ゲスト
(ka0000)
ランサック・ゴーストピット
マスター:えーてる

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 少なめ
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/09/09 15:00
- リプレイ完成予定
- 2014/09/18 15:00
オープニング
●
最後に、これを記そうと思う。
もう食料も尽きた。水だけで随分保ったように思う。
その水ももうない。取りに行く気力もだ。
落盤で水場への道が塞がれてからは、危険な地域を遠回りして水を得ていた。吸血蝙蝠の餌になった仲間や、壁が崩れて水に飲み込まれた者もいるようだ。
自分が生きていたのは幸運でしかない。
それももう終わりだろう。
語るべきことはもうない。ただ、死にたくない。
ペンを握るのも億劫だ。インクも乾いてきた。
どうして、俺がこんな――。
●
村の誰もが、そこについて言及しなくなった。
それは間違いだったと誰もが気付き、修正のために必要なのは忘却だった。
あの輝かしき黄金時代を忘れること。或いは、その礎となったものを踏みにじること。
そんな生易しいものではないと、誰もが皆知っている。
人柱。炉に入れられた生きた子供。生贄。不都合な真実を海に沈めるため、無理矢理に括りつけた重石。見捨てられた夫。ここは寂れているからと打ち捨てられたゴミの山。
後は時に全てを任せてしまえば、元通りになる――。
不都合なものに目を瞑った結果、必要なものさえ見えなくなった。
当たり前だけれど、過去は消えてはなくならない。
追いかけてくる。
自分が今いるその場所の、ぴたりと後ろにつけている。
そして、遥か遠くに走って逃げた自分たちの背中を、ずっとずっと、見つめている。
●
「今回の依頼は雑魔の討伐なのですが」
受付嬢の少し歯切れの悪い物言いに、ハンターは首を傾げた。
「総数が不明なのです。雑魔自体はさほど強敵ではないようですが、全体像が見えないため危険性が高いと判断しました」
状況は以下。
廃坑の内部から雑魔が出現し、麓の村に危害を出している。この村はかつて鉱山街として賑わっていたが、廃坑と同時に廃れたようだ。
雑魔は全て村の自警団が倒したが、それが数回続いた段階でハンターに調査を依頼。結果、内部に多数の雑魔がいることが判明した。一般人が数人で囲めば大した被害もなく倒せる程度だが、総数が多い。また、四種類ほどの数が確認されている。
一つは巨大な蝙蝠型で、胴体だけで両腕で抱えるようなサイズをしているが、高く飛べないらしい。
一つは岩の塊とそれを接着する肉腫のような雑魔で、硬い岩で身を守っている。
一つはぶよぶよと膨れ上がった人に似た白い肉塊だ。内部に汚水を溜め込んでいる。
一つは浮遊して移動する歪な黒い球体とそれを取り囲む黒い棒きれの群れで出来た、変わった雑魔だ。地上から一定距離を浮遊する。
「強力なヴォイドはいないようですが、数が多く一般人での対処が難しいと思われます。ですがハンターの皆様であれば容易な相手でしょう。詳細な情報は資料をご参照ください」
硬いだけだったり、飛行していたり、やや攻撃しづらい程度である。スキルによる定期的な回復を行えば安全かつ確実に攻略できるだろうと予想される。
「問題はむしろ廃坑の状態です」
受付嬢は見取り図の写しを差し出した。
灯りの有無、規模の不透明さ、地下水による水没区域、落盤による通路の封鎖など、様々な障害が想定される。分かっている部分は地図に記載されているが、結構な数だ。
「廃坑にはまだ地図にも未記載の区画があったり、落盤などで塞がったり新たな通路ができている場合もあるようなので、探索次第では何か発見があるかもしれませんが……」
ソサエティが現地で可能な限り情報を集めたが、どうにも不透明な点が多い。村人の態度も何処か不自然だ。これ以上の追加情報は、廃坑の中にしかないだろう。
ただ、探索に時間を割きすぎたり障害への対処に手間取ると、もしかすると覚醒時間制限を超えるような事態があるかもしれない。計画的に行くべきだ。敵が強くないからといって、あまり舐めてかかるのは推奨されない。準備は念入りに行うべきだろう。
もしものことがあるため、単独行動も慎むべきだ。
「依頼人は早急な掃滅を望んでいます。廃坑の雑魔が通過可能と思われる区域を探索し、雑魔の全滅を確認した段階で依頼は完了となります。説明は以上です」
最後に、これを記そうと思う。
もう食料も尽きた。水だけで随分保ったように思う。
その水ももうない。取りに行く気力もだ。
落盤で水場への道が塞がれてからは、危険な地域を遠回りして水を得ていた。吸血蝙蝠の餌になった仲間や、壁が崩れて水に飲み込まれた者もいるようだ。
自分が生きていたのは幸運でしかない。
それももう終わりだろう。
語るべきことはもうない。ただ、死にたくない。
ペンを握るのも億劫だ。インクも乾いてきた。
どうして、俺がこんな――。
●
村の誰もが、そこについて言及しなくなった。
それは間違いだったと誰もが気付き、修正のために必要なのは忘却だった。
あの輝かしき黄金時代を忘れること。或いは、その礎となったものを踏みにじること。
そんな生易しいものではないと、誰もが皆知っている。
人柱。炉に入れられた生きた子供。生贄。不都合な真実を海に沈めるため、無理矢理に括りつけた重石。見捨てられた夫。ここは寂れているからと打ち捨てられたゴミの山。
後は時に全てを任せてしまえば、元通りになる――。
不都合なものに目を瞑った結果、必要なものさえ見えなくなった。
当たり前だけれど、過去は消えてはなくならない。
追いかけてくる。
自分が今いるその場所の、ぴたりと後ろにつけている。
そして、遥か遠くに走って逃げた自分たちの背中を、ずっとずっと、見つめている。
●
「今回の依頼は雑魔の討伐なのですが」
受付嬢の少し歯切れの悪い物言いに、ハンターは首を傾げた。
「総数が不明なのです。雑魔自体はさほど強敵ではないようですが、全体像が見えないため危険性が高いと判断しました」
状況は以下。
廃坑の内部から雑魔が出現し、麓の村に危害を出している。この村はかつて鉱山街として賑わっていたが、廃坑と同時に廃れたようだ。
雑魔は全て村の自警団が倒したが、それが数回続いた段階でハンターに調査を依頼。結果、内部に多数の雑魔がいることが判明した。一般人が数人で囲めば大した被害もなく倒せる程度だが、総数が多い。また、四種類ほどの数が確認されている。
一つは巨大な蝙蝠型で、胴体だけで両腕で抱えるようなサイズをしているが、高く飛べないらしい。
一つは岩の塊とそれを接着する肉腫のような雑魔で、硬い岩で身を守っている。
一つはぶよぶよと膨れ上がった人に似た白い肉塊だ。内部に汚水を溜め込んでいる。
一つは浮遊して移動する歪な黒い球体とそれを取り囲む黒い棒きれの群れで出来た、変わった雑魔だ。地上から一定距離を浮遊する。
「強力なヴォイドはいないようですが、数が多く一般人での対処が難しいと思われます。ですがハンターの皆様であれば容易な相手でしょう。詳細な情報は資料をご参照ください」
硬いだけだったり、飛行していたり、やや攻撃しづらい程度である。スキルによる定期的な回復を行えば安全かつ確実に攻略できるだろうと予想される。
「問題はむしろ廃坑の状態です」
受付嬢は見取り図の写しを差し出した。
灯りの有無、規模の不透明さ、地下水による水没区域、落盤による通路の封鎖など、様々な障害が想定される。分かっている部分は地図に記載されているが、結構な数だ。
「廃坑にはまだ地図にも未記載の区画があったり、落盤などで塞がったり新たな通路ができている場合もあるようなので、探索次第では何か発見があるかもしれませんが……」
ソサエティが現地で可能な限り情報を集めたが、どうにも不透明な点が多い。村人の態度も何処か不自然だ。これ以上の追加情報は、廃坑の中にしかないだろう。
ただ、探索に時間を割きすぎたり障害への対処に手間取ると、もしかすると覚醒時間制限を超えるような事態があるかもしれない。計画的に行くべきだ。敵が強くないからといって、あまり舐めてかかるのは推奨されない。準備は念入りに行うべきだろう。
もしものことがあるため、単独行動も慎むべきだ。
「依頼人は早急な掃滅を望んでいます。廃坑の雑魔が通過可能と思われる区域を探索し、雑魔の全滅を確認した段階で依頼は完了となります。説明は以上です」
解説
●目標
敵雑魔の全滅
●敵情報
総数は不明です。外見はOPの通りです。
記載がない場合殴打による攻撃を行います。
・蝙蝠型
少々機敏ですが、脆く虚弱です。低威力の吸血攻撃により体力を回復します。
・岩塊型
少々固いですが鈍重です。二マスの突進攻撃を行います。
・肉塊型
切断・刺突に対して汚水による反撃を行います。威力は低いですが命中・回避阻害の効果を持ちます。
・浮遊型
攻撃が当てづらいです。中央の球体が核です。
●状況
・廃坑
数年前に何度か落盤事故を起こして放棄されたようですが、経緯は不透明です。
最低限対処が必要な障害は次の通りです。
・灯り
勿論ですが、廃坑内部に光源はほぼありません。
・未記載地区
無計画な拡張故に地図に未記載の地区が多く、また入り組んでいます。
・爆発性ガス
ガスが溜まった地帯です。覚醒者といえど爆発の直撃は危険です。
・地下水脈による水没区画
通路の殆どが水没した区画です。雑魔は酸素を必要としないため、水中を移動することが可能です。
通路は非常に長く、息を止めて泳ぎきれる距離ではなさそうです。
・落盤危険区域
何か大きな衝撃を与えると落盤する可能性があります。
以下は雑魔の討伐には不要な(迂回できたり、雑魔も入れないような)障害の一例です。
・吸血蝙蝠(一般人には脅威。覚醒者ならば無視も可能)
・落盤によって塞がった通路
・地下渓谷にかけられた、錆びて壊れたトロッコレール、その先の通路
・有毒ガス地帯
事故当時のままほぼ手を付けられていないため、探索すると何か(物品、情報)を発見する可能性があります。
探索中入手した物(金銭価値のある物品、アイテム)は全て持ち帰ることが可能です。
●アドバイス
・探索は徒労に終わる可能性もあります。
・全ての状況に個人で対応するのはプレイング文字数的にも難しいでしょう。役割分担は重要です。
敵雑魔の全滅
●敵情報
総数は不明です。外見はOPの通りです。
記載がない場合殴打による攻撃を行います。
・蝙蝠型
少々機敏ですが、脆く虚弱です。低威力の吸血攻撃により体力を回復します。
・岩塊型
少々固いですが鈍重です。二マスの突進攻撃を行います。
・肉塊型
切断・刺突に対して汚水による反撃を行います。威力は低いですが命中・回避阻害の効果を持ちます。
・浮遊型
攻撃が当てづらいです。中央の球体が核です。
●状況
・廃坑
数年前に何度か落盤事故を起こして放棄されたようですが、経緯は不透明です。
最低限対処が必要な障害は次の通りです。
・灯り
勿論ですが、廃坑内部に光源はほぼありません。
・未記載地区
無計画な拡張故に地図に未記載の地区が多く、また入り組んでいます。
・爆発性ガス
ガスが溜まった地帯です。覚醒者といえど爆発の直撃は危険です。
・地下水脈による水没区画
通路の殆どが水没した区画です。雑魔は酸素を必要としないため、水中を移動することが可能です。
通路は非常に長く、息を止めて泳ぎきれる距離ではなさそうです。
・落盤危険区域
何か大きな衝撃を与えると落盤する可能性があります。
以下は雑魔の討伐には不要な(迂回できたり、雑魔も入れないような)障害の一例です。
・吸血蝙蝠(一般人には脅威。覚醒者ならば無視も可能)
・落盤によって塞がった通路
・地下渓谷にかけられた、錆びて壊れたトロッコレール、その先の通路
・有毒ガス地帯
事故当時のままほぼ手を付けられていないため、探索すると何か(物品、情報)を発見する可能性があります。
探索中入手した物(金銭価値のある物品、アイテム)は全て持ち帰ることが可能です。
●アドバイス
・探索は徒労に終わる可能性もあります。
・全ての状況に個人で対応するのはプレイング文字数的にも難しいでしょう。役割分担は重要です。
マスターより
えーてるです。今回も敵の捜索がメインです。舐めてかからなければ戦闘は余裕でしょう。
廃坑の探索に重点を置く場合、それなりに計画性が必要です。安全性に目を瞑って班分けをしてしまうのもよいでしょう。
尚、シナリオ上の障害に関して「一例」という表現を用いましたが、皆様の想定外の障害によってパーティが全滅することはありません。ご安心ください。
皆様の知力と武力の限りを尽くしたプレイングをお待ちしています。
廃坑の探索に重点を置く場合、それなりに計画性が必要です。安全性に目を瞑って班分けをしてしまうのもよいでしょう。
尚、シナリオ上の障害に関して「一例」という表現を用いましたが、皆様の想定外の障害によってパーティが全滅することはありません。ご安心ください。
皆様の知力と武力の限りを尽くしたプレイングをお待ちしています。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/09/14 22:47
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/09/04 20:17:52 |
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相談卓 アルヴィン = オールドリッチ(ka2378) エルフ|26才|男性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2014/09/09 12:40:50 |