ゲスト
(ka0000)
切り離すベルデグリ
マスター:鹿野やいと

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/06/16 12:00
- リプレイ完成予定
- 2014/06/25 12:00
オープニング
魔術学院の若い魔術師、セレーナ・メラスは石で組まれた見張り塔の屋上から村の全景を見渡していた。
白い魔女帽子が風に飛ばないように鍔を掴む。森を抜けてくる空気は爽やかで、日中の暑さをいくらかやわらげてくれていた。
彼女の見下ろす先、緑が眩しい山の麓に広がる森に沿うように一面の大麦畑が続いている。
茶色の大きな実が重たそうに垂れさがり、素人目にも収穫が間近なのがわかった。
農耕推進地域「ジェオルジ」の一角にあるこの村は大麦の生産と、そこから作る食料品で生計を立てているという。
大麦で麦芽を作ると聞いてエールを思い出した同期が居たけども、ここではエールではなく水飴が主流らしい。
周辺の村との提携でその方が便利だからと村長は説明していた。どちらにせよそれは、セレーナの興味を引く内容ではなかった。
彼女の興味は森の向こうからやってくるからだ。
「どうです。見えますか?」
まだ若く筋骨逞しい村長のガエルは言いつつもセレーナのすぐ側にたった。
セレーナは見えない位置で眉を潜める。意識して離れるのも失礼になると深呼吸で表情を元に戻した。
彼女には学院の一員として仕事で来ているという自負があった。
だから余計な感情を抱かせまいと野暮ったいローブとマントを着てきたが、思う程効果はなかったようだ。
小さくない胸と細い腰が見えなくても、良く手入れされた長い金髪が見えれば十分すぎたのだろう。
気の強そうな細い面立ちは絶世の美女というほどではないにせよ、外見に無頓着では居られるわけでもなかった。
「あのあたりですか?」
「そうです。今柵を作りなおしてるあたりです」
セレーナが指差す先は山と山の合間を抜ける小さな谷になった場所だった。
中央を細い川が流れ、川は街に流れ込んで農業用水として利用されている。
境目では何人もの農夫らしき男たちが、上半身裸になって木材をくみ上げていた。
資料で見たの概略図とそう大きな差異は見られない。
セレーナは事前の報告が確かである事を確認すると、手配書を丸めて腰のポーチにしまった。
「ゴブリンが現れたのは何日前?」
「ええと……今日で10日前になります」
村長は指折り数える。ゴブリンの襲撃は今回も小さくない規模だったらしいが、備えていたハンター達によって蹴散らされたそうだ。
災害に近しい雑魔の襲撃だが、何度も続けば予測も付く。ここで問題となるのは何度も続いたという事実だ。
「それでどこかに巣があるかもと?」
「はい。ここら一体で巣になりそうな洞窟はないはずなのですが…」
村を作る前に彼らは一度森に詳しい猟師と共に現地調査を行っている。
雑魔が巣を作りにくい環境であることは確認済みだ。だからこそ今回の連続した襲撃は解せない。
その為に今回の依頼は、ハンターではなく研究機関でもあるヴァリオス魔術学院に依頼が回ってきた。
雑魔の生態に詳しい人物ならこの状況に答えを示してくれるだろうと思われたからだ。
セレーナの派遣はその意味で正解と言えた。
「辺境に現れる【強欲】に属するヴォイドには、地面を掘って巣を作る巨大なミミズみたいやつが居るらしいわ」
外見は足や翼の無いドラゴンと言えばわかりやすいが、ドラゴンと呼ぶには低能な存在なためワームと呼ばれている。
「では連中が地中を掘って巣を?」
「単に横切っただけかもしれないし、ワームじゃないかもしれない。けどそういう可能性もあるということよ」
可能性としては【憤怒】の系統の雑魔が根を張っていた事例もある。
一概には言えないが、幾つかの候補がセレーナの頭の中に浮かんでは消えていく。
「なんとかなりそうですか?」
「何とも言えません。最低限今回で調査は終わらせるつもりですが、巣穴があれば封鎖にまた人が必要でしょう」
「そうですか…」
村長は大きく溜息をつく。ハンター8名を2回雇うとなれば小さくない出費になる。
出来てまだ間もないこの村には重い負担になるだろう。
これが他の国であるならば国の軍隊が常駐し、彼らが調査するのが常だがこの国は違った。
強力無比の海軍に比べて陸軍はお粗末なもので、地方にはほとんど戦力が置かれていない。
この見張りの塔は陸軍の建てた物だが、常駐している兵士は2名だけだった。
これがために農耕推進地域「ジェオルジ」では、村長からハンターへ直接依頼ができる体制が作られている。
しかし金のかかる話である。常に万全の警備ができるわけではなかった。
そう言った事情で二度手間三度手間だけは避けたいとセレーナは考えた。
依頼主からの評価もあるがそれ以上に、今取り組んでいるヴォイドの研究を少しでも進めたかった。
来なくても良いのに現地に足を伸ばしたのは、実地で成果を見せる以上の意味はないのだから。
「今の話、だいたい付いて来てるわよね? 森での護衛をお願いするわ」
セレーナは振り返り、話を黙って聞いていたハンターに向き直る。
ようやくかと8人はそれぞれ装備を手に取った。
「それと、調査するルートもお任せして良いかしら?
私、森を歩くのは素人なのよね。貴方達が得意だっていうなら任せたいんだけど」
セレーナの仕事はここまでだった。
ハンター達は顔を見合わせ、今後の手順を相談し始めた。
白い魔女帽子が風に飛ばないように鍔を掴む。森を抜けてくる空気は爽やかで、日中の暑さをいくらかやわらげてくれていた。
彼女の見下ろす先、緑が眩しい山の麓に広がる森に沿うように一面の大麦畑が続いている。
茶色の大きな実が重たそうに垂れさがり、素人目にも収穫が間近なのがわかった。
農耕推進地域「ジェオルジ」の一角にあるこの村は大麦の生産と、そこから作る食料品で生計を立てているという。
大麦で麦芽を作ると聞いてエールを思い出した同期が居たけども、ここではエールではなく水飴が主流らしい。
周辺の村との提携でその方が便利だからと村長は説明していた。どちらにせよそれは、セレーナの興味を引く内容ではなかった。
彼女の興味は森の向こうからやってくるからだ。
「どうです。見えますか?」
まだ若く筋骨逞しい村長のガエルは言いつつもセレーナのすぐ側にたった。
セレーナは見えない位置で眉を潜める。意識して離れるのも失礼になると深呼吸で表情を元に戻した。
彼女には学院の一員として仕事で来ているという自負があった。
だから余計な感情を抱かせまいと野暮ったいローブとマントを着てきたが、思う程効果はなかったようだ。
小さくない胸と細い腰が見えなくても、良く手入れされた長い金髪が見えれば十分すぎたのだろう。
気の強そうな細い面立ちは絶世の美女というほどではないにせよ、外見に無頓着では居られるわけでもなかった。
「あのあたりですか?」
「そうです。今柵を作りなおしてるあたりです」
セレーナが指差す先は山と山の合間を抜ける小さな谷になった場所だった。
中央を細い川が流れ、川は街に流れ込んで農業用水として利用されている。
境目では何人もの農夫らしき男たちが、上半身裸になって木材をくみ上げていた。
資料で見たの概略図とそう大きな差異は見られない。
セレーナは事前の報告が確かである事を確認すると、手配書を丸めて腰のポーチにしまった。
「ゴブリンが現れたのは何日前?」
「ええと……今日で10日前になります」
村長は指折り数える。ゴブリンの襲撃は今回も小さくない規模だったらしいが、備えていたハンター達によって蹴散らされたそうだ。
災害に近しい雑魔の襲撃だが、何度も続けば予測も付く。ここで問題となるのは何度も続いたという事実だ。
「それでどこかに巣があるかもと?」
「はい。ここら一体で巣になりそうな洞窟はないはずなのですが…」
村を作る前に彼らは一度森に詳しい猟師と共に現地調査を行っている。
雑魔が巣を作りにくい環境であることは確認済みだ。だからこそ今回の連続した襲撃は解せない。
その為に今回の依頼は、ハンターではなく研究機関でもあるヴァリオス魔術学院に依頼が回ってきた。
雑魔の生態に詳しい人物ならこの状況に答えを示してくれるだろうと思われたからだ。
セレーナの派遣はその意味で正解と言えた。
「辺境に現れる【強欲】に属するヴォイドには、地面を掘って巣を作る巨大なミミズみたいやつが居るらしいわ」
外見は足や翼の無いドラゴンと言えばわかりやすいが、ドラゴンと呼ぶには低能な存在なためワームと呼ばれている。
「では連中が地中を掘って巣を?」
「単に横切っただけかもしれないし、ワームじゃないかもしれない。けどそういう可能性もあるということよ」
可能性としては【憤怒】の系統の雑魔が根を張っていた事例もある。
一概には言えないが、幾つかの候補がセレーナの頭の中に浮かんでは消えていく。
「なんとかなりそうですか?」
「何とも言えません。最低限今回で調査は終わらせるつもりですが、巣穴があれば封鎖にまた人が必要でしょう」
「そうですか…」
村長は大きく溜息をつく。ハンター8名を2回雇うとなれば小さくない出費になる。
出来てまだ間もないこの村には重い負担になるだろう。
これが他の国であるならば国の軍隊が常駐し、彼らが調査するのが常だがこの国は違った。
強力無比の海軍に比べて陸軍はお粗末なもので、地方にはほとんど戦力が置かれていない。
この見張りの塔は陸軍の建てた物だが、常駐している兵士は2名だけだった。
これがために農耕推進地域「ジェオルジ」では、村長からハンターへ直接依頼ができる体制が作られている。
しかし金のかかる話である。常に万全の警備ができるわけではなかった。
そう言った事情で二度手間三度手間だけは避けたいとセレーナは考えた。
依頼主からの評価もあるがそれ以上に、今取り組んでいるヴォイドの研究を少しでも進めたかった。
来なくても良いのに現地に足を伸ばしたのは、実地で成果を見せる以上の意味はないのだから。
「今の話、だいたい付いて来てるわよね? 森での護衛をお願いするわ」
セレーナは振り返り、話を黙って聞いていたハンターに向き直る。
ようやくかと8人はそれぞれ装備を手に取った。
「それと、調査するルートもお任せして良いかしら?
私、森を歩くのは素人なのよね。貴方達が得意だっていうなら任せたいんだけど」
セレーナの仕事はここまでだった。
ハンター達は顔を見合わせ、今後の手順を相談し始めた。
解説
■目的
ゴブリンの巣を発見してください
ゴブリンの数が不明なので巣を発見できたら成功です
■雑魔解説
ゴブリン:
ファンタジーでお馴染みの子鬼です。標準のゴブリンは駆け出しのハンターでも楽に倒せます。
何体かに1体程度の割合で簡単な魔法を使うシャーマン、体の大きいリーダー格のゴブリンがいます
独自の言語で意思疎通はしていますが知能は低く、戦って不利と見ればすぐに逃げます
逆に勝てると思えば迷わず襲撃してきます
巣を拠点に行動するので、巣はそんな遠い場所には無いと思われます
■味方解説
セレーナ・メラス:
ヴァリオス魔術学院の学院生です
研究職ですがフィールドワークを重視するのでよくこうして外に出てきます
学院の魔術師としては珍しいぐらいのアウトドア派で、本人もその自覚があります
森での移動中は余程の無茶でない限りはPCの指示に従います
強さはLv1のマギステルと同程度です
研究者なので雑魔やヴォイドの生態に関する知識を持っています
村人達:
森の案内ぐらいはできますが戦闘は苦手です
可能な範囲で協力してくれます
陸軍の兵士達:
1:1ならゴブリン相手でも勝てますが1:2は厳しいようです
こちらも可能な範囲で協力してくれます
ゴブリンの巣を発見してください
ゴブリンの数が不明なので巣を発見できたら成功です
■雑魔解説
ゴブリン:
ファンタジーでお馴染みの子鬼です。標準のゴブリンは駆け出しのハンターでも楽に倒せます。
何体かに1体程度の割合で簡単な魔法を使うシャーマン、体の大きいリーダー格のゴブリンがいます
独自の言語で意思疎通はしていますが知能は低く、戦って不利と見ればすぐに逃げます
逆に勝てると思えば迷わず襲撃してきます
巣を拠点に行動するので、巣はそんな遠い場所には無いと思われます
■味方解説
セレーナ・メラス:
ヴァリオス魔術学院の学院生です
研究職ですがフィールドワークを重視するのでよくこうして外に出てきます
学院の魔術師としては珍しいぐらいのアウトドア派で、本人もその自覚があります
森での移動中は余程の無茶でない限りはPCの指示に従います
強さはLv1のマギステルと同程度です
研究者なので雑魔やヴォイドの生態に関する知識を持っています
村人達:
森の案内ぐらいはできますが戦闘は苦手です
可能な範囲で協力してくれます
陸軍の兵士達:
1:1ならゴブリン相手でも勝てますが1:2は厳しいようです
こちらも可能な範囲で協力してくれます
マスターより
はじめまして、鹿野やいとです。
FでMSをさせていただくことになりました。
皆さんが楽しめるよう精一杯がんばりますので、なにとぞよろしくおねがいします
FでMSをさせていただくことになりました。
皆さんが楽しめるよう精一杯がんばりますので、なにとぞよろしくおねがいします
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/06/24 12:13
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/06/11 13:33:34 |
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作戦相談卓 神原 菫(ka0193) 人間(リアルブルー)|15才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2014/06/16 00:53:49 |