ゲスト
(ka0000)
豊穣を邪魔する輩 ~騎士アーリア~
マスター:天田洋介

- シナリオ形態
- シリーズ(続編)
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,300
- 参加人数
- 現在7人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/06/03 09:00
- リプレイ完成予定
- 2016/06/12 09:00
オープニング
グラズヘイム王国の南部に伯爵地【ニュー・ウォルター】は存在する。
領主が住まう城塞都市の名は『マール』。マールから海岸まで自然の川を整備した十kmに渡る運河が流れていた。そのおかげで内陸部にも関わらず海上の帆船で直接乗りつけることができる。
もっとも帆船が利用できるのは『ニュー港』まで。それ以降の水上航路は手こぎのゴンドラを利用しなければならない。
升の目のように造成された都市内の水上航路はとても賑やかだ。各地からやってきた行商もゴンドラに乗って売り買いの声を張り上げている。
橋を利用しての徒歩移動も可能だが、そうしている者は数少なかった。それだけマールの民の間に水上航路は溶け込んでいた。
この地を治めるのはアリーア・エルブン伯爵。ニュー・ウォルターを守護するオリナニア騎士団長を兼任する十七歳になったばかりの銀髪の青年だ。
前領主ダリーア・エルブン伯爵が次男である彼に家督を譲ったのは十四歳のとき。それからわずかな期間で亡くなっている。闘病の日々で死期を予感していたのだろうと当時は市井の者の間でも囁かれていた。
長男ドネア・エルブンも事故で亡くなっていたが、妹のミリア・エルブンは健在。幼い頃から秀才ぶりを発揮し、弱冠十五歳ながらも内政を担う。アーリアにとっては心強い片腕であった。
マール内で発生した偽金事件は想像し得ない様相を見せる。
偽の聖堂教会に残されていた暗号は『アスタロト』『闇の支配』『ドネア』と読み解けた。ドネアとはアーリアとミリアの死んだはずの長兄であった。
世間には事故と発表されたドネアの死因だが、現実には謀反に失敗して命を落としている。
ドネアが本当に死んだのか、真相を暴くべくハンター達が動く。謀反に加担した行方不明のバーンズを探しだす過程においてそれは白日の下に晒された。ドネアだけでなく、謀反に関与していた元ドネア親衛隊の女性ロランナ・ベヒも歪虚になっていた。
ドネアは歪虚軍長アスタロト。そしてロランナはネビロスを名乗った。
後日、マールにおいて武器防具を積んだゴンドラの沈没事件が頻繁に発生する。ハンター達が水中に潜んでいた雑魔を退治。これによって歪虚崇拝者達の手に武器防具が渡る手段を潰すことができた。
別の機会には町村巡回中のアーリア一行が罠にはめられてしまう。窮地に陥ったものの、火の手に囲まれた状態からの脱出に成功。この件においてもハンター達の貢献は大きかった。
歪虚軍長、黒伯爵のアスタロトの拠点は人里離れた森深き地に存在する。
「黒伯爵様、このネビロスめにどうか今一度挽回の機会を与えて下さいませ」
蜜蝋燭に照らされた王座に座るアスタロトの前でネビロスが跪く。
二人とも元人間のアイテルカイトである。本性は別にしてアスタロトは二十歳前後の青年の姿。ネビロスも同年齢くらいの女性を象っていた。
「幾度の失敗を重ねたのだ? ネビロスよ」
「そ、それは……」
答えられないネビロスの前にアスタロトが左足をわずかに前へとだす。腰を下げたまま近づいたネビロスはアスタロトの革ブーツに口づけをして忠誠を表した。
マール城にある執務室のノッカーが激しく叩かれる。
「どうぞ」
「兄様、大変ですの!」
領主アーリア・エルブンが入室を許したのと同時に扉が開く。妹のミリア・エルブンがつかつかと近づいてきた。
「そんなに急いでどうした。何事か?」
「つい先程、緊急の連絡が届きましたの。伯爵地の東部に広がる穀倉地帯に雑魔が現れました!」
ミリアによれば、全長一mほどの巨大蝗雑魔が出没して収穫を控えた冬蒔き小麦の穂を食い散らかしているという。
「現地駐屯兵だけでは難しいのか?」
「雑魔とはいえ普通の者達でも十人がかりなら倒せるようなのですが……。泡状の卵のようなものを産みつけて、それから新たな蝗雑魔が発生するようなのです。そのいたちごっこで兵達が疲弊しているとのこと。早くに応援をださねば、ねずみ算的に増えて取り返しがつかないことになるかも知れませんの」
ミリアの説明を聞いたアーリアは考え込む。
オリナニア騎士団を動かせば掃討は可能だ。しかし、そうなると城塞都市マールが手薄になってしまう。かといって出し惜しみをしたのなら最悪の事態を招きかねない。
「今期小麦が不作になったとすれば大変なことに。民心が離れてしまいます」
ミリアがアーリアに顔を近づけて懇願する。
「わかっている。騎士団三小隊を送ろう。それに加えてハンターズソサエティーにも連絡を。ハンターに力を貸してもらえれば切り抜けられるはずだ」
アーリアの指示に従ってミリアは市内の支部に連絡をとる。無理を承知でハンターの緊急招集をかけてもらうのだった。
領主が住まう城塞都市の名は『マール』。マールから海岸まで自然の川を整備した十kmに渡る運河が流れていた。そのおかげで内陸部にも関わらず海上の帆船で直接乗りつけることができる。
もっとも帆船が利用できるのは『ニュー港』まで。それ以降の水上航路は手こぎのゴンドラを利用しなければならない。
升の目のように造成された都市内の水上航路はとても賑やかだ。各地からやってきた行商もゴンドラに乗って売り買いの声を張り上げている。
橋を利用しての徒歩移動も可能だが、そうしている者は数少なかった。それだけマールの民の間に水上航路は溶け込んでいた。
この地を治めるのはアリーア・エルブン伯爵。ニュー・ウォルターを守護するオリナニア騎士団長を兼任する十七歳になったばかりの銀髪の青年だ。
前領主ダリーア・エルブン伯爵が次男である彼に家督を譲ったのは十四歳のとき。それからわずかな期間で亡くなっている。闘病の日々で死期を予感していたのだろうと当時は市井の者の間でも囁かれていた。
長男ドネア・エルブンも事故で亡くなっていたが、妹のミリア・エルブンは健在。幼い頃から秀才ぶりを発揮し、弱冠十五歳ながらも内政を担う。アーリアにとっては心強い片腕であった。
マール内で発生した偽金事件は想像し得ない様相を見せる。
偽の聖堂教会に残されていた暗号は『アスタロト』『闇の支配』『ドネア』と読み解けた。ドネアとはアーリアとミリアの死んだはずの長兄であった。
世間には事故と発表されたドネアの死因だが、現実には謀反に失敗して命を落としている。
ドネアが本当に死んだのか、真相を暴くべくハンター達が動く。謀反に加担した行方不明のバーンズを探しだす過程においてそれは白日の下に晒された。ドネアだけでなく、謀反に関与していた元ドネア親衛隊の女性ロランナ・ベヒも歪虚になっていた。
ドネアは歪虚軍長アスタロト。そしてロランナはネビロスを名乗った。
後日、マールにおいて武器防具を積んだゴンドラの沈没事件が頻繁に発生する。ハンター達が水中に潜んでいた雑魔を退治。これによって歪虚崇拝者達の手に武器防具が渡る手段を潰すことができた。
別の機会には町村巡回中のアーリア一行が罠にはめられてしまう。窮地に陥ったものの、火の手に囲まれた状態からの脱出に成功。この件においてもハンター達の貢献は大きかった。
歪虚軍長、黒伯爵のアスタロトの拠点は人里離れた森深き地に存在する。
「黒伯爵様、このネビロスめにどうか今一度挽回の機会を与えて下さいませ」
蜜蝋燭に照らされた王座に座るアスタロトの前でネビロスが跪く。
二人とも元人間のアイテルカイトである。本性は別にしてアスタロトは二十歳前後の青年の姿。ネビロスも同年齢くらいの女性を象っていた。
「幾度の失敗を重ねたのだ? ネビロスよ」
「そ、それは……」
答えられないネビロスの前にアスタロトが左足をわずかに前へとだす。腰を下げたまま近づいたネビロスはアスタロトの革ブーツに口づけをして忠誠を表した。
マール城にある執務室のノッカーが激しく叩かれる。
「どうぞ」
「兄様、大変ですの!」
領主アーリア・エルブンが入室を許したのと同時に扉が開く。妹のミリア・エルブンがつかつかと近づいてきた。
「そんなに急いでどうした。何事か?」
「つい先程、緊急の連絡が届きましたの。伯爵地の東部に広がる穀倉地帯に雑魔が現れました!」
ミリアによれば、全長一mほどの巨大蝗雑魔が出没して収穫を控えた冬蒔き小麦の穂を食い散らかしているという。
「現地駐屯兵だけでは難しいのか?」
「雑魔とはいえ普通の者達でも十人がかりなら倒せるようなのですが……。泡状の卵のようなものを産みつけて、それから新たな蝗雑魔が発生するようなのです。そのいたちごっこで兵達が疲弊しているとのこと。早くに応援をださねば、ねずみ算的に増えて取り返しがつかないことになるかも知れませんの」
ミリアの説明を聞いたアーリアは考え込む。
オリナニア騎士団を動かせば掃討は可能だ。しかし、そうなると城塞都市マールが手薄になってしまう。かといって出し惜しみをしたのなら最悪の事態を招きかねない。
「今期小麦が不作になったとすれば大変なことに。民心が離れてしまいます」
ミリアがアーリアに顔を近づけて懇願する。
「わかっている。騎士団三小隊を送ろう。それに加えてハンターズソサエティーにも連絡を。ハンターに力を貸してもらえれば切り抜けられるはずだ」
アーリアの指示に従ってミリアは市内の支部に連絡をとる。無理を承知でハンターの緊急招集をかけてもらうのだった。
解説
伯爵地【ニュー・ウォルター】東部の穀倉地帯に危機が陥っています。
蝗雑魔は小麦の穂を食い荒らすだけでなく、人間にも襲いかかります。ハンターにとっては造作もない敵であっても非覚醒者にとっては脅威です。
駐屯兵が蝗雑魔を見つけては退治を繰り返しています。但し、産みつけられた泡状の卵探しまでは手が足りていません。(危険なので周辺住人は麦畑に立ち入り禁止)
ハンターのみなさんは蝗雑魔の退治を引き受けてください。(現地に駆けつける騎士団も退治に参加)泡状の卵探しは現地の駐屯兵に頼めば大丈夫です。
バイク等の自前の移動手段があればそちらを活用して結構です。直線距離は短いのですが、入り組んだ道しかないので距離があります。マールから四十kmほど離れた地だとお考え下さい。
御者付き馬車も用意されます。
※PL情報(事前に知り得ない情報)
蝗雑魔が泡の卵を産みつけてから丸一日で孵化します。一度に産まれるのは十~二十。半日ほどで成体(全長一m前後)になります。
ネビロスがどこかで見張っているようです。
常識的な必要経費はアーリア持ちです。
質問があればハンターオフィス職員のフミナ・エミエール(kz0131)が卓で答えます。質問締め切りは出発の一日前までです。
蝗雑魔は小麦の穂を食い荒らすだけでなく、人間にも襲いかかります。ハンターにとっては造作もない敵であっても非覚醒者にとっては脅威です。
駐屯兵が蝗雑魔を見つけては退治を繰り返しています。但し、産みつけられた泡状の卵探しまでは手が足りていません。(危険なので周辺住人は麦畑に立ち入り禁止)
ハンターのみなさんは蝗雑魔の退治を引き受けてください。(現地に駆けつける騎士団も退治に参加)泡状の卵探しは現地の駐屯兵に頼めば大丈夫です。
バイク等の自前の移動手段があればそちらを活用して結構です。直線距離は短いのですが、入り組んだ道しかないので距離があります。マールから四十kmほど離れた地だとお考え下さい。
御者付き馬車も用意されます。
※PL情報(事前に知り得ない情報)
蝗雑魔が泡の卵を産みつけてから丸一日で孵化します。一度に産まれるのは十~二十。半日ほどで成体(全長一m前後)になります。
ネビロスがどこかで見張っているようです。
常識的な必要経費はアーリア持ちです。
質問があればハンターオフィス職員のフミナ・エミエール(kz0131)が卓で答えます。質問締め切りは出発の一日前までです。
マスターより
シリーズシナリオです。ネビロスが卑怯な手で蝗雑魔掃討を邪魔します。どうかご注意を。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/06/11 06:53
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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穀倉地帯の危機を救え! ひりょ・ムーンリーフ(ka3744) 人間(リアルブルー)|18才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2016/06/03 07:29:06 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/06/01 12:03:26 |
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質問卓 ウル=ガ(ka3593) エルフ|25才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2016/06/02 18:24:54 |