ゲスト
(ka0000)
巨人マティス
マスター:雪村彩人

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- サポート
- 現在0人 / 0~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/07/29 15:00
- リプレイ完成予定
- 2016/08/12 15:00
オープニング
●
ゾンネンシュトラール帝国辺境。
その街は中規模の大きさをもっていた。黄昏の光に染まる大通りは賑やかだ。
ズズン。
巨岩の落下してきたような衝撃に通りを行き交う人々は足をとめた。そして、彼らは見た。大通りに立つ巨漢の姿を。
おそらく背丈は三メートル近くあるだろう。上半身は裸で、鋼のような筋肉におおわれている。肌の色は赤に近い赤銅色であった。
呆然と見つめる人々に、ニヤリと巨漢は笑いかけた。すると獣のごとき牙がぞろりと唇の間から覗いた。
あまりにも獰猛な笑み。肉食獣を前にした時のように、人々の背に怖気がはしりぬける。
刹那、巨漢が襲った。眼前の女性の頭に拳を無造作に振り下ろす。熟したトマトのように女性の頭が粉砕された。
しぶく鮮血をあびて、ようやく人々は我に返った。悲鳴をあげ、逃げ出す。
「逃がすかよぉ」
ぎゃははは、と笑いながら、巨漢は殺戮を続行した。信じられない跳躍力で人々を飛び越し、落下。二人の男を踏み潰し、それから手近の少女を蹴り殺す。あまりに呆気ない殺戮であった。
しばらくして、ようやく自警団員たちが駆けつけてきた。剣を舞わせて殺到する。
無駄であった。わずか数十秒。自警団員たちは肉片と化していた。彼らの剣は巨漢の身に傷ひとつつけることはかなわなかったのだ。
いや、違う。正確にいえば傷はつけていた。が、浅い傷くらいならば、たちまちのうちに巨漢の身は塞いでしまうのだった。
血の海の中、巨漢は大きく息を吸い込んだ。マテリアルを吸収しているのである。
「ああ、やっぱ美味えなあ。殺したのは……」
巨漢は指を折って数え始めた。
「三十八人か。まあ、初日としちゃあ、こんなものかな。まだ二日ある。続きは明日にしよう」
欠伸をすると、巨漢は跳んだ。物理法則を無視した跳躍。巨漢はそばに建つ三階建ての建物の屋上に舞い降りると、ごろりと横になった。
「……はじめやがった」
巨漢が殺戮を始めた時のことだ。街を見下ろす丘の上で声が発せられた。月光に六つの人影がうかびあがっている。
「さあて。何人殺れるかな?」
ククッと笑ったのは声を発した男だ。二十代後半ほど。狂犬のような目つきをしている。
「けっこう殺るんじゃないか?」
こたえたのは異様に痩せた男だ。そして異様に毛深い。そうそう、とうなずいたのは可愛らしい顔をした少年であった。
「マティスは見境無しだからな」
「つまらん」
嫌悪に、その若者は顔をしかめた。十八歳ほど。端麗な顔立ちで美少年といっていい。
「ただ殺すなど、面白くもない。同じ殺るなら――」
「いいでしょ、別に」
女が美少年を一瞥した。煌く金髪に澄んだ碧眼。優美な女だ。
女は艶っぽく笑うと、
「期間は明後日の夜まで。それまで好きにやらせてあげれば?」
「勝手にしろ」
ごろりと美少年は横になった。
●
町長がハンターズソサエティにむかっている頃、巨漢――マティスは夢を見ていた。いや、歪虚は夢を見ないはずであるから、それは単なる記憶の断片であったかもしれない。
かつてマティスはごろつきであった。喧嘩はかりしていた。社会の底辺から抜け出そうという努力はひとつしなかった。そして、殺された。
死ぬ寸前に思ったのは、もっと暴れたいということであった。歪虚として蘇った今、彼はその願いをかなえようとしていた。
ゾンネンシュトラール帝国辺境。
その街は中規模の大きさをもっていた。黄昏の光に染まる大通りは賑やかだ。
ズズン。
巨岩の落下してきたような衝撃に通りを行き交う人々は足をとめた。そして、彼らは見た。大通りに立つ巨漢の姿を。
おそらく背丈は三メートル近くあるだろう。上半身は裸で、鋼のような筋肉におおわれている。肌の色は赤に近い赤銅色であった。
呆然と見つめる人々に、ニヤリと巨漢は笑いかけた。すると獣のごとき牙がぞろりと唇の間から覗いた。
あまりにも獰猛な笑み。肉食獣を前にした時のように、人々の背に怖気がはしりぬける。
刹那、巨漢が襲った。眼前の女性の頭に拳を無造作に振り下ろす。熟したトマトのように女性の頭が粉砕された。
しぶく鮮血をあびて、ようやく人々は我に返った。悲鳴をあげ、逃げ出す。
「逃がすかよぉ」
ぎゃははは、と笑いながら、巨漢は殺戮を続行した。信じられない跳躍力で人々を飛び越し、落下。二人の男を踏み潰し、それから手近の少女を蹴り殺す。あまりに呆気ない殺戮であった。
しばらくして、ようやく自警団員たちが駆けつけてきた。剣を舞わせて殺到する。
無駄であった。わずか数十秒。自警団員たちは肉片と化していた。彼らの剣は巨漢の身に傷ひとつつけることはかなわなかったのだ。
いや、違う。正確にいえば傷はつけていた。が、浅い傷くらいならば、たちまちのうちに巨漢の身は塞いでしまうのだった。
血の海の中、巨漢は大きく息を吸い込んだ。マテリアルを吸収しているのである。
「ああ、やっぱ美味えなあ。殺したのは……」
巨漢は指を折って数え始めた。
「三十八人か。まあ、初日としちゃあ、こんなものかな。まだ二日ある。続きは明日にしよう」
欠伸をすると、巨漢は跳んだ。物理法則を無視した跳躍。巨漢はそばに建つ三階建ての建物の屋上に舞い降りると、ごろりと横になった。
「……はじめやがった」
巨漢が殺戮を始めた時のことだ。街を見下ろす丘の上で声が発せられた。月光に六つの人影がうかびあがっている。
「さあて。何人殺れるかな?」
ククッと笑ったのは声を発した男だ。二十代後半ほど。狂犬のような目つきをしている。
「けっこう殺るんじゃないか?」
こたえたのは異様に痩せた男だ。そして異様に毛深い。そうそう、とうなずいたのは可愛らしい顔をした少年であった。
「マティスは見境無しだからな」
「つまらん」
嫌悪に、その若者は顔をしかめた。十八歳ほど。端麗な顔立ちで美少年といっていい。
「ただ殺すなど、面白くもない。同じ殺るなら――」
「いいでしょ、別に」
女が美少年を一瞥した。煌く金髪に澄んだ碧眼。優美な女だ。
女は艶っぽく笑うと、
「期間は明後日の夜まで。それまで好きにやらせてあげれば?」
「勝手にしろ」
ごろりと美少年は横になった。
●
町長がハンターズソサエティにむかっている頃、巨漢――マティスは夢を見ていた。いや、歪虚は夢を見ないはずであるから、それは単なる記憶の断片であったかもしれない。
かつてマティスはごろつきであった。喧嘩はかりしていた。社会の底辺から抜け出そうという努力はひとつしなかった。そして、殺された。
死ぬ寸前に思ったのは、もっと暴れたいということであった。歪虚として蘇った今、彼はその願いをかなえようとしていた。
解説
敵は一体。マティスという吸血鬼です。
夜の間、マティスは市街の建物の屋上で休んでいます。夜の間は暴れません。場所はすぐにわかります。
夜明けとともにマティスは活動を開始します。急いだ場合、到着はその頃となるでしょう。
マティスは数人のハンターたちと渡り合えるほどの力を有しています。特殊能力はありませんが、驚異的なパワーと瞬発力を有しています。また多少ではありますが再生能力も有しています。知能は人並み……くらい。
町の避難はすすんでいません。人々は建物に閉じこもって成り行きを見守っています。ドアなどはマティスにとって無意味なので、なかに入り込んでマティスは殺戮を続けます。
今回、丘の上の6人と接触することはできません。
夜の間、マティスは市街の建物の屋上で休んでいます。夜の間は暴れません。場所はすぐにわかります。
夜明けとともにマティスは活動を開始します。急いだ場合、到着はその頃となるでしょう。
マティスは数人のハンターたちと渡り合えるほどの力を有しています。特殊能力はありませんが、驚異的なパワーと瞬発力を有しています。また多少ではありますが再生能力も有しています。知能は人並み……くらい。
町の避難はすすんでいません。人々は建物に閉じこもって成り行きを見守っています。ドアなどはマティスにとって無意味なので、なかに入り込んでマティスは殺戮を続けます。
今回、丘の上の6人と接触することはできません。
マスターより
雪村と申します。
7話完結予定の連作の1話めとなります。
目的はマティスの撃破。暴れ、殺すことが目的なのでハンターの挑発にはのりません。ただ逃げることもしませんし、人質をとるようなこともしません。町人を平気で巻き添えにはしますが。たとえば投げたりして。
7話完結予定の連作の1話めとなります。
目的はマティスの撃破。暴れ、殺すことが目的なのでハンターの挑発にはのりません。ただ逃げることもしませんし、人質をとるようなこともしません。町人を平気で巻き添えにはしますが。たとえば投げたりして。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/08/08 22:55
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/07/27 07:34:18 |
|
![]() |
相談~ セリス・アルマーズ(ka1079) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2016/07/29 12:44:41 |