• 戦闘

終夏の戦い ~騎士アーリア~

マスター:天田洋介

シナリオ形態
シリーズ(続編)
難易度
やや難しい
オプション
参加費
1,300
参加人数
現在8人 / 4~8人
マテリアルリンク
報酬
多め
相談期間
5日
プレイング締切
2016/09/06 12:00
リプレイ完成予定
2016/09/15 12:00

オープニング

※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。

 グラズヘイム王国の南部に伯爵地【ニュー・ウォルター】は存在する。
 領主が住まう城塞都市の名は『マール』。マールから海岸まで自然の川を整備した十kmに渡る運河が流れていた。そのおかげで内陸部にも関わらず海上の帆船で直接乗りつけることができる。
 もっとも帆船が利用できるのは『ニュー港』まで。それ以降の水上航路は手こぎのゴンドラを利用しなければならない。
 升の目のように造成された都市内の水上航路はとても賑やかだ。各地からやってきた行商もゴンドラに乗って売り買いの声を張り上げている。
 橋を利用しての徒歩移動も可能だが、そうしている者は数少なかった。それだけマールの民の間に水上航路は溶け込んでいた。
 この地を治めるのはアリーア・エルブン伯爵。ニュー・ウォルターを守護するオリナニア騎士団長を兼任する十七歳になったばかりの銀髪の青年だ。
 前領主ダリーア・エルブン伯爵が次男である彼に家督を譲ったのは十四歳のとき。それからわずかな期間で亡くなっている。闘病の日々で死期を予感していたのだろうと当時は市井の者の間でも囁かれていた。
 長男ドネア・エルブンも事故で亡くなっていたが、妹のミリア・エルブンは健在。幼い頃から秀才ぶりを発揮し、弱冠十五歳ながらも内政を担う。アーリアにとっては心強い片腕であった。
 マール内で発生した偽金事件は想像し得ない様相を見せる。
 偽の聖堂教会に残されていた暗号は『アスタロト』『闇の支配』『ドネア』と読み解けた。ドネアとはアーリアとミリアの死んだはずの長兄であった。
 世間には事故と発表されたドネアの死因だが、現実には謀反に失敗して命を落としている。
 ドネアが本当に死んだのか、真相を暴くべくハンター達が動く。謀反に加担した行方不明のバーンズを探しだす過程においてそれは白日の下に晒された。ドネアだけでなく、謀反に関与していた元ドネア親衛隊の女性ロランナ・ベヒも歪虚になっていた。
 ドネアは歪虚軍長アスタロト。そしてロランナはネビロスを名乗った。
 後日、マールにおいて武器防具を積んだゴンドラの沈没事件が頻繁に発生する。ハンター達が水中に潜んでいた雑魔を退治。これによって歪虚崇拝者達の手に武器防具が渡る手段を潰すことができた。
 別の機会には町村巡回中のアーリア一行が罠にはめられてしまう。窮地に陥ったものの、火の手に囲まれた状態からの脱出に成功。この件においてもハンター達の貢献は大きかった。
 ネビロスが企んだ穀倉地帯における蝗雑魔をも排除したハンター達だが、心中には疑問が残る。彼女が残した一言『堰の小さなひび割れ』が気になったからであった。
 ネビロスの奥の手はマールの水没。これまでの作戦は搦め手の表の顔だった。運河の底にある湧水個所を破壊することで、それが達成される寸前にまで至っていたのである。
 ハンター達が看破した直後に焦ったネビロスが突如の襲撃を開始した。アーリア側もこれに応戦。湧水個所を守りきったのだった。


 内陸のニュー港と南部の海岸線を繋ぐ運河沿いでは、厳重な警戒体制が敷かれていた。
 見張り用の塔以外にも約一kmごとに屯所を設置。約十kmに及ぶすべてで衛兵やオリナニア騎士団が巡回警備中だ。
 運河の底に潜んでいた湧水個所の整備は急ピッチで行われている。行き場を失った地下水を噴きださせるためにネビロスが用意した多数の井戸も埋め立て中である。
 もしもアスタロト側が作戦を成功させていたのなら、升目のように水路が整理された美しき城塞都市マールは水浸しの惨状に陥ったに違いない。最悪、運河も堰き止められて凄まじい被害を被ったことだろう。
 ハンター一行の機転と行動によって、それは阻止された。だが安心してはいられなかった。
「ここしばらく、まったくアスタロト側の動きがないのが気にかかる」
「街中がとても穏やかですの。まるで不穏分子が一人もいなくなったような……。理想的ではありますが、ある意味で不自然な状況になっていますの」
 領主アーリアと、その妹ミリアはマール城の一室にて言葉を交わす。
「井戸の埋め立てはもうすぐ終わるが、運河底の湧水補修はもう一ヶ月はかかる。周囲に城塞を建てての常時警戒体制を敷くには、もう半年。その間、アスタロト側が黙って眺めているはずがない。湧水個所が塞がれたのなら、マールは酷い惨状となるはずだ」
 アーリアが手にしたカップを揺らし、紅茶に映った自らの顔を歪ませる。
「アスタロト側が井戸を掘っての被害拡大を狙わず、こちらが気づかぬ間に湧水個所を破壊したなら大変なところだったのですの」
 ミリアは最後のスコーンを口に運んだ。
「欲がでたのだろう。不遜な態度のアイテルカイトらしいといえばらしいな」
「……昔からそういうところがありましたの。ドネア兄様は」
 アーリアとの会話にミリアは敢えてアスタロトが人だった頃の名『ドネア』をだす。ミリアも歪虚となってしまったドネアのことを兄とは考えていない。だがわずかな情が残っているのも確かなことだ。果たしてアーリアもそうなのかと確かめようとしたのである。
 アーリアは何も語らずに紅茶を飲み干していた。

 不穏な空気の淀みはマール全体を包み込む。
 アーリアはハンターズソサエティー支部に応援を要請。ハンターの一チームが転移門を通じてマールの地へと降り立ったのだった。

解説

 みなさんが到着した翌日の月夜に運河の湧水個所が襲われます。

 水棲雑魔五十体前後。また歪虚崇拝者の集団も襲ってきます。数は定かではありませんが百以上です。(かなり遠方からも応援を呼んでいます)

 みなさんの役目は首魁ネビロスの討伐になります。アスタロトは今回現場にいません。

 敵の側にも覚醒者はいます。

 騎士団長としてアーリア、副長ミリオドも部下を率いて参戦します。城の警備は大丈夫ですのでご心配なく。

※PL情報
 運河から帆船三隻が突っ込んでいきます。前回と同様に火薬入りの樽を多数積んでいます。これに加えてさらに三隻が後方で待機。こちらにも火薬樽は積まれています。(騎士団側も帆船に乗り運河口近くで阻止しようとしますが突破されます)
 歪虚崇拝者は海賊として帆船に乗り込んでいますが、地上でも待機しています。両岸を守る衛兵や騎士団員を襲うことでしょう。
 井戸の埋め立てを再度掘り直される可能性は零に等しいのでご心配なく。
 ネビロスは後方の帆船で待機していますが、途中で我慢しきれなくなります。水棲雑魔に掴まり運河を潜水して、直接湧水個所へと出向くことでしょう。

 常識的な必要経費はアーリア持ちです。

 質問があればハンターオフィス職員のフミナ・エミエール(kz0131)が卓で答えます。質問締め切りは出発の一日前までです。

マスターより

 ネビロスは相当な覚悟です。今回はプライドを捨ててでも、アスタロトのために作戦を成功させるつもりでいます。

 シリーズシナリオは他のシナリオに参加していても、入ることが出来ます。詳しくはハンターオフィス内『シナリオとは』内にある複数シナリオへの参加ルールを参考にしてくださいね。

関連NPC

  • 本部ハンターオフィス職員
    フミナ・エミエール(kz0131
    人間(クリムゾンウェスト)|20才|女性|一般人
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2016/09/13 22:56

参加者一覧

  • カコとミライの狭間
    ジョージ・ユニクス(ka0442
    人間(紅)|13才|男性|闘狩人
  • 赤髪の勇士
    エヴァンス・カルヴィ(ka0639
    人間(紅)|29才|男性|闘狩人
  • デュエリスト
    弓月 幸子(ka1749
    人間(蒼)|15才|女性|魔術師
  • 師岬の未来をつなぐ
    ミオレスカ(ka3496
    エルフ|18才|女性|猟撃士
  • うら若き総帥の比翼
    ひりょ・ムーンリーフ(ka3744
    人間(蒼)|18才|男性|闘狩人
  • Ms.“Deadend”
    アメリア・フォーサイス(ka4111
    人間(蒼)|22才|女性|猟撃士

  • 鞍馬 真(ka5819
    人間(蒼)|22才|男性|闘狩人
  • 灯光に託す鎮魂歌
    ディーナ・フェルミ(ka5843
    人間(紅)|18才|女性|聖導士
依頼相談掲示板
アイコン 緊急質問卓!
エヴァンス・カルヴィ(ka0639
人間(クリムゾンウェスト)|29才|男性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2016/09/05 17:01:55
アイコン 相談卓
鞍馬 真(ka5819
人間(リアルブルー)|22才|男性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2016/09/06 11:15:00
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/09/05 09:47:43