• 詩天
  • 戦闘

【詩天】流浪の侍

マスター:赤山優牙

このシナリオは5日間納期が延長されています。

シナリオ形態
ショート
難易度
やや難しい
参加費
1,000
参加人数
現在7人 / 4~7人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2016/06/12 07:30
リプレイ完成予定
2016/06/26 07:30

オープニング

●詩天に至るある街道にて
 ある商人が必死になって街道を走る。
 命あってのなんたらと言うが、まさしく、その通り。
 荷車を引いていた馬には悪いが、突如、襲い掛かってきた雑魔から、馬を置いて逃げている最中なのだ。
「な、なんで、こ、こんな街道に、雑魔が!」
 転びそうになるのを耐えて走る。
 商人は天ノ都から詩天と呼ばれる地方へと商品を運んでいた。
 東方が歪虚王獄炎から解放されて、少しは安全になったはずであるのにも関わらず、詩天に向かう街道の一つで雑魔が出現したのだ。
「や、やっぱり、呪われた土地なんだ」
 そんな言葉を口走りながら振り返る。
 馬を平らげた雑魔が迫っていた。
 牛の頭を持つ巨人のような姿をしているそれは、心が凍えそうになるような叫び声をあげていた。
「お、お助け~!」
 商人は身を持って知る事になる。
 詩天が一部の者達に忌み嫌われている事を――死天と呼ばれる事を――。

●天ノ都
 順調かどうかはさておき、都の復興は止まる事なく続いている。
 そんな都のある一角でちょっとした騒ぎが起こっていた。
「俺らが越地家の者と知っての事か!?」
 如何にもガラが悪そうな男が数名で、若い娘を囲んでいた。
 少し暑い日なので打ち水をしていた女性が誤って男の足元に水を撒いてしまったからだ。
「そ、そんな事はございません。お許し下さい」
 必死に頭を下げる女性を庇うように別の女性が姿を現す。
「うちのもんが不手際して申し訳のうございます」
 娘が働く飯屋の女将であった。
 越地家の者と名乗った男達はニタニタとした顔で近寄って言った。
「おうおう。どうしてくれるんだ。これはなぁ、高かった草履なんだぞ」
「誠に申し訳ございません」
「謝って済むってもんでもねぇんだよ!」
 威圧するような男達の態度に回りで様子を見守っていた野次馬も静まる。
「なんだったら、そこのむす……い、いだだだだ!」
 娘を差した指が、突如と現れた侍によって天を向き、しまいには自身に指先を向けられた。
 慌てて手を払うと涙目になりながら突然現れた侍に叫ぶ。
「なんだてめぇは!」
「……この店の常連だ」
 侍はボロボロの袴姿だった。灰色の長い髪はボサボサに広がり、黒い瞳で男達をぼんやりと眺めている。
 腰には飾りっ気が全くない鞘を差していた。
「ふざけんな!」
 柄の悪い男が刀を抜いて上段に構えた。
 野次馬から悲鳴やらなにやら叫び声が上がる。
「侍のにぃちゃんよ! 痛い目みーや!」
 振り降ろされる刀。
 だが、次の瞬間、痛い目を見たのは柄の悪い男だった。
 侍が目にも止まらぬ速さで男を地面に叩き伏せたのだ。
「こう見えて、私は三十路を過ぎているのだが……侮辱もいい所ですね」
 刀を鞘ごと手に取った侍が男を見下ろす視線は冷たく、恐怖を感じて柄の悪い男共は捨て台詞を吐きながら逃げていった。

●流浪の侍
「タチバナさん、ありがとうございます」
 騒動が終わって女将が侍に感謝を伝えた。
 タチバナという名の侍は、静かに頷くと優しげな微笑みを湛えながら、店の中に入っていった。
 様子を見守っていた野次馬が女将に話し掛けてきた。
「いやー。女将、どうなるかとヒヤヒヤしやしたぜ」
「あんた、見てたのに助けに来ないとか、良い度胸だね」
 苦笑を浮かべて応える女将。
「いや、俺も、俺もね。いこーと思ったよ。けどよ、タチバナさんが行ったからよぉ。ここは、余計な真似しちゃいけないと思って」
「そりゃ、あんたじゃ、タチバナさんの足手纏いが良い所だ」
「だろ? それにしても、いつになったら仕官先見つかるのか。タチバナさん、ボーっとしている時が多いからなー」
 店の中を覗き込みながら野次馬が言った。
 タチバナという侍は、畳に腰を降ろし、店の娘が持ってきたお茶に手を伸ばして――熱かったのか、口につける前にそっと戻す。
「あんたと違って、タチバナさんは良い男なんだけどねー」
 謎の多い侍である事は確かだ。
 分かっているのは、仕官先を探している流浪の侍であるという事。刀の腕は計り知れないという事。年齢不詳な所。そして、整えれば絶世のイケメンであろう事。
「そういや、タチバナさんの刀の腕を見込んで、仕事を頼みたいっていう人が居たんだった」
 野次馬は用事を思い出し、かけうどんを待つ侍へと話し掛ける為に、店の中へと入ったのであった。

解説

私は依頼主ではないのですが、ハンターの皆さんと同行する『タチバナ』と申します。よろしくお願いする。
さて、私達の仕事は、依頼主のあるお方が詩天地方へ商いに行く予定がある為に、街道に出没した雑魔を討伐する事です。
雑魔の詳細は分かりませんが、牛の頭を持つ巨人の様な姿をしているらしいです。ただ、私達であれば無難なく倒せると思います。
もちろん、私も一緒に戦います。皆さんの足を引っ張るような事はしないですので。

雑魔を退治した後、周辺に雑魔が残っていないか確認する必要があります。
もし、可能であれば、雑魔が出現した理由も探れれば、依頼主が安心して商いに行けると思うのですが……。

私は侍で、フィールドワークが苦手です。
できれば皆さんのお力をお借りしたい所ではありますので、ご協力をよろしく頼みます。

雑魔がいる街道を中心に、周辺には、『林』『川』『草原』『湿地』『荒地』『茶屋』とあるようです。
どこをどの様に調査するかという指針も、その為の実力も大事だと思います。

――――――――――――――――――――――――――――――
●補足(探索について)
どこをどの様に調査するかによって判定に必要な能力値、有利な修正になる一般スキルやプレイング内容が違ってきますので、ご注意下さい

●補足(NPCについて)
タチバナ
年齢不詳(三十路は越えているらしい)の流浪の侍で、刀の腕は一流との事
ハンター達と同行しますが、指定がなければ勝手に動きます

●補足(雑魔について)
牛の頭を持つ巨人の様な姿をしている(サイズ2相当)
武器は特に持っていない様子だが、なにかしらの特殊能力は持っている様子だが詳細不明

マスターより

●挨拶
【詩天】連動開始です! 20レベル以上でも関わりたい! という方、ご参加お待ちしております。
もちろん、20レベルに達していない方のご参加も大歓迎です。

●攻略のヒント
雑魔の討伐は必須として、探索で何をどの様に調査するのかという視点は必要だと思います。
色々と手を伸ばしてしまうと中途半端になりがちですので、ご注意して下さい。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2016/06/20 06:06

参加者一覧

  • 征夷大将軍の正室
    天竜寺 詩(ka0396
    人間(蒼)|18才|女性|聖導士
  • 光森の太陽
    チョココ(ka2449
    エルフ|10才|女性|魔術師
  • 大地の救済者
    仁川 リア(ka3483
    人間(紅)|16才|男性|疾影士
  • Centuria
    和泉 澪(ka4070
    人間(蒼)|19才|女性|疾影士
  • フリーデリーケの旦那様
    アルマ・A・エインズワース(ka4901
    エルフ|26才|男性|機導師
  • 律する心
    皆守 恭也(ka5378
    人間(紅)|27才|男性|舞刀士
  • 招雷鬼
    閏(ka5673
    鬼|34才|男性|符術師
依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/06/07 18:15:59
アイコン 相談卓
仁川 リア(ka3483
人間(クリムゾンウェスト)|16才|男性|疾影士(ストライダー)
最終発言
2016/06/11 16:09:05