ゲスト
(ka0000)
【選挙】black advance
マスター:墨上古流人

- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
APV- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/09/12 19:00
- リプレイ完成予定
- 2014/09/21 19:00
オープニング
「うちのトップは一体何考えてんだ?」
「僕?」
「ちげーよ、もっと上だ上。芋皇帝の事だ」
「リベルト……幾ら選挙中はどんなに悪く言っても、とはいえ、軽率なのはどうかと思うよ?」
「国のトップの事ちゃんづけで呼んでるお前もどっこいだろうが」
リベルト、と呼ばれた椅子に座っている長身の男が、
新聞を放り投げてから不機嫌そうに机に脚をどかっと乗せる。
その対面の机で、くせっ毛の幸薄そうな少年のような青年が微笑み交じりで溜息をつく。
ここは帝国第九師団フリデンルーエンの執務室。
副師団長リベルトと、師団長のユウ。2人しかいない広い部屋では、しばらく一つの話題で持ちきりだった。
「どうすんだよ、もし万が一挿げ替えるなんてことになったら。まーためんどくせぇことになるかもしんねーぞ」
「リベルトは心配性だね」
「お前の下についてるおかげさまでな」
現在帝国では今、第一回皇帝選挙が行われている。
現、いや、元皇帝ヴィルヘルミナ・ウランゲルは現在皇帝を辞任しているという立場だ。
というのも、帝国は先の大規模な対歪虚作戦において、
軍事力の派遣等国を挙げての大きな対策を講じず『ハンター達の意志を尊重する』という酷く消極的なスタンスを貫いていたことによる、
批判を受けてのアクションであった。
もちろん、協力を主張する師団については「行きたければ行けば?」と止めたりはしておらず、
実際第九師団については救援部隊と言う事で、
物資と幾らかの人手で応援を行った。
そして、かの皇帝は申し訳ない、私の決断力が~とか、不甲斐無いばかりに~とか、
そんな肩を落として髪の中に顔を隠す柄ではない。
むしろ今回の彼女のスタンスとしては「それなら自分達で本当に皇帝に相応しいのは誰か選んでみるといい」
という、挑戦的且つ挑発的な姿勢で臨んでいるようだ。
「だーからわかんねー。なんでわざわざそんなことすっかね」
「騎士議会でも、何だかしれっとしてたよ」
「公務止まって俺らで尻拭いとかねーだろうな?」
「ぁ、そこは大丈夫。辞任とはいえ、選挙中も皇帝の座を退いてる訳じゃないから公務は通常通りだってさ」
彼女は選挙の結果、国民の意思を受けて退く意思があると言う事を表明したに過ぎない。
「全部自分でやるから迷惑かけない、ってのも気に喰わねぇなぁ」
「なーに? リベルトったらそういう心配のしかたするんだ?」
「どっかの誰かさんもそうだろうよ。そういう問題じゃねーんだよ」
どこか不機嫌そうにして、窓際まで大股で歩き煙草に火をつけるリベルト。
口から沢山の煙が、彼の顔を隠すようにぶわっと吐き出てきた。
「リベルトは立候補する?」
「しねーよ」
「じゃあお仕事だよ」
ぱさ、と手元にあった紙を両手で手に取り、目に入ってくる通達を噛み砕き、口で紡ぐユウ。
「今回の選挙で、もちろんよりこの国を良くしていくためにーなんて、綺麗事並べる人達が増えてくるワケだけどさ、
その中には、これを機にって感じで一部過激な人達もやっぱり出てくるんだ」
「旧体制派か? もしくは王国回帰派か」
「それだけじゃないけど、僕としては旧体制とか王国回帰とか、そうでなくても現政権に対して不満を持ってた反政府派とか、せっかくの選挙だしそういう言論の自由はこういう時こそ自由であるべきだと思ってるんだ」
現政権は歪虚による東方壊滅、その後から始まった辺境への侵攻等目の当たりにしているにも関わらず、
第三代皇帝の治める帝国の動きの鈍さを憂いて、
先代皇帝(現もとい元皇帝の父)による短期間の帝位簒奪という革命よって築かれてきたものである。
旧体制派とは、帝国のそんな革命が起きる前に帝国を統治していた元皇族や貴族、元騎士達による時代を取り戻そうとする派閥の事である。
そして王国回帰派であるが、帝国は元々、王国で武勲をあげて褒賞としてもらった北方の領土が独立して出来たという経緯があり、
エクラ教の教えの下王国に従うべきだと考える者達の事である。
「まぁ……そうだな。言えるうちに言いたいこといっとかねーと『いい国作ろう』が『いい国繕う』になっちまうからな」
「そうだね。食堂でもちゃんと食べたいものを注文しないと、食べたいものは出てこないしね」
その例えはどうなんだ……? と、吸い殻を自分の机の缶に放り込んでユウの前に立つリベルト。
「んで、俺らはそういうあぶねーことしてないかを見て、あくまで『公正な選挙運動』がされるようにすりゃいいんだな」
「そうだね、リベルトがどう思っていようがそれは君の意見を尊重するけど、仕事においてはどこかに肩入れするとかないようにね」
「了解だ。となると、師団メンバーあんまり駆り出すのもちょっと違うか……?」
「うーん、師団の目的としてはホワイトに近いグレーなのかもね? でも、怪我人出ちゃったら僕らがどうこうしなきゃだから、警備じゃなくて予防ですとか屁理屈こねればいいんじゃないかな。実際、怪我人は増やしたくないしね」
「わかった。じゃあ師団メンバーは怪我人が出た場合に動いてもらうようにしよう。警備については俺がAPVからハンター連れていくわ」
申請はやっとくね、とユウが書類を用意して、リベルトは外出の用意をしだす。
「ところで……この選挙、お前はどう思っているんだ? ユウ」
「ふふ……リベルト、教えてあげるようか」
逆光に遮られるユウの顔は、きっと微笑んでいたに違いない。
「コミュニケーションにおいて、スポーツと年収と政治の話は避けた方がいいんだよ」
「お前にコミュニケーションとは何たるかを説かれたかねーやい」
ぷい、と踵を返して部屋を出ていくリベルト。
光で作られた影の中に隠れる小さな顔は、最後まで読み取る事は出来なかった。
「僕?」
「ちげーよ、もっと上だ上。芋皇帝の事だ」
「リベルト……幾ら選挙中はどんなに悪く言っても、とはいえ、軽率なのはどうかと思うよ?」
「国のトップの事ちゃんづけで呼んでるお前もどっこいだろうが」
リベルト、と呼ばれた椅子に座っている長身の男が、
新聞を放り投げてから不機嫌そうに机に脚をどかっと乗せる。
その対面の机で、くせっ毛の幸薄そうな少年のような青年が微笑み交じりで溜息をつく。
ここは帝国第九師団フリデンルーエンの執務室。
副師団長リベルトと、師団長のユウ。2人しかいない広い部屋では、しばらく一つの話題で持ちきりだった。
「どうすんだよ、もし万が一挿げ替えるなんてことになったら。まーためんどくせぇことになるかもしんねーぞ」
「リベルトは心配性だね」
「お前の下についてるおかげさまでな」
現在帝国では今、第一回皇帝選挙が行われている。
現、いや、元皇帝ヴィルヘルミナ・ウランゲルは現在皇帝を辞任しているという立場だ。
というのも、帝国は先の大規模な対歪虚作戦において、
軍事力の派遣等国を挙げての大きな対策を講じず『ハンター達の意志を尊重する』という酷く消極的なスタンスを貫いていたことによる、
批判を受けてのアクションであった。
もちろん、協力を主張する師団については「行きたければ行けば?」と止めたりはしておらず、
実際第九師団については救援部隊と言う事で、
物資と幾らかの人手で応援を行った。
そして、かの皇帝は申し訳ない、私の決断力が~とか、不甲斐無いばかりに~とか、
そんな肩を落として髪の中に顔を隠す柄ではない。
むしろ今回の彼女のスタンスとしては「それなら自分達で本当に皇帝に相応しいのは誰か選んでみるといい」
という、挑戦的且つ挑発的な姿勢で臨んでいるようだ。
「だーからわかんねー。なんでわざわざそんなことすっかね」
「騎士議会でも、何だかしれっとしてたよ」
「公務止まって俺らで尻拭いとかねーだろうな?」
「ぁ、そこは大丈夫。辞任とはいえ、選挙中も皇帝の座を退いてる訳じゃないから公務は通常通りだってさ」
彼女は選挙の結果、国民の意思を受けて退く意思があると言う事を表明したに過ぎない。
「全部自分でやるから迷惑かけない、ってのも気に喰わねぇなぁ」
「なーに? リベルトったらそういう心配のしかたするんだ?」
「どっかの誰かさんもそうだろうよ。そういう問題じゃねーんだよ」
どこか不機嫌そうにして、窓際まで大股で歩き煙草に火をつけるリベルト。
口から沢山の煙が、彼の顔を隠すようにぶわっと吐き出てきた。
「リベルトは立候補する?」
「しねーよ」
「じゃあお仕事だよ」
ぱさ、と手元にあった紙を両手で手に取り、目に入ってくる通達を噛み砕き、口で紡ぐユウ。
「今回の選挙で、もちろんよりこの国を良くしていくためにーなんて、綺麗事並べる人達が増えてくるワケだけどさ、
その中には、これを機にって感じで一部過激な人達もやっぱり出てくるんだ」
「旧体制派か? もしくは王国回帰派か」
「それだけじゃないけど、僕としては旧体制とか王国回帰とか、そうでなくても現政権に対して不満を持ってた反政府派とか、せっかくの選挙だしそういう言論の自由はこういう時こそ自由であるべきだと思ってるんだ」
現政権は歪虚による東方壊滅、その後から始まった辺境への侵攻等目の当たりにしているにも関わらず、
第三代皇帝の治める帝国の動きの鈍さを憂いて、
先代皇帝(現もとい元皇帝の父)による短期間の帝位簒奪という革命よって築かれてきたものである。
旧体制派とは、帝国のそんな革命が起きる前に帝国を統治していた元皇族や貴族、元騎士達による時代を取り戻そうとする派閥の事である。
そして王国回帰派であるが、帝国は元々、王国で武勲をあげて褒賞としてもらった北方の領土が独立して出来たという経緯があり、
エクラ教の教えの下王国に従うべきだと考える者達の事である。
「まぁ……そうだな。言えるうちに言いたいこといっとかねーと『いい国作ろう』が『いい国繕う』になっちまうからな」
「そうだね。食堂でもちゃんと食べたいものを注文しないと、食べたいものは出てこないしね」
その例えはどうなんだ……? と、吸い殻を自分の机の缶に放り込んでユウの前に立つリベルト。
「んで、俺らはそういうあぶねーことしてないかを見て、あくまで『公正な選挙運動』がされるようにすりゃいいんだな」
「そうだね、リベルトがどう思っていようがそれは君の意見を尊重するけど、仕事においてはどこかに肩入れするとかないようにね」
「了解だ。となると、師団メンバーあんまり駆り出すのもちょっと違うか……?」
「うーん、師団の目的としてはホワイトに近いグレーなのかもね? でも、怪我人出ちゃったら僕らがどうこうしなきゃだから、警備じゃなくて予防ですとか屁理屈こねればいいんじゃないかな。実際、怪我人は増やしたくないしね」
「わかった。じゃあ師団メンバーは怪我人が出た場合に動いてもらうようにしよう。警備については俺がAPVからハンター連れていくわ」
申請はやっとくね、とユウが書類を用意して、リベルトは外出の用意をしだす。
「ところで……この選挙、お前はどう思っているんだ? ユウ」
「ふふ……リベルト、教えてあげるようか」
逆光に遮られるユウの顔は、きっと微笑んでいたに違いない。
「コミュニケーションにおいて、スポーツと年収と政治の話は避けた方がいいんだよ」
「お前にコミュニケーションとは何たるかを説かれたかねーやい」
ぷい、と踵を返して部屋を出ていくリベルト。
光で作られた影の中に隠れる小さな顔は、最後まで読み取る事は出来なかった。
解説
◆目的
選挙運動の警備、それに付随し危険因子の排除、制圧。
皇帝の辞任、一回目の選挙と言う大きなイベントに、
過激派の活動もちらほらと見受けられます。
選挙期間中でも物を壊したり著しく人を傷つけたり等の犯罪行為は普通に処罰されますので、
一般市民の生活や市民そのもの等被害が及ばぬように『指導』を行ってください。
『指導』の方法は一任しますが、
あまりに行き過ぎた上記処罰についてはハンターにも適応されます。
具体的には必要な正当防衛以外の殺生に注意してください。
PL情報として、
皆さんは公正な選挙運動が行われているかどうかの警備にあたっている中、
半径50mの噴水広場で市民団体と遭遇します。周りは大小種々の商店で囲われています。
市民団体の様子は西側から現政権維持派、東側から旧体制、王国回帰派含む反政府派が現れ、
お互い色々主張していくうちに血が上ってきて手を出そうとします。
不運なことに、両団体とも過激派で武装も見受けられますので、
暴徒化したこれらを鎮圧してください。
障害となり得る対象には、覚醒者等もいるでしょうし、
ちょっと危ない一般市民程度の強さの者もいるでしょう。
選挙運動の警備、それに付随し危険因子の排除、制圧。
皇帝の辞任、一回目の選挙と言う大きなイベントに、
過激派の活動もちらほらと見受けられます。
選挙期間中でも物を壊したり著しく人を傷つけたり等の犯罪行為は普通に処罰されますので、
一般市民の生活や市民そのもの等被害が及ばぬように『指導』を行ってください。
『指導』の方法は一任しますが、
あまりに行き過ぎた上記処罰についてはハンターにも適応されます。
具体的には必要な正当防衛以外の殺生に注意してください。
PL情報として、
皆さんは公正な選挙運動が行われているかどうかの警備にあたっている中、
半径50mの噴水広場で市民団体と遭遇します。周りは大小種々の商店で囲われています。
市民団体の様子は西側から現政権維持派、東側から旧体制、王国回帰派含む反政府派が現れ、
お互い色々主張していくうちに血が上ってきて手を出そうとします。
不運なことに、両団体とも過激派で武装も見受けられますので、
暴徒化したこれらを鎮圧してください。
障害となり得る対象には、覚醒者等もいるでしょうし、
ちょっと危ない一般市民程度の強さの者もいるでしょう。
マスターより
あんまり政治とかよくわからない勢ですが、
大事なことであることはわかるし、
それが公正に行われるべきであるという辺りはわかります。
選挙と小難しいことが絡んでますが、
深く考えすぎず、清き一票を守る為に是非ご参加くださいませ。
大事なことであることはわかるし、
それが公正に行われるべきであるという辺りはわかります。
選挙と小難しいことが絡んでますが、
深く考えすぎず、清き一票を守る為に是非ご参加くださいませ。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/09/20 04:31
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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プレイング メイム(ka2290) エルフ|15才|女性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2014/09/12 07:50:48 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/09/08 02:33:52 |
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相談卓 米本 剛(ka0320) 人間(リアルブルー)|30才|男性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2014/09/12 17:28:04 |