• 猫譚
  • 戦闘

【猫譚】少年、捕獲作戦実行する

マスター:狐野径

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
現在5人 / 4~6人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2016/09/09 19:00
リプレイ完成予定
2016/09/18 19:00

オープニング

●イスルダ島
 負のマテリアルが満ちる暗いイスルダ島をプエル(kz0127)は歩く。時間もあるようでなく、距離も不明。
 イスルダ島に渡ったのは初めてのことで、プエルは心細くなる。
 視線を感じるのは仕方がない。
 侵入者が何であり、どのような力を持つか、知りたがっている視線。プエルがちらりと見ると、傲慢に属する歪虚たちがあちこちにいるのが見えた。
 単一の属性が多く存在するという風景はプエルには珍しい物。レチタティーヴォの下には彼の属性以外の者も多くいた。レチタティーヴォ直下と言える位置にいた歪虚はプエル以外は暴食に属する2人だった。
「めえめえひつじ! 余は歌を知っているぞ! うん……王国には羊がたくさんいるんだもの!」
 ぎゅっと羊のぬいぐるみの下の手を握りしめる。ふと、歪虚と目があった。暗い表情の青年で、低い位置にいるのにプエルを見下すような雰囲気を持っている。
「……んー? なんか腹立つけど、気にしてはいけない」
 自分に言い聞かせながらプエルはとことこと前に進んだ。
 広い場所に出た。
「島に入り込んだ人形が何用だ? 誰かの使いか?」
 降ってきた声に身を震わせプエルは見上げる。
 大きな羊であり、大きな人である。どちらかというと羊かもしれない。
(べリアル……だ……)
 プエルはごくりと生唾を飲み込み、ぎゅっとぬいぐるみを抱きしめる。ここでしっかりしないといけないとプエルは己を奮い立たせる。
「使いじゃありません。その……僕……憂悦孤唱プエル、レチタティーヴォ様の下でさえずる者……です! レチタティーヴォ様がいなくなってしまって! そのあと、僕の部下もペットたちもみんな、ハンターに討たれちゃって……ふえっ。僕、すごく困ってたとき、べリアル様がいらっしゃるって思い出して! 直接お伺いするのも悪いと思って、ネル・ベルさんに尋ねたら、べリアル様はここにいらっしゃるというので参りました。ぜひ、こちらにおいてください!」
 とりあえず必死に訴える。
「ブシ、下僕になりたいと?」
「ふえええ、僕、何ができるかわからないけれど! で、でも、毛並み整えるのはうまいです。羊はしたことないですが……」
 「下僕」という響きにプエルは抵抗を示す。カバンからブラシを取り出し、自己PRをする。
「ブシシ……毛並みか……」
 何を考えているかプエルにはわからない。ここで変に疑われたりしたら困る。
 王国を無に帰したい思いは一緒だよ、と真剣に見上げる。
「……ふむ。お前、王国で発生した光のことを知っているか?」
 不意の問いかけにプエルは首を傾げた後、口を開いた。
「何が起こるかわからないから、危ないからおうちから出ちゃいけないって言われましたから出ていません」
 きっぱりと使えない回答をする。話は聞いていた、テスカ教云々も含めて。レチタティーヴォもいなければその周りの大人もいなくなっているためおとなしくプエルはしていた。巡礼路で何かがあったらしいが、人間であった時の記憶からもその手の情報はない。
「……ふん。ならばこの毛皮を取ってこい」
 べリアルはどこからか取り出した毛皮を見せた。プエルは首をかしげる。
「なんの生き物ですか? ……んー……ユグディラ?」
 大きさと羊歪虚の行動から考えるとそれだろう。プエルとしては動きているそれを触りたいのだが、この羊は違うらしいとプエルは冷めた目を一瞬した。
「わかりました。あ、あの、僕、人手がないので手伝ってくれるヒト借りてもいいですか?」
「良かろう」
「ご期待に沿えるよう頑張りますね!」
 プエルは丁寧にお辞儀をして後にした。

●猫集め
「どうしてこんな人形に……」
 あの時、目が合った青年のような歪虚は目の前でせわしなく動き回るプエルに苛立ち覚える。
 スパーンとハリセンが青年の肩に当たる、悪口が聞こえたプエルの反撃。痛くはないが腹立つ。
「ガキ……」
 今度は回し蹴りが来た。青年はよけきれなかった。
「さてと、どうやってユグディラを捕まえるかだよね。僕は罠を仕掛けることにするから、手伝いよろしくね」
「まあ、仕方がないから手伝おう」
「そうだよ。ユグディラは可愛い、みんなで撫でよう」
「いや、捕まえるのが仕事であって、お前がどうにかする話ではないだろう?」

「しっかり者だね、君。いいじゃない、撫でたって!」
 プエルは不満な声をもらした後、じっと青年を見る。
「なんだ」
 青年は不機嫌な声で思わず問う。
「……あ、そうだ、しゃがんで」
 プエルの指示に従わない。プエルは腕をぐいぐいしたに引っ張り、彼をしゃがませ頭の角に触った。
「うーん? 別に面白くないや」
「……!?」
「猫はどうやって集めるかが問題だ」
「切り替わり早っ」
 プエルはすでに地図を見て集める道具を指示している。
「効率よくどーんと……やっぱり追い込まないと駄目かな?」
 このあたりに何匹かいるのは分かっている。見かけたからだ。
「ふふっ!」
 嬉しそうなプエルは立ち上がると指示を出す。
 用意するのは生きのいい魚と捕獲用の網など。
「で、君の名前、聞いてないんだ」
「好きに呼べばいい」
「じゃ……うーん、マエロルっていうのはどう?」
「……それでいい」
「じゃ、張り切っていこう!」
 プエルは羊のぬいぐるみを放り投げた。5体は後ろ足で着地すると、可愛らしく活動を始めた。

●依頼
 依頼を見てハンターは首をかしげた。
 グラズヘイム王国の南西で羊歪虚が見受けられるための調査及び排除。目的があるのだろうということはわかるが、今何をしたがっているのかと謎だった。
 そこに「ユグディラの目撃」情報が加わると状況が変わる。
 最近、羊歪虚がユグディラを追いかけたり、捕まえているのが目撃されているのだから。
「ユグディラ捕獲を試みる歪虚は排除を、ユグディラには……注意情報ですかね」
 ソサエティの職員は首をひねる。ユグディラをこちらが捕獲する理由はないため、話して理解してもらうしかないのかと。
「歪虚はいなくていいというのははっきりわかりますので、千里の道も一歩からとリアルブルーではいうそうですから、頑張りましょう」
 職員は鼓舞する。
「ところで『千里』って何ですか」
 真顔で疑問を呈した。

解説

 羊歪虚が現れたという情報を調べよう!
 ユグディラもいるという話があるよ?

●不審な地域のイメージ図
<街道側>
木□□木□□木□□木
□魚□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
木□□木□□木□□木
□□□□魚□□□□□
□□□□□□□□□□
木□□木□□木□□木
~~以下略~~~~~
<山側>
 
 □は平地。魚は猫捕獲用罠付き。木は木および繁み。

●周辺に隠れているユグディラ 7匹
 魚を狙っていたり木の陰で様子をうかがっていたりする。実はプエルの近くにもいる。

●敵勢力
 ・憂悦孤唱プエル 嫉妬の歪虚。主だったレチタティーヴォがハンターに討たれた後、紆余曲折してべリアルの下にやってきた。現在、ユグディラ捕獲大作戦中。木の上に隠れて様子をうかがっている。不利と感じると撤退する。

 ・マエロル 傲慢の堕落者の青年 プエルの下につけられて不満たらたら。仕事はする。木に……登れなかったので繁みに隠れて様子をうかがう。

 ・羊歪虚×8 白い羊と人間を足して割ったような姿。周囲を移動し、ユグディラ発見次第、罠に追い込もうとする。

 ・羊のぬいぐるみ×5 サイズ0、雑魔。あまり散らばらず、モフモフ動き回っている。柔らかいのが特徴。繁みに隠れつつ、ユグディラ来たら動く気満々。

マスターより

 こんにちは、狐野径です。
 前回のシナリオでべリアルの下に行こうとして、ユグディラめがけて走り込んだプエル。
 プエルはユグディラ捕獲作戦を遂行します。
 ユグディラの未来のために、皆さまご助力を。
 よろしくお願いします。

関連NPC

  • 憂悦孤唱
    プエル(kz0127
    歪虚|14才|男性|歪虚(ヴォイド)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2016/09/14 17:52

参加者一覧

  • 幻獣王親衛隊
    ザレム・アズール(ka0878
    人間(紅)|19才|男性|機導師
  • 王国騎士団“黒の騎士”
    レイオス・アクアウォーカー(ka1990
    人間(蒼)|20才|男性|闘狩人
  • 師岬の未来をつなぐ
    ミオレスカ(ka3496
    エルフ|18才|女性|猟撃士
  • 非情なる狙撃手
    コーネリア・ミラ・スペンサー(ka4561
    人間(蒼)|25才|女性|猟撃士
  • 一肌脱ぐわんこ
    小宮・千秋(ka6272
    ドワーフ|6才|男性|格闘士
依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
レイオス・アクアウォーカー(ka1990
人間(リアルブルー)|20才|男性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2016/09/09 11:39:59
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/09/09 02:19:03