ゲスト
(ka0000)
あの日の思いを胸に刻んで
マスター:芹沢かずい

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- サポート
- 現在0人 / 0~3人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/06/15 22:00
- リプレイ完成予定
- 2016/06/24 22:00
オープニング
●
王国に迫っていた危機——ベリト襲来。王国は、ベリトと、彼女が率いていた歪虚の軍勢を退けた。
数多のハンターの命を賭した戦いがあった。軍勢を迎え撃つ者、城壁を護る者。王国の中心ならずとも、巡礼路においても戦いはあった。
その中の一つ。田舎の、最近では通過点としてのみ存在しているような、小さな田舎の教会で起こった事件だ。
それは、何の前触れもなく訪れた。
普段ならば聞こえてくる筈の、子供たちの楽しそうな声と、穏やかな老司教の声。それが聞こえなくなって数日。
不審に思った近隣の村人と、彼らに要請されたハンター達を出迎えたのは、継ぎ接ぎだらけの顔をして、流暢に話をする歪虚。歪な顔には不釣り合いな、純白の翼までをも背に負って。
この歪虚が原因だった。教会に寝泊まりしていた老司教と、身寄りを無くした子供たちの命を奪い、堕落者として操っていたのだ。
さらに歪虚は森に棲まう動物達を雑魔化させ、ハンター達を襲わせたのだ。
ハンター達は素晴らしい連携で雑魔・堕落者を倒して行った。そのことに慎重にならざるを得ないと判断したのか、或いはヤツが狡猾だったのか。……堕落者と雑魔の掃討はできたものの、元凶の『継ぎ接ぎ』には逃亡を許してしまった。かなりのダメージを与えたことは間違いないのだが、何事かを喚きながら教会の後ろ、断崖絶壁に吸い込まれるようにして落ちて行った。
その消息は、不明。……やりきれない思いだけが、ハンター達の心にひっそりとわだかまる。
●
『くっ……くふふふ……っ……』
闇の深淵に身を置き、未だ現世との繋がりを維持している『それ』。
少し前、ハンターや王国騎士団、聖堂戦士団が命を賭して発動させた法術陣は、巡礼路であるこの場所でも遺憾なくその力を発揮した。
『アレの直撃を避けられたのも……あのお方のご加護があってこそ……。まぁ、わたくしがあの程度で滅びることはないと思いますがね』
呟く声は、忌々しいあの継ぎ接ぎの天使。翼は片方が根元近くまで消え去り、片足も半ば程まで無いのだが、ヤツにとってはそれほど気にするものでもないらしい。
それよりも、自分をこんな姿に追いつめてくれたハンター達への怒りの方が大きかった。
『……あのお方のお力になるのがわたくしの役目……。新たにこちらの戦力を増やし、それからあのお方の元に帰りましょう……』
ベリトの目的を知ってか知らずか、『継ぎ接ぎ』はここに居続けていた。ここが巡礼路の一つであることに変わりはない。とすれば、いずれ人間がやって来る。……壊れかけの教会を建て直すためか、或いは先の事件で死んだ者たちを弔いに来るか……。そこが狙いだった。
●
少しばかり険しい山道を抜け、開けた場所に出る。鬱蒼とした茂みを抜けた先には、広場と呼べるような場所があった。事件を知る者にとっては、忘れ難い因縁の場所。
「少し時間が経ってしまったが……ここで亡くなられた司教様たちの御霊が救われるよう……少しでも我々で出来ることをしよう……」
声を詰まらせ、絞り出すように話すのは、この地に新たにやってきた司教。後ろで、手伝いにやって来た村人数人が沈痛な面持ちで頷いている。
「さあ、そんな辛気くさい顔をしていたんじゃ、死んでった奴らも心配で浮かばれないぞ。俺たちはここから始めるんだ! 全てを、新たな気持ちでな!」
最後尾についてきていたハンターの一人が、皆を励ますように声を上げた。
そう、今、自分たちは生きている。壮絶な戦いを乗り越え、多くの犠牲の上に立ってはいるが、これからどう生きるか。それが、今を生きる自分たちに与えられた試練とも言うべきもの。
「……ああ、そうだな」
静かに、村人も同意を示し、己の手を強く握り締める。
——その時。
風が吹いた。
黒くわだかまる『何か』を纏うような、不気味な風だった。
『!』
ハンター達が一斉に身構える。……彼らが見据える先は、教会の屋根の上。
そこに、『それ』は居た。
破れた翼を広げ、片足は半ばまでしかない。それでもその顔は、歪んだその継ぎ接ぎは、口角を異様なまでにつり上げて笑みの形を作っていた。
『お待ちしておりました……』
厳かな口調で、彼らを迎える『それ』は、羽織った白い外套の汚れもそのままに、ばさあぁっ、と広げる。
そしてやはり、周辺の森から現れる動物型の雑魔たち。テスカ教の頂点に近い場所に立つのに相応しく、小振りながらも純白の翼を背に負っている。
『さあっ! 今からでも遅くはないのです! これまでの行いを悔い改め、共に安寧の地へと旅立ちましょう!』
王国に迫っていた危機——ベリト襲来。王国は、ベリトと、彼女が率いていた歪虚の軍勢を退けた。
数多のハンターの命を賭した戦いがあった。軍勢を迎え撃つ者、城壁を護る者。王国の中心ならずとも、巡礼路においても戦いはあった。
その中の一つ。田舎の、最近では通過点としてのみ存在しているような、小さな田舎の教会で起こった事件だ。
それは、何の前触れもなく訪れた。
普段ならば聞こえてくる筈の、子供たちの楽しそうな声と、穏やかな老司教の声。それが聞こえなくなって数日。
不審に思った近隣の村人と、彼らに要請されたハンター達を出迎えたのは、継ぎ接ぎだらけの顔をして、流暢に話をする歪虚。歪な顔には不釣り合いな、純白の翼までをも背に負って。
この歪虚が原因だった。教会に寝泊まりしていた老司教と、身寄りを無くした子供たちの命を奪い、堕落者として操っていたのだ。
さらに歪虚は森に棲まう動物達を雑魔化させ、ハンター達を襲わせたのだ。
ハンター達は素晴らしい連携で雑魔・堕落者を倒して行った。そのことに慎重にならざるを得ないと判断したのか、或いはヤツが狡猾だったのか。……堕落者と雑魔の掃討はできたものの、元凶の『継ぎ接ぎ』には逃亡を許してしまった。かなりのダメージを与えたことは間違いないのだが、何事かを喚きながら教会の後ろ、断崖絶壁に吸い込まれるようにして落ちて行った。
その消息は、不明。……やりきれない思いだけが、ハンター達の心にひっそりとわだかまる。
●
『くっ……くふふふ……っ……』
闇の深淵に身を置き、未だ現世との繋がりを維持している『それ』。
少し前、ハンターや王国騎士団、聖堂戦士団が命を賭して発動させた法術陣は、巡礼路であるこの場所でも遺憾なくその力を発揮した。
『アレの直撃を避けられたのも……あのお方のご加護があってこそ……。まぁ、わたくしがあの程度で滅びることはないと思いますがね』
呟く声は、忌々しいあの継ぎ接ぎの天使。翼は片方が根元近くまで消え去り、片足も半ば程まで無いのだが、ヤツにとってはそれほど気にするものでもないらしい。
それよりも、自分をこんな姿に追いつめてくれたハンター達への怒りの方が大きかった。
『……あのお方のお力になるのがわたくしの役目……。新たにこちらの戦力を増やし、それからあのお方の元に帰りましょう……』
ベリトの目的を知ってか知らずか、『継ぎ接ぎ』はここに居続けていた。ここが巡礼路の一つであることに変わりはない。とすれば、いずれ人間がやって来る。……壊れかけの教会を建て直すためか、或いは先の事件で死んだ者たちを弔いに来るか……。そこが狙いだった。
●
少しばかり険しい山道を抜け、開けた場所に出る。鬱蒼とした茂みを抜けた先には、広場と呼べるような場所があった。事件を知る者にとっては、忘れ難い因縁の場所。
「少し時間が経ってしまったが……ここで亡くなられた司教様たちの御霊が救われるよう……少しでも我々で出来ることをしよう……」
声を詰まらせ、絞り出すように話すのは、この地に新たにやってきた司教。後ろで、手伝いにやって来た村人数人が沈痛な面持ちで頷いている。
「さあ、そんな辛気くさい顔をしていたんじゃ、死んでった奴らも心配で浮かばれないぞ。俺たちはここから始めるんだ! 全てを、新たな気持ちでな!」
最後尾についてきていたハンターの一人が、皆を励ますように声を上げた。
そう、今、自分たちは生きている。壮絶な戦いを乗り越え、多くの犠牲の上に立ってはいるが、これからどう生きるか。それが、今を生きる自分たちに与えられた試練とも言うべきもの。
「……ああ、そうだな」
静かに、村人も同意を示し、己の手を強く握り締める。
——その時。
風が吹いた。
黒くわだかまる『何か』を纏うような、不気味な風だった。
『!』
ハンター達が一斉に身構える。……彼らが見据える先は、教会の屋根の上。
そこに、『それ』は居た。
破れた翼を広げ、片足は半ばまでしかない。それでもその顔は、歪んだその継ぎ接ぎは、口角を異様なまでにつり上げて笑みの形を作っていた。
『お待ちしておりました……』
厳かな口調で、彼らを迎える『それ』は、羽織った白い外套の汚れもそのままに、ばさあぁっ、と広げる。
そしてやはり、周辺の森から現れる動物型の雑魔たち。テスカ教の頂点に近い場所に立つのに相応しく、小振りながらも純白の翼を背に負っている。
『さあっ! 今からでも遅くはないのです! これまでの行いを悔い改め、共に安寧の地へと旅立ちましょう!』
解説
●壊れかけの教会に居座っている、『継ぎ接ぎ』の歪虚、そして翼を持つ雑魔たちのと戦闘依頼です。村人(一般人)は4人。1人は初老の男性。他の3人は若者(いずれも男性)です。彼らを護ることも、依頼内容に含まれます。
●『継ぎ接ぎ』は片翼、片足という状態ですが、どういうわけか飛行能力にはさほど影響がないように見受けられます。広範囲への魔法攻撃があります。
●雑魔にも翼はありますが、身体に見合わないサイズのため、恐らく飛行は得意ではないでしょう。
●敵戦力
・継ぎ接ぎ天使×1:飛行能力、剣、魔法
・狼型雑魔×5:爪や牙での引っ掻き、噛み付き。翼を利用し、ハイジャンプしながら攻撃を仕掛けてきます。
・蛇×7:素早く地を這い、鋭い牙で噛み付く。意外な程のジャンプ力があり、飛びかかって攻撃してくるようです。
●教会の背後は断崖絶壁。左右には深い森。教会前には広場があり、左右の森に関しても深入りしなければ大立ち回りするには十分と言えます。
●戦闘の後で
新たな司教様や村の者たちは、先の事件で亡くなった老司教様や、7人の孤児たちのために慰霊碑をと考えております。彼らに協力し、ここが静かな巡礼路に戻ることを祈ります。
●サポート参加についての補足的なこと
敵の中心は『継ぎ接ぎ歪虚』ですが、周囲には雑魔が複数存在します。『継ぎ接ぎ』に集中することができるように、雑魔たちの行動を邪魔する、或いは村人達に被害が及ばないように行動する、等があります。
●『継ぎ接ぎ』は片翼、片足という状態ですが、どういうわけか飛行能力にはさほど影響がないように見受けられます。広範囲への魔法攻撃があります。
●雑魔にも翼はありますが、身体に見合わないサイズのため、恐らく飛行は得意ではないでしょう。
●敵戦力
・継ぎ接ぎ天使×1:飛行能力、剣、魔法
・狼型雑魔×5:爪や牙での引っ掻き、噛み付き。翼を利用し、ハイジャンプしながら攻撃を仕掛けてきます。
・蛇×7:素早く地を這い、鋭い牙で噛み付く。意外な程のジャンプ力があり、飛びかかって攻撃してくるようです。
●教会の背後は断崖絶壁。左右には深い森。教会前には広場があり、左右の森に関しても深入りしなければ大立ち回りするには十分と言えます。
●戦闘の後で
新たな司教様や村の者たちは、先の事件で亡くなった老司教様や、7人の孤児たちのために慰霊碑をと考えております。彼らに協力し、ここが静かな巡礼路に戻ることを祈ります。
●サポート参加についての補足的なこと
敵の中心は『継ぎ接ぎ歪虚』ですが、周囲には雑魔が複数存在します。『継ぎ接ぎ』に集中することができるように、雑魔たちの行動を邪魔する、或いは村人達に被害が及ばないように行動する、等があります。
マスターより
こんにちは、芹沢かずいです。
遅ればせながら【審判】、皆様お疲れ様でした。
今回のシナリオは、その時に取り逃がした『継ぎ接ぎ』の討伐依頼がメインになっております。
前回登場した時のように雑魔まで引き連れてやってきましたので、皆様どうぞぬかりなく、『ヤツ』を仕留めて下さい!
……まったく関係ないですが、芹沢の地元、寒かったり暑かったりでエアコンとヒーターの繰り返しです……身体に悪いことは承知の上ですが。
皆様も気温の変化、季節の変わり目にご注意下さいませ。
遅ればせながら【審判】、皆様お疲れ様でした。
今回のシナリオは、その時に取り逃がした『継ぎ接ぎ』の討伐依頼がメインになっております。
前回登場した時のように雑魔まで引き連れてやってきましたので、皆様どうぞぬかりなく、『ヤツ』を仕留めて下さい!
……まったく関係ないですが、芹沢の地元、寒かったり暑かったりでエアコンとヒーターの繰り返しです……身体に悪いことは承知の上ですが。
皆様も気温の変化、季節の変わり目にご注意下さいませ。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/06/21 05:18
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 ティス・フュラー(ka3006) エルフ|13才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2016/06/15 08:25:32 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/06/12 02:55:47 |