ゲスト
(ka0000)
険峻に座す黒塊
マスター:真柄葉

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- サポート
- 現在0人 / 0~5人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/07/26 22:00
- リプレイ完成予定
- 2016/08/04 22:00
オープニング
●とある集落
「……み、水を」
「オルグ!」
玄関の敷居をまたぐ前に倒れ込んだ村人に、手近の水差しを手に急いで駆け寄る。
「ほら、水だ! 飲めるか」
「っ!!」
差し出された水差しを奪い取ったオルグと呼ばれた男は、注ぎ口に齧り付くと一気に煽った。
「……落ち着いたか?」
「あ、ああ。助かった。……大事な水をすまない、ヘス」
零れ床へと吸い込まれた水滴を名残惜しそうに眺めていたオルグは、申し訳なさそうに顔を上げる。
「気にするな。それよりも井戸はどうだった?」
「……」
「……そうか、ダメか」
オルグの無言の答えに、ヘスと呼ばれた白衣の男も落胆に視線を落とした。
「くそっ……、いったいどういう事なんだ……」
そう呟き、ヘスは奥の部屋へと続く扉に視線を移す。
奥から漏れる微かなうめき声。
苦しげなそれは昼夜止む事は無かった。
ここはヘスの営む診療所。
毎年、この時期になると夏真っ盛りの熱射に当てられた村人達が次々と運ばれてくる。
涼しく保たれた奥の病室で、清潔な寝台の上、冷たい清水を口にしてゆっくりと休養する。そうすれば、皆、生気を取り戻し村へ戻っていった。
しかし、今年に限って言えば――。
「何とか、水だけは……」
いくら医術の腕があろうが、対処の仕方を熟知していようが、万病に効く薬が潤沢にあろうが、そんなもの清水がなければ全て意味がない。
今この集落は、原因不明の渇水に悩まされている。
「とにかく水を確保しなければ……」
ヘスは己の無力さと天の酷烈に、ぎりりと奥歯を噛んだ。
●数日後
「ヘス! 渇水の原因がわかったぞ!!」
「なんだとっ!?」
椅子が倒れるのも気にせず、ヘスは診療所に転がり込んできたオルグに飛びかかる。
「川だ! 川が塞がれてる!」
「塞がれてる……? ど、どういうことだ!」
「塞がれてるんだよ……! でっかい奴に!」
「奴……? 奴ってなんだ! いったい誰が塞いでいるんだ! わかるように話せっ!」
「歪虚……の可能性があるって話だ」
指が食い込むほどに肩を掴まれるオルグは、痛みに表情を歪めながらも、得た情報をヘスへ告げる。
「――ヴォ、歪虚だと……? な、なんでそんなものが川を堰き止めるんだ」
オルグの告げたその言葉の意味を、ヘスが理解するのにたっぷりと数秒かかった。
「くそっ、一体どうすれば……」
オルグの呟きにも、ヘスは返す言葉を持てない。
歪虚の相手など特別な力を持たぬ者が同行できる問題ではない。
ヘスはただただ、熱射降り付ける蒼天を見上げるしかなかった。
「……み、水を」
「オルグ!」
玄関の敷居をまたぐ前に倒れ込んだ村人に、手近の水差しを手に急いで駆け寄る。
「ほら、水だ! 飲めるか」
「っ!!」
差し出された水差しを奪い取ったオルグと呼ばれた男は、注ぎ口に齧り付くと一気に煽った。
「……落ち着いたか?」
「あ、ああ。助かった。……大事な水をすまない、ヘス」
零れ床へと吸い込まれた水滴を名残惜しそうに眺めていたオルグは、申し訳なさそうに顔を上げる。
「気にするな。それよりも井戸はどうだった?」
「……」
「……そうか、ダメか」
オルグの無言の答えに、ヘスと呼ばれた白衣の男も落胆に視線を落とした。
「くそっ……、いったいどういう事なんだ……」
そう呟き、ヘスは奥の部屋へと続く扉に視線を移す。
奥から漏れる微かなうめき声。
苦しげなそれは昼夜止む事は無かった。
ここはヘスの営む診療所。
毎年、この時期になると夏真っ盛りの熱射に当てられた村人達が次々と運ばれてくる。
涼しく保たれた奥の病室で、清潔な寝台の上、冷たい清水を口にしてゆっくりと休養する。そうすれば、皆、生気を取り戻し村へ戻っていった。
しかし、今年に限って言えば――。
「何とか、水だけは……」
いくら医術の腕があろうが、対処の仕方を熟知していようが、万病に効く薬が潤沢にあろうが、そんなもの清水がなければ全て意味がない。
今この集落は、原因不明の渇水に悩まされている。
「とにかく水を確保しなければ……」
ヘスは己の無力さと天の酷烈に、ぎりりと奥歯を噛んだ。
●数日後
「ヘス! 渇水の原因がわかったぞ!!」
「なんだとっ!?」
椅子が倒れるのも気にせず、ヘスは診療所に転がり込んできたオルグに飛びかかる。
「川だ! 川が塞がれてる!」
「塞がれてる……? ど、どういうことだ!」
「塞がれてるんだよ……! でっかい奴に!」
「奴……? 奴ってなんだ! いったい誰が塞いでいるんだ! わかるように話せっ!」
「歪虚……の可能性があるって話だ」
指が食い込むほどに肩を掴まれるオルグは、痛みに表情を歪めながらも、得た情報をヘスへ告げる。
「――ヴォ、歪虚だと……? な、なんでそんなものが川を堰き止めるんだ」
オルグの告げたその言葉の意味を、ヘスが理解するのにたっぷりと数秒かかった。
「くそっ、一体どうすれば……」
オルグの呟きにも、ヘスは返す言葉を持てない。
歪虚の相手など特別な力を持たぬ者が同行できる問題ではない。
ヘスはただただ、熱射降り付ける蒼天を見上げるしかなかった。
解説
●場所
集落の上流にある、険峻な谷に挟まれた急流です。
現在、巨大な歪虚が谷を塞いでおり、川の水を堰き止めています。
左右の崖はハンターの皆さんでも登るのはかなり過酷な作業になるでしょう。
元の急流は、現在は歪虚が谷を塞いでいる為、水量はほぼゼロです。
●歪虚
狂気に属するでっかいウニです。
見上げるほど巨大で、一見して強敵に見えますが実のところ超がつく程の低級歪虚で、戦闘行動どころか自立移動すらおぼつきません。
しかし、でかいだけあってなかなかのタフさですし、鋭い棘があります。ですが、動きは非常に鈍いので、当たらなければどうという事はありません。
ただし、天辺にぽっかり空いてある大きな口だけには注意しましょう。落ちたらごくんっと一飲みに食われます。
●補足
・現場へは干上がった川を進んでいくか、崖上から向かう事になりますが、崖上コースは非常に険しく、到達までにかなりの体力を損耗するでしょう。
・現場へはそれぞれ、渓流コースの場合1日、崖上コースでは3日必要になります。
・お気づきでしょうが、単純に歪虚を討伐してしまえば、堰き止められて溜りに溜まった水が、一気に下流に流れます。その結果や――。
・「なんでウニが川にいるんだよっ!」 っていうツッコミは心の内にそっとしまっておくことをお勧めします。
集落の上流にある、険峻な谷に挟まれた急流です。
現在、巨大な歪虚が谷を塞いでおり、川の水を堰き止めています。
左右の崖はハンターの皆さんでも登るのはかなり過酷な作業になるでしょう。
元の急流は、現在は歪虚が谷を塞いでいる為、水量はほぼゼロです。
●歪虚
狂気に属するでっかいウニです。
見上げるほど巨大で、一見して強敵に見えますが実のところ超がつく程の低級歪虚で、戦闘行動どころか自立移動すらおぼつきません。
しかし、でかいだけあってなかなかのタフさですし、鋭い棘があります。ですが、動きは非常に鈍いので、当たらなければどうという事はありません。
ただし、天辺にぽっかり空いてある大きな口だけには注意しましょう。落ちたらごくんっと一飲みに食われます。
●補足
・現場へは干上がった川を進んでいくか、崖上から向かう事になりますが、崖上コースは非常に険しく、到達までにかなりの体力を損耗するでしょう。
・現場へはそれぞれ、渓流コースの場合1日、崖上コースでは3日必要になります。
・お気づきでしょうが、単純に歪虚を討伐してしまえば、堰き止められて溜りに溜まった水が、一気に下流に流れます。その結果や――。
・「なんでウニが川にいるんだよっ!」 っていうツッコミは心の内にそっとしまっておくことをお勧めします。
マスターより
お世話になっております、真柄 葉(まがら よう)と申します。
今回の依頼は、渇水に悩む集落よりもたらされました。
不幸にも歪虚の脅威?により、危機的状況に陥っている集落を、皆さんの手腕で救ってあげてください。
なお、今回の依頼は、皆さんの解決方法次第で、集落の命運を大きく左右します。
さぁ、皆さんはどんな決断を見せていただけるのか。
今から、とても楽しみですね……!
では、お気に召しましたら、是非にご参加くださいませ。
今回の依頼は、渇水に悩む集落よりもたらされました。
不幸にも歪虚の脅威?により、危機的状況に陥っている集落を、皆さんの手腕で救ってあげてください。
なお、今回の依頼は、皆さんの解決方法次第で、集落の命運を大きく左右します。
さぁ、皆さんはどんな決断を見せていただけるのか。
今から、とても楽しみですね……!
では、お気に召しましたら、是非にご参加くださいませ。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/07/31 23:13
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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川ウニ対策本部 七海・美星(ka3937) 人間(リアルブルー)|18才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2016/07/26 12:41:26 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/07/22 00:20:11 |