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ガンスリンガー武侠 六合火鎗

マスター:楠々蛙

このシナリオは5日間納期が延長されています。

シナリオ形態
ショート
難易度
難しい
オプション
参加費
1,500
参加人数
現在6人 / 4~6人
マテリアルリンク
報酬
多め
相談期間
5日
プレイング締切
2016/06/17 15:00
リプレイ完成予定
2016/07/01 15:00

オープニング

※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。

 とある商人の下に送られて来た一通の書簡。差出人不明のそれにはこう記されていた。
『某月某日。夜の帳が下りる時に、貴兄の命を頂戴致す』



 標的とされた商人──死を配り歩く武器商人いわく、逆恨みまで含めれば怨恨の数などそれこそ売る程ある、との事らしい。
 自分の死を告げる書簡を受け取った彼は、お抱えの私兵団を使って守りの陣を屋敷の周囲に張った。
 私兵達の武装は、リアルブルー製の銃火器。クリムゾンウェストに普及している剣、弓、魔導銃ではなく、異世界より持ち寄られたそれが、死の商人の御眼鏡に適ったその理由は、安定した火力にこそある。
 主に非覚醒者によって構成される集団にとっては、不安定なマテリアルではなくガンパウダーの火力こそが最適であるという商人の着眼点は、的を射ていると言って良い。
 とは言え、未だ私兵達の練度は総じて低く、護衛戦力としては心許ない。だからこそ、ハンター達が雇われる事と相成ったのである。
 外灯の明かりの下で、黒い丈長の外套に身を包む、天雷(てんらい)もまたその一人。私兵らと同じく、周囲を警戒していた彼の切れ長の目が、こちらへと近付いて来る人物を捉える。
 奇しくも、天雷と対照的な白尽くめの衣装に身を包んだ男は、空手。銃を構えた集団が敷く陣へ、武装せずに正面を切って歩み寄るその男が、予告状の送り主であるとは到底思えない。
 いや、と天雷は目を細める。男の歩み──左右の足を交互に踏み出す動作に、僅かな違和感を彼は見出した。
 私兵達が突撃銃を突き付けながら男に近付く。
「止まれ。何者だ?」
 誰何の声に男は一瞥を寄越すと、ゆらりと右腕を動かした。
「伏下!」それを視認した天雷は咄嗟に母国の言葉で叫んだ。大精霊の恩寵で「伏せろ!」という意に翻訳された声が私兵達へと届くその前に──火焔の爆ぜる音が響き渡り、その言葉は意味を失くした。
 音の余韻が消えぬ内に、男の右手側から近付いた私兵三人が、僅差の時差で頽れる。伏した骸には、倒れた順に額、喉、胸の位置へ銃創。彼らの死相には断末魔の苦痛も恐怖もなく、己の死に際への不理解を物語っていた。
 しかし、雷は全てを把握していた。
 袖口から飛び出した拳銃の銃把を握る腕が、さながら袈裟切りの手刀を振るうような一挙動で三点に照準し、超速の三連射を行った早業を。
 銃口から発せられた発火炎は、蒼。おそらくあれは魔導拳銃か。
 更に下へと目を移せば、そこになければならない筈の薬莢がなかった。確かに雷管も火薬を必要としない魔導拳銃に薬莢は不要。
 銃の軽量化を図るなら、薬莢を削るのは道理だ。しかし、拳銃程度の装弾数なら、微々たる差でしかない。それはつまり、その僅かなアドバンテージが勝敗を別つ程の、極限の死闘すら想定しているという事。
 並の遣い手でない事は明らか。
「下がっていろ、俺がやる」
 襲撃者を包囲せんとする私兵達を言葉で制し、腰に回したガンベルト──背側のホルスターから二挺の自動拳銃を抜き放って、天雷は一歩踏み出した。
 雇われに過ぎない彼の命令に従う道理は私兵達にはない筈だが、天雷が放つ凍える熱を持った──紫電のような殺気に中てられて、大人しく引き下がる。
 二挺拳銃を携えて前へ出る天雷に、じとりとした視線を送った襲撃者は、左袖からも新たな魔導拳銃を取り出す。と──
 次の瞬間、石火の速度で天雷との間合いを詰めに掛かった。
 互いに銃を持ち合わせる状況下において、通常の戦術的思考に基づけば有り得ざる選択。だが天雷はそれに対して冷静に対処した。半ば予見していたかの如く。
 右の拳銃──その銃口を白尽くめに向けて撃発。照星を覗く事こそしなかったが、この距離では外す方が難しい──筈だった。
 果たして、放たれた弾丸は虚空を貫くに終わる。
 何故か。
 天雷の銃──その銃身を、白尽くめが左手に握る銃で撃発の寸前に払い除けたからだ。そしてそれは今、鉛色の呪いを放つ魔眼の前に晒されているのは、天雷である事を意味する。
 死線に捉えられたという事を。
 しかし、彼は恐怖に震える事無く、プログラム通り機能する機械のように、左の銃で白尽くめの銃身を撃発の寸前に打ち払った。
 そこから先の攻防を、果たして銃撃戦と呼んでも良いのか。
 彼我の間合いは、僅かに一歩。ただ一歩踏み込めば、拳が届く間合い。その間合いを保ちながら、二人の拳銃遣いは己が獲物で鍔迫り合う。
 彼の銃が我の銃を払い、向けられた彼の銃を我の銃が払う──銃火の旋律に導かれながら決められた所作を続けるそれは、舞踏。
 観客足る私兵達はただ沈黙してそれを眺める事しか叶わず、天雷の拳銃から地に零れる薬莢が、代わりとばかりに拍手喝采を謳う。
 両者の右手首が交錯。二つの銃口が互いの眉間を見詰めていた。しかし──ホールドオープン。計四挺の殺人器械は己が只の鉄塊に墜ちた事実を主張する。
 ────。
 大気が凝る程に濃密な沈黙。
 それを破ったのは外套を扇状に翻しながら、天雷が繰り出した端脚。
 白尽くめは腕を掲げて受けたものの、骨身を軋ます衝撃に押されて吹き飛ぶ。その好機に天雷が取った行動は無論、再装填。
 手首を直角に曲げる独特の動作、それに反応して袖内に仕込んだギミックが作動。左右の袖口から飛び出した弾倉を挿入口に迎え入れる。
 息吹を吹き返した銃を、天雷は即座に白尽くめへと向けた。だが、飛来した空弾倉が射線を阻害。先手を取られると判断した白尽くめが放ったのだ。
 用心金に掛けた指を軸に拳銃を回し、銃身で空弾倉を打ち落とすと、今度こそ照準を敵へと定める。照星の向こうには、同じくこちらを見詰める殺意の籠った瞳が。
 薄闇を裂く、異なる色彩をした二筋のマズルフラッシュ──
 天雷と白尽くめ、両者の間で火花が散り潰れた鉛の塊が一つ地に転がった。
 身に着けた功に従って放った凶弾の軌道が、相手と重なったというその事実。最早疑いようもない。この男の武技は、天雷が体得したそれと同一のものだ。
 六合火鎗──彼の祖国にて、銃を扱う事を前提として編み出された武技。秘中秘門が数多い功夫においても、闇の更に闇の中で生じた影。
 何故、異なる世界にてそれを扱う武芸者が居るのか。今はその思索に意味はない。
 彼方から銃声。屋敷を中心とするように設置された他の陣にも、襲撃者が現れたのだろうか。しかしそれも、今の天雷にとっては雑音でしかなかった。
 己と同じ功夫の徒。それを相手取るとはつまり、極限の生と死の狭間に身を置くという事に他ならないのだから。
「これでは駄目だ」
 天雷は、両手の拳銃を二挺とも放棄した。そして、ガンベルトに取り付けた左右のホルスターから別の得物を取り出す。
 ソードオフ・レバーアクションライフル。それを一挺ずつ両の手に握り、左右に構えた。
 これぞ、旋天雷火──命を託すに相応しい、我が切り札。

解説

・目的
襲撃者の迎撃

・フィールド
屋敷敷地内。
東方風の庭園。中央に噴水が設置された広場。障害物のない四カ所にある門前の舗装された道。屋敷邸内エントランスなど、何処に待機しても構わない。
天雷待機場所は、北門前。

・敵
六合火鎗の遣い手 猟撃士 直感特化
武装 魔導拳銃カスタム×2 
複列弾倉の為、装弾数17×2
薬莢を無くし、極限まで軽量化を図った魔導拳銃。受け、受け防御が高い
スキル
クイックリロード 左右それぞれ一度のみ使用
クローズコンバット改
ダブルファイア改
備考
格闘戦もこなせる。受け、回避が高く。特に射撃に対して、高い回避能力を誇る。近接武器相手に、距離を詰めたりはしない。
彼らの目的は商人の殺害だが、彼ら個人に動機はない。彼らは、殺し屋である。故に、説得や交渉の余地はない。また、依頼主に関する情報を口にする事もない。
彼らの正体、情報はPL情報である。

・味方
天雷 猟撃士
武装 ソードオフ・レバーアクションライフル×2
装填数 14×2
銃身と銃床を鉄板で補強している。区分は銃だが、格闘武器としても扱える。
おそらく、スピンコックで打撃を放つ戦術を取るものと思われる。
ちなみに彼は単独で戦闘を行う為、リプレイには基本的に殆ど登場しない。

私兵
戦力にはならない。後述の通り、フレンドファイアを誘発される。尚彼らの損害は、成功度に影響しない。

・備考
参加PCはプレイングで、単独で戦闘するか、複数人で戦闘するかを選択。その結果次第で、敵の数が三人~六人まで増減する。
単独で戦闘する場合、最低でもLV40台に達していなければ、まともな戦闘は望めない。
複数で戦闘に臨むのであれば、二人で組む事。六合火鎗は、主に多対一の戦闘を想定しており、三人以上の編成の場合、フレンドファイアを誘発される恐れがある。二人編成でもそのリスクはあるが、数の利が上回るだろう。

マスターより

 猟撃士の新スキルはこれの為にあったと言っても過言ではない。

 ちなみに今回は、純粋に熱い戦闘を楽しむ趣向のシナリオですので、敵側はPCが待機する場所に必ず現れます。真っ向から堂々と。戦術レベルの創意工夫は幾らでも講じるでしょうが、戦略と呼べる策は一切ありません。従って、PC側の策も通じにくくなります。
 まあつまり、策士キャラ向けではないという事。戦闘狂向けです。

 あのリロードギミックは特殊仕様です。オリスキとして公認受けていない限りは、流石に判定通りません。
 ですが、『クイックリロード』でおっぱいリロードをやるという猛者は大歓迎です。

 技名に自分の名前入れる男の人って……。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2016/06/28 02:36

参加者一覧

  • ……オマエはダレだ?
    リカルド=フェアバーン(ka0356
    人間(蒼)|32才|男性|闘狩人
  • SUPERBIA
    フォークス(ka0570
    人間(蒼)|25才|女性|猟撃士
  • 《聡明》なる天空の術師
    アルファス(ka3312
    人間(蒼)|20才|男性|機導師
  • ゾファル怠極拳
    ゾファル・G・初火(ka4407
    人間(蒼)|16才|女性|闘狩人
  • 無垢なる黒焔
    ソフィア・フォーサイス(ka5463
    人間(蒼)|15才|女性|舞刀士
  • ベゴニアを君に
    マリィア・バルデス(ka5848
    人間(蒼)|24才|女性|猟撃士

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
リカルド=フェアバーン(ka0356
人間(リアルブルー)|32才|男性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2016/06/17 08:10:15
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/06/13 21:52:15