ゲスト
(ka0000)
冒涜されしは死者の群れ
マスター:T谷
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- サポート
- 現在0人 / 0~4人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/09/14 12:00
- リプレイ完成予定
- 2014/09/23 12:00
オープニング
――狂ったような、犬の鳴き声が響き渡る。
農夫の男は、それを夢の中で遠くに聞いていた。意に反し、意識は急速に浮上していく。
うるさい、今日くらいはゆっくり寝かせてくれ。儚く消えそうになる夢の片隅で、男は抗議するように呟いた。
眉根を寄せて、寝返りを打つ。
普段ならば朝日の昇るこの時間には、すでに起きているはずだった。朝早くから起きだして、やらなければいけないことがいくらでもあるからだ。しかし、今日だけは、もう少しだけ寝ていてもバチは当たらないだろう。
なにせ、昨晩は思わぬことで夜更かしをせざるを得なかったのだから。
真夜中、村の家畜が急に暴れだし、囲いを破って逃げ出そうとしたのだ。村人総出で起き出しそれらを落ち着かせたものの、男が家に帰ることができたのはもう空が白んできた頃だった。
男がいくら無言の抗議を頭の中で繰り返そうと、犬の鳴き声は止まない。繋いだリードが軋みを上げる音が、ここまで聞こえてくるようだ。
そして、男は気づく。
妙な臭いがする。鼻を突くような、刺激臭だ。それが腐臭だと、男は直感的に確信した。
家に備蓄した食材が、腐っているのだろうか。そんなことを思いながら、男はゆっくりと体を起こす。起きてみればその臭いは家に充満していて、よくここまで寝ていられたものだと、男は少し感心した。
早速と、地下の備蓄庫の蓋を持ち上げる。
だが、覚悟していた腐敗臭は、漂ってこなかった。むしろ、今の家の空気よりも、庫内の空気の方が新鮮に感じられたほどだ。
では、この臭いは一体……。
疑問に思ったその時、家の外から、絹を裂くような叫び声が聞こえてきた。
男は、咄嗟に外へ飛び出していた。
扉を開いた瞬間、鼻を突く臭いが増す。
辺りを見れば、同じく叩き起こされた住民が困惑顔で路地に頭を覗かせている。すでに数人は、叫び声の方へと向かっているようだ。男は、それに倣い走りだした。
走っている途中、臭いが一方向から風に乗って流れてきているのではないか、ということに気づく。
この時期、ちょうど村の裏手の山から吹き降ろす強い風が吹いてくるのだ。村はその風によって秋の到来を知り、季節の変わりを実感する。
――しかし今日この日だけは、そんな風流を感じる暇はなさそうだ。
駆け寄った先に、近所に住む女性が腰を抜かしてへたり込んでいた。山の方を見つめて口を開き、がたがたと震えて服が汚れるのも気にしない様子でずりずりと後ずさっている。
そして、男はその視線の先を見た。
山の木々の合間から、何かがこちらへと向かってきている。それは人型で、鈍色と赤褐色をまばらに散りばめたような奇妙な出で立ちをしている。その人型の背後では、緑に覆われていたはずの山の斜面が、鬱蒼と茂っていた木々の葉が――無残にも、赤茶けた腐葉土のような色へと変貌していた。それは人型の背後から山の上へと一直線に伸びていて、人型が通った道をそのまま示しているようだ。そしてその道の末端、山の中腹からは、何かモヤのようなものが立ち上っているように見えた。
男の心臓が跳ね上がる。木々を枯らし、負の力を撒き散らす。そんな存在を、聞いたことがあるからだ。
倒れている女性に手を貸す余裕もない。脂汗で額を濡らし、視線を向けるべきではないと警鐘を鳴らす本能にも背を向けて、何とか眼球を動かした。
そして、ゆったりとこちらに近づいてくる人型を、確認した。
農夫の男は、それを夢の中で遠くに聞いていた。意に反し、意識は急速に浮上していく。
うるさい、今日くらいはゆっくり寝かせてくれ。儚く消えそうになる夢の片隅で、男は抗議するように呟いた。
眉根を寄せて、寝返りを打つ。
普段ならば朝日の昇るこの時間には、すでに起きているはずだった。朝早くから起きだして、やらなければいけないことがいくらでもあるからだ。しかし、今日だけは、もう少しだけ寝ていてもバチは当たらないだろう。
なにせ、昨晩は思わぬことで夜更かしをせざるを得なかったのだから。
真夜中、村の家畜が急に暴れだし、囲いを破って逃げ出そうとしたのだ。村人総出で起き出しそれらを落ち着かせたものの、男が家に帰ることができたのはもう空が白んできた頃だった。
男がいくら無言の抗議を頭の中で繰り返そうと、犬の鳴き声は止まない。繋いだリードが軋みを上げる音が、ここまで聞こえてくるようだ。
そして、男は気づく。
妙な臭いがする。鼻を突くような、刺激臭だ。それが腐臭だと、男は直感的に確信した。
家に備蓄した食材が、腐っているのだろうか。そんなことを思いながら、男はゆっくりと体を起こす。起きてみればその臭いは家に充満していて、よくここまで寝ていられたものだと、男は少し感心した。
早速と、地下の備蓄庫の蓋を持ち上げる。
だが、覚悟していた腐敗臭は、漂ってこなかった。むしろ、今の家の空気よりも、庫内の空気の方が新鮮に感じられたほどだ。
では、この臭いは一体……。
疑問に思ったその時、家の外から、絹を裂くような叫び声が聞こえてきた。
男は、咄嗟に外へ飛び出していた。
扉を開いた瞬間、鼻を突く臭いが増す。
辺りを見れば、同じく叩き起こされた住民が困惑顔で路地に頭を覗かせている。すでに数人は、叫び声の方へと向かっているようだ。男は、それに倣い走りだした。
走っている途中、臭いが一方向から風に乗って流れてきているのではないか、ということに気づく。
この時期、ちょうど村の裏手の山から吹き降ろす強い風が吹いてくるのだ。村はその風によって秋の到来を知り、季節の変わりを実感する。
――しかし今日この日だけは、そんな風流を感じる暇はなさそうだ。
駆け寄った先に、近所に住む女性が腰を抜かしてへたり込んでいた。山の方を見つめて口を開き、がたがたと震えて服が汚れるのも気にしない様子でずりずりと後ずさっている。
そして、男はその視線の先を見た。
山の木々の合間から、何かがこちらへと向かってきている。それは人型で、鈍色と赤褐色をまばらに散りばめたような奇妙な出で立ちをしている。その人型の背後では、緑に覆われていたはずの山の斜面が、鬱蒼と茂っていた木々の葉が――無残にも、赤茶けた腐葉土のような色へと変貌していた。それは人型の背後から山の上へと一直線に伸びていて、人型が通った道をそのまま示しているようだ。そしてその道の末端、山の中腹からは、何かモヤのようなものが立ち上っているように見えた。
男の心臓が跳ね上がる。木々を枯らし、負の力を撒き散らす。そんな存在を、聞いたことがあるからだ。
倒れている女性に手を貸す余裕もない。脂汗で額を濡らし、視線を向けるべきではないと警鐘を鳴らす本能にも背を向けて、何とか眼球を動かした。
そして、ゆったりとこちらに近づいてくる人型を、確認した。
解説
●目的
突如現れた強化人型ゾンビの排除。及び、ゆっくりと広がり続けている汚染源の特定。ゾンビの行軍は非常に遅く、恐らく目的は村周辺の汚染にあると思われる。
●場所
とある農村。家屋の数は多くない。村は山の麓に広がっていて、その山の中腹から突如汚染は始まっているようです。
●敵
一般的なゾンビとは違い、体に鎧のような鋼板を縫い付けられ、手首から先に手の代わりに長剣のようなものが埋め込まれています。最近目撃されることのある、何者かの手が加わったゾンビである可能性が高いです。
分かっているだけで、強化されたゾンビの数は五体。村人の避難は済んでいますが、すでに襲われた村人が数人と、村に残された家畜やペットが感染させられている可能性もあります。十分に注意してください。家畜の種類は、牛と鶏。牧羊犬として、犬が数匹飼われていました。
●補足
錯乱した村人がクワでゾンビを殴りつけたところ、鋼板のない部分に当たったにも関わらず、金属音が聞こえたそうです。殴りつけた村人は、その後無残にも切り裂かれて死亡しました。
突如現れた強化人型ゾンビの排除。及び、ゆっくりと広がり続けている汚染源の特定。ゾンビの行軍は非常に遅く、恐らく目的は村周辺の汚染にあると思われる。
●場所
とある農村。家屋の数は多くない。村は山の麓に広がっていて、その山の中腹から突如汚染は始まっているようです。
●敵
一般的なゾンビとは違い、体に鎧のような鋼板を縫い付けられ、手首から先に手の代わりに長剣のようなものが埋め込まれています。最近目撃されることのある、何者かの手が加わったゾンビである可能性が高いです。
分かっているだけで、強化されたゾンビの数は五体。村人の避難は済んでいますが、すでに襲われた村人が数人と、村に残された家畜やペットが感染させられている可能性もあります。十分に注意してください。家畜の種類は、牛と鶏。牧羊犬として、犬が数匹飼われていました。
●補足
錯乱した村人がクワでゾンビを殴りつけたところ、鋼板のない部分に当たったにも関わらず、金属音が聞こえたそうです。殴りつけた村人は、その後無残にも切り裂かれて死亡しました。
マスターより
ゾンビのゲームは好きですが、実写のグロはフィクションでも全く耐性がありませんT谷です。
しかし文章の上ならばいくらでも腐らせられます。やったね。
しかし文章の上ならばいくらでも腐らせられます。やったね。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/09/22 09:12
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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仮プレイング張り付け処 ロクス・カーディナー(ka0162) 人間(クリムゾンウェスト)|28才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2014/09/14 09:40:05 |
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依頼相談スレッド ロクス・カーディナー(ka0162) 人間(クリムゾンウェスト)|28才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2014/09/14 10:53:03 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/09/09 22:39:34 |