ゲスト
(ka0000)
【空の研究】黄昏の門番
マスター:紺堂 カヤ

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 6~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/06/09 22:00
- リプレイ完成予定
- 2016/06/18 22:00
オープニング
今日は随分、夕焼けが長く続いている、とは村の誰もが思っていた。
だけれども、その夕焼けがあまりに美しく、とろけるような朱だったものだから、ついつい見惚れてしまって、はっきりと「これはおかしい」と気が付いたときにはすでに、月と星が空を支配しているべき時間になっていた。
「黄昏の門番が現れたのだろうかのぅ……」
村の長老たる老婆が、ひっそりと呟いた。
アメリア・マティーナ(kz0179)は夜よりも黒いローブに身を包み、さらにはそのフードを目深にかぶって、夜道を歩いていた。
「いやはや、先日は大変でしたねーえ」
独り言がつい、口を突く。それほどに、先日、研究ノートを奪われた件には苦労をさせられた。ノートを奪った犯人を、手を尽くして追いかけ、捕まえられたはいいものの、青年の友人や両親に、アメリア達の方が不審者扱いをされてしまったのだ。なんとか誤解を解くことはできたものの、ちょっとした騒ぎになってしまって辟易した。
「折角ならあの魔法の手順だけでも試してみたくはあったのですが……、それどころではなくなってしまいましたからねーえ」
またの機会にするとしよう、とアメリアは肩をすくめた。
それよりも、先を急がなければ。まだ夜は浅い時間とはいえ、そろそろ今夜の宿を探さないと、どこの村や町にも入れて貰えなくなってしまうだろう。夜中に宿を求める客は、警戒されることが多い。
「このあたりにひとつ、村があったはずです、が……」
全身に疲労感を覚えつつ、アメリアがまさしく、その村へ入る街道へ足を踏み入れた瞬間。
目の前の夜が、突然終わった。
「おや?」
そこにあったのは、燃えるような夕焼け。
「これはこれは。素晴らしい現象に立ち会えているようですねーえ」
先ほどの疲れもどこへやら。フードの下に隠されたアメリアの瞳が、爛々と輝き始めた。
これは一体どうしたことかとアメリアが村民らしき女性を呼びとめて尋ねた。しかし、その人はアメリアを魔術師と見てとるや、アメリアの質問には答えずに長老である老婆のところへ引っ張って行った。
「黄昏の門番、と呼ばれる伝承があるのですがのう」
老婆は、黒づくめのアメリアにも驚くことなく穏やかに話した。
「夜の訪れを厭うて、太陽を引き留める者が、百年に一度、現れるというてのう。村の西の端に石像もあります。……こんなことになるのは、初めてですがのう」
「太陽を引き留める者、ですか……、しかし、この村の外では太陽はとっくに沈んでいますからねーえ」
ふむ、と顎を引き、アメリアは考え込んだ。しばらく考えてから、フードの下で、唇をはっきりと笑みの形にした。
「長老さま、私はこうした空に関する魔法を研究している者。この現象の解決、私にお任せいただけませんかねーえ」
「よろしいでしょう。お願い致します」
長老が頷くと、アメリアは深々と頭を下げた。
「では長老、もし、その伝承が文書になっているものがあれば、拝見したいのですがねーえ」
長老が古ぼけた革表紙の本を差し出すと、アメリアはとっくりとそれを眺めてうんうん、と嬉しそうに頷いた。
「なるほどなるほど」
「どうにか、なりそうですかのう?」
「はい、おそらくは。ええと、まずですねーえ、ひとつ、お教えいただきたいことが……、村民についてなのですがねーえ」
「村民について?」
長老が不思議そうな顔をした。アメリアは微笑んで頷くと、ああそれと、と思いついたように声を上げた。
「ハンターの方々に協力を頼む必要がありますねーえ。私ひとりではとても無理ですからねーえ」
だけれども、その夕焼けがあまりに美しく、とろけるような朱だったものだから、ついつい見惚れてしまって、はっきりと「これはおかしい」と気が付いたときにはすでに、月と星が空を支配しているべき時間になっていた。
「黄昏の門番が現れたのだろうかのぅ……」
村の長老たる老婆が、ひっそりと呟いた。
アメリア・マティーナ(kz0179)は夜よりも黒いローブに身を包み、さらにはそのフードを目深にかぶって、夜道を歩いていた。
「いやはや、先日は大変でしたねーえ」
独り言がつい、口を突く。それほどに、先日、研究ノートを奪われた件には苦労をさせられた。ノートを奪った犯人を、手を尽くして追いかけ、捕まえられたはいいものの、青年の友人や両親に、アメリア達の方が不審者扱いをされてしまったのだ。なんとか誤解を解くことはできたものの、ちょっとした騒ぎになってしまって辟易した。
「折角ならあの魔法の手順だけでも試してみたくはあったのですが……、それどころではなくなってしまいましたからねーえ」
またの機会にするとしよう、とアメリアは肩をすくめた。
それよりも、先を急がなければ。まだ夜は浅い時間とはいえ、そろそろ今夜の宿を探さないと、どこの村や町にも入れて貰えなくなってしまうだろう。夜中に宿を求める客は、警戒されることが多い。
「このあたりにひとつ、村があったはずです、が……」
全身に疲労感を覚えつつ、アメリアがまさしく、その村へ入る街道へ足を踏み入れた瞬間。
目の前の夜が、突然終わった。
「おや?」
そこにあったのは、燃えるような夕焼け。
「これはこれは。素晴らしい現象に立ち会えているようですねーえ」
先ほどの疲れもどこへやら。フードの下に隠されたアメリアの瞳が、爛々と輝き始めた。
これは一体どうしたことかとアメリアが村民らしき女性を呼びとめて尋ねた。しかし、その人はアメリアを魔術師と見てとるや、アメリアの質問には答えずに長老である老婆のところへ引っ張って行った。
「黄昏の門番、と呼ばれる伝承があるのですがのう」
老婆は、黒づくめのアメリアにも驚くことなく穏やかに話した。
「夜の訪れを厭うて、太陽を引き留める者が、百年に一度、現れるというてのう。村の西の端に石像もあります。……こんなことになるのは、初めてですがのう」
「太陽を引き留める者、ですか……、しかし、この村の外では太陽はとっくに沈んでいますからねーえ」
ふむ、と顎を引き、アメリアは考え込んだ。しばらく考えてから、フードの下で、唇をはっきりと笑みの形にした。
「長老さま、私はこうした空に関する魔法を研究している者。この現象の解決、私にお任せいただけませんかねーえ」
「よろしいでしょう。お願い致します」
長老が頷くと、アメリアは深々と頭を下げた。
「では長老、もし、その伝承が文書になっているものがあれば、拝見したいのですがねーえ」
長老が古ぼけた革表紙の本を差し出すと、アメリアはとっくりとそれを眺めてうんうん、と嬉しそうに頷いた。
「なるほどなるほど」
「どうにか、なりそうですかのう?」
「はい、おそらくは。ええと、まずですねーえ、ひとつ、お教えいただきたいことが……、村民についてなのですがねーえ」
「村民について?」
長老が不思議そうな顔をした。アメリアは微笑んで頷くと、ああそれと、と思いついたように声を上げた。
「ハンターの方々に協力を頼む必要がありますねーえ。私ひとりではとても無理ですからねーえ」
解説
■成功条件
アメリアとともに「黄昏の魔法」の調査をし、夕焼けが終わらない原因をつきとめる。
■黄昏の魔法について(アメリアより)
「この魔法、おそらくは幻術の一種だと思いますねーえ。伝承の書かれた文献をざっとみたところ、村の西にある石像がマジックアイテムであることは間違いなさそうですねーえ。しかし、石像だけではダメです。意図的であるのか偶然なのかはわかりませんが、誰かが石像に働きかけなければ魔法は発動しませんからねーえ。
長老から聞いたところによると、なんでも、石像を毎日磨いている娘がいるそうでして。その娘がなんらかかかわっているのではないかと、思うのですがねーえ。
石像を調べること、その娘に話を訊きに行くこと、がひとまず私のプランなのですが、何か皆さんのアイディアがあればそれも参考にさせていただきたいところですねーえ。何か呪文のようなものも存在するのだと思うのですが……」
■石像
村の最西端に建てられている。建てられた年代、由来については不明。鎧をつけた男性の姿をしており、胸のあたりに赤い石が埋め込まれている。
何か特殊な仕掛けがあるかどうかについては知るものがおらず、要調査。
■石像を磨く娘
村の西はずれに両親と妹の家族四人で暮らしている。
心優しい娘だが気弱でもあり、はっきりと「No」と言えない性格。
家の近くに建っている石像に幼いころから親しみを持っており、妹と共に毎日磨いている。
歌が好きで、とても良い声を持っている。
ここのところ、妹が悪夢にうなされているらしく、妹以上に悩んでいるようである。
アメリアとともに「黄昏の魔法」の調査をし、夕焼けが終わらない原因をつきとめる。
■黄昏の魔法について(アメリアより)
「この魔法、おそらくは幻術の一種だと思いますねーえ。伝承の書かれた文献をざっとみたところ、村の西にある石像がマジックアイテムであることは間違いなさそうですねーえ。しかし、石像だけではダメです。意図的であるのか偶然なのかはわかりませんが、誰かが石像に働きかけなければ魔法は発動しませんからねーえ。
長老から聞いたところによると、なんでも、石像を毎日磨いている娘がいるそうでして。その娘がなんらかかかわっているのではないかと、思うのですがねーえ。
石像を調べること、その娘に話を訊きに行くこと、がひとまず私のプランなのですが、何か皆さんのアイディアがあればそれも参考にさせていただきたいところですねーえ。何か呪文のようなものも存在するのだと思うのですが……」
■石像
村の最西端に建てられている。建てられた年代、由来については不明。鎧をつけた男性の姿をしており、胸のあたりに赤い石が埋め込まれている。
何か特殊な仕掛けがあるかどうかについては知るものがおらず、要調査。
■石像を磨く娘
村の西はずれに両親と妹の家族四人で暮らしている。
心優しい娘だが気弱でもあり、はっきりと「No」と言えない性格。
家の近くに建っている石像に幼いころから親しみを持っており、妹と共に毎日磨いている。
歌が好きで、とても良い声を持っている。
ここのところ、妹が悪夢にうなされているらしく、妹以上に悩んでいるようである。
マスターより
夕焼けは大好きなので、ずっと続けばいいのに、と思ったこともありますが、それが本当になってしまうと実際のところ困るでしょうねえ。
さて。
アメリアの調査にご協力願います!
彼女は、話は下手ではありませんが、なんせ真っ黒ローブにあの口調ですから、村の人とのコミュニケーションを特に助けて貰えたらと思います。
石像をどう調べるのか、娘に何を聞き出すのか……。いろんな意見をお待ちしております。
さて。
アメリアの調査にご協力願います!
彼女は、話は下手ではありませんが、なんせ真っ黒ローブにあの口調ですから、村の人とのコミュニケーションを特に助けて貰えたらと思います。
石像をどう調べるのか、娘に何を聞き出すのか……。いろんな意見をお待ちしております。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/06/17 05:59
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 雨を告げる鳥(ka6258) エルフ|14才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2016/06/09 20:36:22 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/06/07 09:55:56 |