ゲスト
(ka0000)
心狂いし異形の侵攻
マスター:鳴海惣流

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 6日
- プレイング締切
- 2016/07/22 12:00
- リプレイ完成予定
- 2016/07/31 12:00
オープニング
木々が高く覆い茂る人けのない場所で、男は膝に両手をついて大きく肩を揺らす。
「くそっ! どうして私の復讐を邪魔するんだ! 力さえあれば、どのような障害をも打ち砕けるものを!」
怒りを込めた吐息をぶちまけ、激情のままに正面の木を殴りつける。
何度も。何度も。何度も。
手の皮がめくれ血が出ようとも気にしない。怒りと興奮で、商人と思われる服装の男は顔を般若のごとく歪めた。
「私の復讐を成し遂げるためには力が必要だ。正義を盾にして邪魔をする者達を倒さねばならない」
「……力が欲しいのですか」
聞こえた声に男は身を震わせる。
男か女かわからない中世的な声は、闇の中から響くような不気味さと例えようのない恐怖を男に与えた。
「お、お前は……」
いつからそこにいたのか、男の前には黒マントを衣服のように纏った者がいた。顔はわからない。フードに隠れた頭部は、まるで闇そのもののようであった。
「……力が欲しいのですか」
黒衣の者は再度、男に問いかけた。
本能が危険だと警告し、すぐに逃げなければいけないと男は理解していた。
けれど足が動かない。やがて男は魅入られたように、黒衣の者のフードの中を覗いてしまう。
暗闇の底から這い出るように浮かび上がった両目が金色に光る。
同時に男の意識は途切れた。
実にあっさりと。最初からそうなるのが運命だったかのように。
「欲しいなら差し上げましょう。その力で存分に暴れてください。フフフ」
それが、倒れた男が最期に聞いた言葉となった。
●
グラズヘイム王国ラスリド領アクスウィル。
領主の館も存在する領地の中心街が、にわかに騒がしさを増す。
穏やかに会話し、露店が営業を開始する爽やかな朝が悲鳴に支配される。
一報を受けた領主のゲオルグ・ミスカ・ラスリドは腹心の部下ザスターを連れて、現場へ来ていた。
街の出入口付近で雄叫びを上げているのは、一体の異形であった。
「何だ、あれは。よもやオークか?」
豚に似た顔を持ち、全身を筋肉の鎧で覆っている。丸太よりも太い腕が叩きつけられるたび、容赦なく地面がえぐられる。
ゲオルグの隣に立つザスターが、かつて冒険者だった頃の知識と経験から謎の異形をオークではなさそうだと告げる。
それにしても奇妙な異形である。
上半身は裸だが、下半身は商人が好みそうな、動き易さを第一にした白いズボンをはいている。
やはりオークや他の亜人と比べると、それらしくないとザスターは判断した。
「どちらかといえば、歪虚に近そうな感じです。正体はともかく、悪意ある危険な存在に変わりはないでしょう」
「ふむ。ならば倒すしかあるまい。ラスリドの兵たちよ! 日々、魔獣とも戦う勇猛さを見せつけろ! この地の蹂躙を許すな!」
勇ましく呼応した兵士たちが、異形に飛びかかる。
だが一般の兵士たちは無残に吹き飛ばされ、一撃で命を奪われる。
さらに異形が大きく吼えると、背後から無数のコボルドが姿を現した。
「フン。コボルドを手勢に使うか。ますますもって気に入らんな」
「伯爵閣下が前に出るのは危険です。おい! ハンターズソサエティに出向き、協力を依頼してくるんだ」
ゲオルグを抑えながら、ザスターは部下の一人に指示を飛ばす。
何者なのかは依然不明なままだが、生半可な相手でないのだけは直感で理解できていた。
●
一人の兵士が飛び込むように、アクスウィルにあるハンターズソサエティに入った。
視線だけで訪問者の姿を確認したあなたは、椅子に座ったままで様子を見る。
乱雑に開けたドアを閉めるのも忘れ、必死の形相で兵士がカウンターに両手を置く。
「謎の異形を倒すために力を貸してほしい!」
受付の若い男性が何か言う前に、すでに騒ぎを聞きつけた幾人かのハンターは油断なく外の状況を確認していた。
「前衛部隊を預かるザスター様からの伝言だ。正面は我らラスリドの兵士で抑えるので、ハンター各位には背後からの挟撃及び右方からの強襲を担当してほしい。家の中にいる民は周囲に敵の影がなくなれば兵士が保護をする。どうか依頼を引き受けていただきたい!」
受付カウンターから離れた兵士と、あなたの視線があった。
兵士は深々と頭を下げた。
「生まれ故郷を守りたくて兵士となったのに、力ない身が恨めしい。住民の保護などできることは精一杯するつもりだが、元凶の異形には歯が立たない。どうかこの街に平和を取り戻してほしい!」
兵士の懸命な願いを受けて、あなたは立ち上がる。
目指すのはソサエティのドア。
開けた先にある、戦場と化したアクスウィルの街だ。
「くそっ! どうして私の復讐を邪魔するんだ! 力さえあれば、どのような障害をも打ち砕けるものを!」
怒りを込めた吐息をぶちまけ、激情のままに正面の木を殴りつける。
何度も。何度も。何度も。
手の皮がめくれ血が出ようとも気にしない。怒りと興奮で、商人と思われる服装の男は顔を般若のごとく歪めた。
「私の復讐を成し遂げるためには力が必要だ。正義を盾にして邪魔をする者達を倒さねばならない」
「……力が欲しいのですか」
聞こえた声に男は身を震わせる。
男か女かわからない中世的な声は、闇の中から響くような不気味さと例えようのない恐怖を男に与えた。
「お、お前は……」
いつからそこにいたのか、男の前には黒マントを衣服のように纏った者がいた。顔はわからない。フードに隠れた頭部は、まるで闇そのもののようであった。
「……力が欲しいのですか」
黒衣の者は再度、男に問いかけた。
本能が危険だと警告し、すぐに逃げなければいけないと男は理解していた。
けれど足が動かない。やがて男は魅入られたように、黒衣の者のフードの中を覗いてしまう。
暗闇の底から這い出るように浮かび上がった両目が金色に光る。
同時に男の意識は途切れた。
実にあっさりと。最初からそうなるのが運命だったかのように。
「欲しいなら差し上げましょう。その力で存分に暴れてください。フフフ」
それが、倒れた男が最期に聞いた言葉となった。
●
グラズヘイム王国ラスリド領アクスウィル。
領主の館も存在する領地の中心街が、にわかに騒がしさを増す。
穏やかに会話し、露店が営業を開始する爽やかな朝が悲鳴に支配される。
一報を受けた領主のゲオルグ・ミスカ・ラスリドは腹心の部下ザスターを連れて、現場へ来ていた。
街の出入口付近で雄叫びを上げているのは、一体の異形であった。
「何だ、あれは。よもやオークか?」
豚に似た顔を持ち、全身を筋肉の鎧で覆っている。丸太よりも太い腕が叩きつけられるたび、容赦なく地面がえぐられる。
ゲオルグの隣に立つザスターが、かつて冒険者だった頃の知識と経験から謎の異形をオークではなさそうだと告げる。
それにしても奇妙な異形である。
上半身は裸だが、下半身は商人が好みそうな、動き易さを第一にした白いズボンをはいている。
やはりオークや他の亜人と比べると、それらしくないとザスターは判断した。
「どちらかといえば、歪虚に近そうな感じです。正体はともかく、悪意ある危険な存在に変わりはないでしょう」
「ふむ。ならば倒すしかあるまい。ラスリドの兵たちよ! 日々、魔獣とも戦う勇猛さを見せつけろ! この地の蹂躙を許すな!」
勇ましく呼応した兵士たちが、異形に飛びかかる。
だが一般の兵士たちは無残に吹き飛ばされ、一撃で命を奪われる。
さらに異形が大きく吼えると、背後から無数のコボルドが姿を現した。
「フン。コボルドを手勢に使うか。ますますもって気に入らんな」
「伯爵閣下が前に出るのは危険です。おい! ハンターズソサエティに出向き、協力を依頼してくるんだ」
ゲオルグを抑えながら、ザスターは部下の一人に指示を飛ばす。
何者なのかは依然不明なままだが、生半可な相手でないのだけは直感で理解できていた。
●
一人の兵士が飛び込むように、アクスウィルにあるハンターズソサエティに入った。
視線だけで訪問者の姿を確認したあなたは、椅子に座ったままで様子を見る。
乱雑に開けたドアを閉めるのも忘れ、必死の形相で兵士がカウンターに両手を置く。
「謎の異形を倒すために力を貸してほしい!」
受付の若い男性が何か言う前に、すでに騒ぎを聞きつけた幾人かのハンターは油断なく外の状況を確認していた。
「前衛部隊を預かるザスター様からの伝言だ。正面は我らラスリドの兵士で抑えるので、ハンター各位には背後からの挟撃及び右方からの強襲を担当してほしい。家の中にいる民は周囲に敵の影がなくなれば兵士が保護をする。どうか依頼を引き受けていただきたい!」
受付カウンターから離れた兵士と、あなたの視線があった。
兵士は深々と頭を下げた。
「生まれ故郷を守りたくて兵士となったのに、力ない身が恨めしい。住民の保護などできることは精一杯するつもりだが、元凶の異形には歯が立たない。どうかこの街に平和を取り戻してほしい!」
兵士の懸命な願いを受けて、あなたは立ち上がる。
目指すのはソサエティのドア。
開けた先にある、戦場と化したアクスウィルの街だ。
解説
●目的
敵の殲滅
●簡易map
※上から見下ろしてる感じ。map外の移動は不可。
ABCDEFGHI 1マス=2sq(移動や射程に影響あり
a□□□□□□□□□ □=地面
b□□■■ザ□■■□ ■=民家(通行不可
c■■□兵□兵□2■
d2□兵□□□兵□□ 1=謎の異形
e□□□□1□□□ハ 2=コボルドLV15
f2□□□□□□□2
g□□2□□□2□□ ザ=ザスター(疾影士LV10
h□□□□ハ□□□□ 兵=ラスリド兵LV10(非覚醒者
i□□□□□□□□□ ハ=ハンター初期位置(選択可能
●map情報
各民家には一家族ずつ入っている。救出は家族単位。
民家に隣接で保護可能。身を挺して守る場合は回避が半減。
●味方情報
ザスターは異形の抑え。ラスリド兵は住民の保護。
各NPCの戦闘はダイス。
●ザスター情報
■コボルド
棍棒とレザーメイルを装備。投石攻撃もありそうだ。
ラスリド兵なら四人がかりでなんとか一体を抑えられる感じだろう。
私であれば一対一でも勝てると思う。
建物よりも人を狙う。誰かが視界にいれば、家よりもそちらを優先しそうだ。
■謎の異形
あれは歪虚なのか? オークや、亜人などの類ではなさそうだ。
商人みたいなズボンといい、奇妙な相手だ。
明確な敵意を示す以上、戦うしかない。
人間の言語は理解しているような感じだが狂ったように暴れていて、話が通じるとは思えない。
装備はないが、基本的な能力がコボルドとは格が違う。投石も遥かに威力が高いだろう。
防御力、特に生命力が高そうだ。私では逃げ回るのが精一杯だが、囮くらいなら引き受けられると思う。
■総評
前線としたここより奥はすでに避難した住民を、ラスリド伯爵閣下率いる本隊が守っている。そちらへ敵を向かわせるわけにはいかない。
逃げ遅れた住民は家の中に押し込んである。安全を確保後に避難誘導するつもりだったが、君たちの助力があるならその限りではない。
どうか助力をお願いする。
敵の殲滅
●簡易map
※上から見下ろしてる感じ。map外の移動は不可。
ABCDEFGHI 1マス=2sq(移動や射程に影響あり
a□□□□□□□□□ □=地面
b□□■■ザ□■■□ ■=民家(通行不可
c■■□兵□兵□2■
d2□兵□□□兵□□ 1=謎の異形
e□□□□1□□□ハ 2=コボルドLV15
f2□□□□□□□2
g□□2□□□2□□ ザ=ザスター(疾影士LV10
h□□□□ハ□□□□ 兵=ラスリド兵LV10(非覚醒者
i□□□□□□□□□ ハ=ハンター初期位置(選択可能
●map情報
各民家には一家族ずつ入っている。救出は家族単位。
民家に隣接で保護可能。身を挺して守る場合は回避が半減。
●味方情報
ザスターは異形の抑え。ラスリド兵は住民の保護。
各NPCの戦闘はダイス。
●ザスター情報
■コボルド
棍棒とレザーメイルを装備。投石攻撃もありそうだ。
ラスリド兵なら四人がかりでなんとか一体を抑えられる感じだろう。
私であれば一対一でも勝てると思う。
建物よりも人を狙う。誰かが視界にいれば、家よりもそちらを優先しそうだ。
■謎の異形
あれは歪虚なのか? オークや、亜人などの類ではなさそうだ。
商人みたいなズボンといい、奇妙な相手だ。
明確な敵意を示す以上、戦うしかない。
人間の言語は理解しているような感じだが狂ったように暴れていて、話が通じるとは思えない。
装備はないが、基本的な能力がコボルドとは格が違う。投石も遥かに威力が高いだろう。
防御力、特に生命力が高そうだ。私では逃げ回るのが精一杯だが、囮くらいなら引き受けられると思う。
■総評
前線としたここより奥はすでに避難した住民を、ラスリド伯爵閣下率いる本隊が守っている。そちらへ敵を向かわせるわけにはいかない。
逃げ遅れた住民は家の中に押し込んである。安全を確保後に避難誘導するつもりだったが、君たちの助力があるならその限りではない。
どうか助力をお願いする。
マスターより
お世話になっております、鳴海惣流です。
今回は謎の異形に攻められた状況でのシナリオとなります。
果たしてダ――異形の正体は何なのか。
是非、遊んでみてください。
それではよろしくお願いします。
皆様の参加をお待ちしています。
今回は謎の異形に攻められた状況でのシナリオとなります。
果たしてダ――異形の正体は何なのか。
是非、遊んでみてください。
それではよろしくお願いします。
皆様の参加をお待ちしています。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/07/26 17:55
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
相談卓 カイン・A・A・カーナボン(ka5336) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2016/07/22 00:41:02 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/07/18 14:51:29 |