ゲスト
(ka0000)
【詩天】冷渓の香散見草
マスター:鷹羽柊架

- シナリオ形態
- シリーズ(新規)
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,300
- 参加制限
- LV1~LV20
- 参加人数
- 現在10人 / 4~10人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/06/11 19:00
- リプレイ完成予定
- 2016/06/20 19:00
オープニング
東方は詩天という土地に首都警備隊が発足された。
局長の江邨雄介と副局長の前沢恭吾の下へ志をもった剣士達が集まっていく。
通称、「即疾隊」と呼ばれる組織だ。
少しずつ、人数も集まりつつあったところ、一人の青年が即疾隊の門戸を叩いた。
面接をした前沢は心の中で「ほぉ」と、感嘆の声を呟く。
年のころは十代半ばか後半か。まだ若い青年。前髪を長く垂らし、左目、頬まで隠れている。
きちんと後ろ髪は結わえており、身だしなみもきちんとしていた。
己を誇示する無駄な口数や自慢は無く、静かな佇まいは元武士かと前沢は予想を立てる。
「名は」
前沢が尋ねると、青年は一呼吸置いて口を開く。
「壬生和彦です」
その口調は年齢にそぐわない落ち着きと、どこか疲れが含んでいた。
和彦は入隊を認められ、先輩隊士達に稽古に呼び出された。
「よし、いつでもこい」
竹刀を手にし、先輩剣士が和彦と対する。
身体を動かせる稽古になると、道場の辺りから活気が出てくる。
和彦は先輩隊士に目を合わせて、真剣な表情で竹刀を向けた。
軽く蹴るように進んだ和彦は素早く先輩隊士の竹刀へと当てる。
乾いた音は軽い衝撃のように聞こえるが、受けた先輩隊士は予想より重い打ち込みに目を見張った。
その隙を逃さなかった和彦は先輩隊士の胴を目掛け、素早く竹刀を打ち付ける。
あっという間に打ち込まれた竹刀の筋が見えた隊士は数少なかった。
胴着だけはつけている状態であったが、大柄の先輩隊士が身体を大きく揺らし、床に膝をつく。
ものの数分で和彦の実力は群を抜き、相当な使い手であることを隊員達が知らしめた。
しかし、この青年はどこか一歩踏み入れないところがある。
浪人であれば、一歩踏み入れさせない事柄のひとつは抱えているので、皆気にはしていない。
田舎剣士や浪人にある腕自慢や仕事にありつけないからの乱暴な振る舞いなどは無く、明朗にして丁寧な態度の和彦に隊士達は一目を置くようになって行く。
先輩隊士達とも打ち解けた和彦は他の隊士達と一緒に見回りへと向かう。
街の復興はまだ途中で、どこか寂しいところが見受けられる。
「即疾隊だ……」
街にいる者達が即疾隊の隊士達が着用している鉢金を見て、女が子供に「こっち、入って」と声をかけて建物の中へと入ってしまう。
男達は警戒を解かずに建物に張り付くように道を空けている。
「この間、蕎麦屋の大将が浪人に難癖つけられた時に丁度即疾隊が現れてさ……」
「見た見た、店の卓を壊すほどの乱闘をしたってな……」
「助けてやったからとはいえ、あれはないよなぁ……」
店屋の中にいた者達がぼそぼそと話をしており、その会話が途切れ途切れであるが、和彦の耳に届く。
首都警備隊の名を持っているとはいえ、実情は浪人や田舎剣士の寄せ集めである。
隊士達は即疾隊の名を高々に掲げては高圧的な態度を取っていた。
そんな隊士達に町の人々はよく思うはずもなく、悪評ばかりが昇っていくばかり。
和彦は「仲間内だと気がいい人達なんだけど……」と少し複雑そうな様子で一歩離れて眺めていた。
それから程なくして、和彦は局長と副局長に呼ばれた。
和彦が呼ばれる前日、局長と副局長は揃って出かけており、戻ってきた時はとても神妙な顔つきだったという話を他の隊士達より言われてしまう。
どんな用件なのかと顔をしかめて二人の前に参じた。
「……失踪事件……ですか」
両の目を瞬かせ、左目を隠す前髪を揺らしつつも、和彦は二人の話に集中する。
「そうだ。街の浪人だけじゃない、身元がしっかりしている若者も姿をくらましているようなのだ」
副局長の前沢の言葉に和彦は目を細め、耳を傾けた。
行く当ても定かではない浪人が消えるということはよくあること。
しかし、まだ未確定情報であれど、この詩天で「身元がしっかりしている者」の失踪というのは事件性を感じざるを得ない。
失踪者が裕福な家の者であれば、金に困った者が金品目的で誘拐の可能性も出てくる。
「それは予兆はあったのでしょうか?」
和彦の言葉に前沢は首を横に振る。
「それもわからないから、こちらに降りてきたのだ」
前沢も江邨も困っているようであり、和彦はどうしたものかと眉を八の字にしてしまう。
一番の問題は和彦も理解している。
こういった失踪事件に関しては、人の力が大事だ。
即疾隊の評判は低空を滑るばかりであり、果たして人々が協力してもらえるだろうか。
「お前が心配していることだが、今回はハンターに助力を願うことにした」
和彦の心配事を見通しているといわんばかりの江邨が助け舟を出す。
「……噂には聞きますが……」
「得体に関しちゃ、俺らもハンターも変わらねぇよ。他の隊士達は見回りの強化に当たってもらうからな、人手が足りねぇ」
あっさりと言い切った江邨に和彦はそれもそうかと納得してしまう。
この詩天ではハンターというものはまだ介入してはいないと思われる。
即疾隊と同様にハンターがどんな存在かは市中の人間にはまだわからないからだ。
実際に、即疾隊の者達は自身の行いで首を絞めてしまっているが、ハンターの信頼はまだまっさら。
「お前さんがハンター達と宜しくやってくれよ」
ひらひらと手を振る江邨に和彦は珍しくというか、即疾隊に入ってから初めてすっとんきょうな声を上げた。
和彦の様子に江邨も前沢も珍しい反応が返ってきたと思いつつ、前沢は言葉を繋げる。
「ハンターにも仮入隊という事で入ってもらう。お前は調査と共に、ハンター達と共に見回りと若峰の案内をしてもらう」
「……わかりました」
少し肩を落としたような様子の和彦は素直に従った。
局長の江邨雄介と副局長の前沢恭吾の下へ志をもった剣士達が集まっていく。
通称、「即疾隊」と呼ばれる組織だ。
少しずつ、人数も集まりつつあったところ、一人の青年が即疾隊の門戸を叩いた。
面接をした前沢は心の中で「ほぉ」と、感嘆の声を呟く。
年のころは十代半ばか後半か。まだ若い青年。前髪を長く垂らし、左目、頬まで隠れている。
きちんと後ろ髪は結わえており、身だしなみもきちんとしていた。
己を誇示する無駄な口数や自慢は無く、静かな佇まいは元武士かと前沢は予想を立てる。
「名は」
前沢が尋ねると、青年は一呼吸置いて口を開く。
「壬生和彦です」
その口調は年齢にそぐわない落ち着きと、どこか疲れが含んでいた。
和彦は入隊を認められ、先輩隊士達に稽古に呼び出された。
「よし、いつでもこい」
竹刀を手にし、先輩剣士が和彦と対する。
身体を動かせる稽古になると、道場の辺りから活気が出てくる。
和彦は先輩隊士に目を合わせて、真剣な表情で竹刀を向けた。
軽く蹴るように進んだ和彦は素早く先輩隊士の竹刀へと当てる。
乾いた音は軽い衝撃のように聞こえるが、受けた先輩隊士は予想より重い打ち込みに目を見張った。
その隙を逃さなかった和彦は先輩隊士の胴を目掛け、素早く竹刀を打ち付ける。
あっという間に打ち込まれた竹刀の筋が見えた隊士は数少なかった。
胴着だけはつけている状態であったが、大柄の先輩隊士が身体を大きく揺らし、床に膝をつく。
ものの数分で和彦の実力は群を抜き、相当な使い手であることを隊員達が知らしめた。
しかし、この青年はどこか一歩踏み入れないところがある。
浪人であれば、一歩踏み入れさせない事柄のひとつは抱えているので、皆気にはしていない。
田舎剣士や浪人にある腕自慢や仕事にありつけないからの乱暴な振る舞いなどは無く、明朗にして丁寧な態度の和彦に隊士達は一目を置くようになって行く。
先輩隊士達とも打ち解けた和彦は他の隊士達と一緒に見回りへと向かう。
街の復興はまだ途中で、どこか寂しいところが見受けられる。
「即疾隊だ……」
街にいる者達が即疾隊の隊士達が着用している鉢金を見て、女が子供に「こっち、入って」と声をかけて建物の中へと入ってしまう。
男達は警戒を解かずに建物に張り付くように道を空けている。
「この間、蕎麦屋の大将が浪人に難癖つけられた時に丁度即疾隊が現れてさ……」
「見た見た、店の卓を壊すほどの乱闘をしたってな……」
「助けてやったからとはいえ、あれはないよなぁ……」
店屋の中にいた者達がぼそぼそと話をしており、その会話が途切れ途切れであるが、和彦の耳に届く。
首都警備隊の名を持っているとはいえ、実情は浪人や田舎剣士の寄せ集めである。
隊士達は即疾隊の名を高々に掲げては高圧的な態度を取っていた。
そんな隊士達に町の人々はよく思うはずもなく、悪評ばかりが昇っていくばかり。
和彦は「仲間内だと気がいい人達なんだけど……」と少し複雑そうな様子で一歩離れて眺めていた。
それから程なくして、和彦は局長と副局長に呼ばれた。
和彦が呼ばれる前日、局長と副局長は揃って出かけており、戻ってきた時はとても神妙な顔つきだったという話を他の隊士達より言われてしまう。
どんな用件なのかと顔をしかめて二人の前に参じた。
「……失踪事件……ですか」
両の目を瞬かせ、左目を隠す前髪を揺らしつつも、和彦は二人の話に集中する。
「そうだ。街の浪人だけじゃない、身元がしっかりしている若者も姿をくらましているようなのだ」
副局長の前沢の言葉に和彦は目を細め、耳を傾けた。
行く当ても定かではない浪人が消えるということはよくあること。
しかし、まだ未確定情報であれど、この詩天で「身元がしっかりしている者」の失踪というのは事件性を感じざるを得ない。
失踪者が裕福な家の者であれば、金に困った者が金品目的で誘拐の可能性も出てくる。
「それは予兆はあったのでしょうか?」
和彦の言葉に前沢は首を横に振る。
「それもわからないから、こちらに降りてきたのだ」
前沢も江邨も困っているようであり、和彦はどうしたものかと眉を八の字にしてしまう。
一番の問題は和彦も理解している。
こういった失踪事件に関しては、人の力が大事だ。
即疾隊の評判は低空を滑るばかりであり、果たして人々が協力してもらえるだろうか。
「お前が心配していることだが、今回はハンターに助力を願うことにした」
和彦の心配事を見通しているといわんばかりの江邨が助け舟を出す。
「……噂には聞きますが……」
「得体に関しちゃ、俺らもハンターも変わらねぇよ。他の隊士達は見回りの強化に当たってもらうからな、人手が足りねぇ」
あっさりと言い切った江邨に和彦はそれもそうかと納得してしまう。
この詩天ではハンターというものはまだ介入してはいないと思われる。
即疾隊と同様にハンターがどんな存在かは市中の人間にはまだわからないからだ。
実際に、即疾隊の者達は自身の行いで首を絞めてしまっているが、ハンターの信頼はまだまっさら。
「お前さんがハンター達と宜しくやってくれよ」
ひらひらと手を振る江邨に和彦は珍しくというか、即疾隊に入ってから初めてすっとんきょうな声を上げた。
和彦の様子に江邨も前沢も珍しい反応が返ってきたと思いつつ、前沢は言葉を繋げる。
「ハンターにも仮入隊という事で入ってもらう。お前は調査と共に、ハンター達と共に見回りと若峰の案内をしてもらう」
「……わかりました」
少し肩を落としたような様子の和彦は素直に従った。
解説
依頼内容
若峰に起きている失踪事件を追え
ハンターの皆様は即疾隊の依頼に応じて詩天が州都「若峰(わかみね)」へ向かっていただきます。
即疾隊新人隊士である壬生和彦とともに失踪事件に携わることになります。
皆様は仮入隊ということで、即疾隊に入って頂きます。
女性ハンターの入隊も可能です。
現在分かっているのは、若い者や浪人が消えているということ。
消えた場所は一箇所なのか、複数箇所なのかもまだ分かりません。
皆様は和彦と共に市中に出て、若峰を歩き、事件の聞き込みをお願いします。
聞き込みは街の茶店をはじめ、食堂や飲み屋、屋台。
番所(現実でいうところの交番であり、即疾隊とは別の部署です)
などなど、ハンターの皆様が行こうと思いましたところへ聞き込みをしましょう。
ですが、場所によっては入れない場所や乱闘となる可能性もあります。
即疾隊は態度の悪さで評を得ており、街の皆さんの信頼度はありません。
今回、ハンターの皆様は即疾隊の関係者とみなされます。
聞き込みで評判を落とすようなことがあれば今後の動きに支障が出ます。
即疾隊について
首都警備隊の通称です。
現在は二十人余りの隊員がおります。
規律は厳しいです。
今回は壬生和彦(みぶ・かずひこ)という新人隊士が皆様に同行いたします。
◆今回のシリーズは全三回となります。
20レベルまでのハンターが参加できます。
プレイングを出さずに出発の時間を迎えますと、白紙提出と見なされます。
リプレイには一切お名前も出ませんので御注意願います。
■テンプレート
【心情】依頼への意気込み等
【準備】作戦の概要、その準備
【行動】どこで何をするのか
【その他】NPCに語り掛けたいことや依頼が終わったら何をしたいか、気になってること等。
今回の依頼の推理を入れるのもよいと思います。
【心情】か【その他】の項目に書き加えると良いでしょう。
プレイングはPC様の口調で書かれることをお奨めします。
若峰に起きている失踪事件を追え
ハンターの皆様は即疾隊の依頼に応じて詩天が州都「若峰(わかみね)」へ向かっていただきます。
即疾隊新人隊士である壬生和彦とともに失踪事件に携わることになります。
皆様は仮入隊ということで、即疾隊に入って頂きます。
女性ハンターの入隊も可能です。
現在分かっているのは、若い者や浪人が消えているということ。
消えた場所は一箇所なのか、複数箇所なのかもまだ分かりません。
皆様は和彦と共に市中に出て、若峰を歩き、事件の聞き込みをお願いします。
聞き込みは街の茶店をはじめ、食堂や飲み屋、屋台。
番所(現実でいうところの交番であり、即疾隊とは別の部署です)
などなど、ハンターの皆様が行こうと思いましたところへ聞き込みをしましょう。
ですが、場所によっては入れない場所や乱闘となる可能性もあります。
即疾隊は態度の悪さで評を得ており、街の皆さんの信頼度はありません。
今回、ハンターの皆様は即疾隊の関係者とみなされます。
聞き込みで評判を落とすようなことがあれば今後の動きに支障が出ます。
即疾隊について
首都警備隊の通称です。
現在は二十人余りの隊員がおります。
規律は厳しいです。
今回は壬生和彦(みぶ・かずひこ)という新人隊士が皆様に同行いたします。
◆今回のシリーズは全三回となります。
20レベルまでのハンターが参加できます。
プレイングを出さずに出発の時間を迎えますと、白紙提出と見なされます。
リプレイには一切お名前も出ませんので御注意願います。
■テンプレート
【心情】依頼への意気込み等
【準備】作戦の概要、その準備
【行動】どこで何をするのか
【その他】NPCに語り掛けたいことや依頼が終わったら何をしたいか、気になってること等。
今回の依頼の推理を入れるのもよいと思います。
【心情】か【その他】の項目に書き加えると良いでしょう。
プレイングはPC様の口調で書かれることをお奨めします。
マスターより
お世話になります。
鷹羽柊架(たかば・しゅうか)と申します。
この度、発足された即疾隊の事件を担当いたします。
解説にも申し上げましたとおり、今回は20レベル以下のハンター様のみ御参加できるシリーズシナリオとなります。
調査シナリオですが、WTRPGをはじめたばかりの初心者の方でもお気軽に御参加頂けたらと存じます。
詩天は若峰で起きた事件の調査のお手伝いと即疾隊の地位向上へのご助力頂けるよう、お願い申し上げます。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/06/16 20:53
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/06/07 01:46:46 |
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相談卓 本多 七葵(ka4740) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|男性|舞刀士(ソードダンサー) |
最終発言 2016/06/11 15:03:19 |