• 日常

復興を手伝おう

マスター:笹村工事

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加人数
現在6人 / 4~6人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2014/09/06 07:30
リプレイ完成予定
2014/09/15 07:30

オープニング

※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。

 自由都市同盟の産業を支える拠点都市、蒸気工場都市フマーレ。
 その郊外に建つ一つの屋敷、その応接間で一つの話し合いが進んでいた。

「どうしたもんか」
 質の良いソファに座った、老年の域に差し掛かりながらも精強な男が言う。
 アラゴという名のこの男、「ハンターでもある商人集団」と呼ばれる事もあるクルキャット商連合の代表を務めている。
 そんな彼が、一つの報告書を前にして眉を寄せ、言葉を続けた。
「ウチの連合員が関わった依頼で、どうにもマズい事が起こってるみたいでな。関わる気が無けりゃそれで済むんだが、そのまま放って置く気になれなくてな」
 そう言うと彼は、手にした報告書を向かい合って座っている青年・トキに渡す。
 その報告書には、つい最近起こった農耕推進地域ジェオルジのとある村を襲ったゴブリン達についての詳細と、その後の顛末について書かれていた。
 リアルブルーからの転移者であるトキは、報告書に目を通してから応えを返す。
「ゴブリンによる村への直接被害は、ジェオルジの統治者一族からの資金援助でどうにかなりそうですが、収穫期にあった作物に関する被害補償までは無理でしょうね」
 それにアラゴは軽く息をつき返す。
「どこかで線引きはしねぇと、援助じゃなくただの施しになっちまうからな。とはいえ、かなり厳しいだろうな、このままだと」
「なるほど、状況は分かりました。それで、背中を押して欲しいんですか?」
 どこか茶目っ気を込めて返すトキに、アラゴは笑みを浮かべ応える。
「おう、そりゃな。決断ってもんは、一人でするにゃ寂しいもんよ。時には、誰かに背中を押して欲しい時があるってもんだ。
 もっと色気のある相手だと良いんだけどな。とりあえずお前さんで我慢してやるよ」
「それはどうも。なら、崖に突き落とすつもりで押してあげますよ」
 そこまで言うとトキは、居住まいを正し発破をかけるように続けた。
「ハンターとしてだけでは不可能なことを成し遂げる為に、貴方はクルキャット商連合を作ったのでしょう?
 なら責任があるのです。貴方の望みに賛同した皆に提案する責任が。
 信じましょう。皆は皆、己が意志の元に貴方の元に集まったんですから。違いますか?」
 この言葉に、アラゴは獰猛とさえいえる笑みを浮かべ応える。
「責任は取らなきゃなんねぇよな。良し、気合が入ったってなもんだ。
 ウチは今回の件に関わることにする。被害に遭った村の損失、このままだと取り戻すのは難しいだろうからな。ウチと商売して貰って、お互い儲けて巧くやっていくことにする。
 とりあえず、今回の件で被害にあった村と取り引き出来るルートでも開拓するか。村の特産物で作った商品があれば、それを捌くルートも開拓したいしな。となると、誰を担当にするかだが――」
「なら、うってつけな人達が居ますから、彼らに苦労して貰いましょう。まだ村の後片付けの手伝いで残ってるみたいですし」
「3人組か? ま、あいつらなら使い減りしないしちょうど良いだろ」
「でしょう? では早速」
 トキがそう応え手にした資料をまとめていると、アラゴは続けて言った。
「ああそうそう。渡した資料だが、後でしっかり読み込んでおいてくれよ名探偵。これからも今回のような件があったら、それに関する資料は渡すんでな。しっかり読み込んどいてくれ。また意見を聞くこともあるだろうし」
 この言葉にトキは眉を片方だけ器用に跳ね上げると、肩を竦めながら応えた。
「私の場合は、迷うばかりの迷探偵ですがね。それ以前に、市場調査商会の社員にその肩書は御大層すぎますよ」
「だったら、その重荷を背負えるだけの足腰作っときな。頼りにしてるんだぜ。だから今回、呼んだんだからな」
「でしょうね。覚悟はしてましたよ」

 てなやり取りがあった後、数日前にゴブリンに襲われた村の後片付けをしていた3人組の男達の元に一つの命令書が届きました。中身は、

「村の復興手伝え。具体的には、なんか村の特産物とか使って商品作れ。
 作ったらこっちで捌くルート開拓するから。
 ついでに村の後片づけもよろしく」

 てな内容。これに赤毛・茶髪・黒髪の男たち3人組は口々に、

「横暴だ」
「働きたくないのねん」
「夏休みはいずこ」

 不平不満を口にします。が、自分たち以外にはその場には居ないのですぐに飽きました。そして、

「でもやらんとダメなんだろうな」
「アラゴのオジキ直々の命令だし」
「勤め人の辛さよ」

 諦めてまじめに仕事をするかと思われましたが、

「だが予算がつくみたいだから好きに使うぜ」
「丸投げしようそうしよう」
「それが出来る俺達はきっと勝ち組」

 ダメな中間管理職のような事を口にして、自分達が任された仕事をハンター達に依頼することに決めたのでした。具体的な依頼の内容は、

 ゴブリンの略奪団に襲われ荒れた村の後片付けと、村の特産物であるトマトを作った何らかの商品開発をして欲しい。

 という物でした。
 数日前にゴブリンに襲われた村という事で、万が一残党などが出た時の事も考えて頼まれたこの依頼に、アナタ達は――?

解説

●目的
 ゴブリンに襲われた村の後片付けと、村の特産物であるトマトを使った商品開発。

●村の状況
 村はゴブリン達により荒らされ、すぐにお金に換えられそうな目ぼしい物は無くなっています。

 村の家や倉庫は一部が破壊されていましたが、OP後半に出てきたNPC三人組と、三人組が近隣の村から協力を募り集まった男衆により大半は片付いています。ただ、それでもまだ幾らかは修繕したり、破損した物を集めて燃やしたりしている最中です。
 収穫期にあったトマトは大半がゴブリン達に食い散らかされましたが、収穫にはまだ早かった一部のトマトは無事です。商品開発をするには十分過ぎるほどの量は採れます。

●依頼開始状況
 村の後片付けの協力をしていた近隣の村の男衆が帰り、避難していた村人達が村に戻った所に、依頼を受けたハンター達は訪れた物とします。  
●NPC
 赤毛・黒髪・茶髪の三人組。
 放っとくと依頼したハンター達に仕事を丸投げします。その辺に突っ込みを入れるとぶつくさ言いながらも仕事をします。
 基本使い減りしない奴らなので、こき使っても大丈夫です。

●その他
 PL情報になりますが、依頼ではゴブリンが直近で出た為に万が一残党などが出た時の事も考えて頼まれた依頼ですが、今回のシナリオにおいて敵は一切発生しませんし、戦闘も全く起こりません。

 アドリブがオッケーな方が居られましたら書いて頂ければ幸いです。

 シナリオ情報としては以上です。
 ではゴブリンに荒らされた村の復興を、どうか助けてあげて下さい。

マスターより

敵を倒してそこでお終いではなく、そこから始まるあれやこれやの問題に対応することが日常の戦いだよな、と思ったりします。

朝ではないかもしれませんが、おはようございます。笹村工事と申します。
今回のシナリオは、敵を倒してそこで終わりではなく、そこからも続いて行くんだよな、という事を思い、そこから作りましたシナリオになります。

それでは、今回のシナリオやリプレイなどで少しでも楽しんで頂けるよう願いつつ、失礼致します。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2014/09/10 07:22

参加者一覧

  • がんばりやさん
    ウェスペル・ハーツ(ka1065
    エルフ|10才|男性|魔術師
  • 勝利をもぎ取る強運
    ラルス・コルネリウス(ka1111
    人間(紅)|20才|男性|機導師
  • 大工房
    ソフィア =リリィホルム(ka2383
    ドワーフ|14才|女性|機導師
  • 劫火の軍師
    フェイ(ka2533
    エルフ|17才|女性|魔術師

  • オリヒカ フォリッド(ka2712
    人間(蒼)|24才|男性|機導師

  • ヘル・モハド(ka2810
    ドワーフ|12才|男性|闘狩人

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 復興するよっ
ソフィア =リリィホルム(ka2383
ドワーフ|14才|女性|機導師(アルケミスト)
最終発言
2014/09/04 00:28:58
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2014/09/01 09:40:27