ゲスト
(ka0000)
【蒼乱】熱砂の憲兵と来訪者たち
マスター:稲田和夫

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
APV- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- ユニット参加人数
- 現在6 / 0~6
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/09/05 15:00
- リプレイ完成予定
- 2016/09/19 15:00
オープニング
南方、竜の巣。その海岸付近に設置された転移門と人類の仮設拠点の一つ。
ゾンネンシュトラール帝国第一師団憲兵大隊の兵長オレーシャは上機嫌でCAMの整備に当たっていた。
「魔導エンジンの配線も大分理解出来てきたな。これなら、戦闘後の点検も何とか手伝える」
何故、本来は首都の治安維持を行う筈の彼女がここに出向させられているのかについては若干の説明が必要であろう。
アーマーやCAMの稼働体制がクリムゾンウェストで確立されたということは、その運用に必要な整備要員も今まで以上の数が要求されるということである。
当然帝国も、この事態は予測しており錬魔院に命じて短期の技術者養成実習などを開催していたがまだまだ数が足りないのが現状だ。
一方のオレーシャはドワーフということもあり、元々これらの技術に強く、独学で様々な知識を学んでいたことも手伝って、錬魔院で実習を受けたあとは十分に現場の整備員としても通用するレベルであった。
まして、ここ南方への拠点設置は一人でも多くの覚醒者が必要ということもあり、歴戦の兵士でもある彼女がこうして出向してきたという訳だ。
「兵長、そろそろ夜明けです」
彼女の指揮下にある整備員や憲兵隊の兵士が心配そうに声をかける。
「ああ、すまないな。転移門があるとはいえ、ここは敵地だ。出来るだけのことはやっておきたいと……」
オレーシャが突然厳しい顔になってCAMから飛び降りた。
「兵長?」
「……声を立てるな。整備班はこのままここで待機。CAMを守れ。お前は私について来い。侵入者だ」
オレーシャそう命令すると、兵士を伴って医薬品や食料、水などが備蓄してある倉庫の方へと走り出した。
●
「――動くな。ゆっくりとこっちを向け」
ドスの効いたオレーシャの声色に、その人影はビクッと全身を震わせると恐る恐る命令に従った。
人間より小柄な体躯、犬に酷似した頭部。そして、頭部には装飾の施された濃い緑色の布が巻かれている。
「……コボルドか。先遣隊が幾つかの地点で遭遇したとは聞いていたが」
帝国領内でも普通に見られるコボルドは、一般的には敵対的な亜人種として知られており、現にオレーシャもつい最近交戦した経験があった。
だが、このコボルドは様子が違っていた。
こちらを振り向いたコボルドは、オレーシャには理解できない言語で何かを言っていたが、やがて地面に跪くと、まるで哀願するかのように必死に頭を地面に擦り付け始めた。
相手の意図が理解できないオレーシャは苛立つばかりだ。
「謝罪のつもりか? なら、まず貴様が奪った物資を返却するのが先決だろう」
だが、コボルドはそれを聞くと粗末な布にくるんだ医薬品を必死に抱きすくめ、なおも哀願と身振り手振りを繰り返す。
「なるほど、どうあっても返す気はないようだな」
オレーシャが一歩踏み出す。
コボルドその殺気に怯えながらも、片手で相手を押し留める。そして、もう片方の手で必死に懐をまさぐり始めた。
「貴様!」
だが、オレーシャは相手の行動を、武器を取り出そうとしている、と解釈して咄嗟にモンキーレンチを投げつけた。
レンチは咄嗟に身をかがめたコボルドの頭上を通過、地面に命中して岩盤を砕いた。
コボルドは子犬がきゃん、という声にも似た哀れな悲鳴を出して飛び上がったが、それでも何とか懐から何かを取り出して地面に置くと、必死に走り出した。
●
数分後、オレーシャは部下の帝国兵たちとともに、仮設陣地の背後にある岩山を包囲していた。
「兵長、やはり入り口はここだけのようです」
周囲を回ってきた部下が報告する。
「袋の鼠という訳か。他愛も無い。私もドワーフの端くれ……穴潜りなら望む所だ。私が捕縛してくる」
意気揚々と上着を脱ぐオレーシャ。
そこに、さっき倉庫でオレーシャと一緒だった兵士が、コボルドの残していった品を持って現れた。
「兵長。この品物は貴金属や宝石が使われています。売ればそれなりの金額になるでしょう。奴は、なんでこんな物を……」
「光物を集める習性でもあるのだろう。さっきは薬瓶にでも惹きつけられたのだな。けしからん話だ」
「さっきの様子だと、奴はこれを我々に渡そうとしていたように見えたのですが……」
オレーシャと一緒にコボルドを見ていた兵士は納得できない様子で言い募る。
しかし、その時見張りの櫓から警告が発せられ、この会話は中断された。
「敵襲! 一体だけですが、相当な大きさです! 恐らく、強欲の眷属と思われます!」
オレーシャは暫く思案する様子を見せていたが、やがてハンターたちの方を振り返ってこう命令した。
「迎撃はハンターたちに任せる。CAMの使用も許可しよう。存分に暴れてやれ」
●
「フン、矮小な人間ども叩き潰しても詰まらんと思っていたが、中々壊し甲斐のありそうな獲物ではないか……」
その歪虚が歩く度に大地は揺れ、砂埃が巻き上がる。
「CAMと言ったか? この俺様が纏めて叩き壊して、我ら強欲の力を思い知らせてやるわ、グハハハハハ!」
巨大な鎧竜(アンキロサウルス)が直立二足歩行したようなドラゴンの哄笑が、夜明けと共に再び熱に包まれつつある砂漠に響き渡った。
ゾンネンシュトラール帝国第一師団憲兵大隊の兵長オレーシャは上機嫌でCAMの整備に当たっていた。
「魔導エンジンの配線も大分理解出来てきたな。これなら、戦闘後の点検も何とか手伝える」
何故、本来は首都の治安維持を行う筈の彼女がここに出向させられているのかについては若干の説明が必要であろう。
アーマーやCAMの稼働体制がクリムゾンウェストで確立されたということは、その運用に必要な整備要員も今まで以上の数が要求されるということである。
当然帝国も、この事態は予測しており錬魔院に命じて短期の技術者養成実習などを開催していたがまだまだ数が足りないのが現状だ。
一方のオレーシャはドワーフということもあり、元々これらの技術に強く、独学で様々な知識を学んでいたことも手伝って、錬魔院で実習を受けたあとは十分に現場の整備員としても通用するレベルであった。
まして、ここ南方への拠点設置は一人でも多くの覚醒者が必要ということもあり、歴戦の兵士でもある彼女がこうして出向してきたという訳だ。
「兵長、そろそろ夜明けです」
彼女の指揮下にある整備員や憲兵隊の兵士が心配そうに声をかける。
「ああ、すまないな。転移門があるとはいえ、ここは敵地だ。出来るだけのことはやっておきたいと……」
オレーシャが突然厳しい顔になってCAMから飛び降りた。
「兵長?」
「……声を立てるな。整備班はこのままここで待機。CAMを守れ。お前は私について来い。侵入者だ」
オレーシャそう命令すると、兵士を伴って医薬品や食料、水などが備蓄してある倉庫の方へと走り出した。
●
「――動くな。ゆっくりとこっちを向け」
ドスの効いたオレーシャの声色に、その人影はビクッと全身を震わせると恐る恐る命令に従った。
人間より小柄な体躯、犬に酷似した頭部。そして、頭部には装飾の施された濃い緑色の布が巻かれている。
「……コボルドか。先遣隊が幾つかの地点で遭遇したとは聞いていたが」
帝国領内でも普通に見られるコボルドは、一般的には敵対的な亜人種として知られており、現にオレーシャもつい最近交戦した経験があった。
だが、このコボルドは様子が違っていた。
こちらを振り向いたコボルドは、オレーシャには理解できない言語で何かを言っていたが、やがて地面に跪くと、まるで哀願するかのように必死に頭を地面に擦り付け始めた。
相手の意図が理解できないオレーシャは苛立つばかりだ。
「謝罪のつもりか? なら、まず貴様が奪った物資を返却するのが先決だろう」
だが、コボルドはそれを聞くと粗末な布にくるんだ医薬品を必死に抱きすくめ、なおも哀願と身振り手振りを繰り返す。
「なるほど、どうあっても返す気はないようだな」
オレーシャが一歩踏み出す。
コボルドその殺気に怯えながらも、片手で相手を押し留める。そして、もう片方の手で必死に懐をまさぐり始めた。
「貴様!」
だが、オレーシャは相手の行動を、武器を取り出そうとしている、と解釈して咄嗟にモンキーレンチを投げつけた。
レンチは咄嗟に身をかがめたコボルドの頭上を通過、地面に命中して岩盤を砕いた。
コボルドは子犬がきゃん、という声にも似た哀れな悲鳴を出して飛び上がったが、それでも何とか懐から何かを取り出して地面に置くと、必死に走り出した。
●
数分後、オレーシャは部下の帝国兵たちとともに、仮設陣地の背後にある岩山を包囲していた。
「兵長、やはり入り口はここだけのようです」
周囲を回ってきた部下が報告する。
「袋の鼠という訳か。他愛も無い。私もドワーフの端くれ……穴潜りなら望む所だ。私が捕縛してくる」
意気揚々と上着を脱ぐオレーシャ。
そこに、さっき倉庫でオレーシャと一緒だった兵士が、コボルドの残していった品を持って現れた。
「兵長。この品物は貴金属や宝石が使われています。売ればそれなりの金額になるでしょう。奴は、なんでこんな物を……」
「光物を集める習性でもあるのだろう。さっきは薬瓶にでも惹きつけられたのだな。けしからん話だ」
「さっきの様子だと、奴はこれを我々に渡そうとしていたように見えたのですが……」
オレーシャと一緒にコボルドを見ていた兵士は納得できない様子で言い募る。
しかし、その時見張りの櫓から警告が発せられ、この会話は中断された。
「敵襲! 一体だけですが、相当な大きさです! 恐らく、強欲の眷属と思われます!」
オレーシャは暫く思案する様子を見せていたが、やがてハンターたちの方を振り返ってこう命令した。
「迎撃はハンターたちに任せる。CAMの使用も許可しよう。存分に暴れてやれ」
●
「フン、矮小な人間ども叩き潰しても詰まらんと思っていたが、中々壊し甲斐のありそうな獲物ではないか……」
その歪虚が歩く度に大地は揺れ、砂埃が巻き上がる。
「CAMと言ったか? この俺様が纏めて叩き壊して、我ら強欲の力を思い知らせてやるわ、グハハハハハ!」
巨大な鎧竜(アンキロサウルス)が直立二足歩行したようなドラゴンの哄笑が、夜明けと共に再び熱に包まれつつある砂漠に響き渡った。
解説
★目的
オレーシャ兵長がコボルドを捕獲するまでの間、強欲の侵攻を食い止める。
★状況の詳細
現在、オレーシャは逃げたコボルドを、岩山の洞窟の中で追跡している。
この岩山に熱砂の鎧竜が接近しつつある。よって、鎧竜の岩山への接近を阻止しつつオレーシャがコボルドを確保するまで時間を稼ぐ必要がある。
成功度が『普通』以上であればコボルドの捕縛に成功するので、コボルドに何らかのアクションをとる場合はプレイングへの記載を推奨する。
★地形など
背後にある岩山(高さは丘くらい)を除けば遮蔽物のない一面の砂漠。
★敵戦力
熱砂の鎧竜(がいりゅう)×1
一言で説明すると、直立二足歩行するアンキロサウルス型の強欲。
堅牢な装甲で、背面と正面を防御している他、長く強靭な尾の先端はハンマー状になっており、リーチの長い強力な武器として使用できる他、サイズに合わせた巨大なフレイルを装備している。
もし、岩山にこれらがぶつかれば大きな被害が出るだろう。
OPでわかる通り知能も有している…が、頭は良くなさそうである
サイズ3。
★オレーシャ
第一師団憲兵大隊所属のドワーフ。
憲兵のなのに機械に強いという変わり者。
今回はCAMや魔導アーマーの普及に伴う整備要員の不足から急遽前線に回されてきた。
【虚動】ポンコツの本気と共食い整備 などに登場。
★コボルド
濃い緑色の布を覆面にしているコボルド。オレーシャの剣幕に震え上がり岩山の中を必死に逃げ回っている。
会話は不可能だが、こちらの話はある程度理解出来るようだ。
なお。彼が逃げる際に置いて行った古い装飾品のようなものは、追われて落としたのでは無く、自分からその場に置いて人間たちに渡そうとしたようだが…?
オレーシャ兵長がコボルドを捕獲するまでの間、強欲の侵攻を食い止める。
★状況の詳細
現在、オレーシャは逃げたコボルドを、岩山の洞窟の中で追跡している。
この岩山に熱砂の鎧竜が接近しつつある。よって、鎧竜の岩山への接近を阻止しつつオレーシャがコボルドを確保するまで時間を稼ぐ必要がある。
成功度が『普通』以上であればコボルドの捕縛に成功するので、コボルドに何らかのアクションをとる場合はプレイングへの記載を推奨する。
★地形など
背後にある岩山(高さは丘くらい)を除けば遮蔽物のない一面の砂漠。
★敵戦力
熱砂の鎧竜(がいりゅう)×1
一言で説明すると、直立二足歩行するアンキロサウルス型の強欲。
堅牢な装甲で、背面と正面を防御している他、長く強靭な尾の先端はハンマー状になっており、リーチの長い強力な武器として使用できる他、サイズに合わせた巨大なフレイルを装備している。
もし、岩山にこれらがぶつかれば大きな被害が出るだろう。
OPでわかる通り知能も有している…が、頭は良くなさそうである
サイズ3。
★オレーシャ
第一師団憲兵大隊所属のドワーフ。
憲兵のなのに機械に強いという変わり者。
今回はCAMや魔導アーマーの普及に伴う整備要員の不足から急遽前線に回されてきた。
【虚動】ポンコツの本気と共食い整備 などに登場。
★コボルド
濃い緑色の布を覆面にしているコボルド。オレーシャの剣幕に震え上がり岩山の中を必死に逃げ回っている。
会話は不可能だが、こちらの話はある程度理解出来るようだ。
なお。彼が逃げる際に置いて行った古い装飾品のようなものは、追われて落としたのでは無く、自分からその場に置いて人間たちに渡そうとしたようだが…?
マスターより
お世話になっております。稲田です。
今回の舞台は、南方にある竜の巣。他のMSの依頼でもその姿が確認されているコボルドがここにも姿を現しました。
他の、南方で目撃されたコボルド同様彼にも敵意はないようですが、何か事情はありそうな様子。それを確かめてみるのも面白いかもしれません。
なお、このシナリオはCAM使用『推奨』ですが、幻獣や魔導アーマーなどの他のユニット及び生身のみでの参加も可能です。
ただし、難易度は6人全員がCAMを同伴している状況を基準としているのでご注意ください。
また、ユニットを使用する場合は同行フラグのつけ忘れにもご注意をお願いいたします。
では、興味を持っていただければ幸いです。
今回の舞台は、南方にある竜の巣。他のMSの依頼でもその姿が確認されているコボルドがここにも姿を現しました。
他の、南方で目撃されたコボルド同様彼にも敵意はないようですが、何か事情はありそうな様子。それを確かめてみるのも面白いかもしれません。
なお、このシナリオはCAM使用『推奨』ですが、幻獣や魔導アーマーなどの他のユニット及び生身のみでの参加も可能です。
ただし、難易度は6人全員がCAMを同伴している状況を基準としているのでご注意ください。
また、ユニットを使用する場合は同行フラグのつけ忘れにもご注意をお願いいたします。
では、興味を持っていただければ幸いです。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/09/18 12:14
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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【相談卓】Mail break フォークス(ka0570) 人間(リアルブルー)|25才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2016/09/04 21:04:49 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/08/31 23:56:35 |