖導士(クルセイダー)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2016/06/11 03:09

参加者一覧

  • 征夷大将軍の正室
    天竜寺 詩(ka0396
    人間(蒼)|18才|女性|聖導士
  • 黒猫とパイルバンカー
    葛音 水月(ka1895
    人間(蒼)|19才|男性|疾影士
  • 交渉人
    J・D(ka3351
    エルフ|26才|男性|猟撃士
  • むなしい愛の夢を見る
    松瀬 柚子(ka4625
    人間(蒼)|18才|女性|疾影士
  • 甘苦スレイヴ
    葛音 ステラ(ka5122
    人間(蒼)|19才|女性|舞刀士
  • 招雷鬼
    閏(ka5673
    鬼|34才|男性|符術師
  • 忍軍創設者
    ルンルン・リリカル・秋桜(ka5784
    人間(蒼)|17才|女性|符術師
  • 静かに過ごす星の夜
    冷泉 雅緋(ka5949
    人間(蒼)|28才|女性|聖導士
依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/06/02 04:20:47
アイコン 公園を開放しよう
天竜寺 詩(ka0396
人間(リアルブルー)|18才|女性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2016/06/04 16:00:36