ゲスト
(ka0000)
大江家の忠臣、主のための言の葉
マスター:狐野径

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在7人 / 4~10人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/06/21 19:00
- リプレイ完成予定
- 2016/06/30 19:00
オープニング
●大江家
エトファリカ連邦国の天ノ都。
端っこにある大江家では重い空気がのしかかる。
大江 紅葉(kz0163)に仕える三人の老翁が口をつぐんでいたことを話したのだった。
話は昔住んでいた里で墓参りもできたし、供養もできた、景色も見たよとよかったと三爺は話す。何か得体のしれないものがいるというのを隠した。帰宅したときに紅葉がいなかったため、黙っていれば知られぬだろうと三人は思っていたことが発端である。
そのため、話を聞いた紅葉は何か違和感を覚えた。ソサエティに話を聞きに行き、情報を集め、彼らの家族に問いただし、本人から聞いたのだった。
「里には妖怪がおります」
「女性の姿のようだとも……」
「宗主の屋敷のあった方面にいるのかもと……」
しおれる三人。
「……わかりました。あなた方が無事でハンターの方々も怪我をしたとはいえ無事でした……なので事実を隠したことは許します」
「……」
三人は何か言いたげであったが、それ以上は口を開かなかった。幼いころから見ている主たる紅葉が何を考えているか想像がついたから。止めることはできまい、とあきらめた。
●依頼
紅葉は陰陽寮に赴き、上司と話した。
「……結局のところ、大物がいるなら排除しないといけないわけだがな……上が不在だからなぁ」
「だから、家のこととして私が片づけるのです」
「なら、その地域にいただろう武家を立ててやるってのはどうだ? 復興したくてうずうずしてるかもしれないし」
「知りません」
「は?」
「武家の人がいた認識がないんです。大江の本拠地があった里、大江の里で通じますもん」
「……待て? え、というか……昔から下っ端役人、生活できれば万歳だったもんな……」
「そうですよ? 気づけば、詩天みたいにちゃんとした上の人がいないわけです」
守っていた武家がつぶされたか、そうそうに逃げてしまったのかいずれか不明。調べればわかるかもしれないが、紅葉は興味がないらしく知らないらしい。なお、里人たちは今の大江の家の周りにいるらしいことはこの上司も知っている。
「つまり……里人にしてみれば、どうにかなっちゃった武家よりも、知識馬鹿でもちゃんと守ってくれた大江家がいいと?」
紅葉は照れて笑う。
「いや、怒るところだろう! 知識馬鹿って言ったぞ」
「いえ、本当ですし。父も本好きでしたし、母にしてみれば『夫が本と浮気している』だったらしいですよ」
「だめだろう、それは! ……でも、最後まで里を守ったのはお前の家なんだもんな」
だから傭兵たちと両親は命を落とした。それでも里人や紅葉たちを逃がす時間は稼いだのだ。
「わかった。ハンターへ頼め。依頼料はこっちで持つから。兵士は動かせない……まあ、荷物運びくらいはできそうだがな……」
身軽にハンターだけのほうがましだろう。
「で、浄化の儀式するのか」
「え、無理ですよ?」
「……だろうな」
「それ、私が馬鹿にされてます?」
紅葉が怒ったので、上司は笑う。
「もう少し、まじめに修業してくれれば」
「最近、がんばっているんですよ」
カードバインダーを取り出し、ぶんぶんと振る。
「お前、クラスなんだ」
上司は苦虫をかみつぶしたかのような顔だ。
「符術師です」
「なぜ、物理に訴えているんだ」
「符をぱあとやるより早いですし」
「修業もっとちゃんとしろ」
「いたっ」
パスンと本が頭を直撃した。
●声
さあああ。
風の音が響く。
おおおん。
慟哭が響く。
ひょおお。
悲鳴のような隙間風のような音が通り抜ける。
ふふふふ。
誰かが笑っているようだ、生きている者は通るハンターくらいだというのに。
用があって南下するハンターは耳にする音。
飛ぶ鳥も減り、地を行く生物もいなくなる。
歪虚によるマテリアルの汚染を感じ取り近づかない。
少しずつもとに戻るとしても、どれだけの時間がかかるのか?
浄化を、正のマテリアルを、人の住む地を!
否、そこにいるモノにはそれは敵であり、無こそ正しい。
「すべては無に向かう。緩やかにそして素早く。ねえ、あなた、いつ戻ってきてくれるのかしら? 匂い……そう、あの人の家の匂いがあったわ。ああ、ああ、いつになったら戻ってくるのかしら? あたくしの大切な子供たちを連れてきてくれるのかしら? 早く、早く会いたいわ。そして、食べてしまわないと、はぐれないように。そう、はぐれないように」
海と陸が見える島の中をそれは歩く。ゆったりとずるりずるりと。燃えた家を見て、ふと怒りを思い出す。
「ああ、忌々しい! あたくしのものを奪うものはすべて敵! 焼き尽くしてくれるわ」
女は激高した。
エトファリカ連邦国の天ノ都。
端っこにある大江家では重い空気がのしかかる。
大江 紅葉(kz0163)に仕える三人の老翁が口をつぐんでいたことを話したのだった。
話は昔住んでいた里で墓参りもできたし、供養もできた、景色も見たよとよかったと三爺は話す。何か得体のしれないものがいるというのを隠した。帰宅したときに紅葉がいなかったため、黙っていれば知られぬだろうと三人は思っていたことが発端である。
そのため、話を聞いた紅葉は何か違和感を覚えた。ソサエティに話を聞きに行き、情報を集め、彼らの家族に問いただし、本人から聞いたのだった。
「里には妖怪がおります」
「女性の姿のようだとも……」
「宗主の屋敷のあった方面にいるのかもと……」
しおれる三人。
「……わかりました。あなた方が無事でハンターの方々も怪我をしたとはいえ無事でした……なので事実を隠したことは許します」
「……」
三人は何か言いたげであったが、それ以上は口を開かなかった。幼いころから見ている主たる紅葉が何を考えているか想像がついたから。止めることはできまい、とあきらめた。
●依頼
紅葉は陰陽寮に赴き、上司と話した。
「……結局のところ、大物がいるなら排除しないといけないわけだがな……上が不在だからなぁ」
「だから、家のこととして私が片づけるのです」
「なら、その地域にいただろう武家を立ててやるってのはどうだ? 復興したくてうずうずしてるかもしれないし」
「知りません」
「は?」
「武家の人がいた認識がないんです。大江の本拠地があった里、大江の里で通じますもん」
「……待て? え、というか……昔から下っ端役人、生活できれば万歳だったもんな……」
「そうですよ? 気づけば、詩天みたいにちゃんとした上の人がいないわけです」
守っていた武家がつぶされたか、そうそうに逃げてしまったのかいずれか不明。調べればわかるかもしれないが、紅葉は興味がないらしく知らないらしい。なお、里人たちは今の大江の家の周りにいるらしいことはこの上司も知っている。
「つまり……里人にしてみれば、どうにかなっちゃった武家よりも、知識馬鹿でもちゃんと守ってくれた大江家がいいと?」
紅葉は照れて笑う。
「いや、怒るところだろう! 知識馬鹿って言ったぞ」
「いえ、本当ですし。父も本好きでしたし、母にしてみれば『夫が本と浮気している』だったらしいですよ」
「だめだろう、それは! ……でも、最後まで里を守ったのはお前の家なんだもんな」
だから傭兵たちと両親は命を落とした。それでも里人や紅葉たちを逃がす時間は稼いだのだ。
「わかった。ハンターへ頼め。依頼料はこっちで持つから。兵士は動かせない……まあ、荷物運びくらいはできそうだがな……」
身軽にハンターだけのほうがましだろう。
「で、浄化の儀式するのか」
「え、無理ですよ?」
「……だろうな」
「それ、私が馬鹿にされてます?」
紅葉が怒ったので、上司は笑う。
「もう少し、まじめに修業してくれれば」
「最近、がんばっているんですよ」
カードバインダーを取り出し、ぶんぶんと振る。
「お前、クラスなんだ」
上司は苦虫をかみつぶしたかのような顔だ。
「符術師です」
「なぜ、物理に訴えているんだ」
「符をぱあとやるより早いですし」
「修業もっとちゃんとしろ」
「いたっ」
パスンと本が頭を直撃した。
●声
さあああ。
風の音が響く。
おおおん。
慟哭が響く。
ひょおお。
悲鳴のような隙間風のような音が通り抜ける。
ふふふふ。
誰かが笑っているようだ、生きている者は通るハンターくらいだというのに。
用があって南下するハンターは耳にする音。
飛ぶ鳥も減り、地を行く生物もいなくなる。
歪虚によるマテリアルの汚染を感じ取り近づかない。
少しずつもとに戻るとしても、どれだけの時間がかかるのか?
浄化を、正のマテリアルを、人の住む地を!
否、そこにいるモノにはそれは敵であり、無こそ正しい。
「すべては無に向かう。緩やかにそして素早く。ねえ、あなた、いつ戻ってきてくれるのかしら? 匂い……そう、あの人の家の匂いがあったわ。ああ、ああ、いつになったら戻ってくるのかしら? あたくしの大切な子供たちを連れてきてくれるのかしら? 早く、早く会いたいわ。そして、食べてしまわないと、はぐれないように。そう、はぐれないように」
海と陸が見える島の中をそれは歩く。ゆったりとずるりずるりと。燃えた家を見て、ふと怒りを思い出す。
「ああ、忌々しい! あたくしのものを奪うものはすべて敵! 焼き尽くしてくれるわ」
女は激高した。
解説
大江家がかつて住んでいた里に住む妖怪の排除
●これまでのあらすじ
大江家の家臣の三爺が、だいぶエトファリカも安定してきているし墓参りをしたいと考えた。
いきなり行くには歪虚に支配されて結構立っているし、危険だろうから、一応ハンターに偵察をお願いした。結果、道中および島の状況が伝わる。
墓参りだけならいけるということで三爺はハンターに護衛をお願いして旧里にいく。ところが、妖怪がいるらしく敵意をむき出しにしてきた。三爺はハンターと撤退した。
●里の形状
島だが、潮の満ち引きで道ができる。そのため、本島との行き来は楽。基本、日中は道があり、夜は消える。
島のメーンの道は残ってるが、支道はがけ崩れや壊れた建物でふさがっているところもある。
途中に大江家の宗主が住んでいた屋敷に向かう道があるが、そこは簡単に通れない。ハンターなら通れるだろうし、がれき撤去すれば問題はないが時間はかかる。
その道に出入りしている跡があった。
割と広い場所は丘の上の墓があったところ、引き潮時の島の周り。ただし、島の周りだと水を含んだ砂地であり、足元は不安定。
●敵勢力
前回、仮称「紅の君」の姿は遠目で見ています。
・紅の君 深紅の髪の二十代後半の美女に見える憤怒の歪虚と思われる。
・手長 人間に近い容姿だが、手が異様に長い妖怪。物を投げるのに適した姿と言える
・足長 人間に近い容姿だが、足が異様に長い妖怪。
雑魔わんさか? 元動物がこれまでは目撃されています。
●NPC
・大江 紅葉 符術師。大江家の宗主としてこの事態は放置できないため出かけます。今回所有の技は「式符」「禹歩」「マテリアルヒーリング」を予定しています。
これまでの同行していた三爺は一般人のため留守番。
●これまでのあらすじ
大江家の家臣の三爺が、だいぶエトファリカも安定してきているし墓参りをしたいと考えた。
いきなり行くには歪虚に支配されて結構立っているし、危険だろうから、一応ハンターに偵察をお願いした。結果、道中および島の状況が伝わる。
墓参りだけならいけるということで三爺はハンターに護衛をお願いして旧里にいく。ところが、妖怪がいるらしく敵意をむき出しにしてきた。三爺はハンターと撤退した。
●里の形状
島だが、潮の満ち引きで道ができる。そのため、本島との行き来は楽。基本、日中は道があり、夜は消える。
島のメーンの道は残ってるが、支道はがけ崩れや壊れた建物でふさがっているところもある。
途中に大江家の宗主が住んでいた屋敷に向かう道があるが、そこは簡単に通れない。ハンターなら通れるだろうし、がれき撤去すれば問題はないが時間はかかる。
その道に出入りしている跡があった。
割と広い場所は丘の上の墓があったところ、引き潮時の島の周り。ただし、島の周りだと水を含んだ砂地であり、足元は不安定。
●敵勢力
前回、仮称「紅の君」の姿は遠目で見ています。
・紅の君 深紅の髪の二十代後半の美女に見える憤怒の歪虚と思われる。
・手長 人間に近い容姿だが、手が異様に長い妖怪。物を投げるのに適した姿と言える
・足長 人間に近い容姿だが、足が異様に長い妖怪。
雑魔わんさか? 元動物がこれまでは目撃されています。
●NPC
・大江 紅葉 符術師。大江家の宗主としてこの事態は放置できないため出かけます。今回所有の技は「式符」「禹歩」「マテリアルヒーリング」を予定しています。
これまでの同行していた三爺は一般人のため留守番。
マスターより
こんにちは。
さて、「大江家の忠臣」の続き、締めとなっています。忠臣よりも大江家トップが前に出てますけど……。
敵勢力は不明です。おおよその場所は分かっていますが。
よろしくお願いします。
さて、「大江家の忠臣」の続き、締めとなっています。忠臣よりも大江家トップが前に出てますけど……。
敵勢力は不明です。おおよその場所は分かっていますが。
よろしくお願いします。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/06/26 18:42
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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打ち合わせ 雪継・白亜(ka5403) 人間(クリムゾンウェスト)|14才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2016/06/21 18:56:35 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/06/21 06:28:05 |