大幻獣ツキウサギと共におばけクルミの里を訪れたバタルトゥ・オイマト（kz0023)。
　里へ到着したまでは良いが、隙を突いた歪虚コーリアスが里を完全包囲。バタルトゥは思わぬ形で危機的状況となった。
　さらにコーリアスはハンターとルールを取り決め、三週間後の総攻撃を宣言する。

　刻一刻と流れていく時間。
　だが、双方とも三週間を黙って過ごす訳はない。
　決戦を前にすべき事は――山積していた。


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「ひでえ風だな……まだ近づいてもいないっていうのに、痛いほど吹き付けてきやがる」
「話には聞いていましたが、これほどとは……」
　吹きすさぶ嵐の中、双眼鏡を片手に男性ハンターは呟き、傍らの女性ハンターもまた強い風にフードを抑える。彼らはコーリアスの陣営に対し斥候を担い、コーリアスの防備施設の情報を得る為に潜入をしていた。ロレント・フェイタリ(kz0111)の事前調査により、コーリアスの陣営の工場と思しきものが見つかった為に、彼らは改めて調査の為に駆り出されたのだが……その様相は工場というよりも前線基地に近いものだった。
「ちっ、コーリアスの野郎め。『錬金術は使わないけど事前に使ってたものならOK』ってか？　狡い奴め」
「取引をするとはいえ、歪虚ですから……」
　双眼鏡についた雨粒を拭くも、雨そのものが視界を遮断する中、それ以上の詳しい情報は得られない、
　コーリアスは人間側との戦いに備え、自らの拠点の周囲に様々な防備を用意しており、近代兵器と呼べるような代物も多く揃えている。木々の影から拠点を覗き見るだけでも、その凶悪性は目を見張るものがあった。
「ミサイルにレーザー砲……銃火器で武装した歪虚もいやがる。それにしてもこの嵐は……」
「この嵐が、拠点の一番の特徴のようですね……」
　完全武装しているだけでも厄介な拠点だが、それだけではない。先程から吹きつける暴風雨は自然のものではない。コーリアスの用意した拠点の中心部、巨大にそびえ立つ鉄塔のような装置が、強力なマテリアルを上空へと放ち続けていた。
「嵐の発生装置って訳か、この風雨じゃ近づく事も難しいっていうのに、奴さんは完全対策と来た。厄介な話だ」
「それに敵の兵器の規模からするに、大規模な行軍は逆に的になりそうですね」
　ミサイルは広範囲を爆撃するもので、レーザー砲も貫通力に優れるもの。加えてこの風雨ならば大人数での行軍は逆に足を止められてしまう為に、大人数での強襲は不利を極めるだろう。
「……よし、この情報を持ち帰ろう。少数精鋭で突破する為の作戦を立てるぞ」
「了解しました」
　素早く情報を得た二人は踵を返し、木々の隙間を縫って拠点から離れていく。コーリアスとの、化かし合いとも呼べる削り合いがここに始まろうとしていた。

◆本シナリオの目的
　コーリアスの防備施設の一つを制圧する


◆基本的な状況
　コーリアスと人間側の戦いが始まり、此度のシナリオではコーリアス陣営の妨害の為の戦力削減が目的となります。

　ロレントとハンターの調査により、拠点の一つは屋外に設置された前線基地ということが判明。設置された拠点防御兵器や、銃火器で武装した歪虚達が、この拠点の心臓部である『嵐発生装置』を守護しています。
　この装置の作り出す暴風雨は視界を阻み、常に降り注ぐ雨が地面をぬかるませています。
　結果として射程の長い攻撃の命中率が大きく減少し、一定確率で足を滑らせて思うように動けなくなります。
　この装置を破壊すればこの拠点の力は大きく削がれ、制圧が完了するものと予測されます。


◆敵戦力

・ソルジャーゴーレム・アサルト×8
　銃火器で武装した、コーリアスの錬成した人型ゴーレムです。サイズは1で通常のゴーレムよりも小さく、一般的なものよりスケールダウンしていますが、耐久力はそれなりに高く、更にアサルトライフルによって武装しています。この嵐の中でも見通せる索敵能力を持ち、命中精度を損ないません。

・ソルジャーゴーレム・ソウ×4
　チェーンソーによって武装した人型ゴーレムです。上記の『アサルト』と同じスケールで、武装だけが近接攻撃に適したチェーンソーになっております。ぬかるんだ地面に対応できるよう、脚部は特殊な加工をされています。


・ミサイル発射装置×2
　拠点に備え付けられたミサイルの発射装置です。高い誘導性を持ち、また広範囲を爆撃できる為、この嵐の中でも問題なく運用できます。
　ただし素の命中精度はそれほど高くはないようです。それぞれソルジャーゴーレムによって操作されています。

・レーザー砲台×2
　拠点に備え付けられたレーザー砲台です。高い攻撃力、貫通力を持つビームを放ちますが、発射までに一瞬のタイムラグがあるようです。

　お世話になっております、桐咲です！

　歪虚コーリアスと、人間側の戦いが勃発。皆様には此度、その施設の一つを制圧し、コーリアスの戦力を削ぐ事に挑戦して頂きます。
　厄介な暴風雨を潜り抜け、武装した兵団を退け、心臓部を停止させることを目指して下さい。

　このシナリオの結果が次回のパートに影響を及ぼしますので、是非奮ってご参加下さいませ。
　皆様の個性あふれるプレイングをお待ちしております！