ゲスト
(ka0000)
天井に張り付く悪夢
マスター:尾仲ヒエル

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在5人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 少なめ
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/06/24 22:00
- リプレイ完成予定
- 2016/07/03 22:00
オープニング
晴れた日には、遠く帝都を望むことができる田舎町。
そんな町の空き家に、しばらく前から子供たちがひっそりと住み着いていた。
「ねえ、やっぱりやめようよ」
「見つかったら危ないよ」
妹のサーシャは6歳。兄のミーシャは8歳。
揃って俺の服を引っ張る金髪の兄妹は、顔立ちも、大人しい性格もよく似ていた。
「もう少しで金が貯まるんだ。それに、この家の奴らは留守だから大丈夫だって」
さびれた町の外れに別荘を建てた酔狂な金持ちは、いつも決まった日程で村を訪れていた。
2人には言っていないが、この別荘には前に忍び込んだことがある。
食料や金目の物を目立たないようにいただいたが、気付かれている様子はない。
アジトには腹をすかせたチビたちが待っている。
有り余ってる奴らから、必要な物を少しもらっているだけだ。
「サーシャ。ここで見張ってろ」
「誰か来たらドアを叩くんだよね」
「そうだ。あと、もし俺たちが捕まったり、危ない目にあったりしたら、ハンターオフィスに知らせるんだ。この町の大人じゃ役に立たないからな」
「わかった」
こくりと頷くサーシャを庭に残して、ミーシャと俺は別荘の中に忍び込んだ。
入った途端、何か違和感を覚える。
しんと静まり返った屋敷の中では、悪趣味ながらも整頓されていた家具が散乱していた。
乱れた絨毯の上には、大きな黒い染み。
どこからか、鼻をつく甘ったるいような、胸の悪くなる臭いが漂ってくる。
「まずい。出るぞ」
すぐに戻ろうとしたが、間に合わなかった。
階段の上から、女が音もなく現れたからだ。
「あらまあ。いらっしゃい。可愛らしいお客さまだこと」
全身黒づくめの服を着た女は、御機嫌な様子で腕を広げる。
「金と銀の男の子ね。素敵だわ。今日はとってもいい日ね」
女の後ろで「何か」が動いた。
大きな犬……いや、四つん這いの人間……?
それは悪夢の中でしか見たことがないような生き物だった。
「何か」はぬらぬらした体を揺らしながら、こちらに向かって口をぐぱりと開き、獣のような牙を剥き出しにした。
黒光りする体に貼り付いているのは洋服の残骸だろうか。
目を凝らそうとしてやめる。
「何か」が「何だったのか」なんて考えたくなかったし、そんなことどうでもよかった。
窓の外で震えているサーシャに、必死で合図を送る。逃げろ。早く逃げろって。
「シャア!」
鳴き声と共に、「何か」の口から緑色の液体が吐き出され、ジュウッと音がして床から煙が上がった。
「あらあら。お客さまの前でお行儀が悪いでしょう」
軽くたしなめられ、合計7匹の「何か」が、女の後ろでうごめく。
その時、何の前触れもなく、その内の一匹が大きくジャンプして天井に張りついた。
後ろでミーシャが小さく悲鳴を上げる。
ああ、全部夢だったら良かったのに。
「ところで、どうして顔を隠しているの? そんなに綺麗な顔なのに」
首を傾げる女の言葉にぞっとする。
女に見られているだけで、まるで肉食獣に舌なめずりされているような気分になった。
「……アンタみたいな奴に目をつけられないように」
「面白い子ね」
何が楽しいのか機嫌の良さそうな女に、駄目元で切り出す。
「なあ。俺たちは何も見てない。見逃してくれないか」
すると女は意外にも興味を示した。
「そうね。じゃあ、ゲームをしましょう」
女が、床に転がっていた派手な飾りのついた砂時計をつまみ上げる。
「この砂が落ちきるまでに隠れて頂戴。それからもう一度砂が落ちきるまでに、貴方たちが逃げきれたら見逃してあげる」
嘘かもしれなかったが、このまま2人共殺されるよりはマシだった。
「……先に俺が隠れる。1人ずつ探したほうが盛り上がるだろ?」
「あら。時間稼ぎ? お利巧ね。……いいわ。貴方のこと気に入ってしまったから、特別よ」
ベールの下から覗く赤い唇が微笑み、砂時計がひっくり返される。
「さあ、ゲームスタートよ」
●助けて
少女は走っていた。
乱暴に見えるけど、いつも守ってくれて、食べ物を分けてくれるレムお兄ちゃん。
そして、いつも優しいミーシャお兄ちゃん。
走る少女の頬に、涙があとからあとからこぼれ落ちる。
幼い少女にも、状況が絶望的であることは、おぼろげながら理解できていた。
「助けを呼びに行くの。助けを」
何も考えないよう呟き続けながら、少女はハンターオフィスに飛び込んだ。
そんな町の空き家に、しばらく前から子供たちがひっそりと住み着いていた。
「ねえ、やっぱりやめようよ」
「見つかったら危ないよ」
妹のサーシャは6歳。兄のミーシャは8歳。
揃って俺の服を引っ張る金髪の兄妹は、顔立ちも、大人しい性格もよく似ていた。
「もう少しで金が貯まるんだ。それに、この家の奴らは留守だから大丈夫だって」
さびれた町の外れに別荘を建てた酔狂な金持ちは、いつも決まった日程で村を訪れていた。
2人には言っていないが、この別荘には前に忍び込んだことがある。
食料や金目の物を目立たないようにいただいたが、気付かれている様子はない。
アジトには腹をすかせたチビたちが待っている。
有り余ってる奴らから、必要な物を少しもらっているだけだ。
「サーシャ。ここで見張ってろ」
「誰か来たらドアを叩くんだよね」
「そうだ。あと、もし俺たちが捕まったり、危ない目にあったりしたら、ハンターオフィスに知らせるんだ。この町の大人じゃ役に立たないからな」
「わかった」
こくりと頷くサーシャを庭に残して、ミーシャと俺は別荘の中に忍び込んだ。
入った途端、何か違和感を覚える。
しんと静まり返った屋敷の中では、悪趣味ながらも整頓されていた家具が散乱していた。
乱れた絨毯の上には、大きな黒い染み。
どこからか、鼻をつく甘ったるいような、胸の悪くなる臭いが漂ってくる。
「まずい。出るぞ」
すぐに戻ろうとしたが、間に合わなかった。
階段の上から、女が音もなく現れたからだ。
「あらまあ。いらっしゃい。可愛らしいお客さまだこと」
全身黒づくめの服を着た女は、御機嫌な様子で腕を広げる。
「金と銀の男の子ね。素敵だわ。今日はとってもいい日ね」
女の後ろで「何か」が動いた。
大きな犬……いや、四つん這いの人間……?
それは悪夢の中でしか見たことがないような生き物だった。
「何か」はぬらぬらした体を揺らしながら、こちらに向かって口をぐぱりと開き、獣のような牙を剥き出しにした。
黒光りする体に貼り付いているのは洋服の残骸だろうか。
目を凝らそうとしてやめる。
「何か」が「何だったのか」なんて考えたくなかったし、そんなことどうでもよかった。
窓の外で震えているサーシャに、必死で合図を送る。逃げろ。早く逃げろって。
「シャア!」
鳴き声と共に、「何か」の口から緑色の液体が吐き出され、ジュウッと音がして床から煙が上がった。
「あらあら。お客さまの前でお行儀が悪いでしょう」
軽くたしなめられ、合計7匹の「何か」が、女の後ろでうごめく。
その時、何の前触れもなく、その内の一匹が大きくジャンプして天井に張りついた。
後ろでミーシャが小さく悲鳴を上げる。
ああ、全部夢だったら良かったのに。
「ところで、どうして顔を隠しているの? そんなに綺麗な顔なのに」
首を傾げる女の言葉にぞっとする。
女に見られているだけで、まるで肉食獣に舌なめずりされているような気分になった。
「……アンタみたいな奴に目をつけられないように」
「面白い子ね」
何が楽しいのか機嫌の良さそうな女に、駄目元で切り出す。
「なあ。俺たちは何も見てない。見逃してくれないか」
すると女は意外にも興味を示した。
「そうね。じゃあ、ゲームをしましょう」
女が、床に転がっていた派手な飾りのついた砂時計をつまみ上げる。
「この砂が落ちきるまでに隠れて頂戴。それからもう一度砂が落ちきるまでに、貴方たちが逃げきれたら見逃してあげる」
嘘かもしれなかったが、このまま2人共殺されるよりはマシだった。
「……先に俺が隠れる。1人ずつ探したほうが盛り上がるだろ?」
「あら。時間稼ぎ? お利巧ね。……いいわ。貴方のこと気に入ってしまったから、特別よ」
ベールの下から覗く赤い唇が微笑み、砂時計がひっくり返される。
「さあ、ゲームスタートよ」
●助けて
少女は走っていた。
乱暴に見えるけど、いつも守ってくれて、食べ物を分けてくれるレムお兄ちゃん。
そして、いつも優しいミーシャお兄ちゃん。
走る少女の頬に、涙があとからあとからこぼれ落ちる。
幼い少女にも、状況が絶望的であることは、おぼろげながら理解できていた。
「助けを呼びに行くの。助けを」
何も考えないよう呟き続けながら、少女はハンターオフィスに飛び込んだ。
解説
(少女の話をまとめたもの)
【目的】
敵(「何か」)7匹の殲滅、少年(ミーシャ)の保護
【???】
喪服のような全身黒のドレスを着た女。
分厚いベールをかぶっており、赤い口紅を引いた口元だけが見えている。
【レム】
孤児の少年。14歳。
年下の孤児たちの面倒を見ながら町を転々としていた。
時間をかせぐために先に「ゲーム」に参加し、残念ながら生存は絶望的。
【ミーシャ】
レムと一緒に暮らす孤児の1人。大人しい金髪の少年。8歳。
現在、「ゲーム」に参加させられ、別荘の中に隠れている。
【サーシャ】
ミーシャの妹。6歳。
ハンターオフィスに助けを求めに来た。
【別荘】
裕福な商人の建てた、二階建ての別荘。
屋敷内部は玄関を入ったところに玄関ホール、正面に階段。
廊下の左右に部屋の扉が続く構造で、一階は5部屋、二階は6部屋。(部屋の広さは5×4m)
家具などはそれなりにあるものの、既に荒らされているため、物を壊すことの心配はしないでよさそう。
【敵】
合計7匹。
黒くぬるぬるした肌、四つん這いで移動する「何か」
肌には服の残骸のようなものが貼りついているように見えるが……?
ジャンプ力が高く、天井にも張りつける。
・噛みつき:ジャンプして鋭い歯で攻撃。
・硬化 :一時的に体を硬くしてダメージ半減。硬化した場合、次ターンは移動しない。
・溶解液 :強酸性の緑色の液体を口から吐き出す攻撃。攻撃範囲は半径1m。
【PL情報】
別荘に到着した際、喪服の女(???)は別荘の屋根に腰かけ、すぐに逃げられる体勢です。
女の膝にはレムの死体。
何もしなければそのまま女は逃げ、話しかけた場合は、女の気分次第で返答があります。
(少年救出へのデメリットは無し。時間的に1人1回まで話しかけられそうです)
【目的】
敵(「何か」)7匹の殲滅、少年(ミーシャ)の保護
【???】
喪服のような全身黒のドレスを着た女。
分厚いベールをかぶっており、赤い口紅を引いた口元だけが見えている。
【レム】
孤児の少年。14歳。
年下の孤児たちの面倒を見ながら町を転々としていた。
時間をかせぐために先に「ゲーム」に参加し、残念ながら生存は絶望的。
【ミーシャ】
レムと一緒に暮らす孤児の1人。大人しい金髪の少年。8歳。
現在、「ゲーム」に参加させられ、別荘の中に隠れている。
【サーシャ】
ミーシャの妹。6歳。
ハンターオフィスに助けを求めに来た。
【別荘】
裕福な商人の建てた、二階建ての別荘。
屋敷内部は玄関を入ったところに玄関ホール、正面に階段。
廊下の左右に部屋の扉が続く構造で、一階は5部屋、二階は6部屋。(部屋の広さは5×4m)
家具などはそれなりにあるものの、既に荒らされているため、物を壊すことの心配はしないでよさそう。
【敵】
合計7匹。
黒くぬるぬるした肌、四つん這いで移動する「何か」
肌には服の残骸のようなものが貼りついているように見えるが……?
ジャンプ力が高く、天井にも張りつける。
・噛みつき:ジャンプして鋭い歯で攻撃。
・硬化 :一時的に体を硬くしてダメージ半減。硬化した場合、次ターンは移動しない。
・溶解液 :強酸性の緑色の液体を口から吐き出す攻撃。攻撃範囲は半径1m。
【PL情報】
別荘に到着した際、喪服の女(???)は別荘の屋根に腰かけ、すぐに逃げられる体勢です。
女の膝にはレムの死体。
何もしなければそのまま女は逃げ、話しかけた場合は、女の気分次第で返答があります。
(少年救出へのデメリットは無し。時間的に1人1回まで話しかけられそうです)
マスターより
少年(1人)を救い出す室内戦闘シナリオになります。
また、喪服のような黒いドレスを着た怪しい女が登場しています。
ご興味がありましたら話しかけてみてください。
また、喪服のような黒いドレスを着た怪しい女が登場しています。
ご興味がありましたら話しかけてみてください。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/07/02 14:14
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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【相談卓】 ヨルムガンド(ka5168) 人間(クリムゾンウェスト)|22才|男性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2016/06/24 17:08:13 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/06/22 23:13:42 |