ゲスト
(ka0000)
【蒼乱】王国騎士の宇宙戦艦生活
マスター:馬車猪

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- サポート
- 現在6人 / 0~16人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/07/19 22:00
- リプレイ完成予定
- 2016/07/28 22:00
オープニング
※この依頼に参加しなくても転移実験に参加可能です※
※この依頼に参加しただけでは転移実験参加扱いになりません※
●朝。目覚ましの止め方が分からない
騎士メーガンの朝は早い。
テント内で目を覚まし、熟睡中のパルムを腹から下ろして身支度を整える。
「行ってくる」
一言言い残して残してねぐらから出た。
暖かな光が肌を温め豊かな緑が目を楽しませてくれる。
街だ。道の舗装から個々の家まで、リゼリオを上回る技術と資材が使われていた。
「すごいな」
ここはサルヴァトーレ・ロッソ居住区。
地球への転移実験参加者が住む、ロッソ内で最も騒がしい場所の1つである。
●午前。ネジの1つも締められない
「スラスターを5セット持ってこい!」
古参の整備兵が部下を怒鳴りつける。
肌は荒れ目の下のくまが酷い。
「無理です。小型のフォークリフトも出払って……」
十分な休養をとった若手がなんとか宥めようとする。
「馬鹿野郎地球に戻ったらお前等がなんとかするんだよ。ここでもなんとかしろ!」
無茶苦茶な言いかがりを浴びせられてしまい、若手がひぃっと情けない悲鳴をあげた。
整備兵が奥歯を噛みしめる。
彼は転移実験に参加できない。
一部ハンターのような高度整備技術を持たず、苛酷な環境に耐えうる覚醒者でもなく、何より妻と産まれたばかりの子がクリムゾンウェストにいるからだ。
「スラスターはこれで良かったか?」
唐突に、巨大なCAMパーツが整備士達の目の前に差し出された。
古参整備兵が目を見開き呆然と大口を開ける。
若手整備士がやれやれと肩をすくめメーガンに向き直った。
「これじゃないです。あれですあれ」
「そうか」
手間をかけたと言って軽く頭を下げる。
脚部パーツが動いて古参整備士の前髪を揺らす。
「なんて力だ。覚醒者ってのは人型重機か?」
古参整備兵が感嘆半分混乱半分で呟く横で、若手はいきなり迷うメーガンを声で誘導していた。
●昼。コンロの火すら付けられない
よく冷えたジュースの缶を、一見なんの変哲もない指で平然と剥いた。
中身は炭酸飲料だ。
当然のように勢いよく噴き出し、メーガンの顔と髪を甘い汁で染め上げた。
「むずかしい」
「あんたへの教育が難しいよ!」
教育担当の士官が制帽を床に叩きつけた。
「あなたの教育には満足している。昨日は」
メーガンの瞳に伶俐っぽい光が浮かぶ。
「勝手に動くドアにすべり込めたのだ」
「自動ドアくらい最初の5分で使えるようになれよもう3日目だよ3日目!」
わめき散らすのは士官として相応しくない態度なのは分かっているのに止まらない。
「むずかしいな」
ジュースまみれの手ぬぐいを絞るメーガン。
無力感と虚無感に負けうずくまりそうになる士官。
ここ数日ロッソ内で良く見られる光景だった。
そんな光景を、複数の士官がブリッジから注視していた。
「王国の教育水準は恐ろしく低いのかね?」
「異世界の義勇兵というのは政治的には有用だ。だがさすがにこれは」
目がどんよりした2人に、CAMおよびクリムゾンウェスト機体担当の士官が声をかけた。
「王国にとっては苦渋の決断だったのでしょう。彼女もなかなかの人材ですよ」
実機での操縦記録とシミュレータの記録を呼び出し2人に示す。
「10時間以上集中を切らさず戦闘可能だと!」
「この体力、彼女は本当に人間かね」
疑わしげな視線がディスプレイ上のメーガンに向けられた。
「それを決めるのは我々ではありませんよ」
肩をすくめる仕草が非常に似合っている。
「人力パワードスーツとしても人型重機としても期待できます。何が出てくるか分からない実験への道連れとしては、個人的には大歓迎ですよ」
画面のメーガンは、箸でヌードルを摘もうとして鉄製のそれを折り曲げてしまっていた。
●午後。宇宙服を1人で着られない
真空に近い部屋で、緊急事態を示すランプがいくつも灯った。
『実験を中止します。被験者は直ちに酸素ボンベを……』
メーガンが自分の手足を見た。
いつもの間隔で動いただけなのに、とても立派に見える装備に細かな亀裂が入ってしまった。
それとちょっと息苦しい。
なお、彼女にとってもいつも通りは平均的人間の非常識だ。
「メーガンさん! 意識は、この指何本に見えますか!?」
酸素ボンベ装備の医師と看護婦が実験場に飛び込んできた。
まるで瀕死の重傷者がいるかのような態度だ。
「1、2、3……3本だ」
重々しくうなずく。見た目だけなら頼りがいがあった。
2時間後。
頑丈すぎるメーガンと精密検査しようとする医師の戦いは、検査結果に頭を抱える医師と腹を空かせたメーガンの引き分けで終わった。
メーガンはいつも通りの足取りで仕事場に向かう。
格納庫は相変わらず喧噪に満ち、CAMと魔導アーマーの宇宙戦仕様への改造に苦戦していた。
「無理です!」
「馬鹿野郎、量産型は無理でもヘイムダルなら気密維持は可能だ。出発までに仕上げるんだ! 量産型用の宇宙服も忘れるなよ」
「処理能力の割当てを増やしてくださいよぉ! 背中のスラスター1つで宇宙戦闘なんて無理って言ってるでしょぉっ。計算し尽くした位置に複数要るんですってばっ」
「宇宙専用武器? ンなもん作ってる余裕なんてねぇよほらまだ今日のノルマ10機以上残ってっぞ」
何を言っているのかさっぱり分からない。
メーガンは見た目だけ重々しく首肯して、整備兵の指示に従い荷運びを再開するのだった。
●夜。噴水付きトイレは魔性の発明
数日前まで無人だった区間は、夜になっても眠る気配がない。
物思いに耽る者。
親しい相手と別れを惜しむ者。
実験に志願したクリムゾンウェスト人だけでなく、故郷へ戻る地球人の中にも迷い戸惑う者達がいる。
無論、とうに覚悟を決めた人物もいるし、深く考えていないメーガンもいる。
「おやすみ」
夜遊びに出かけるパルムを見送って、メーガンは公園内のテントで横になる。
明日も早い。
何人か増援が、特にハンターの増援が欲しいと思いながら眠りの世界に旅立った。
※この依頼に参加しただけでは転移実験参加扱いになりません※
●朝。目覚ましの止め方が分からない
騎士メーガンの朝は早い。
テント内で目を覚まし、熟睡中のパルムを腹から下ろして身支度を整える。
「行ってくる」
一言言い残して残してねぐらから出た。
暖かな光が肌を温め豊かな緑が目を楽しませてくれる。
街だ。道の舗装から個々の家まで、リゼリオを上回る技術と資材が使われていた。
「すごいな」
ここはサルヴァトーレ・ロッソ居住区。
地球への転移実験参加者が住む、ロッソ内で最も騒がしい場所の1つである。
●午前。ネジの1つも締められない
「スラスターを5セット持ってこい!」
古参の整備兵が部下を怒鳴りつける。
肌は荒れ目の下のくまが酷い。
「無理です。小型のフォークリフトも出払って……」
十分な休養をとった若手がなんとか宥めようとする。
「馬鹿野郎地球に戻ったらお前等がなんとかするんだよ。ここでもなんとかしろ!」
無茶苦茶な言いかがりを浴びせられてしまい、若手がひぃっと情けない悲鳴をあげた。
整備兵が奥歯を噛みしめる。
彼は転移実験に参加できない。
一部ハンターのような高度整備技術を持たず、苛酷な環境に耐えうる覚醒者でもなく、何より妻と産まれたばかりの子がクリムゾンウェストにいるからだ。
「スラスターはこれで良かったか?」
唐突に、巨大なCAMパーツが整備士達の目の前に差し出された。
古参整備兵が目を見開き呆然と大口を開ける。
若手整備士がやれやれと肩をすくめメーガンに向き直った。
「これじゃないです。あれですあれ」
「そうか」
手間をかけたと言って軽く頭を下げる。
脚部パーツが動いて古参整備士の前髪を揺らす。
「なんて力だ。覚醒者ってのは人型重機か?」
古参整備兵が感嘆半分混乱半分で呟く横で、若手はいきなり迷うメーガンを声で誘導していた。
●昼。コンロの火すら付けられない
よく冷えたジュースの缶を、一見なんの変哲もない指で平然と剥いた。
中身は炭酸飲料だ。
当然のように勢いよく噴き出し、メーガンの顔と髪を甘い汁で染め上げた。
「むずかしい」
「あんたへの教育が難しいよ!」
教育担当の士官が制帽を床に叩きつけた。
「あなたの教育には満足している。昨日は」
メーガンの瞳に伶俐っぽい光が浮かぶ。
「勝手に動くドアにすべり込めたのだ」
「自動ドアくらい最初の5分で使えるようになれよもう3日目だよ3日目!」
わめき散らすのは士官として相応しくない態度なのは分かっているのに止まらない。
「むずかしいな」
ジュースまみれの手ぬぐいを絞るメーガン。
無力感と虚無感に負けうずくまりそうになる士官。
ここ数日ロッソ内で良く見られる光景だった。
そんな光景を、複数の士官がブリッジから注視していた。
「王国の教育水準は恐ろしく低いのかね?」
「異世界の義勇兵というのは政治的には有用だ。だがさすがにこれは」
目がどんよりした2人に、CAMおよびクリムゾンウェスト機体担当の士官が声をかけた。
「王国にとっては苦渋の決断だったのでしょう。彼女もなかなかの人材ですよ」
実機での操縦記録とシミュレータの記録を呼び出し2人に示す。
「10時間以上集中を切らさず戦闘可能だと!」
「この体力、彼女は本当に人間かね」
疑わしげな視線がディスプレイ上のメーガンに向けられた。
「それを決めるのは我々ではありませんよ」
肩をすくめる仕草が非常に似合っている。
「人力パワードスーツとしても人型重機としても期待できます。何が出てくるか分からない実験への道連れとしては、個人的には大歓迎ですよ」
画面のメーガンは、箸でヌードルを摘もうとして鉄製のそれを折り曲げてしまっていた。
●午後。宇宙服を1人で着られない
真空に近い部屋で、緊急事態を示すランプがいくつも灯った。
『実験を中止します。被験者は直ちに酸素ボンベを……』
メーガンが自分の手足を見た。
いつもの間隔で動いただけなのに、とても立派に見える装備に細かな亀裂が入ってしまった。
それとちょっと息苦しい。
なお、彼女にとってもいつも通りは平均的人間の非常識だ。
「メーガンさん! 意識は、この指何本に見えますか!?」
酸素ボンベ装備の医師と看護婦が実験場に飛び込んできた。
まるで瀕死の重傷者がいるかのような態度だ。
「1、2、3……3本だ」
重々しくうなずく。見た目だけなら頼りがいがあった。
2時間後。
頑丈すぎるメーガンと精密検査しようとする医師の戦いは、検査結果に頭を抱える医師と腹を空かせたメーガンの引き分けで終わった。
メーガンはいつも通りの足取りで仕事場に向かう。
格納庫は相変わらず喧噪に満ち、CAMと魔導アーマーの宇宙戦仕様への改造に苦戦していた。
「無理です!」
「馬鹿野郎、量産型は無理でもヘイムダルなら気密維持は可能だ。出発までに仕上げるんだ! 量産型用の宇宙服も忘れるなよ」
「処理能力の割当てを増やしてくださいよぉ! 背中のスラスター1つで宇宙戦闘なんて無理って言ってるでしょぉっ。計算し尽くした位置に複数要るんですってばっ」
「宇宙専用武器? ンなもん作ってる余裕なんてねぇよほらまだ今日のノルマ10機以上残ってっぞ」
何を言っているのかさっぱり分からない。
メーガンは見た目だけ重々しく首肯して、整備兵の指示に従い荷運びを再開するのだった。
●夜。噴水付きトイレは魔性の発明
数日前まで無人だった区間は、夜になっても眠る気配がない。
物思いに耽る者。
親しい相手と別れを惜しむ者。
実験に志願したクリムゾンウェスト人だけでなく、故郷へ戻る地球人の中にも迷い戸惑う者達がいる。
無論、とうに覚悟を決めた人物もいるし、深く考えていないメーガンもいる。
「おやすみ」
夜遊びに出かけるパルムを見送って、メーガンは公園内のテントで横になる。
明日も早い。
何人か増援が、特にハンターの増援が欲しいと思いながら眠りの世界に旅立った。
解説
※この依頼に参加しなくても転移実験に参加可能です※
※この依頼に参加しただけでは転移実験参加扱いになりません※
ついに地球への転移実験が決行されます。
この依頼は実験に備えてユニットの改造を行ったり、地球での生活や戦闘に備えて準備をしたり、クリムゾンウェストとそこに住む人々と別れを惜しんだり地球を思う依頼です。
要は好きに出来る依頼ですので好きにしてください。
さすがにこれはちょっと駄目そうかな、というプレイング案がある場合は、質問卓を立ててメーガンに聞けば答えが返ってきます。ただし回答内容は曖昧な上メーガンの賢くないフィルターがかかります。
●ユニットの改造について
有効な改造案を出せたり、有効な改造が出来たり、作業に協力して改造済み機体を増やしておけば、実験後の展開に良い影響があるでしょう。
宇宙服の点検や試着、運用法の考案なども効果があるかもしれません。
●主な舞台
プレイングで特に指定が無い場合は、実験参加者と訪問客だけがいるロッソの居住区の一角か、改造作業中の格納庫の一角がリプレイの舞台になります。
※この依頼に参加しただけでは転移実験参加扱いになりません※
ついに地球への転移実験が決行されます。
この依頼は実験に備えてユニットの改造を行ったり、地球での生活や戦闘に備えて準備をしたり、クリムゾンウェストとそこに住む人々と別れを惜しんだり地球を思う依頼です。
要は好きに出来る依頼ですので好きにしてください。
さすがにこれはちょっと駄目そうかな、というプレイング案がある場合は、質問卓を立ててメーガンに聞けば答えが返ってきます。ただし回答内容は曖昧な上メーガンの賢くないフィルターがかかります。
●ユニットの改造について
有効な改造案を出せたり、有効な改造が出来たり、作業に協力して改造済み機体を増やしておけば、実験後の展開に良い影響があるでしょう。
宇宙服の点検や試着、運用法の考案なども効果があるかもしれません。
●主な舞台
プレイングで特に指定が無い場合は、実験参加者と訪問客だけがいるロッソの居住区の一角か、改造作業中の格納庫の一角がリプレイの舞台になります。
マスターより
メーガンのパイロットとしての特徴は以下の3つです。
体力がある。
操縦が上手い訳ではない。
CAM以外に乗ったことがない。
皆さんと1対1で模擬戦をすると10戦10敗です。
もちろん負けるのはメーガンです。
メーガンがテントを使っていた理由?
現代地球風の住宅で生活するのに大失敗したからです。
体力がある。
操縦が上手い訳ではない。
CAM以外に乗ったことがない。
皆さんと1対1で模擬戦をすると10戦10敗です。
もちろん負けるのはメーガンです。
メーガンがテントを使っていた理由?
現代地球風の住宅で生活するのに大失敗したからです。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/07/24 19:25
参加者一覧
サポート一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
出来る事と行う事の話し合い フィルメリア・クリスティア(ka3380) 人間(リアルブルー)|25才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2016/07/19 20:45:02 |
|
![]() |
質問卓 エイリア・ミルトン(ka3453) 人間(リアルブルー)|18才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2016/07/19 07:58:56 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/07/18 20:50:48 |