• 詩天
  • 戦闘

【詩天】駒種城潜入

マスター:近藤豊

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
現在6人 / 4~6人
マテリアルリンク
報酬
多め
相談期間
5日
プレイング締切
2016/07/02 07:30
リプレイ完成予定
2016/07/11 07:30

オープニング

 詩天――東の三条が一つ、墨子城。
 歪虚より奪還した三条家であったが、軍師 水野 武徳 (kz0196)は未だ残り二城の攻略を実行していなかった。
 ただ、時間ばかりが無情にも過ぎていく……。

「水野殿っ! これはどういう事でござるか!」
 若峰より来訪した武将が墨子城の大広間へ足を踏み入れるなり、部屋中に響き渡る声を発する。
 誰が聞いても怒気が孕んでいる事は明白であった。
「なんじゃ、騒々しい」
 耳かきで己の耳を掃除していた武徳。
 明らかに面倒そうな対応が、武将の怒りが更に燃え上がる。
「何を暢気に耳掃除などされておるっ! 墨子城を攻略してから何日経過したと思っておられるか!」
「はて……五日あまりだったか」
「八日じゃ! それまで水野殿は攻めもせず墨子城へ籠もっているだけではないか!」
 武将の怒りは、収まらない。
 武徳はハンターの助けもあって、墨子城を奪還する事ができた。
 しかし、武徳は残り二城の奪還に動き出していない。
 若峰へ補給打診を行ったものの、それ以上は何もしなかったのだ。
「水野殿は分かっておられるのかっ! 拙者は……」
「まあ、待て。わしもただ寝ておった訳ではないぞ。待っておったのじゃ」
「待つ? 待つとは何を……」
「――敵。敵の動きを見定めておった」
 武徳は、敵の襲来を待っていたのだ。
 いつ敵が襲来しても良いように備えていたのだが、敵が城の周辺に姿を見せる事はなかった。
「わしらが墨子城を奪還したと知れば、敵は奪い返す為に兵を差し向けてくると思っておった。
 だが、奴らは一向に動こうとせん。
 考えられるとすれば墨子城を攻略する兵力を持ち合わせておらぬか、わしらを罠にかけようと待っておるか……」
 仮に墨子城にいた歪虚のように烏合の衆に等しい集団なら、感情に任せ物量に物を言わせた攻撃を仕掛けていただろう。
 だが――その気配はまったくない。
 武徳の言うように兵力増強や策を講じようとしているのであれば、敵に指揮官クラスの存在が考えられる。
「そうであったか。水野殿、無礼を謝ろう。
 しかし……このまま待っているだけでは城は奪い返せませぬぞ」
「分かっておる。
 ちょうど、物見から伊須群城に敵が集結しつつあると報告があった。指揮官がいるとすればこちらであろう。
 ならば、わしらも動く頃合いよ。打診していた若峰からの増援は如何か?」
「間もなく到着する手筈となっておる」
「結構」
 武徳は、武将の返事に頷くと傍らにあった紙を広げる。
 そこには墨子城を含む東の三城が描かれていた。
「わしは増援と共に伊須群城へ向かう。敵もおそらくこの動きを待っていたはずじゃ。兵力を集めているのがその証拠よ。おそらくわしらが伊須群城へ向かえば、駒種城の兵を増援として送るに違いない。
 そうなれば絶好の機会。後発部隊は急ぎ駒種城を落とす。本体を囮として後発部隊で城を奪い返すのじゃ」
「しかしどうやって……」
「駒種城は大須賀川を天然の堀とする平山城よ。西から南に流れる川と傾斜の強い斜面に守られ、攻撃を仕掛けるならばは北の正門のみじゃ」
 駒種城自体は、それ程大きな城ではない。
 城壁は土壁。正門は丸太を格子状に組み合わせ、門の上部から丈夫な縄で巻き上げるタイプの簡単な作りだ。
 だが、西と南は大須賀川が城に沿って横たわり、天然の掘となっている。
 さらに山の上に築城されている上、崖の傾斜も強い。結果的に攻める場所は北へ集中する事となり、防衛側も北からの侵入を注意すれば良い。櫓で上から弓を打ち下ろすだけでも攻める側にとっては厄介な存在だ。
 駒種城は、見掛け以上に堅牢な城と評しても差し支えは無いだろう。
「敵は北に防御を固めておる。言い換えれば、西と南は防御が手薄……そこが付け所よ」
「馬鹿な。駒種城の西側と南側は忍びでも発見されずに登るのは……」
「不可能だろうな。だが、先日の戦いで見たはずじゃぞ。
 ――報酬次第で任務を遂行するハンターと呼ばれる傭兵を」
「!」
 武徳は、駒種城の攻略にハンターを駆り出すつもりだ。
 作戦は、こうだ。
 後発部隊は、駒種城の北から攻める。敵も駒種城の北側へ注意を向けるはずだ。その隙にハンターは南の崖を上がり城へ潜入する。ハンターは陽動を行いながら、正門を開き、一気に味方を引き入れる。
「あの者達であれば、隠れながら崖も容易に登れよう。できれば敵の指揮官に関する情報を駒種城で発見して欲しいが……それはちと都合が良すぎるか。
 勝負は、本体のわしらが伊須群城に接近する前に駒種城を落とせるか、じゃな。あまり接近すれば敵と正面から衝突する事になる。今は避けたいところじゃ」
「なるほど。
 それにしても、水野殿はハンターを信用しておられるのじゃな。一度ならず、二度までも重用しようというのだから」
 今回の作戦を語る武徳であったが、武将の返答で顔を曇らせる。
「信用? そんな訳なかろう。むしろ危険な存在じゃと思っておる」
「何故でござるか?」
「敵は歪虚ばかりではないぞ。幕府や朝廷も利が無ければ動かぬだろう。仮に詩天に仇為す者がハンターを雇えばどうなる? われらはハンターが来たという西方の事すら知らぬのだ。心から信用するはずがあるまい」
 苦々しい顔の武徳。
 さらに、言葉を続ける。
 その顔はより一層曇った。
「生き残る事は容易ではない……その事、そなたも先の乱で知っておるはずじゃ」
 
 先の乱――千石原の乱の嫌な記憶が蘇る。

解説

※本依頼はレベル制限はありませんが、新人ハンター向けとなります。
※前回の状況は依頼「【詩天】真中の戦い 」をご参照下さい。

目的:駒種城を奪還するべく、城へ潜入して後発部隊を城へ引き入れる。
場所:駒種城は大須賀川を天然の掘とした平山城である。城の西側から南側に沿って流れている。さらに山の斜面及び城の土壁は6メートル程。斜面はかなり勾配が激しいものの、器用が27以上あれば苦も無く登る事ができる。敵は北に注意を向けているが、大きな声で騒げば敵に発見される。

備考:
 城へ潜入後、ハンターは2つの役割が与えられます。

 ○陽動
  可能な限り暴れて敵の注意を惹きつけます。
  敵の主力は「剣や槍を持った骸骨武者」です。一体辺りはそれ程強くありません。城内の敵数は不明ですが、後発部隊が突入する前にある程度数を減らしておけるかが大成功への鍵となります。

 ○開門
  駒種城正門の櫓にいる敵を倒して、正門を開く役です。
  
  各施設の情報は下記の通り。

  ・櫓
   3メートル程の高さで骸骨武者2体弓を手にしています。櫓は2つあります。

  ・正門
   丸太を格子状に組み合わせて扉代わりにしている。滑車を使って縄を引けば門が開く仕組みとなっている。
   →通常であれば数名の門番が縄を引いて開く。筋力合計が40以上であれば開く事が可能。

●NPC
 水野武徳
 三条家に仕える古参の武将。年齢は五十代。男性。知略に長け、老いて未だ健在。人手不足の三条家において軍政だけでなく内政にも辣腕を振るうが、本人は激務でサボりたいと願っている。朝令暮改が多く周囲の人間を振り回す傾向がある。

マスターより

 近藤豊です。
 詩天連動2回目の連動となります。本シナリオも新人ハンター推奨のシナリオとなります。事前に掲示板で打ち合わせいただく事を強く推奨致します。今回も戦いの結果が今後の戦いに影響します。あ、ベテランハンターさんがいらしてもOKですが、新人ハンターを導くポジションで参加いただけると嬉しい限りです。
 助け合いの心は大事ですよ、猫又さん!
 質問は出発24時間前までなら水野武徳が回答致します。
 それでは、小アジの南蛮漬けを肴にお待ちしています。

関連NPC

  • 三条家軍師
    水野 武徳(kz0196
    人間(クリムゾンウェスト)|52才|男性|舞刀士(ソードダンサー)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2016/07/04 06:25

参加者一覧

  • Centuria
    和泉 澪(ka4070
    人間(蒼)|19才|女性|疾影士
  • 鬼面の侍
    鬼揃 紫辰(ka4627
    人間(紅)|22才|男性|闘狩人
  • 千の符を散らして
    黒耀 (ka5677
    鬼|25才|女性|符術師
  • 即疾隊一番隊士
    和音・空(ka6228
    人間(紅)|19才|女性|符術師
  • 一肌脱ぐわんこ
    小宮・千秋(ka6272
    ドワーフ|6才|男性|格闘士
  • 真実の探求者
    悠里(ka6368
    人間(蒼)|15才|男性|聖導士
依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/06/28 22:45:11
アイコン 相談卓
和泉 澪(ka4070
人間(リアルブルー)|19才|女性|疾影士(ストライダー)
最終発言
2016/07/02 03:33:06