ゲスト
(ka0000)
ササノハ生誕祭
マスター:尾仲ヒエル

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/07/19 22:00
- リプレイ完成予定
- 2016/07/28 22:00
オープニング
「準備は順調なようですね」
ゾンネンシュトラール帝国首都、バルトアンデルスの空き地。
教団のローブを着た穏やかそうな老人が、横に立つササノハに声を掛ける。
老人の名はシモン。
過去にササノハに救われ、教団の立ち上げ当初から関わってきた人物だ。
「信者の方々や、孤児院の子供たちも招待しました。楽しんでもらえると良いのですが」
2人の目の前にある立て札には、内容や日時と共に、ササノハが考えた文章が書かれている。
『誰でも参加できます
お祝いには赤い花をお持ちください』
貧しい者や子供が貢ぎ物に関して気を遣うことのないようにという配慮からの言葉だ。
ちょうど季節なのだろう。
ケシに似た赤い花は、立て札の周りにもたくさん咲いている。
当日には、野原にテーブルが並べられ、丸焼きにした鶏や、焼きたてのパン、果物といったささやかな御馳走が所狭しと置かれる予定だった。
「皆、喜ぶでしょう。私は本部の留守を預からせていただきますが……」
孫を水の事故で亡くして以来、シモンはあまり子供のいる場所には姿を現さない。
「頼りにしています」
「……あまり、無理をなさらないでください」
「はい……でも――」
言葉を濁らせたササノハに、シモンが言葉を重ねる。
「イリフネさまが何か仰るようでしたら、私からきちんと申し上げますから」
忙しい叔父に代わり、小さい頃から教育係として傍にいた老人の言葉に、ササノハはくすぐったそうな表情で頷いた。
●10日前
その夜、ササノハの叔父であるイリフネが部屋を訪れていた。
金糸の刺繍も鮮やかな、薄い紗の着物がササノハの前に広げられる。
それを見たササノハは、ごくりと喉を鳴らすと、覚悟を決めた様子で切り出した。
「叔父さん。私は、この誕生日で14になります。もう、女物の着物を着るのは――」
「貴方は教主です」
遮る声は冷え冷えとしていた。
「信者たちが貴方に求めるのは性を超えた存在であること。衣装はそれを示す物です。長い髪は力を高めます。貴方は自分の我儘で人々を不安にさせるおつもりなのですか」
「私……は……」
ササノハが言葉に詰まって顔を伏せる。
「私の期待を裏切らないでください」
ため息と共にイリフネは部屋を出て行った。
●7日前
空き地で浄化と呼ばれる儀式を行うササノハの元に、やつれた様子の若い女性がやって来た。
「ササノハさま。私の夫が消えてしまったんです」
ケイと名乗った女性は、結婚したばかりの夫がいなくなってしまったことを途切れ途切れに語った。
手掛かりもなく、周囲には自分のせいではないかと責められ、夜も眠れないという。
「もう、どうしたら良いのか」
混乱した様子の女性の額に触れながら、ササノハがそっと声を掛ける。
「それは辛かったでしょう。……何度もそう言われる内に、だんだん自分に悪い所があったのではないかと思い始めているのでは?」
図星だったらしく、ケイの目が見開かれる。
「大丈夫ですよ。あなたのせいではありません。例えあなたに罪があるとしても、私が許します」
その言葉を聞いたケイは座り込み、ぼろぼろと泣き始めた。
運ばれていく女性を眺めながら、ササノハは整った顔を曇らせた。
「最近、こうした事件が増えているような……。何か、起こっているのでしょうか」
●依頼と似顔絵
ハンターオフィスに一つの依頼が届いていた。
『ハンターの皆さまへ。朱花の教団の教主、ササノハと申します。
このたび、僭越ながら私の生誕祭を開くことになりました。
パーティーに出席していただき、最近頻発している失踪事件について調べていただけないでしょうか。
色々と事情があり、私は表立って動けません。
どうか私の代わりに、招待した関係者の方々に話を聞き、情報を集めてください。
追伸
探しやすいよう、関係者の方々の特徴と似顔絵を書きましたので、添えさせていただきます』
その似顔絵を見たハンターたちが、一瞬言葉を失う。
「こ、これは……」
「虫?」
「……いや、この文面からすると似顔絵だろ?」
「でも足が多くない?」
「髪……いや、服じゃないか?」
ササノハの達筆と、壊滅的な絵のセンスが判明した瞬間だった。
ゾンネンシュトラール帝国首都、バルトアンデルスの空き地。
教団のローブを着た穏やかそうな老人が、横に立つササノハに声を掛ける。
老人の名はシモン。
過去にササノハに救われ、教団の立ち上げ当初から関わってきた人物だ。
「信者の方々や、孤児院の子供たちも招待しました。楽しんでもらえると良いのですが」
2人の目の前にある立て札には、内容や日時と共に、ササノハが考えた文章が書かれている。
『誰でも参加できます
お祝いには赤い花をお持ちください』
貧しい者や子供が貢ぎ物に関して気を遣うことのないようにという配慮からの言葉だ。
ちょうど季節なのだろう。
ケシに似た赤い花は、立て札の周りにもたくさん咲いている。
当日には、野原にテーブルが並べられ、丸焼きにした鶏や、焼きたてのパン、果物といったささやかな御馳走が所狭しと置かれる予定だった。
「皆、喜ぶでしょう。私は本部の留守を預からせていただきますが……」
孫を水の事故で亡くして以来、シモンはあまり子供のいる場所には姿を現さない。
「頼りにしています」
「……あまり、無理をなさらないでください」
「はい……でも――」
言葉を濁らせたササノハに、シモンが言葉を重ねる。
「イリフネさまが何か仰るようでしたら、私からきちんと申し上げますから」
忙しい叔父に代わり、小さい頃から教育係として傍にいた老人の言葉に、ササノハはくすぐったそうな表情で頷いた。
●10日前
その夜、ササノハの叔父であるイリフネが部屋を訪れていた。
金糸の刺繍も鮮やかな、薄い紗の着物がササノハの前に広げられる。
それを見たササノハは、ごくりと喉を鳴らすと、覚悟を決めた様子で切り出した。
「叔父さん。私は、この誕生日で14になります。もう、女物の着物を着るのは――」
「貴方は教主です」
遮る声は冷え冷えとしていた。
「信者たちが貴方に求めるのは性を超えた存在であること。衣装はそれを示す物です。長い髪は力を高めます。貴方は自分の我儘で人々を不安にさせるおつもりなのですか」
「私……は……」
ササノハが言葉に詰まって顔を伏せる。
「私の期待を裏切らないでください」
ため息と共にイリフネは部屋を出て行った。
●7日前
空き地で浄化と呼ばれる儀式を行うササノハの元に、やつれた様子の若い女性がやって来た。
「ササノハさま。私の夫が消えてしまったんです」
ケイと名乗った女性は、結婚したばかりの夫がいなくなってしまったことを途切れ途切れに語った。
手掛かりもなく、周囲には自分のせいではないかと責められ、夜も眠れないという。
「もう、どうしたら良いのか」
混乱した様子の女性の額に触れながら、ササノハがそっと声を掛ける。
「それは辛かったでしょう。……何度もそう言われる内に、だんだん自分に悪い所があったのではないかと思い始めているのでは?」
図星だったらしく、ケイの目が見開かれる。
「大丈夫ですよ。あなたのせいではありません。例えあなたに罪があるとしても、私が許します」
その言葉を聞いたケイは座り込み、ぼろぼろと泣き始めた。
運ばれていく女性を眺めながら、ササノハは整った顔を曇らせた。
「最近、こうした事件が増えているような……。何か、起こっているのでしょうか」
●依頼と似顔絵
ハンターオフィスに一つの依頼が届いていた。
『ハンターの皆さまへ。朱花の教団の教主、ササノハと申します。
このたび、僭越ながら私の生誕祭を開くことになりました。
パーティーに出席していただき、最近頻発している失踪事件について調べていただけないでしょうか。
色々と事情があり、私は表立って動けません。
どうか私の代わりに、招待した関係者の方々に話を聞き、情報を集めてください。
追伸
探しやすいよう、関係者の方々の特徴と似顔絵を書きましたので、添えさせていただきます』
その似顔絵を見たハンターたちが、一瞬言葉を失う。
「こ、これは……」
「虫?」
「……いや、この文面からすると似顔絵だろ?」
「でも足が多くない?」
「髪……いや、服じゃないか?」
ササノハの達筆と、壊滅的な絵のセンスが判明した瞬間だった。
解説
【場所】
御馳走の置かれたテーブルが並んだ帝都の空き地
【成功条件】
全員に話を聞ければ「普通」、失踪事件の情報をうまく引き出せれば「成功」となります。
【会場にいる人々】
■ササノハ
朱花の教団の教主の少年。今回の依頼主。
今日で14歳。
話しかけることはできるが、パーティーの主役のため連れ回すことは難しそう。
■イリフネ
実質的に教団を取り仕切っているササノハの叔父。
今日も会場を取り仕切っているため忙しそう。
■人々
ササノハの生誕祭に参加している人々。
帝都に暮らす人々や、教団の信者、教団が援助する孤児院の子供たちなど。
大半は御馳走目当て。
【情報を聞けそうな相手】(※ササノハの書いた特徴のメモにより、探せばすぐに見つかりそうです)
■新婚のケイ
結婚したばかりの夫が失踪してしまった女性。
会場の隅で悲しそうに佇んでいる。
(ササノハメモ:金髪、長身、そばかす。旦那さまのお名前はスオウさんです)
■目撃者のタオ
ササノハに心酔する初老の男性。
ケイ夫婦のご近所さんで、ケイの夫がいなくなる時に近くにいたようだ。
現在、近くの男性に、「ササノハ様のおかげで、夢の中で死んだ妻に会えた」と話しているところ。
(ササノハメモ:白髪、眼鏡、着物。亡くなった奥さまを今でも深く愛してらっしゃいます)
■情報通のおばさま
お喋り好きなドワーフのおばさま。
おばさまネットワークを駆使し、他の失踪事件を含む帝都の噂に詳しい。
(ササノハメモ:赤毛、小柄。「イケメン」がお好きらしいです)
御馳走の置かれたテーブルが並んだ帝都の空き地
【成功条件】
全員に話を聞ければ「普通」、失踪事件の情報をうまく引き出せれば「成功」となります。
【会場にいる人々】
■ササノハ
朱花の教団の教主の少年。今回の依頼主。
今日で14歳。
話しかけることはできるが、パーティーの主役のため連れ回すことは難しそう。
■イリフネ
実質的に教団を取り仕切っているササノハの叔父。
今日も会場を取り仕切っているため忙しそう。
■人々
ササノハの生誕祭に参加している人々。
帝都に暮らす人々や、教団の信者、教団が援助する孤児院の子供たちなど。
大半は御馳走目当て。
【情報を聞けそうな相手】(※ササノハの書いた特徴のメモにより、探せばすぐに見つかりそうです)
■新婚のケイ
結婚したばかりの夫が失踪してしまった女性。
会場の隅で悲しそうに佇んでいる。
(ササノハメモ:金髪、長身、そばかす。旦那さまのお名前はスオウさんです)
■目撃者のタオ
ササノハに心酔する初老の男性。
ケイ夫婦のご近所さんで、ケイの夫がいなくなる時に近くにいたようだ。
現在、近くの男性に、「ササノハ様のおかげで、夢の中で死んだ妻に会えた」と話しているところ。
(ササノハメモ:白髪、眼鏡、着物。亡くなった奥さまを今でも深く愛してらっしゃいます)
■情報通のおばさま
お喋り好きなドワーフのおばさま。
おばさまネットワークを駆使し、他の失踪事件を含む帝都の噂に詳しい。
(ササノハメモ:赤毛、小柄。「イケメン」がお好きらしいです)
マスターより
ササノハの誕生日パーティーでの調査シナリオです。
誕生日のお祝いをしつつ(あるいはお祝いするふりをしつつ)、失踪事件に関する情報を集めてください。
・ササノハへの挨拶(あれば)
・話しかける相手(ケイ・タオ・おばさまの内、1名)
・尋ねる内容
誕生日のお祝いをしつつ(あるいはお祝いするふりをしつつ)、失踪事件に関する情報を集めてください。
・ササノハへの挨拶(あれば)
・話しかける相手(ケイ・タオ・おばさまの内、1名)
・尋ねる内容
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/07/26 21:51
参加者一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
相談卓 デュシオン・ヴァニーユ(ka4696) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2016/07/19 12:03:41 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/07/19 11:46:44 |