●意気込む父親も雑魔には……
　王都イルダーナ東。
　ここからリンダールの森にかけて、最近、黒いオオカミの目撃証言が増えている。
　このオオカミ達は雑魔……歪虚に成り果てている。それによって、どうも注意深くなったらしく、戦う力のなさそうな巡礼者を好んで襲うのだという。
　それもあり、ハンターへとオオカミ討伐の依頼もちらほらと出ている。あの手この手でオオカミを討伐し、数を減らしているというのが現状だ。

　そんな中、とあるハンターズソサエティにおいて、新たな依頼があった。
　リンダールの森を抜けた集落にて、王都イルダーナを目指す巡礼者一家の姿があった。父親が多少、猟撃士として戦いの心得があった為、家族を守ると意気込んで王都を目指している。
「オオカミ……？　多少群れていても、この俺の弓で……」
　彼は弓を携えてそう強がって見せるが、その構えを見るに、さほど様になっていないことが熟練のハンターからは一目瞭然だった。
　しかも、相手はただのオオカミではなく雑魔と成り果てており、体躯が１回りも２回りも大きくなっているという。これには、父親も身を震わせてしまった。
（俺１人じゃさすがにな……）
　とはいえ、守ると家族に告げた手前、このまま引き返すわけにも行かず。
「ここからなら……王都まで２泊３日ってところか」
　妻が巡礼に行きたいというのでこうしてやってきてはいるが、父親自身としては、商いの為に向かう目的が大きい。商品が売れればハンターを雇っても利益は出そうなので、何とかなりそうだが。雑魔さえいなければ出ることのなかった費用。父親としては非常に痛い。
「雑魔じゃ、倒しても肉さえ残らんからな……」
　とはいえ、金銭的な利益と大切な家族とでは、天秤にかけるまでもない。
　彼はそのまま、ハンターズソサエティのカウンターで、ハンターを雇う手続きを取ったのだった。

　巡礼者の家族を王都まで護衛していただくよう願います。

●状況
　リンダールの森西の集落から、王都を目指します。荷馬車で２泊３日程度の旅です。メイン描写は親子との旅です。のんびりまったりな旅をお楽しみくださいませ。

●敵
○オオカミ……大型３体。
　雑魔。全長３メートル、全身どす黒いオオカミ達です。
　噛みつき、前足の爪、体当たりで攻撃を行います。噛みつきには麻痺、爪には毒の効果があります。
　戦闘描写は少なめです。予めご了承いただきますよう願います。

●ＮＰＣ
○ニヴェール一家……５人。
・夫、オラース、３５歳。
　リゼリオで古物商を営んでいます。
　猟撃士でもあり、弓を使いこなしますが、
　レベルは５程度とそれほど経験を積んでいるわけではなさそうです。
・妻、オレリー、３０歳。
　夫の仕事の手伝い、あるいは家事、育児と毎日が忙しい女性です。
　巡礼はオレリーの希望で行われているようです。
・長女、テレーズ、１１歳。
　恋に憧れているようで、
　聖導士などいいなと想像を膨らませているようです。
・長男、リュカ、７歳。
　色々と興味を持つ年頃ですが、旅に少し飽きかけているようです。
　父親と狩りをするのが好きな一面があります。
・次女、リュシー、１歳。
　よちよち歩きを始めたくらいの女の子です。
　目を離すとどこかに歩いていく可能性があるので、
　注意が必要です。

巡礼は行商も兼ねており、
荷馬車には雑貨などの商品の他、
食料などを馬車に積んではいます。
（食料は家族分のみ。追加で８人なら馬車に乗ることはできます）
次女は常に手が掛かるので、
妻の負担軽減の為に面倒を見てあげるとよいでしょう。
長女、長男も暇そうにしていることが多いので、
道中や休憩中に話など相手をするといいかもしれません。

初めましての方も、
どこかでお会いしたことのある方もこんにちは。なちゅいです。
巡礼者と一緒に旅などいかがでしょうか。
戦闘もありますが、基本は旅シナリオです。
のんびりまったりどうぞ。
それでは、よろしくお願いいたします。